【朝日観世音菩薩】
 過日、修行の後に「朝日観世音菩薩」の話が出ました。この観音様は、心蓮院日祥大法尼の結社に祭祀されていたのです。毎年4月28日の立教開宗の日に、信者と共に日の出を拝みながら唱題をしていました。その後道場に戻り、観音様に法味を言上したのです。法会が終わると、皆で朝食をとってから散会していました。
 まだ幼い私は、早朝に起こされるのが大変だったことを覚えていますので、かなり前から定着していた行事だと思われます。
 この観音様は馬のお姿をしています。インドの神典では、空を駆け上る朝日を「馬」と表現しています。馬頭観音様の密教名「甘露発生尊」は、永遠の生命を持つ太陽のことです。

  この観音様がなぜ結社に祭祀されるようになったか、はっきりとはわかりません。おぼろげな記憶では、昔、信者
のI家にあったのですが何らかの感応があり、I家から願われて法尼が結社に祭祀するようになったようです。
 I家には、子供の頃に何かの用事を法尼に頼まれて行った思い出があります。おそらく何かを届けに行ったのでしょ
う。I家の屋敷は広く、工場がありました。細身の優しい小母さんから、お駄賃とお菓子をもらったことがあります。

 この朝日観音様は、手足や腰の痛み、病気の時に快癒を念じて参詣すればご利益をいただけるという事でした。

 昔、大法尼の信仰のきっかけとなった足の病の原因は「馬の惨死」であり、大法尼はお題目を唱えることにより快
癒しました。それが「朝日観音様のご利益をいただいた」という事になり、「手足や腰の病を治してくださる」という信仰
の対象になったものと思われます。

 大法尼が遷化して、今年で50数年になります。今回、下記のように朝日観音様に改めて法味を言上する事になり
ました。四月にこのような法会をする事に決まったのも、不思議なご縁を感じております。
 どなたでも参席出来ますので、ご縁のある方、興味のある方、どうぞお出かけください。


【朝日観音様法味言上会】

日時 平成29年4月24日(月) 午後2時より

場所 埼玉県行田市堤根1262 日蓮宗 妙心教会
平成29年4月1日
妙心寺教会
老尼のお話の部屋
朝日観音