【月天子】
　 月天子は法華経の序品では名月天子として、釈尊の説法の
座に居られ、大曼荼羅にも勧請されています。法華経の行者を
守護し迫害を加える者に治罰を加えると誓言をされた天王です。
文永八年(１２７１年)九月十二日、日蓮大聖人「龍口法難」の
折り、斬首処刑の寸前に江ノ島の方より月の如く光るまりのよう
な物が現れ、その場の人々は目がくらみ怖れて、刑は執行され
ませんでした。
そして翌日の夜、大聖人は兵士達の前で月に向かい
「月天子は法華経の行者を守護すると誓ったのではないのか。」

と申されると、天より明星の如き大星が下りて梅の木の枝にか
かり、兵士達は皆縁より飛び下りて大庭に平伏すると天はかき曇り大風が吹き、江ノ島が鳴り…空に響く事は
大いなる鼓を打った様であった。
　この二度の奇瑞は、大聖人の強い信力に月天子が感応し「法華経の行者を確かに守ります」とお応えした証
なのです。
　私は晴れた夜に月を見ると、月天子を思い御題目をお唱えします。これから月の美しい季節になります。
皆様も月に向かって合掌してみてはいかがでしょう。