【一粒の銀杏から】
　妙心教会の境内にある、今年で四年目になるイチョウの葉が開き始めました。山梨県の山中湖畔にある山中本陣（坂本家）の傍に「袈裟懸けのイチョウ」と呼ばれる木があります。日蓮大聖人自ら袈裟を懸けられたと伝えられています。そのイチョウの実が芽生えたのです。
　大聖人の足跡を辿って行脚を続けている当教会の行脚隊が、平成２５年に持ち帰った実です。池上へ向かう道中で山中本陣に立ち寄り、木の周りに沢山の銀杏が落ちていたので、それをいただいて帰りました。
　教会に戻ってから、境内で銀杏を分けました。その時には気がつきませんでしたが、たった一粒だけ地面に落としていたのです。
　しばらく後になって芽が出ている銀杏を見つけ、それを境内に植えたのです。その小さなイチョウの木が順調に生長し、今では1メートルほどの丈になりました。
　偶然に落ちた、たった一粒の銀杏から育っているイチョウを見るたびに、この教会と日蓮大聖人との強い結びつきを感じるのです。