好きな作家・作品

とりあえず思い付くままに列挙していきます。
思いついたら少しずつ増えます。
似た趣味の方のお話が聞けたら嬉しいです。
作家の名前は、ウィキペディアに項目がある人についてはリンクしておきます。
気になったものは、Amazonでチェックしてみて下さい。


 ちなみに「主な著作」は読んだことのあるものから数点、という風に記入しました。
ものによっては全部の場合もありますが。

海外
作家名 主な著作 ひとこと
J.D.サリンジャー ライ麦畑でつかまえて、フラニーとゾーイ、
ナイン・ストーリーズ、大工よ屋根の梁を高く上げよ、シーモア〜序章
高校時代に「ライ麦」を読むつもりが図書館では貸し出し中で、代わりに読んだ「ナイン・ストーリーズ」に心を鷲づかみにされて、その後、順当に読んでいったのですが、どの作品も大好き。月並みな言いかただけれど、大好き。
ちなみに「フラニーとゾーイ」を悩み多き若き日に読み、読みながらシクシクすすり泣き、今になれば泣くような本ではないのですけれども、すごく大切な一冊になっています。
もちろん「ライ麦」も繰り返して読む本です。
チャールズ・ブコウスキー 町でいちばんの美女、ありきたりの狂気の物語、パルプ、
死をポケットに入れて、くそったれ少年時代、
ブコウスキーの酔いどれ紀行、勝手に生きろ!
そもそものはじめは、図書館で彼の伝記を借りて、その豪快な生きっぷりにひどく惹かれたことでした。
詩人である彼の詩を読んでいないんですが、短編も長編も、自伝、自伝的小説、日記や紀行、どれもツボにきます。
遅咲きの人で、様々な職も経験した酔っ払い。そんな感じです。
ちなみにこの人の豪快というか頽廃というか、単純に貧乏な酒呑みだが文学者なのだな、という生きかたは、ミッキー・ローク主演『バーフライ』という映画で見られます。
トルーマン・カポーティ 遠い声遠い部屋、冷血、ティファニーで朝食を、
夜の樹、草の竪琴
最初に彼を見たのはピーター・フォーク主演の「名探偵登場」というコメディでしたが、元々、『ティファニーで朝食を』の作者とは知っていたので興味を持ち、まずは「遠い声遠い部屋」を手に取りました。
何かが起こっているような起こっていないような、不思議でちょっとおかしな状況に置かれた少年の成長譚に、コレはほかのものも読まねば!と。
「ティファニー」は、映画よりも原作が好き。ヘップバーンに思い入れがないからかもしれんですが、でもAチームのハンニバルは好きなんですけどもね。
カーソン・マッカラーズ 夏の黄昏 実は彼女の作品は、古本屋で手に取った「夏の黄昏」一冊しか読んでいませんが、驚くほどに心に残り、何度も読み返している作品です。いつかAmazonで買い物をする時に、帳尻合わせが必要なときにでも文庫を買って読もうかな、と。
これまた何かが起こっているような起こっていないような、なのです。しかも成長譚だけれど成長した感じでもなく。兄が結婚する、背ばかり大きくなり過ぎた少女の話。すごく良いのです。
なぜか図書館でも近所の本屋でも他の作品を見かけないのですが、一冊しか読まずとも好きな作家に入れられる、と思いました。
レジナルド・ヒル
(別名:パトリック・ルエル)
ダルジール警部シリーズ(骨と沈黙、子供の悪戯、完璧な絵画、死者との対話、死の笑話集)
ジョー・シックススミスシリーズ(幸運を招く男、誰の罪でもなく)
大好きな推理作家なのですが、なかなか同士に巡りあえず。
なんとなぁく図書館で借りたダルジールものにハマり、その後他シリーズ及び短編などを読み、完全にハマりました。
ダルジールものはどれもこれも当り(とはいえ、初期よりも中期になってからのほうがいいんですが)なので、全部タイトルを羅列したかったんですが、多いので却下。
ちなみに「本の部屋」でシャーロック・ホームズを扱っている私ですが、ヒルも、「クリスマスの依頼人」というホームズのパスティーシュものアンソロジーで、「イタリアのシャーロック・ホームズ」というものを書いています。
シリーズものでないものも、ひねりがあっていい感じ。
F.スコット・フィッツジェラルド グレート・ギャッツビー、夜はやさし
雨の朝パリに死す
高校を転校して最初に出された宿題が、読書感想文だったのです。
で、書店で平積みになっていた、有名でもあり、どこか私が好きな本の匂いのする背表紙の解説で手に取りました。
そうして、確かに好きな世界でした。
フランソワーズ・サガン 悲しみよこんにちは、優しい関係、
絹の瞳、冷たい水の中の小さな太陽
そもそも本当は、恋愛小説はほとんど読まないのです。
恋愛小説の旗手のような彼女の作品群ですけれども、有名どころは読まなければと「悲しみよこんにちは」を読み(これは青春小説ですが)ツボにきて、まずは短編を読み、その、どこか熱を帯びていないような世界に惹かれ、「優しい関係」でノックアウトされました。
私の本棚にはあまり恋愛小説は並んでいないので、サガンの文庫が十数冊並ぶ様子を見るにつけ、なんだか妙な気がします。
スティーブン・キング スタンド・バイ・ミー、ゴールデン・ボーイ、ペット・セマタリー、
クリスティーン、シャイニング、ミザリー、ドロレス・クレイボーン
中学生の頃、故リバー・フェニックスが好きだった私。当然、ロブ・ライナー監督の「スタンド・バイ・ミー」も見たのですが、そこから小説に入りました。
有り得ない設定や一人称での長編でも、続きが知りたくてぐいぐいと惹き付けてくるエンターテイメント性がとてもいいです。
物語の面白さだけではなく、登場人物も魅力的です。
作者の『小説作法』も、キングに限らず小説を好き、物語が好き、という人には、面白いかと思います。
短編より中編、中編より長編、というのが、多分私に限らずの評価ではないかと思いますが、短編集の中にも好きな作品はあります。
日本
筒井康隆 東海道戦争、虚人たち、時をかける少女、家族八景、ベトナム観光公社、夢の木坂分岐点、残像に口紅を、
文学部唯野教授、朝のガスパール、ロートレック荘事件
国内の作家で一番に好きです。
友人に勧められた「俗物図鑑」を読み、短編集の「笑うな」を(ちなみにこれの中の、「傷ついたのは誰の心」がやけに好きです)読み、さらにどんどんと手に取って行くうちに、この人よりも天才なんているんだろうかと思うところまで行きました。
SF作家ですが、様々なものを書いてらっしゃいます。
縦横無尽に才能を
森茉莉 甘い蜜の部屋、恋人たちの森、
贅沢貧乏、私の美の世界、父の帽子、記憶の絵

森鴎外の長女。二番目の妻との最初の子で、腹違いの兄、赤ん坊の頃に亡くなった弟、妹(文筆家として有名な小堀杏奴)、一番下の弟がいます。
さて、最初に読んだのは、「恋人たちの森」と「私の美の世界」でした。どちらにも独特な美しさがあるのですが、小説のほうの多少乾いたものを内包する愛の世界と、少女めいたエッセイの雰囲気の違いもまた楽しいです。ちなみに同性愛を扱う作品が収録されていますが、多分男性でも、それほど嫌味を感じずに読めるのではないでしょうか。
「甘い蜜の部屋」は著者渾身の長編で、エロティックな場面はほとんどないものの官能的な小説。主人公モイラのようになりたいと思わぬ女などこの世にいるのだろうか、というほどの最強の美少女の物語。
独特の句読点や、美麗でありながらも毒をはらんでいたりといった文章はクセになります。
異常な気がするほどの記憶力、信じがたいほどの浮世離れぶり、よくまあこの人は一人で生きていたなぁとしか思われぬちょっぴり不思議な我侭さ、彼女が鴎外の娘であり、さらに文才もあった、という二点が揃っていなかったら、もしかしたらもっと早いうちにうっかり死んでしまったんではなかろうかという気がするぐらい。
しかしエッセイの作者とは別人が書いたような、小説世界。でも全部、森茉莉、とスタンプしてあるんですよね。
町田康 供花、壊色、
くっすん大黒、きれぎれ、
夫婦茶碗、へらへらぼっちゃん、実録・外道の条件、
屈辱ポンチ、

というかそもそも、私はこの人のことを大槻ケンヂがファーストソロアルバムでカバーした『メシ喰うな』で認識していたのです。
わりとそのカバー集は、ほとんどがオリジナルを欲しいと思わせるような曲ばかりで構成されていたのでしたが、「俺の存在を頭から否定してくれ」ではじまり、「おまえらはまったく、自分という名の空間に耐えられなくなるからといってメシばかり喰いやがって」ときて、「メシ食うな」と「人間」という言葉が繰り返されるその曲、かなりインパクトがあったのです。町田町蔵という名前にもインパクトがありましたし。
で、たまたま本屋で目にして、町田康イコール町田町蔵だと思い出して買った『きれぎれ』の次には詩集(しかしまだ、『全詩集』は読んでないのですが)の『供花』を読み、再販しているというのでINUのアルバム『メシ喰うな』も購入。エッセイや他の小説も読むように。
そんなこんなのうちに、町蔵、という名前から想像していたのとは違う美形だと分かり、あんまりスキスキ言うと美形好きだからなんじゃないの、とか思われたらやだな、なんて思ったものの。
その後、筒井康隆が褒めていたことを知り、どこかのブログでは大江健三郎と養老
江戸川乱歩 D坂の殺人事件、孤島の鬼、黒蜥蜴、赤い部屋、踊る一寸法師、
押絵と旅する男、パノラマ島奇談、淫獣、闇に蠢く

江戸川乱歩はエッセイ群もまた、非常に興味深く読める作家です。
独特の妖しい世界は、ハマってしまうと中毒になります。
作者がサインを求められると書き添えたという、「うつし世は夢 夜の夢こそまこと」という言葉を感じさせる、しかし耽美というわけでもないエログロも含んだ世界は妙に心地いいのです。
夢野久作 ドグラ・マグラ
瓶詰の地獄、押絵の奇跡、死後の恋、少女地獄、あやかしの鼓
読破すると精神に異常をきたす、などと言われる「ドグラ・マグラ」ですが、私は別段、精神に異常はきたしていない気が。
実は所有するのは「ドグラ・マグラ」「少女地獄」(どちらも入手し易いのです)だけなんですが、全集を図書館で借りたり、電子文庫をDLしてきたりしとります。
横溝正史 本陣殺人事件、悪魔が来たりて笛を吹く、
八つ墓村、獄門島
女王蜂、病院坂の首縊りの木、悪魔の手毬歌
乱歩と交流も深い作家であるし血生臭さ満載の話しも多いものの、本格推理。とはいえ、科学捜査が発達しているわけではないので、驚きの展開もままあります。人間の汚い部分や業をドロドロと描く人ですが、でも、面白い。
安部公房 箱男、砂の女、方舟さくら丸、
けものたちは故郷をめざす、他人の顔、壁
そもそもの始まりは、よく通った古本屋で同作者のものを数冊買い、たまたま医者に通っていたので待合の時間のために持って行った「箱男」。
そこそこ待たされたとはいえ、純文学を読む姿勢として果たして正しいのだろうかというほどのスピードで読み終え、興奮冷めやらぬまま、病院の帰りに本屋で数冊買い足したものでした。
倉橋由美子 スミヤキストQの冒険、ポポイ、パルタイ、蛇
ヴァージニア、暗い旅、夢の浮き橋、聖少女、
倉橋由美子の怪奇掌編
なにか読むものはないかしら、たまには女流作家で面白いものが見付からないものかしらと、本屋でいろいろと文庫の裏書を読み、それ以前に好きだったワイルドの「サロメ」に似たものらしいと認識した「ポポイ」を購入してから、この作家の作品を読むようになりました。
どうも初期は、書かれた年代のせいもあるんでしょうがちょっと思想が入っている風味ですが、そんなものは関係ないぞと読めば、普通に面白作品だと思います。思想で議論を戦わせたい人には悪いけど。
漫画
岡田あーみん お父さんは心配症、こいつら100%伝説
ルナティック雑技団
ほとんど漫画を読むことなく小学校高学年になった珊塔。
女の子らしさ溢れる話は興味が全くわかず、といって男の子たちの読む漫画にも興味がなく、『小学○年生』シリーズのドラえもんを読む程度で満足していました。
しかしある日、友人から借りた『りぼん』で読んだ『お父さんは心配症』にビックリ!
ああ、こういうのがあたしが読みたかった漫画なんだわ!というわけで、乏しいこずかいから毎月『りぼん』を買い、しかし他の漫画に興味は無かったからひたすら『お父さんは心配症』のみを読む、という勿体無い読み方をしておりました。
コミックスを買う、ということに、まだ思い至らなかった時代でもあります。
もしかしてお嫁にでも行って引退されたのかもしれないですが(コミックスを持っているので、作者が解説を書いたという文庫を持っていないのです)、新しい作品を是非読みたいものだと思います。
魔夜峰央 パタリロ!、ラシャーヌ!
ルル亀!妖怪始末人トラウマ!!、横須賀ロビン
パタリロ!源氏物語、パタリロ!西遊記
中学時代に転校先で仲良くなった友人から『パタリロ!』借り、それ以来大好きです。
基本的にギャグ漫画が好きだというのもあるし、漫画なのにトリビア的な部分もあったり、当時でさえすでに30巻以上が発売していましたがコツコツと集めました。
男性の作者ならではの感性と少女マンガの世界の融合した、とでもいうんでしょうか。
うすた京介 セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん
武士沢レシーブ、ピューと吹く!ジャガー
ある日、なんとなぁく本屋を歩いていた成人後の私。
成人後なので勿論、自由になる金も多少はあり、しかもすでに、子供時代にあまり漫画を読んでいなかったなんてウソのようだ、という勢いで漫画好きになっていたため、なんでもいいから面白いものはないものかねぇと、うろうろ。
CDで言うところのいわゆるジャケ買いとでも申しましょうか、いえ、タイトルの面白さに惹かれたというのも加味されはしますが、『マサルさん』で久々にギャグ漫画に興奮。
『ジャガー』でさらに作者は進化しています。
明智抄 始末人シリーズ、サンプル・キティ、キャプテン・コズミック
さいとうたかを ゴルゴ13 なにげなくコンビニで手にした安くなっているバージョンでドップリゴルゴのトリコ。
なんなんだこの超人ぶりは!?と思いながらも、とにかく面白い。
こういうこともあるのかもしれないなぁ、という、政治や経済の裏的な話も、なるほどなぁ、です。
モンキー・パンチ ルパン三世