【鎌倉からの出発】
東松山から始めた行脚ですが、やはり「鎌倉から歩きたい」との思いが強くなってきました。
そこで「長野を行脚する合間に、鎌倉から歩くコースを入れながらやっていこう」ということになりした。
第十四回 平成15年9月24日 鎌倉「辻説法跡」から東海道線「藤沢駅」 約10km
平成26年11月1日
日蓮聖人を偲んで 私達の行脚の旅(4)
第十九回の「海老名」から「原当麻」への行脚の事を、Iさんが次のように書いています。
初めの頃は、行脚の前日になると子供が熱を出して欠席したりと、なかなか思うように参加することが出
来ずにいましたが、次第に参加することが出来るようになりました。
「お題目をしっかり唱えよう」という強い気持ちが湧いてきて、一生懸命に唱えながら行脚しています。
印象深いのは「海老名」から「原当麻」への行脚です。「星降り(ほしくだり)」の霊跡があるお寺を三ヶ所
廻りました。
最初は「妙純寺」です。本間家の本邸跡だそうです。
次は「蓮生寺」。日蓮聖人が安房の国に向かって御両親の追善供養をされたという事から、御両親の法
名を刻んだ五輪塔が境内にあります。
最後は「妙傳寺」。ここには本間家の観音堂があったそうです。
私はこの「妙傳寺」がいちばん印象深かったです。境内はとても落ち着きのある雰囲気で、山門には脇侍
として毘沙門天と持国天が配置してあります。ふと横を見ますと、釈迦堂があります。中を見ると何かあるの
ですがよく判りません。目を凝らして見ると、天井に届くほどの大きな釈迦如来立像が安置されているのです。
その大きさと威厳
に、思わず「おーっ」という声が出てしまいました。
この釈迦如来立像は高さ4.85メートルもあり、神奈川県で最大のものだそうです。皆様にも「おーっ」と
いう感動を体験していただきたいと思いました。
星降り(ほしくだり)の霊跡とは、「大星がとどまったという梅の木」です。三ヶ寺とも本間六郎左衛門重連の所
有地でした。そしてどのお寺にも梅の木があり、大切にされています。
大聖人のご生涯をたどっていくと、「同じ由来のお寺が近くにある」という事がよくあります。
「どの場所が本物なのだろうか」と言う人もいますが、大聖人をお慕いする心がこのような形で表れたのだと思
います。ですから、どのお寺のお話も真実だと受け止めています。
小降りだった雨が、龍口寺に着いた頃には大雨となりました。大雨の中、太鼓
は叩かずに傘をさして歩くことにしました。「袈裟懸けの松」を過ぎた頃には風も
出てきて、傘を持つのすら大変です。私の傘は壊れてしまい、休むところも見つ
からず、ひたすら歩くだけです。
心の中でお題目を唱えながら、やっとの思いで藤沢駅に着きました。皆も心の
中で唱えながら歩いたそうです。太鼓の打てない行脚修行はきついです。でも、
お題目を唱えれば、そのお題目が歩かせてくれるのです。
鎌倉からの第一回目がこの雨です。でも、この大雨のおかげで私の心が決ま
りました。
「この先何があっても雨天決行!天候に惑わされないぞ!」
第十五回 平成15年10月8日 「小諸駅」から信濃鉄道「大屋駅」 約13km
第十六回 平成15年10月22日 「藤沢駅」から小田急線「長後駅」 約10km
第十七回 平成15年11月5日 「大屋駅」から信濃鉄道「西上田駅」 約13km
第十八回 平成15年12月3日 「長後駅」から相模線「海老名駅」 約12km
第十九回 平成16年1月21日 「海老名駅」から相模線「原当麻駅」 約12km