2羽のうさぎが来てから1週間。小さい2羽のうさぎがいる、ほんわかした空気になじんできた頃、突然アミちゃんの具合が悪くなってしまいました。元気も食欲もなくなり、そのうちに後足が麻痺して歩けなくなってしまったのです。昨日まで普段と変わりなかったのに、何が起こっただろうと、ただ弱っていくアミちゃんに寄り添うしかできませんでした。その日のうちにアミちゃんは亡くなってしまいました。
翌朝、今度はなんとシャンテまで具合が悪くなっていました。アミちゃんの時と同じように元気なくごはんも食べません。おまけに後ろ足もひきずりはじめて・・・。
ああ、きっとシャンテも死んじゃうんだ。たった1週間しか私たちとはすごせなかったけど、小さいアミちゃんが天国で寂しい思いをしなくてすむね、と悲しい覚悟をきめました。
その日、夫と、アミちゃんを埋葬しに行こうと約束していた場所に、シャンテも連れて行くことにしました。多分、移動中にシャンテも亡くなってしまうのだろうな、と思いつつ。
アミちゃんのお墓に選んだのは、夫とわたしがよくバードウォッチングにでかけた
川のほとりでした。その場所に着いた時、シャンテは朝より具合悪そうに見えました。
飼われて1週間、ずっと部屋の中にばかりいたので、最期くらい自然を味あわせてあげようと、草のあるところにそっと、置きました。シャンテはうしろ足をひきずりながら
草のにおいをかいで、一口つまみました。そして、その後も何口も草を食べ始めたのです。
その時、川面を2羽の白鷺が仲良く川下に向かい飛んゆきました。そのうちの1羽が急に向きを変え、こちらに飛んできて、川上の方へ飛び去りました。
私たちは、戻ってきたしらさぎの姿に、シャンテは助かるかも知れないと、希望を託しました。
アミちゃんを埋葬し、帰途につく間も、シャンテはよろよろしながらも草をはんでいました。その後シャンテは次第に回復し、数日のうちに元通り、元気なシャンテにもどりました。
単なる偶然かもしれませんが、あの象徴的な2羽のしらさぎの事は、シャンテの思い出の中で、強く記憶に残っている出来事です。
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