1968年10月3日〜1969年3月27日放映(フジテレビ)
DVD-BOX 特典映像 |
登場人物紹介 |
第一話 狼少年登場 |
第二話 ロックの罠 |
第三話 ダイヤモンドX計画 |
第四話 呪いの予言 |
第五話 老バンパイヤの最后 |
第六話 恐怖の追跡 |
第七話 バンパイヤ委員会 |
第八話 秘密会議脱出 |
第九話 マッドパーの秘密 |
第十話 ロック対ルリ子 |
第十一話 狂気の叫び |
第十二話 夢の国は魔物の国 |
第十三話 消えた王女 |
第十四話 立ち上がれトッペイ |
第十五話 赤い満月の決斗 |
第十六話 人間狩り |
第十七話 パンク・マシーン作戦 |
第十八話 憎しみを越えて |
第十九話 ロックは死なず? |
第二十話 斗え、トッペイ |
第二十一話 マンモス原人登場 |
第二十二話 ヒューマン・S作戦 |
第二十三話 危うし 別府博士 |
第二十四話 第三の罠 |
第二十五話 恐怖のマッドパー |
最終話 亡びゆく悪魔 |
水谷豊さんが中学生の頃に主演された、手塚治虫氏原作の「バンパイヤ」を、実写とアニメを混ぜてドラマ化したものです。 白黒です。 そんなに古いのか・・・と思ったら、ちょうど白黒からカラーへ移行する時期だったそうで、けれどもアニメと実写の合成という性質上だか予算の都合で、白黒になった模様。カラーでないのはちょっと残念。でも、特典映像にカラーバージョンが少しだけ収録されています。 「バンパイヤ」と聞くと、吸血鬼を思いだしますけれども、このお話の中での「バンパイヤ」は、人外のものを指しているようです。いえ、このお話のコンセプトを考えれば、人外、というのは言い方が悪くて、標準的な人とかなり異質な部分を持った人のこと、と言ったほうがいいかもしれません。 主人公のトッペイくんは月をみたり興奮をすると、狼に変身してしまいます。ちなみに弟のチッペイくんは、丸いものを見ると変身します。バンパイヤ種族は、狼に限らず、様々なもの様々なきっかけで変身する人たちです。その秘密を握った悪の天才ロック(間久部禄郎)に利用をされて、悪に手を染めさせられるトッペイ少年のお話。 そもそもの始まりから、人里離れてひっそりかたまって暮らしていたバンパイヤ一族が、山間部の開発によってちりじりになってしまい、トッペイ少年が両親を探しに東京に出てくるところから話が始まります。 手塚治虫の漫画が好きなトッペイくんは、いろいろあって虫プロで見習いをさせて貰えるんですが、そんなとんとん拍子の中、話自体はとにかくトッペイくんが可哀想!(それに可愛い。ちなみに弟くんも可愛いです) にしても、このお話はといえば、トッペイくんが秘密を握ったロックの言うことをきいてしまうから、色々なことが起こっていくんですが、ドラマを見る限り、なんでまあ、殺そうと思えばひとおもいに殺せるロックの言うことを大人しく聞くのだろうかと、謎に思いながら見ていました。 確かに一度、ロックには命を助けられているんですが、それ以上にひどいことをされているし、助けたのは悪いことをさせるため、なんですから、恩を感じることもないんだけれどもね、なんて。 たしかにまあ、バレたら差別されるし、どんな扱いを受けるか分かったものではないですけれども、では殺せ、とはならなくて、トッペイくんが弟に語るところによれば、「狼になると身体の中があいつに従えと」言うからなのです。 人の心の中に必ずある、悪しき心、悪への憧れ、といったところなのでしょうか。 ちなみに原作でも、「人から受けた恩は必ず返さなければならない掟なんだ」という理由で、言うことを聞いてしまいます。 なんにしろ、間久部が働く家のお嬢さんを誘拐させられたり、途中でバンパイヤ一族の革命が起こったり、バンパイヤたちがどんどん捕まって収容されたり、警察に追われたり、その一方で悪の科学者と、良いほうの科学者の活動があったり、悪の科学者の発明した薬で原始人になってしまう人が出てきたり、原作では死んでしまう女の子が生きていて、トッペイは恋心を寄せていたり、良いほうの科学者がバンパイヤのために薬を開発したり、トッペイにとっては保護者的立場だった記者が死んだり、色んなことが盛りだくさんです。 当初、買ってはみたものの、子供の見る話だからなぁと、すぐには見なかったのでしたが、見始めたら面白かったので、かなり一気に見てしまいました。 原作の「バンパイヤ」、秋田書店の文庫の1巻には、水谷豊さんが解説を書いています。 『「人はこうあったほうが良い」「人の社会はこうあって欲しい」。バンパイヤはそういったメッセージが、人間の優しさを込めて伝わってくる作品だと思います。』 と、書いてらっしゃる通り、なかなか重いテーマのお話です。 ちなみに、ここが東京なのだろうか・・・というぐらいに、白黒だということをさっぴいても、昔の日本は驚くほど車もビルも少ない気がします。そんなあたりも含めて面白いです。 |