始めに 田舎に土地を買い家を建てるとなると、ライフラインを引き込む必要があります。そこで、家を建てる場面での問題点を考えて見ましょう。 1.実務上の制限−1 上水・下水の確保 田舎で、かつ、人の居なかった(居なくなった)地域に土地を求めた場合、一番厄介なのが、上水の確保です。何せ水道等の埋設菅から遠い場所だったり、そもそも、水道が整備されていなかったら、井戸を掘らなくてはなりません。上質な地下水が比較的浅い場所に流れていれば、費用もそうでもありませんが、深い場所だと費用もかなりかかります。また、水質に問題ありなら、自前の浄化設備も必要になります。さらに、年に1度は、保健所による水質検査も必要になるでしょう。いずれも、地元の人や役場の水道課に問い合わせる必要が有ります。 上水があれば、下水も必要です。また、糞尿の処理も切実な問題です。単体浄化槽は、電気さえあれば稼動しますが、排水を無闇に川に流す訳には行きません。下流で田んぼの用水や上水として使用している場合、下流の水利組合や役場との調整が必要になる場合があります。吸い込み式にするにしても、寒冷地では、凍結問題もありますし、自分自身の井戸との関係もあり地下水の流れを考慮しないとなりません。 糞尿の場合、浄化槽で処理可能なら、問題ありませんが、汲み取りだと、行政サービスが受けられるか、自費で行者に頼むのか、役場に確認する必要があります。 2.実際上の制限−2 電気・ガス・電話等のライフラインの確保 電気の無い場所で、ランプの生活というのも、決して悪くはありませんが、ホーソでインターネットで仕事をしようとするなら、電気を確保しないといけません。太陽光発電や風力発電、水力発電等々、『北の国から』見たく自前で確保できるなら問題ありませんが、通常、電線の引かれているエリアから引いてこないといけません。そうなると、電柱を自費で買う(買わないにしても、相当の工事費用は請求されるでしょう)場合も出てきます。エリアを管轄する電気会社へ問い合わせが必要です。 ガスは、プロパンガスと言うことになるでしょうが、果たして配達可能地域かどうか、地元のプロパンガス屋さんに確認が必要です。 電気が通れば、電話は簡単(?)に引けます。が、当然工事費用や場合によると、敷設線の買い取りが必要になる場合もありますので、NTT等に確認が必要です。特に、インターネットで仕事をする場合、ブロードバンドの対応が可能か十分確認する必要もあります。 最近は、携帯電話が普及しているので、固定電話は要らないと、おっしゃるかもしれませんが、果たしで、アンテナの圏内に入っていますか?特に山の中では、電波が入らない場合もあります。 3.実務上の制限−3 冬の除雪 北海道や北陸等、積雪の多い地域では、生活道路の除雪は無くてはなりません。幹線から引っ込んだ場所だと、除雪車自身が入れず、自前で除雪なんてことになるかもしれません。これも、役場に確認が必要でしょう。夏の時期にその土地が気に入った場合など、冬の状態の確認は、必ずしないと、えらい目に遇います。 4.実務上の制限−4 台風の影響 九州、沖縄や、四国等、台風の通り道のエリアで、海岸線沿いに家を持とうとするなら、台風への備えも重要です。そうでなくとも、海岸線は、往々にして風が強いので、植物の栽培に適していなかったり、塩の影響で錆が発生するなど、都会暮らしでは予想もしない影響があります。これは、地元の人の意見を聞くことで、対処のヒントが得られます。 5.実務上の制限-5 谷地(やち) 乾燥していればただの草原でも、一旦雨が降ると、ズブズブの湿地に早代わり!谷地と言われる所を造成したり、水抜きした場合、管理が悪いと元の谷地に戻ってしまう場合があります。そうなると、とても家など建てられませんし、畑としても不適です。小川との位置関係や水はけも確認しましょう。 |
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2.立地条件・インフラ関係