モモ(桃) Peach
バラ科の落葉性の果樹と、その果実の総称。中国が原産地とされ、現在では世界じゅうの温帯地方や亜熱帯地方で栽培されている落葉小高木。
日本では果実用と鑑賞用花桃(ハナモモ)が各地で栽培されている。花は直径3〜5cmで、葉のわきに数個ひらく。ふつうはうすいピンク色で花弁は5枚だが、栽培種は白、赤、咲き分け、八重咲き、菊咲きなどいろいろある。果実用の主産地は山形県、福島県、山梨県、長野県、岡山県などである。ハナモモ系の品種は、シダレモモ系、ゲンペイモモ系、ジュウセイトウ系、キクモモ系、ホウキモモ系などがある。ハナモモは果実のできるものでも、小さくてふつうは食用にならない。
モモの種子は桃仁(とうにん)とよばれ、脂肪油、アミダグリン(配糖体)をふくんでいる。漢方ではこれを生理不順、鎮痛、消炎などにもちいる。また開花直前のつぼみを白桃花とよび、利尿、緩下(かんげ)薬にする。いずれも作用が強いので、家庭での薬用はさけたほうがよい。未熟な果実はアミダグリンをふくむので、食べると青ウメと同じ食中毒症状がでる。モモの葉を風呂にいれると、あせもなどによいとされ、古くからの民間療法となっている。
分類:バラ科サクラ属。モモの学名はPrunus persica。
Microsoft(R) Encarta(R) 97 Encyclopedia.より
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