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三度の飯より、音楽が好き!

1闇夜の鮟鱇★:2003/12/22(月) 13:26 HOST:161.net061198125.t-com.ne.jp
自殺関連の板などを覗くと『生きていてもただ苦しいだけだ、
何も生きる目的を見いだせないから今すぐ死にたい』
なんていう人が大半ですけど、私なんか、
何か一つ良い曲に出会っただけで、もう単純に
『生きていて良かった』と思っちゃう方ですからね。

そういう人たちも、音楽と言わず、何か一つでも、
本当に好きな物を見つけられるといいですね。
『国や社会の為に、自分には何も出来ることがない』なんて、
大げさなことを考えなくてもね、単純に『自分にとって、
これが楽しいから、これが気持ちいいから生きているんだ』
というだけで、生きる目的としては充分なんじゃないでしょうか!?


このスレッドでは、私の音楽的な好みを中心に、
四方山話風の雑談を書きたいと思います。
結局、音楽に関しては個人的な好みの差が激しいですから、
好みの合わない人と話を合わせるのは苦痛でしょうね。

ただ、自分の経験からすると、特に若い頃は、
どこにどんな良い音楽があるのかが分からなくて探すのに苦労しました。
無論、あちこち捜し回る苦労も楽しみの内と言えないこともないですが、
出来れば、自分の好みに近い評論家などを見つけて、
その人が良いというものを漁るとぐっと手間が省けたりしますよね。

その点は、まあ映画なんかにしても同じなんでしょうけど、音楽の場合、
人による好みが全く違ったりする点で映画の比ではないですからね、
自分の好みにあったものを探すのに余計に苦労するんだろうと思います。
ですから、このスレッドの主眼の一つも『そういう人たちの為に、
私の好みから見た音楽地図を提供できたらいいな』という点にあります。


その意味で、先ず私の好みを明らかにしておきたいと思うんですが、
クラシックで言えば、バッハが好きでベートーベンは嫌いですし、
ビートルズで言えば、レノンよりもマッカートニーが好きです。
ジャンル的には完全な雑食性で『良い音楽なら分野を問わない』
という主義ですが、最近の歌では鬼束ちひろの『流星群』とか、
平井堅の『Ring』なんかで『生きていて良かった』と思いました。

結局、長い間インテリ乞食をやってますと、CDを買う金なんてないですから、
大半はFMなんかから録音した音楽になるわけです。
そうすると、自分の好みに従って系統的に音楽を聞くなんてことは不可能で、
ラジオから流れる音楽は手当たり次第に何でも聞くことになるんですが、
結果的には、そのおかげで、あらゆるジャンルの音楽を、
何の偏見もなく、公平に聞き比べることが出来たんじゃないかと思います。

次回からは『この世で最も叙情的な音楽』というテーマで、
最初のシリーズを何回かに分けて書く予定です。
もし皆さんの中で、音楽の趣味が私と一致する方がいらっしゃいましたら、
何か書き込んでいただけると本当に嬉しいです。

2闇夜の鮟鱇★:2003/12/26(金) 12:24 HOST:187.net219096031.t-com.ne.jp
★★★この世で一番、叙情的な音楽(その一)★★★

ここでは三つの曲を取り上げる予定なんですが、
先ず最初は、とっつき易さを考えて最も短い曲にします。
で、この世で一番叙情的な音楽の一つ目として紹介するのは、
ビル・エバンスの『When automn comes』という曲です。

ビル・エバンスと言えば、ジャズファンならご存じでしょうが、
言うまでもなくジャズピアノの巨匠ですよね。
残念ながら、もう死んでしまいましたが、
数あるジャズピアニストの中でも私が最も好きな人です。

彼のアルバムの中に、東京公演のライブというのがあるんですが、
その中にこの曲がありました。
ジャズの場合、演奏する時と場所とで、味わいがどんどん変わりますから、
やはり、どの時のどの演奏と指定しないと、余り意味がないでしょうね。


東京公演なんて言うとあちらカブレの人は馬鹿にするかもしれないですが、
私の好みからすれば、このアルバムは
彼が残したものの中でも最高傑作の一つではないかと思います。
結局、あちらでのライブは『ブルーノート』みたいな小じんまりとした店で、
少人数を相手にリラックスしてやることが多いようですが、
そうすると、聴衆の立てる声や雑音が入って来たりするんですよね。

まあ『それがジャズというものだ』とゴタクを並べる人もいるんでしょうが、
私みたいに純粋に音楽だけ聞きたいという向きには、
やはり何といっても耳障りなことがあります。
その点、東京公演ともなると営業政策から言って(!?)必然的に、
『沢山の聴衆を相手にコンサート形式でやる』ということになりますから、
下手な雑音はないし、録音も割合キチンとしていると思います。


When automn comesという曲名は『秋の訪れ』とでも訳すんでしょうか、
そのメロディーと言い、演奏と言い、もう素晴らしいの一言に尽きますね。
しかも、幾ら聞いても飽きない、というのがビル・エパンスのすごい所で、
やはり、それが本物という奴なんでしょうか。
私なんか、この曲をもう長い年月、毎日聞き続けていますが、
いまだに飽きるということがありません。

まだ彼の演奏を全て聞いた分けではないので、断定はしませんが、
十中八九、この曲は彼が残した全作品の中でもベストワンだろうと思います。
特に、その叙情性という観点からすれば、
これは全ての音楽の中で三本の指に入るだろうと、というのが私の評価です。

3闇夜の鮟鱇★:2004/01/07(水) 13:09 HOST:042.net061211188.t-com.ne.jp
★★★この世で一番、叙情的な音楽(その二)★★★

さて今回、二つ目として紹介するのは、ブラジルの作曲家エイトール・ヴィラ=ロボスの作品です。
『ファゴットと室内オーケストラの為の七音による舞曲』という長い名が付いてまして、
私が聞いたのは、レフ・ペシェルスキーという人がファゴットを吹いた演奏でした。
演奏の技術的な優劣とか、そういう専門的なことは良く分からないんですが、
これまた、絶品といって良いでしょうね。
『叙情的とはこういうことだ』ということを、充分に分からせてくれます。
これ以上ゴタクを並べても意味ないでしょうから、後は自分の耳で確かめて下さい。


こうして、クラシック・ジャズ・ポップスと一通り揃った所で、
今回は音楽のジャンル分けについて、少し述べてみたいと思います。
先ずクラシックでは、バロック以前・ロマン派・現代音楽と三つに分ければ充分でしょう。
バロック以前といっても、グレゴリオ聖歌まで含めればかなり長い年月になりますが、
音楽ファンの別れ方からすると大体、そんな区切り方で話が済むと思います。

クラシック以外については、ジャズ・ロック・フォークの三分法で行けると思います。
その場合、各々の分野ついて更に詳しい固有の分類がありますが、それはやめておきます。
というのも、クラシックで肥えた耳からすると、
それらの中で聞くべき音楽は必ずしも多くないからです。


私の若い頃の経験からすれば、聞くに値する音楽の割合は、
フォークが10に一つ、ロックが100に一つ、ジャズが1000に一つという感じでしたね。
まあ、それはラジオで流される総量から見ての話ですから、現在はまた変わったかもしれません。
それに年を取るほど、ロックみたいなうるさい音楽は敬遠することになりますから、
今では、ロックとジャズで比率が逆になったような気もします。

結局、クラシックみたいに一定の年月を経て生き残った音楽には当然、駄作は少ない分けですが、
その点、今作られつつある音楽となると、玉石混淆になるのは仕方ないでしょうね。
フォークが10に一つというのは結局、音として耳障りな部分が少ないのが得をしている分けで、
すぐに飽きてしまうような曲も沢山あるだろうと思います。


他にも、ムード音楽だのラテン音楽だのといった軽い分野がありますが、
最近はやりのヒップポップなんていうのは、私に言わせれば、
音楽というよりは、詩の朗読の一形態だろうと思います。
無論、それが詩と呼ぶに値する内容を持っていればの話ですが……。
むしろ興味深いのは民族音楽の分野で、ガムランやケチャなんかは音の素材として面白いですし、
インドにもシタールなんて楽器があります。

また各国固有の民衆歌謡として、
フランスのシャンソン・米国のブルース・日本の演歌なんていう分野がありますし、
更に国内を見渡せば、民謡・雅楽に近頃はやりの声明なんてのもありますね。
特に津軽三味線なんかは、日本の民謡の中で唯一『芸術』のレベルに達していると思います。
他にも、能の謡曲・文楽の義太夫・歌舞伎の長唄など、邦楽と言われる分野がありますし、
一口に音楽といっても、実に多種多様な内容があることが分かりますよね。(続く)

4闇夜の鮟鱇★:2004/01/07(水) 13:10 HOST:042.net061211188.t-com.ne.jp
(続き)今後ここで主に取り上げるのは、クラシックを中心に
ジャズ・ロック・フォーク程度になると思いますが、
その場合、一つの分類法として、メッセージ性の強いものと弱いものという分け方があります。
つまり、ロックやフォークでは、その歌詞が重要な意味を持つことが多いですよね。
例えば、尾崎豊なんかが未だに若者から強く支持されるのは、曲の良さもありますが、
何といっても、その歌詞に込められたメッセージの訴求力が重要な部分を占めるでしょうね。
その点は、ロックも同じだろうと思います。

ただ、私のような音楽好きから見ると、かえってそのメッセージが邪魔になる場合があります。
つまり、ただ音楽を楽しみたいだけなのに、余計な歌詞が耳障りになることがある分けです。
例えば、最近の歌で『君の名前を呼んだ後に』(槇原敬之)なんてのは、
曲としては決して悪くないと思うんですが、
その歌詞を聞いてると『勝手にやってろ』なんて思っちゃいますからね。
まあ、マイホーム主義もいいんですが、洗脳が進んだ世相のせいか、
こんなやわで情けない男ばかりが増えるのも困ったもんだと思います。
尾崎豊の歌詞にしても、その後半(恐らく洗脳された後)のものは余り好きになれません。


他方、外国のロックなんかでは、やたらエロっぽい歌詞が耳障りで閉口することが多いですね。
例えば、ビートルズの曲で『カム トゥゲザー』なんてのは、もう完全なポルノですからね。
そういえば昔、ビートルズの歌を日本語に訳し、弾き語りしていた女性歌手がいましたが、
あの人は、この曲の歌詞をどんな風に訳して歌っていたのかが気になります(^^;)。
どなかたご存じでしたら是非、教えて下さい。

もう一つ例を上げると、ジョン・レノンの歌詞の中にも耳障りなものがありますね。
この人の場合は政治的なメッセージが多いんですが、
『当時は新鮮でも、今となってはちょっとダサイ』というのが少なくありません。
有名な『イマジン』という曲にしても『宗教のない世界が実現したらどんなに良いだろう』
なんて歌ってますけど、私は『宗教がなくなれば良い』とは思いませんし、
そんな薄っぺらな世界に住みたいとも思いませんからね。


そういう意味で、ロックやフォークと付き合うのは、
色々やっかいな場合があると思います。
それに比べ、クラシックは何といっても安心ですし、
ジャズにしても歌詞に頼る部分は少ないですから、
その意味で、余計なメッセージに介入される煩わしさがないのがいいですね。

ただ、それならクラシックだけとか、ジャズだけ聞いてれば良さそうなもんですが、
中々そうも行かないんですよね。
特に、私みたいに『家にいる間は音楽をかけっぱなし』という状態ですと、
飽きるのも早いですし、同質の音楽では耳が疲れるということもありますから、
色々なジャンルの音楽を適当に混ぜて聞くことが多くなります。
その辺の問題は、また機会があったらお話したいと思います。

5闇夜の鮟鱇★:2004/01/17(土) 10:09 HOST:035.net219096028.t-com.ne.jp
★★★この世で一番、叙情的な音楽(その三)★★★

最後の三つ目は、ある意味で一番とっつきにくい分野でしょうが、
いわゆる無調音楽の一つを紹介します。
アルバン・ベルクの『叙情組曲』という作品で、
私が聞いたのはアルバン・ベルク四重奏団の演奏でした。

そもそもが叙情的な音楽を紹介するという主旨なのに、
曲名からして叙情組曲では多少面白味に欠けますかね!?
ただ、調性というものを離れても、これだけ叙情的な音楽が作れる、
と言う点で、私には少し意外な感じがした分けです。


なじみのない方の為に、少し無調音楽の説明をしておきますと、
普通、西洋音楽では、いわゆるハ長調とかイ短調とか、
必ず調性というものがあって、
一つの中心音を基準に音の秩序が決められている分けです。

ところが、音楽やその理論がどんどん発展していく内に、
そうした調性音楽に飽き足りないという作曲家が現れまして、
それで色々と前衛的な音楽が作られた分けです。
最初は、和声をわざと無視して不協和音を入れたりしていましたが、
それが行き着いた所が無調音楽という奴でした。

別名を12音技法とも言いますが、全く調性を感じさせないように、
一オクターブの中の12の音を公平に使うというのが原則で、
12の音をひとつづつ使って自由に並べ替えた音列を作り、
それを元にして音楽を作ってしまう分けです。
前述したビル・エパンスもこの技法でジャズを作っていますが、
例のアルバムの『T.T.T.T.』という曲がそれです。


最初に無調音楽の話を聞いた時、
私は途方もなく広い領域があるかのように思ったんですが、
意外とそうでもないんですよね。
結果的に言うと、短調・長調に加えて、
もう一つ無調という種類が加わったという程度なんですね。
長調が楽しい音楽、短調が悲しい音楽という言い方をするなら、
無調は苦い音楽という感じでしょうか。

結局、メロディーを作るのに、
12の音を並べ替えるだけの自由度しかない分けですから、
ある意味では、ものすごく窮屈な音楽ですよね。
逆に言うと、調性音楽というものが開発し尽くされた結果、
この制限を外すと、すぐ調性音楽に聞こえてしまうという事情があるみたいです。

例えば、皆さんは、古い家屋で板張りの天井があったりした場合、
寝ころがって節穴を眺めていると『任意の三つの節穴が、
人間の顔に見えて来る』という経験をしたことがありませんか!?
それと似たようなもので、ちょっとでも調性に近い音の組み合わせを聞くと、
調性音楽に聞こえてしまうということなんじゃないかと思います。


で、無調音楽もすぐに使い尽くされてしまうのか、
この後の前衛音楽は、もはや音階というものから離れます。
つまり、ピアノの鍵盤の音から自由になる分けで、
ミュージック・コンクレートなんていうのは、
現実の音を組み合わせて音楽を作る分けです。
例えば、ビートルズの『Revolution 9』なんてのもその一例ですね。

でも私が聞いた限りでは、残念ながらベルクより後の前衛音楽で、
『繰り返し聞きたい』という音楽は見つかりませんでした。
電子音を使ったジョン・ケージとか色々沢山名前は聞きますけど、
少なくとも、ここ数十年位の間の前衛作曲家は、
今後、何世紀にも渡って受け継がれていくような遺産、
例えば、バッハやチャイコフスキーに匹敵するようなものを、
何も残せなかったと言えるんじゃないでしょうか。

私が知る限りでは武満徹が映画の為に作った『怪談』なんて作品は、
辛うじて引っかかるかもしれませんけどね。
まあ、私もそんなに沢山聞いた分けではありませんから、
まだどこかに隠れた名曲があるのかもしれませんが……
もし御存じの方がありましたら是非、教えて下さい。(続く)

6闇夜の鮟鱇★:2004/01/17(土) 10:11 HOST:035.net219096028.t-com.ne.jp
(続き)話を無調に戻しますと、最初にやったのがシェーンベルクという人で、
このベルクはその人の弟子らしいですね。
しかし、創始者のシェーンベルクの音楽というのは、
どうも無調の苦さばかりが際立ってしまって、
私なんかは、余り繰り返し聞きたいという気がしないんです。

それに比べ、このベルクの音楽は基本的にはロマン派と同じで、
例えば『ピアノソナタ・作品1』という有名な曲がありますが、
これなんかは非常にロマンチックな音楽なんです。
何故、調性がないのにロマンチックに聞こえるかが少し不思議なんですが、
ひょっとすると人間の脳の中で、
何か調性的なものに変換して聞いているのかもしれませんね。

で、一つの問題は『こうした取っつきにくい音楽をどう征服するか』
ということになると思うんです。音楽好きなら、
良い音楽があると分かっているのに、放っておく手はないですからね。
一つの考え方としては、先ずストラビンスキーとかプロコフィエフとか、
あの辺の不協和音に先ず慣れるのが良いもしれません。
プロコフィエフなんか、部分的には完全に無調に聞こえる音楽も作ってますし。


そして、後は如何に耳を慣らすかでしょうね。
始めからリキを入れて、分かろう分かろうと努力すると、
すぐ疲れて、かえって嫌になってしまうと思います。
一番良いのは、大好きな曲を入れてある良く聞くテープの末尾の余った所に、
こうした音楽を入れておくことでしょうね。

その点、昔は良かったんですが、最近のMDなんか、かえって困りものですかね!?
何しろ『末尾の余り』というものが必ずしもない分けで、
たとえ余っていても、自動的に頭に戻って再生してしまいますからね。
でも、例えば74分のディスクで、65分位しか使ってないなら、
あえて残りの9分に、こうしたものを詰め込んでおくという手があります。

当然、尻切れになりますが、耳を慣らすのが目的ですから、
全く問題ありませんよね。何か妙なる音楽が聞こえ始めたら、
その時点で改めて全体を聞き直せばいいんです。
その意味で、末尾に入れる音楽は長過ぎない方が良いでしょう。
余り長過ぎると退屈しますから、せいぜい5〜10分位が限度ですね。
無論、この方法は無調音楽に限らず、自分のレパートリを広げたい時に、
馴染みのない音楽に慣れる上ではいつでも役に立ちます。


こうした無調音楽で一つ面白いと思うことに、
『他の音楽によって干渉されない』という現象があります。
つまり、普通の調性音楽の場合、それを聞いている最中に、
別の調性音楽を同じ位の音量で流されたりすると、
まず確実に気分を壊されてしまうんですよね。

ところが、無調音楽の場合にはそれがありません。
元々が調性に頼らない音楽のせいなんでしょうか、
たとえ別の調性音楽が大音量で流れて来ても、
今聞いている無調音楽の感興が冷めるということがないんです。
これは中々不思議で得難い体験ですから、
皆さんも是非試して見ることをお勧めします。

7闇夜の鮟鱇★:2004/06/29(火) 10:41 HOST:203.net219096020.t-com.ne.jp
  ★★★魂の為の音楽★★★

前に、>>3の所で
『クラシックでは、バロック以前・ロマン派・現代音楽と三つに分ければ充分』
なんて書いてしまったんですが……
『じゃあ、古典派はどうしてくれるんだ』とか文句を言って来る人がいるかなあ、
なんて後になって気になりました。(^^;)

まあ、西洋音楽の教科書的な分類法では、
ルネサンス・バロック・古典派・ロマン派という分け方が主流でしょうし、
それは、音楽の様式から言っても一定の妥当性があるのかもしれません。
ただ、私のような素人からすれば、音楽理論だの形式だのはどうでも良くて、
むしろ、ひたすら音楽の内容だけから分類したい分けなんですよね。

例えば通常の分類では、バッハ・ヘンデル・ハイドンから、
モーツァルト・ペートーベンあたりまでをまとめて、古典派と呼ぶ分けですが、
私の考えでは、ハッキリ言って、モーツァルトとベートーベンとの間には、
その音楽の内容からして、越え難い断層があるように思うんです。
ですから、私としては、ベートーベン以降をロマン派と呼び、
それ以前をバロックと呼びたいんですよね。

古典派という呼称はその形式から来るのかもしれませんが、
バッハは古典派と言ったりバロックと言ったりしますし、
ベートーベンも古典派に入れたりロマン派に入れたりする分けです。
そこで、仮に両者を除いた部分を古典派と呼ぶことになると、
ヘンデルからモーツァルトという中途半端なことになって少し困るんですよね。

ならば、その部分もまとめてバロックに入れてしまえということなんですが……
まあ、どうしても古典派を残したい人がいるなら、一つの妥協策は、
バッハからモーツァルトまでを古典派とすることかもしれませんね。(^^;)
まあ、こうした形式上の分類はあくまで便宜上の問題ですからね、
私としては、余りこだわるつもりはありません。


で、問題はモーツァルトとベートーベンの間にある断層なんですが、
それを一言で言えば、魂の為の音楽であるかどうかということになると思います。
つまり、モーツァルト以前の作曲家は、
特に宗教音楽の分野において、魂の救済の為に音楽を作っている分けです。
ところが、ペートーベン以降の作曲家は単に、
人間の感性に訴える為の音楽しか作ってないんですよね。

それは、いわゆるロマン派音楽の特徴と言っても良いと思いますが、
例えば、キース・ジャレットというジャズピアニストがうまい事を言ってますね。
『自分は、音楽だけが連れて行ってくれる世界の為に音楽を作りたい』とか……
正確な表現は忘れましたが、確かそんなことを言ってました。
ある意味で、それはロマン派音楽の美学の本質なんじゃないですか!?

この人は、私がビル・エバンスの次に好きなジャズピアニストなんですが、
結局、この人の音楽も広い意味ではロマン派に属するんじゃないでしょうか。
言い換えると、ロマン派の音楽というのは『如何にして人間の感性に訴えるか、
如何にして人間の耳に心地よく響くか』という観点で作られていると思います。

それに対して、モーツァルト以前の音楽
(それは古典派・バロックからルネサンスまでを含めていいと思いますが)
は人間の感性に訴えるよりは、人間の魂に訴える傾向が強いんですよね。
ある意味で、ロマン派がブルジョアの為の音楽であるとすれば、
彼らの音楽は王侯・貴族の為の音楽と言えるのかもしれません。
そうした中でも、最も典型的なのがバッハの宗教音楽だろうと思うんですが、
彼の音楽は結局『人間の良心に直接、訴えかけて来る音楽』なんですよね。

こういう音楽を作った人は私が知る限り、他にはいないと思います。
少なくともクラシック畑にはいませんよね。強いて言うなら、
近年のロック音楽――それも最も良質なもの中に、
それに近いものがあるような気がします。
例えば、ロッド・スチュアートに『Smiler』というアルバムがありますが、
その中の『悲しき叫び』や『ディキシー・トゥート』にそれを感じます。
(続く)

8闇夜の鮟鱇★:2004/06/29(火) 10:45 HOST:203.net219096020.t-com.ne.jp
(続き)
最近、NHK FMの『バロックの森』という番組を良く聞くんですが、
その解説者の一人が『バロック音楽を代表する作曲家の一人』
とかいって、大バッハのことを紹介していたのが引っかかりました。
まあ、バッハをバロックに入れたり古典派に入れたりするのは前述した通りで、
その点は全く構わないですし、またロマン派を中心に聞く人が、
そういう価値観を持っているらしいことも、私は知っていました。

でも、バロック音楽のファンにして、そういうことを言うんですかね!?
私に言わせれば、大バッハは紛れも無く全ての作曲家の頂点に立つ人であり、
その音楽は、人類の全ての音楽を通じての最高峰であるだろうと思います。
だからこそ、米国が宇宙の果てに放った衛星に積まれた人類を代表する音楽は、
ベートーベンでもモーツァルトでもなくて、大バッハの作品だった分けでしょ!?

こういう事を言うとロマン派のファンは怒るかもしれませんけどね、
バッハの大きさに比べたら、ベートーベンなんてゴミみたいなもんですよ。
例えば、彼が作った『荘厳ミサ曲』という宗教音楽がありますが、
これなんか、先人の宗教音楽と比べたら実にお粗末な代物ですよね。
私なんか『この曲によって、ベートーベンは後世に恥をさらすことになった』
と考えてますからね、『こんな曲をほめる評論家はまさかいないだろう』
と思ってたんですが……最近いたのにはビックリしました。

結局、私が何故ペートーベンを嫌いかというと、
一度バッハの重さを知ってしまった後では、彼の音楽の重たさは中途半端で、
ろくなカタルシスもないというか、ただいらつくだけだからなんですよね。
言い換えれば、バッハの音楽の大きさ・深さに慣れた耳で聞くと、
例えば『月光の曲』なんて、とにかくダサイだけなんですよ。

仮にそのバッハの最高傑作を一つだけ上げろと言われれたら、
私の場合『ミサ曲ロ短調』になると思うんですが、
ハッキリいってこれだけのものを作られて、その後の作曲家がどうして、
再びミサ曲を作ろうなんて考えるのか、私には不思議なくらいなんです。
それでも、ヘンデル・ハイドン・モーツァルトあたりまでは、
まだ、それなりに恥ずかしくない作品を残していると思うんですが……
何といっても、ベートーベンの『荘厳ミサ曲』はいけませんね、
あれは後世の恥だと思います。


結局、バッハにのめり込んでしまうと、ベートーベン以外にも、
シューベルトとか、前期ロマン派の作品には、
余り食指が動かなくなるのかもしれませんね。
同じロマン派でも少し時代を下ったワグナーやショパンとか、
或いは国民楽派のチャイコフスキーとか、
その辺まで好みが一足飛びに飛んでしまうみたいです。

他方、バッハの作品なら何でもいいかというとそうでもないんです。
特に、世の中で良く知られている彼の作品の中には、あくまで
『ロマン派の観点から高く評価された作品』が少なくないんですよね。
例えば、その典型が『トッカータとフーガ ニ短調(BWV565)』ですね。
『ミレミー レドシラ#ソラー』っていうあの有名な曲ね。
私は、これほどバッハらしくない曲もないだろうと思うんです。

というのも、バッハは『大向こう受けを狙ったような曲』は、
他には決して作っていないからなんです。
つまり『どうだ、すごいだろう!』というタイプの音楽ですよね。
その手の作品なら、ロマン派には沢山ありますけどね、
例えばワグナーの『ワルキューレの騎行』とか、
リヒアルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』とか。
ところが、つい最近どこかで小耳に挟んだような気がするんですが……
『この作品が実は贋作である』という研究があるらしいですね。
私にしてみれば、もしそれが本当なら万々歳なんですけどね。(^^;)

もう一つ例を挙げると『フーガ ト短調(BWV578)』ね。
これも、世の中ではやたら有名ですけど、
私に言わせれば、やはりバッハらしくないですね。
ハッキリいって、あの大バッハが、
こんなに通俗的なメロディーを作ったなんて信じ難い所があります。
ですから私にして見れば、これまた贋作であって欲しいんですよね。
無論、有名な作品が全て駄目という分けではありません。
例えば『G線上のアリア』なんか、
私から見ても間違いなく名曲だろうと思います。

大分ため込んでいたのを久々に書いたせいか、
ちょっと取り止めのない話になってしまったようです。
バッハの音楽を語るとなれば、いつかは、
宗教カンタータについて書かねばならないと思うんですが……
いつになるんでしょうかね、今の所見当がつきません。(^^;)

9闇夜の鮟鱇★:2004/07/28(水) 09:28 HOST:183.net219117086.t-com.ne.jp
  ★★★ジャズの悦楽★★★

今、久々にオスカー・ピーターソンを聞いていて、
ふとジャズのことについて書きたくなったので、
今回はジャズについてひとくさり述べてみようかと思います。

先ず、私とジャズの出会いについてなんですが……
それは必然というよりは偶然というべきかもしれませんね。
というのも、その頃の私はバロック音楽にはまって、
もっぱらバッハなんかを中心に聞いていたんですが、
当時の流行として、バロックの名曲をジャズ風に
アレンジして聞かせるのが大はやりだったんですよね。

そう言えば、JSB(Jazz Sound Of Bach)なんていう、
紛らわしい名前のグループがありましたっけ。
無論、ヨハン・セバスチャン・バッハのひねりですよね。
他にも、ジャック・ルーシェ・トリオだとか、
ダバダバコーラスで有名なスイングル・シンガーズだとか、
色んなのがありました。で、正統的なバッハの演奏に飽きると、
そうしたアレンジが新鮮に聞こえるので、
好んでそういうジャズを聞いていたわけです。

しかし、その時点の私はまだ、真の意味で
『ジャズの魅力』に気付いていたとは言えないでしょうね。
何故なら『そもそもがパッハの名曲を下敷きにしている以上、
たとえどんな演奏をしようが、それが美しいのは当り前だ』
という風に考えていましたからね。
その後、暫くたって始めて純粋なジャズというものを聞いたんですが、
その中で、最初にピンと来たのがオスカー・ピーターソンだったんです。
それは、ビッグバンドを伴奏に彼がピアノを弾いている作品で、
特に『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』なんか最高でしたね。


良くジャズ番組なんかを聞いていると『スイングジャズのスイングとは
一体なんのことですか?』なんて質問する人がいるんですが、
大体の評論家は恐ろしく間抜けなのか、そうした質問に
まともに答えたのを、私は一度も聞いた覚えがありません。
まあ何事につけ『日本人には知ったかぶりが多い』という点は、
評論家だけに限った問題ではないんでしょうけどね。
きちんと物事の本質を踏まえた人間になりたいものです。

で、問題のスイングとは何かということなんですが、
それは現実に曲を聞いて見れば一目瞭然なんですね。つまり、
その音楽が体に入って来ると『ズンズン・ズンズズン』という感じで、
もう勝手にというか自動的に、体が左右に揺れ始めるんです。
つまり、音楽の心地よさが体の中にしみ渡って来ると、
もう、じっとしてなんか居られなくなる分けなんですよね。

それで、その時の体が左右に揺れて来るリズムというのが、
丁度、大時計の振り子が左右に揺れる状態とそっくりなわけで、
これを称してスイングと言うわけでしょうね。
つまり、Swing・swang・swungのswingですから、
振り子やブランコが左右に揺れるという意味ですね。


例えば、さっきの『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』だと、
ちょっとテンポが早過ぎるんですが……
多分『メロウ・ムード』という同じアルバムに入ってる曲で、
『イン・ア・メロウ・トーン』というのがあると思います。
これなんか聞くと『スイング』の意味が良く分かると思います。

似たような例で言うと、最近は余り聞かれないかもしれませんが、
昔、ロックの一分野でレイドバックなんてのがありましたよね。
あの場合は、エレキギターを抱えて演奏していると、
何かふんぞりかえったみたいな姿勢になって、つまり、
重心が自然と後ろに移動してくるという状態を言っているわけです。
だから、レイドバック(laid back)と言う名が付く分けですよね。
音楽では、こうした命名法が他にも珍しくないようですけど、
結局、何か『音楽の本質が体の姿勢にも影響する』みたいですからね、
音楽というものも、中々奥が深くて興味深いものだと思います。

で、そのオスカー・ピーターソンの音楽なんですが、
口の悪い人はワンパターンだとか言って批判するんですよね。
確かに、その音楽は少し型にはまっているというか、
ある種のコード進行から外には出ないようですからね。
その点で、物足りないという不満はあり得るでしょうね。
でも、私に言わせれば、あれだけ美しい音楽を作れば、
もうそれで十分なんじゃないですか!?
ひとりのピアニストに一体、それ以上の何を望むのかと思いますけどね。

確かにピカソみたいに、次々と作風を変えて
大天才と呼ばれる芸術家も世の中にはいる分けですが、
別にそれほどの大天才でなくたって、特定の領域だけでも
後世に残るような作品を作れたなら、芸術家としては、
それだけで、もう何も思い残すことはないんじゃないでしょうか。
(続く)

10闇夜の鮟鱇★:2004/07/28(水) 09:34 HOST:183.net219117086.t-com.ne.jp
(続き)
ところで実を言いますと、私はこのオスカー・ピーターソンという人を
長い間、白人だとばかり思い込んでいたんです。
まあ、私みたいにラジオ専用で音楽を聞いている人間にとっては、
音楽以外の情報は原則的に何も入って来ないという事情があるんですが、
そうした点は、悪い面より良い面の方が多いんじゃないでしょうかね!?

つまり、その音楽家の写真は勿論、その横顔とか経歴とか、
そういった周辺的な情報が何も無いわけですからね、
ある意味で、何の先入観も偏見もなく音楽だけを聴くには、
最高の状況設定なんじゃないかと思ってます……
まあ、負け惜しみかもしれませんけどね。(^^;)

で、何故そんな誤解が生じたのかということなんですが、
結局、彼の音楽が余りに洗練されていたからなんですね。
例えば、ブルースとかソウルとかゴスペルとかね、
いわゆる黒人音楽というのは大抵、何かこの相当に、
『泥臭い』というイメージがつきまとう分けなんですよね。

ところが、彼の音楽というのはそれとは全く正反対で、
実に見事にかつ素敵に、洗練された音楽な分けですよね。
それで『こんなに洗練された音楽を作る人は、
きっと白人に違いない』と何となく思ってしまったんですが……
今から考えても、そうした誤解は不可避だったような気がします。
彼はカナダ生まれだそうですから、或いはその辺に、
米国生まれの黒人との差があるのかもしれませんけどね。


ですから後年に、初めてテレビで彼を見た時はとにかく驚きました。
真っ黒な黒人で、しかもあの巨体ですからね。
ふつうの体格のピアニストの場合、最強音を出そうとすると、
その指先に全体重を掛けるという感じになるんですが、彼の場合は、
指先でほんのちょっと撫でると最強音が出るという感じなんですね。

似たようなことで言うと、全く分野は違いますけど、
カール・リヒターを初めて見た時もびっくりしました。
これはまだ、ほんの数年前のことだったと思いますが……
しかし、まるで電気技師か何かといった風貌ですからね。
実は他のサイトで彼の演奏を少しけなしたことがあるんですが、
そのちょっと冷たい感じのする演奏はなるほどな、
と納得が行った気がしました。

話が大分とんじゃったみたいですけど、問題はスイングでしたかね。(^^;)
結局、ラグタイムに始まり、デキシーランドジャズへと展開したジャズが、
その最初の大輪の花を咲かせたのが、いわゆるスイングジャズである、
と言って良いのではないでしょうか。
結局、色々あるジャズの中でも、最も実り多い部分が、
このスイングジャズとそれに続くモダンジャズあたりのように思いますし、
私が好きなのもその辺が中心です。

とにかく陽気で楽しいのがスイングジャズ、
少し知的でクールなのがモダンジャズだろうと思います。
最近のフリージャズなんかになると、クラシックの前衛と同様、
果たしてどこまで付きあえるかな、なんていう気がしますけどね。
まあ、私もジャズの歴史にはそんなに詳しいわけではありませんから、
以上はあくまで私個人の勝手な解釈と考えて置いて下さい。


例のオスカー・ピーターソンなんかは全面的にスイング系統でしょうね。
特にソロピアノやバイオリンと共演した作品には佳作が多いですが、
ただ、彼のアルバムには、ものによってひどく退屈なのもありますからね、
少し注意した方が良いと思います。つまり、
そうしたものだけ聞いて、彼の音楽がつまらないなんて誤解しないように。

まあ、これは他の分野でも似たようなものかもしれませんけど、
特に、ジャズ評論家が言うことは、全く当てにならない
というのが私の経験ですね。特にクラシックのファンからすると、
ジャズには全体的に通俗的なメロディーが多過ぎるんですね。
例えば、ビル・エバンスが影響を受けたとか言われる
『バド・パウエル』なんかにしても、相当通俗的ですしね、
私なんかが付き合える限界はその辺までですかね。

ですから、ラジオや雑誌でいわゆるジャズ評論家が言うことは、
全くあてにしないで、自分の耳だけを頼りに捜すのが良いと思います。
以前に >>3 の所で『ジャズの中で聞くに値するのは1000にひとつ』
なんて言ったのも、そうしたことへの警告を込めたつもりなんです。
まあ、バロックを編曲した作品なら問題ないでしょうが、後は、
ヨーロッパのジャズなんかを中心に捜すのが早いかもしれませんね。
結局、ヨーロッパというフィルタを通すことによって、
ジャズの中の通俗的な部分が濾過されてしまうんだろうと思います。

11闇夜の鮟鱇★:2004/10/02(土) 09:12 HOST:252.net220148239.t-com.ne.jp
  ★★★ジャズの戦慄★★★

ジャズについて少し書いたついでに、続けてもう一件書くことしました。
前回、スイング・ジャズについて述べた時にも少し触れたんですけど、
今回はモダン・ジャズについて、具体的な例を挙げてみようかと思います。
それですぐ思い付くのが『Love for Sale』という1958年の曲なんですが……
マイルス・デービス六重奏団とかいう名のオールスター演奏だったと思います。

まあ、元の曲自体はそれほどのものでも無い気がするんですが、
『ジャズに名曲なし、名演奏あるのみ』なんて言い方もありますからね。
つまり、ジャズの場合は原曲がどうあろうと、その出来ばえは、
専ら、即興演奏の出来に左右される部分が大きいということですよね。
クラシックでも、大バッハが手を入れると凡作が名曲に化けたりしますから、
即興中心のジャズでは、尚更そういうことが言えるのかもしれませんね。

その点でこの曲も、中々エキサイティングな出来栄えだろうと思うんですが、
特にこれを選んだ理由というのは、何と言ってもこの演奏の甘酸っぱい感傷が、
『モダンジャズ草創期の熱気』を伝えているように思えたからなんですね。
とは言っても、ジャズの歴史に詳しくない私が言うんですから、
余り当てにはならないと思いますが……。(^^;)


メンバーは弱音トランペットがマイルス・デービス、
アルト・サックスがキャノンボール・アダレイ、
テナー・サックスがジョン・コルトレーン、
ピアノがビル・エバンス、ベースがポール・チェンバース、
そして、ドラムスがジミー・コブでしたかね。

ジャズで一つ面白いと思うのは、そのリズムが計ったように一定していて、
寸分の狂いも無いという点なんですね。
クラシックの場合だと、感情の揺れに任せて音量もリズムも微妙に変化しますし、
ある意味で、そうした揺れの中にこそ演奏家の腕の見せ所がある分けですよね。

でも、ジャズの場合、そのリズムとコード進行について一定の約束があって、
後は各人が自由に即興演奏する分けですからね、誰かがリズムを乱せば、
演奏はメチャクチャになってしまうかもしれませんね。
その意味で、この曲なんか典型的なんですが、時計で計ってみると、
各人のソロ演奏がきっかり2分半づつなんですね。

まあ、大御所が集まったオールスターですから、
公平を期する必要もあるんでしょうか。最初にピアノの短い序奏があって、
トランペット・アルトサックス・テナーサックス・ピアノと2分半づつ続いて、
最後にもう一度トランペットの締めが1分半位あって終わるんですが、
これで大体12分位になるわけです。


それで、この曲の聞き所なんですけど……私にしてみれば、
やはり何といっても、ビル・エバンスのソロでしょうね。
これを名演奏にしているのも、彼の力が大きいだろうと思うんです。
既にお気づきとは思いますが、今までの私のジャズ論は、
大体がジャズピアノでしたよね。ある意味で、ジャズの中の
最も洗練された部分をあさって行くと必然的にそうなるような気もします。

まあ、私の好みとしてピアノの音色が特に好きだという事情もあるんですが、
私がジャズを聞く時は、どうしてもピアノから入って行くことになる分けです。
ですから、こうしたオールスター演奏なんかで、
ピアノ以外の演奏者を知ったりする分けなんですね。

で、その演奏者の方なんですが……トランペットはともかく、
二つのサックスを聞き比べると、少なくともこの演奏に限って言えば、
日本でやたら有名なコルトレーンなんかよりも、アダレイの方が、
その水々しさといい、技量といい一枚上手のように感じました。
キャノンボール・アダレイというのは、
確か自分のビッグバンドを率いているので有名な人でしたよね。

もっとも私はアルトサックスとテナーサックスの違いも良く知らないんですが、
クラシックで言えばバイオリンとビオラの違いみたいなもんでしょうかね!?
ぼんやり聞いているとその差に気付かない位かもしれませんが、
テナーサックスの方が本来の音域が低いせいで音が太めに聞こえますね。
因みに、この曲がどんなアルバムに入っているのかと、
少しネット上をあさって見たんですが……失敗しました。(^^;)
多分、有名な曲ではないかと思うんですけどね。
(続く)

12闇夜の鮟鱇★:2004/10/02(土) 09:16 HOST:252.net220148239.t-com.ne.jp
(続き)
ところで、ジャズの魅力の一つは何といってもジャムセッションというか、
その即興的な掛け合いにあるわけですね。
つまり、それぞれの楽器を受け持つ者同士が、
丁々発止とその個性をぶつけ合って、言わば喧嘩みたいになる分けです。
その点では、ピアノトリオの演奏なんかが特に典型的だろうと思いますが、
聞く側からすると、この人とあの人を組み合わたら一体どうなるんだろう、
なんて考えるだけでも楽しくなる分けなんですね。
そうした組み合わせの妙は、無限にあり得ますからね。

因みに、同じピアノトリオとは言っても、
クラシックではピアノ・バイオリン・チェロですが、
ジャズではピアノ・ベース・ドラムスとなるわけですね。
ベースというのはピッチカート奏法のコントラバス、ドラムスというのは、
色々な大きさの太鼓にシンバルなどを並べて手足を全部使って演奏する分けです。
ああした打楽器の構成というのは一体、誰が最初に考えたのか知りませんが、
ロックなんかでも全て同一なんでしょうかね!?
私は寡聞にして良く知りませんが。(^^;)

他の分野だと、こうしたオールスターの取り合わせは、
えてして馴れ合いに陥りがちで、何か生ぬるい妥協に終わることも
多いと思いますが、ジャズに限っては違いますね。
結局、これはある意味で自分だけ目立とうとする闘争みたいなもんですからね、
各人がそのプライドをかけて技術と演奏の粋を競い合い、火花を散らす分けです。
こうした掛け合いこそは、ジャズの醍醐味の一つに違いないだろうと思います。


もう一つ例を挙げると、キース・ジャレット・トリオの『ザ・リッチ』ですかね。
これはいわゆるブルース・ナンバーという奴で、
ミの音が半音ずり落ちるブルース特有の音階とコード(和音)を使う分けですが、
これまた大変力の入った、エキサイティングな名演になっていると思います。
途中から何か奇声が混じって来ますが、どんどんテンションが上がって行って、
何かキース自身がハイになって叫んでるみたいですね。

本来ブルースというのは
モダンとかスイングとかいう分類の外にある概念なんでしょうけど、
これも一応モダンジャズではないんでしょうか。最後の方になると、
ピアノのフレージングが、何かデタラメに弾いてる見たいに聞こえますけど、
多分、こういう風にリズムを外した感じで音を並べて行く所は、
いわゆるフリージャズの走りと言っても良いんじゃないでしょうか。

で、この曲の演奏者なんですが……これは『宝島』というアルバムに入っていて、
改めて調べ直した所では、トリオでなくカルテットだったみたいですね!?
ジャズ・ピアノというとトリオが一般的なものですから、さっきはつい
『キース・ジャレット・トリオ』なんて書いちゃったんですが、
まあ、その辺は余りうるさいことは言わないことにしましょう。(^^;)

ピアノのキース・ジャレットの他、
ベースがチャーリー・ヘイデン、ドラムスがポール・モチアン、
その他に、テナーサックスのデューイ・レッドマンが参加しているようです。
このアルバムでは、他にも『ヤキインディアン・フォークソング』
なんて曲がいいですね。余りジャズらしくはないんですが、
大変心にしみて飽きの来ない演奏だろうと思います。


ちょっと長さが中途半端になったので、おまけにもう一つ。(^^;)
『ジャズに名曲なし』という話に関して、最近一つ驚いたことがありました。
ビル・エバンスのアルバムの一つで『ワルツ・フォー・デビー』
というのがあるんですね。図書館でたまたま目について聞いてみたんですが……
これなんか、やたら評判が高い割に私はもう一つ関心しませんでした。

全体としてみると、彼の残したアルバムの中では凡作ではないんでしょうかね。
評論家が言うのと自分の耳で聞くのとが全く一致しないのは、
まあ、ジャズに関してはいつものことなんですけどね。(^^;)
ただ、その中で一曲だけ気に入ったのがあって、
『マイ・ロマンス』という曲がとびぬけて素晴らしかったんですね。
それで後から、色々とネット上で曲の素性を調べたりしたんです。

ところがところが……何とこの曲は、前に紹介した『When autumn comes』
と同じアルバムに入っていたということに、つい最近気が付いたんです!
全く同じ曲なのに、以前の演奏では特に目にも止まらなかったので、
すっかり忘れてしまっていたみたいなんですが……
この辺が、やはり『ジャズに名曲なし』ということなんでしょうね。
改めて納得しました。(^^;)

13闇夜の鮟鱇★:2004/10/09(土) 10:11 HOST:40.net220148226.t-com.ne.jp
  ★★★ロ短調と聖家族教会★★★

バッハ(というか全ての音楽)の最高傑作としてミサ曲ロ短調を挙げたんですが、
実は、この曲に関しては前々から少々気になっていることがあるんですね。
つまり、この曲は全曲演奏すれば二時間前後もかかる分けですからね、
FM放送なんかでは一度に全曲を放送することは滅多にないわけです。

それで大抵は一部を抜粋して紹介することが多いんですが……
その抜粋のやり方というのがどうにも気に入らないんですよね。
そう言えば、例の『バロックの森』では最近『クレド』だけ放送してましたね。
一体どういう価値観に基づいて抜粋しているのかは知りませんけど、
良くあるのが最初(キリエ)と最後(アニュスデイ)だけという奴ですね。

でも……この曲に限って言うと、頭と尻だけやっても
余り意味がないんじゃないでしょうかね!?
無論、名曲という以上は、どこを切りとっても、
それなりの内容があるのは事実なんですけどね。
でも何の予備知識もない人が、そこだけを聞いたとして、
果たして一体何が分かるのかという気はしますよね。


例えば、同じバッハの大作としてこのロ短調と双璧をなすとも言える、
『マタイ受難曲』というのがありまして、これも大体2時間位かかるんですね。
で、世間の一般的評価としては多分、ロ短調よりもむしろこっちの方を、
バッハの最高傑作として挙げる人の方が多いんじゃないかと思いますが、
実は、この二つの大作は全く異なる構造をしてるんです。

つまり、マタイの方はある意味でオペラに近い作りで、
新約聖書のマタイ伝に描かれたキリスト受難の物語を元に、
ストーリーに音楽を付けていく感じになっている分けです。
その意味で『福音史家』なんていうのが出て来て、
物語の進行役を勤めたりするんですよね。

もっとも、私にとってドイツ語はチンプンカンプンですから、
その辺の詳しい所は想像の域を出ないんですけどね。(^^;)
ただ、物語のポイント毎に音楽のクライマックスがあるわけで、
山にたとえれば八ヶ岳みたいに峰がいくつもある分けです。


それに比べ、ロ短調の方はラテン語の典礼文というのがありまして、
それに音楽を付けるわけですが、こっちはむしろ交響曲に近いんですね。
つまり、全体が富士山みたいな構造をしていて、
一つの大きな峰があって、前後に尾を引くような感じでしょうかね。

その意味で、中央に大きなクライマックスがあって、
前後はそれを盛り立てるような構造をしている分けです。
具体的に言うと、そのクライマックスにあたるのが、
ロ短調で言うとサンクトゥスとベネディクトゥスなんです。

ですから、頭のキリエと尻のアニュスデイだけを聞いたんでは、
何かロ短調のカスをつかむみたい感じになってしまうんですよね。
それでも、キリエは一応聞き応えがありますが、
アニュスデイの方はどうなんでしょうかね。
あれは結局、大きな興奮の後の熱さましみたいなもんですからね、
あれだけ聞いても、ちょっと欲求不満に陥るような気がしますけどね。


その点がマタイ受難曲との大きな違いなんです。
マタイの方は頭からズドーンと来ますからね、
最初から、いきなりクライマックスみたいなもんですね。
結局、音楽の構造として見た場合、マタイの方は各所に山があって、
その間に平原があるという感じでしょうかね。

その場合、ドイツ語が分かる人なら、その平原の部分でも、
福音史家が朗読するドイツ語の物語などを聞いていれば、案外、
退屈はしないのかもしれませんが……私みたいな外国人が聞く場合、
どうしてもその部分で退屈しがちなんですね。

ですから、私の場合、マタイ受難曲を聞く時はいつでも、
山の部分だけを集めた抜粋を聞くことにしてるんです。(^^;)
それに比べると、ロ短調の方はある意味で音楽的な構成としては、
マタイよりもっと緻密で、退屈する心配が無いわけですね。

結局、ミサ曲の典礼文という奴はラテン語ですからね、
普通のヨーロッパ人にとっては呪文みたいなもので、
日本人が梵語のお経を聞くみたいなものかもしれませんね。
その意味でも、言葉より音楽的な構成に重点が置かれるんだろうと思います。
そうした点から、私の場合どっちが上かという判断になると、
どうしてもロ短調を先に挙げる結果になってしまうんですね。
(続く)

14闇夜の鮟鱇★:2004/10/09(土) 10:16 HOST:40.net220148226.t-com.ne.jp
(続き)
ただ、こうした2時間もかかる大曲を紹介する場合、
いきなり全部聞けというのは、やはり不親切かもしれませんよね。
その意味で、ロ短調の構造について少し解説してみようかと思うんです。

ロ短調の場合、先ず最初にキリエがあって、
その歌詞がキリエ・エレイソン(主よ哀れみ給え)
クリステ・エレイソン(キリストよ哀れみ給え)
ですからね、まあここは結構重たいんです。

しかし、その後はかなりおとなしい感じの音楽になって、
グローリアとクレドは、何かクライマックスの爆発的な歓喜に向かって、
ひたひたと潮が満ちて行くような感じで盛り上げていく分けです。
そして、クレドの最後には『いよいよクライマックス』
という予感を残して終わる分けですね。


ですから、ここだけを聞かされた日には、
何か『目の前に御馳走を沢山並べられて、
食べようとしたその瞬間に引っ込められた』
みたいな気分になるんじゃないでしょうかね!?
そして、次に問題のサンクトゥス・ベネディクトゥスが来て、
最後にアニュスデイで締めるという分けです。

それで、どこから聞くかということになるんですが……
先にも書いた通り、名曲ですから全部良いと言えば良い分けです。
でも、一部だけ選ぶとすれば当然クライマックスでしょうね。
で、そのクライマックス構成なんですが、
サンクトゥス〜オサンナ〜ベネディクトゥス〜オサンナ
という並びになっています。

サンクトゥスは『聖なるかな』という歓喜のメロディーで、
その圧倒的な迫力は、まさに指揮者の腕の見せ所ですよね。
それに続くオサンナもまた、それに劣らない歓喜の音楽です。
この後にベネディクトゥスが来て、
再び同じオサンナの歓喜が繰り返される分けですが……
間に挟まるベネディクトゥスは一転して、暗く悲しい音楽なんですね。


まあ、バッハという大天才はキラ星の如く名曲を残していますが、
それでも、これほど沈痛で、これほど哀切で、しかも、
これほど真情にあふれた、心にしみる曲が他にあるでしょうか!?
もし、ロ短調から一曲だけを聞きたいという人がいるなら、
私は迷うことなく、このベネディクトゥスを勧めます。
それで涙を流した後には、オサンナの歓喜が、
きっと心地よく響くだろうと思います。

因みに『バロックの森』みたいな朝の番組の場合、
ロ短調のクライマックスを取り上げるのは無理かもしれませんね。
朝の寝起きに、いきなり全力疾走する見たいなもんですからね。
その点『ベネディクトゥス』なら問題ないだろうとは思いますが……。


ところで『オサンナ』に関しては私には忘れられない思い出があるんです。
昔、貧乏旅行で南欧を旅していた時に、
スペインのバルセロナという街を通ったんですが……
何かのパンフレットで、目立つ建造物が目について、
是が非でもそこに行きたくなった分けです。
それがサグラーダ・ファミリアという教会(聖家族教会)だったんですね。

普通の場合、写真で気に入って大いに期待して行くと、
その期待が大き過ぎてガックリすることも少なくないんですが……
この時は、実物を観てその迫力に更にびっくりしましたね。
例えて言うなら、ロケットが林立しているみたいな感じで、
でっかい尖塔が並んでいる風景は、宇宙都市みたいでした。

実はこれはアントニオ・ガウディという著明な建築家が設計した建物で、
当時はそれほどでも無かったですが、今では結構有名になりましたよね。
で、その尖塔の一つに登ってみたんですが……
途中までエレベータがあったような気もします。
足で全部登るとしたら、結構大変かもしれませんね。
(続く)

15闇夜の鮟鱇★:2004/10/09(土) 10:21 HOST:40.net220148226.t-com.ne.jp
(続き)
で、てっぺん付近について、ひょいと窓から外を見ると……
隣に別の尖塔が見えていて、何か文字が書いてある分けです。
それが『Hozanna in Exchelsis』とかあって、はっとしたんですね。
ネット上で捜してみたら、こんな写真がありましたが……
これでは、ちょっと読めませんかね!?
  http://www.h3.dion.ne.jp/~aqua21/image/Gau-top.jpg

南欧の言葉では頭のHは発音しませんからね、
『オザンナ イネクチェルシス』となりますよね。
これはロ短調で耳に残っていた『オサンナ・イネクツェーチス』
のことに違いないと気がついた分けです。

先にも述べたように、ヨーロッパ人でも、
インテリでもない限りラテン語なんて分かりませんからね。
これは仏教で言うなら、例えば般若心経の末尾にある
『ギャーテー・ギャーテー・ハラギャーテー』
みたいなものじゃないかと思います。(^^;)

この圧倒的な迫力の教会の尖塔に、
ロ短調のクライマックスの歌詞が埋め込まれていることに
私としては、かなりの衝撃を受けた分けです。
まあ、この教会にあの歓喜のメロディーはピッタリかもしれませんね。


南欧の都市の場合、町の中心にはかならず壮大な教会がありまして、
それをカテドラルという分けです。
その巨大な塔はかなり遠くからでも目立ちますからね、
放浪の旅なんかする場合に、これは良い目印になるんですよね。
このカテドラルは町の宗教的な権威を代表していて、
大体その町で一番偉い司教か何かがいるわけです。

で、実はバルセロナのカテドラルというのは別にありまして、
それはかなり古い建造物なんです。
それに対し、例の聖家族教会はまだ建築中で、
将来はこちらが新しいカテドラルになるとか聞きました。
それなら、いつかこの教会が完成した暁には再び訪れて、
その完全な雄姿を見たいものだと当然、私は考えた分けです。

ところが……あと何年位で完成するんですかと尋ねた所、
100年かかるか200かかるか分からないと言うんですよね!?
これは、とても私の生きている間には、
間に合わないなと観念しました。(^^;)


実は、この聖家族教会には地下室のような所があって、
そこに小型のミニチュアみたいなのが置いてあるんですね。
結局、そこで原形を作りつつ一つ一つの石の形を決めて、それに合わせて、
本体に積み上げる石を一個づつ金槌とノミで削っているみたいなんです。
ですから、何百年もかかるというのは当然かもしれませんね。

結局の所、パリのノートルダム寺院を始めとして、
こうした西洋の大規模な教会建築というものは、
大抵の場合、何世紀もかけて建設されているらしいですね。
でも、そういうスケールの大きさって、
日本人にはちょっと想像つきませんよね!?

日本では大抵の建物は、長くても5年もかかれば出来ちゃいますからね。
世代から世代へと受け継ぎながら何百年もかけて作るという発想は、
少なくとも日本人の思考の枠を越えてるような気がしました。
日本人の場合、長期的な思考といってもせいぜい10年単位ですよね。
100年単位で物を考えられる人なんて殆どいないだろうと思うんです。

でも、大陸的思考というのか、ヨーロッパ人の場合、
100年単位で物事を押し進めるというのに衝撃を受けました。
しかし……更に言うと、ユダヤの謀略というのは、
1000年単位みたいな気もしますからね。
ひょっとすると、上には上があるのかもしれません。(^^;)
その辺の話は、また機会を改めて別の所でしようと思いますが……。
(完)

16闇夜の鮟鱇★:2004/10/25(月) 20:54 HOST:61.net220148236.t-com.ne.jp
  ■訂正■
ここの>>15番もミスがありましたね。『年』が抜けてました。(^^;)
言わずもがなかもしれないですが……気になったのでついでに。

  『100年かかるか200かかるか分からないと言うんですよね!?』は
  『100年かかるか200年かかるか分からないと言うんですよね!?』です。

17闇夜の鮟鱇★:2004/11/01(月) 18:08 HOST:133.net220148230.t-com.ne.jp
  ★★★バッハが作ったブルース★★★

いよいよ、問題のカンタータということになるんですが……
何から書いて良いか分からない面も多いので、取り敢えず、
耳についた所から書くことにしようと思います。(^^;)
最近『バロックの森』でカンタータ80番『神は我が櫓』をやってましたね。
指揮者がフィリップ・ヘレベッヘで、今では随分著明な人みたいですが、
どういう分けか、これが私のような人間には全く馴染みがないんですね。

ネット上を少しあさってみた所では結構、古株らしいんですが、
まあ、私も色々あって長いこと遠ざかってましたからね。
日本で有名になったのは割と最近なんでしょうか、
ネット上を捜しても顔写真が一枚も出て来ませんでした。
(その後、英語サイトで見つけましたが……
Herrewegheなんて偉くややこしいつづりですね。(^^;))

大分前に別の所でカンタータを紹介した時に、
個人的なお勧めとして45番『人よ、汝に良きこと告げられたり』と、
36番『喜びて舞いあがれ』を挙げたんですけどね。
  http://bbs8.otd.co.jp/877100/bbs_plain?base=325&range=1
実を言うと、この36番については私の中ではまだ評価が未確定で、
ちょっと先走りし過ぎたかなという気もしているんです。


というのも、実は私のMDプレーヤが暫く前に故障してしまって、
せっかく録音したMDが聞けなくなっちゃったんですよね。
私のようなインテリ乞食にしてみれば、虎の子の現なまをはたいて、
ようやく手に入れたミニコンポだったんですけどね、
まともに動いたのはたった1年半位でしたね。

まあ、メーカが二流だったのもいけないんでしょうけど……
それ以前に、MDなんて規格を作ったソニーという会社が、
許せないような気がしました。(^^;) というのも、
ネット上で色々調べた所では、MDの光学ピックアップという奴は、
せいぜい1000〜1500時間程度の寿命しかないらしいんですね。
  http://www.ne.jp/asahi/fbeat/africa/40-diary/40107.html
  ちなみにこのレーザ・ピックアップは1000時間が交換の目安とのこと。

ですから、私のように一日中かけ放しで聞いていると、
『10時間×365日=3650時間』ですからね、
一年半で壊れても、ちっとも不思議ではないわけです。
それで壊れた部品を取り替えるとなると1万円以上もかかるらしいですからね。
『昔のレコード針と同じ消耗品だ』なんて言う人もいますけど、
レコード針は一本一万円もしなかったんじゃないでしょうか。


その意味では『何万円もする機械で、たった1〜2年で壊れるような
商品を作るな』って思いませんか、皆さん!?
その点で、どうもソニーというメーカの評判は余り芳しくないようですね。
  http://www.mitene.or.jp/~ichiro-u/famicomfukui2.htm
  ふーーーん、ここに持ち込まれるプレステ2も上記の型番では
  ソニータイマー(ピックアップの不良)が発動されている物が多いのね
  ・・・と言うことを感じさせる一幕でした。

これを読んだ瞬間、私なんか思わず笑っちゃいましたけどね。
『ソニータイマー』をGoogleで引くと、
他にも沢山あってびっくりします。(^^;)
いくら儲ける為とはいえ、事前に壊れる寿命を設定しているとしたら、
いわゆる商道徳に著しく反しているのではないでしょうか。
そう言えば、私もラジカセの修理は随分やりましたが、
ソニーの機械の場合、大体5〜6年もすると
モーターのゴムベルトが必ず切れるような印象がありましたね。
他のメーカの場合は滅多に切れないんですけどね。

で、今その代わりに動いているのが、
大昔のオープンデッキ(テープレコーダ)なんですね。
実は昔、秋葉原にテレコを買いにいった時、
手頃な値段でソニーとビクターがあったんですよね。
それで、どちらにしようかと少し迷った末に、結局、
デザインか何かでビクターを選んだんですが……
今にして思えば大正解でしたね。
何しろ、この機械はあれ以来、30年以上現役で動いていますからね。(^^;)
(続く)

18闇夜の鮟鱇★:2004/11/01(月) 18:10 HOST:133.net220148230.t-com.ne.jp
(続き)
まあ、あちこち傷んで自分で修理したので、
もう原形をとどめていない(笑)かもしれませんが、
メカやボリュームなんかはともかく、核心の回路部はキチンとしてますからね。
(そんな所が壊れたら、素人にはとても手に負えません。(^^;))
更に言いますと、アナログ時代には音質が悪いメーカとして、
マニアの間ではソニーとナショナル(テクニクス)が定番でしたね。

それに比べると、ビクターなんか
音響専業メーカ以外では健闘していた部類ですよね。
私なんかも、音質に関してはビクターは許容範囲だと思ってました。
私の好みで言うと、ヤマハの音がベストだったんですが、
ピアノのメーカのせいか、硬質の透き通った音がするんですよね。
それから、パイオニアの柔らかい音も好きでした。
実を言うと今使っているスピーカーが、
拾って来た(^^;)パイオニアの奴なんですが、これが結構悪くないんです。

もっとも最近のデジタルでは、音質の概念が革命的に変わりましたからね。
例えば、S/N比なんていう概念は今では事実上消えちゃいましたしね、
今の時点でメーカの音づくりへの評価がどうなのかは、寡聞にして知りません。
ただ実を言えば、本当に音楽が好きになってしまうと、
もう音質なんてどうでも良い、ということも言えるんですよね。
実際問題として今だって、相当ひどい音質で聞いてますからね。(^^;)
でも例えば、皆さんは『ラジカセのひどい音質で聞いていると、
かえって感動を誘うことがある』という経験をしたことがありませんか!?


結局、音質が悪ければ悪いほど、耳がそれを補おうとして、
想像力を働かすのかもしれませんね。
ちょっと例は良くないですけど、ポルノ映画なんかでも、
全てあけすけに出すよりも、ボカシが入っている方が、
逆に想像力を刺激してエロチックに見えるということがありますよね。

昔、ある有名なエロ映画(自称芸術映画(^^;))があって、
日本では映倫の検閲で『ぼかし付き』でしか上映できなかったんですね。
それがしゃくにさわっていたせいか、その後、外国旅行中に、
たまたまやっているのを発見して、ぼかし無しのを見たんですが、
かえってつまらなかったことを覚えています。

何か、途方もなく脱線しましたかね!?(^^;)
でもまあ、元々が四方山話ですからね、こんなもんでしょう。
とにかく『MDプレーヤがいかれたのが腹に据えかねた』
ということを言いたかったわけです。
そんなわけで、現時点では36番についての正確な評価はできないんですが、
仮にそれを除くとすると、問題の80番は45番の次に私の好きな作品なんですね。


まあ、200近くあるバッハの教会カンタータの内で、
私が聞いたのはまだ半分に満たないような気もしますけど、
その中でトップがが45番、次が80番という評価になる分けです。
他にも140番『目覚めよと呼ぶ声あり』とか
147番『心と口と行いと命もて』なども名曲ですが、
ただ、この二つは余りに有名すぎるので、私みたいなへそ曲がりとしては、
後回しにしたくなるのかもしれませんね。(^^;)

結局、いかな大バッハとは言え、
全くスキのないカンタータを作るというのは容易では無かったんでしょうね。
ですから、カンタータの中には案外つまらないものもありますし、
特に、全曲聞き応えがあるという作品は決して多くはないと思います。
その中で以上に挙げた45番・80番・36番あたりは、
どこを取ってもすばらしいと言えると思うんです。
譬えとしてはもう一つかもしれないですが、
『頭から尻尾まで、あんこの詰まった鯛焼き』という感じでしょうかね!?

で、やっと本題なんですが、この80番は全部すごいとは言え、
その中でも、私がとびぬけて好きな曲があるんです。
それは、末尾のコラールの直前に演奏されるアルトとテノールの二重唱で、
『♭シーレードレ♭ミドーファー、レミドラファミレソー』
というオーボエのメロディーで始まる曲なんですが、
これは、いわゆる胃にもたれる音楽と言って良いでしょうね。
(続く)

19闇夜の鮟鱇★:2004/11/01(月) 18:14 HOST:133.net220148230.t-com.ne.jp
(続き)
そう言えば、大分前に聞いた噂なんですが……
近年のドイツでは、バッハは余り人気がないんだそうですね。
まあ、音楽の好みなんて昔から人それぞれなんでしょうけど、
なんと言ってもバッハの祖国で、
そんなことが言われる状況は少し気になりました。

それで、何故人気がないのかというと、
バッハの音楽は『暗くて陰鬱なだけだ』ということらしいですね。
それを聞いて私が思ったのは『バッハ(特にその宗教音楽)は、
幸せな人間が聞く音楽ではないだろうな』ということでした。
つまり、今十分に幸せな人には、バッハなんか必要ないんですよ。
むしろ彼の音楽は今、途方もなく苦しんでいる人が、
再び生きる力をそこから汲み出す為にあるんですね。

結局、戦後のドイツ人はある意味で幸せになったというか……
私に言わせれば、洗脳されたロボットばかりになっちゃったんでしょうね。
で、洗脳ロボットというのは、それなりに命令通りに生きていさえすれば、
オーム真理教と同様、なんの悩みもなくなるみたいですからね。
ある意味で、バッハの音楽なんて必要なくなるのは必然でしょうね。


つい最近聞いた話ですと、バッハという人は10歳の時に両親を失って、
結婚してからも、20人生まれた子供の半数に死なれたそうですからね、
人生の辛酸をたっぷり嘗めた人なんですね。
だからこそ、こんなすごい音楽が作れたんだろうと思います。
ですから、彼の胃にもたれる音楽は、つらい時には奇跡にように聞きますが、
そうでない時に普通の精神状態で聞くと、重すぎて胃潰瘍になるんですね。

で、最近その胃にもたれる音楽を聞いていて、ふっと気付いたんですが、
結局、これは『パッハが作ったブルース』
と呼ぶのがふさわしいんじゃないでしょうか。
御存じのように、ブルースという音楽も、
やたら暗くて胃にもたれますからね。
バッハは無論ブルース音階なんて知らなかった分けですけど、
彼の作った音楽にはブルースに似たものが沢山あると思います。
例えば、さっき紹介した80番の末尾前の曲なんかにしても、
曲想的にはまさに、ブルースそのものといった感じがしますよね。

因みに昔、私が聞いたのは
ウォルフガング・ゲンネンバインという人の指揮でした。
まだ十分に聞き込んでいないので、これは最終評価ではありませんが、
ヘレベッヘの演奏はあの名演には、まだまだ遠く及ばないような気がします。
ところで、そのヘレベッヘの演奏では、さっき並べた音の続きの所が
『ファミソファレファラ♭シーソラシ、ミードミソラファソラ』
となっていて、途中のシの音が半音ずり落ちているみたいですね!?
まさか、ブルースを意識した分けでもないんでしょうが……
まあ、いろんな楽譜があるのかもしれません。


最後にもう一つ付け加えますと『一つのカンタータの中で、
この一曲だけが特にすごい』という奴が、
私の知る限りもう一曲あるんですよね。
それは97番『わがなすすべての業に』の四曲目のテノールのアリアで、
『ドレミーイレドシドー』という前奏で始まる曲なんですが、
これも結構、胃にもたれますし、つらい時には良く効きますからね。
これまたバッハのブルースと言って良いような気がするんです。(^^;)

このカンタータは私が貧乏旅行をしていて、パリの安宿にいた時、
フランスのFM放送でやっていたのをラジカセで録音した奴なので、
私にとっては非常に思い出深い作品なんですね。
その指揮者がヘルムート・リリンクだったんですが、
私の評価では、バッハのカンタータ演奏に関する限り、
この人の右に出る人はいないように思います。例の45番にしても、
彼の名演に涙を流さない人は、いないんじゃないでしょうか。

因みに、私はこの97番の題名を長いこと『この世に別れを告げよう』
と言うのだとばかり思い込んでいたんですが……
これを書く為に調べていて、そうではないらしいことに気付いたんです。
或いは、最後のコラールの題名が『この世に別れを告げよう』で、
カンタータ自体の名前は別にあったということなんでしょうか。(^^;)
その意味では、80番にしても『神は我が櫓』はあくまで末尾コラールの名で、
カンタータの名前は『われらが神は堅き砦』と少し違うのかもしれません。
ただ、こうした題名は日本語訳が色々あって混乱してますからね、
この場合、或いは元々は同じドイツ語からの翻訳なのかもしれませんけどね。
(完)

20闇夜の鮟鱇★:2005/06/25(土) 10:24:22 HOST:39.net059085051.t-com.ne.jp
  ●●●最近のジャズとロックを聞いて●●●

最近、私の録音システムに少し変化がありまして、それに伴い、
またロックとジャズを聞き始めたんですが……実を言うと、
長年(ここ数十年)私はそうした音楽に興味を失っていたんです。
その背景には無論、個人的な生活条件の変化も色々あった分けですけど、
それ以前の問題として、国内的にも世界的にも、
そうした分野の音楽のレベル低下が著しいという事情があったんですね。

色々な風評を聞いた限りでも、私の印象と矛盾はありませんでした。
つまり『例のビートルズの出現以来、暫くの間、世界を席巻したような、
音楽的創作のエネルギー』が枯渇したという感じがあって、
何か『その後は昔の財産を食いつぶしているだけ』という噂ですよね。
結局の所、いわゆるミュージシャン連中にしても当然、
世界的な洗脳進行と無縁ではあり得ないというか、
どんどん洗脳されてしまうという事情がある分けなんですね。

例えば、ロッド・スチュアートの場合、例の『セイリング』で有名な
『Atlantic Crossing(1975)』というアルバムあたりが一つの区切りで、
その内容を聞いてもある程度、推察が付くんじゃないでしょうか。
つまり、あの頃の彼は、女を追いかけて米国に渡ったらしいですが、
多分、その女の色仕掛けで洗脳されたんだろうと思います。
やつらが良く使う手ですからね。(^^;)


(因みに、つい最近、私の目についた例で言うと、日本のお笑い芸人で、
『ギター侍』とかいう男が居ますけど、あれは典型的な洗脳顔ですね。
恐らく、メジャー・デビューの直前に洗脳されたんじゃないでしょうか。
でも、お笑いという職業は自由な精神を最も必要とする分野ですからね、
彼の才能が枯渇するのは、時間の問題であるような気がします。)

ですから音楽的才能の枯渇も、そうした洗脳の当然の帰結という感じで、
私なんかは、半ば諦めをもって眺めていた分けなんですね。
昔、ヒットラーは『ユダヤ人は文化の破壊者である』とか言った分けですが、
近年の洗脳進行に伴うこうした状況の変化を見ていると,
『当たらずと言えど遠からず』という気がします。
まあ、洗脳の話を始めると長くなるので、
今回はこの位で筆を置くことにしますが……。(^^;)

で後は、最近のFM放送(NHK)を聞いた印象と雑感です。
先ずジャズの方ですが、この4月から土曜深夜の番組が衣替えして、
ジャズ・トゥナイトというのが始まったようですね。
以前、この枠は二人の評論家が交代で担当していましたが、
今度は現役の演奏家二人が交代で担当するようになったようで、
一人がピアニストの国府弘子、一人がギタリストの渡辺香津美でした。


それで最初に思ったことですが……これは他の番組も含めてですけど、
『ジャズの中で聞くに値するのは1000に一つ』という状況は、
現時点でも全く変わっていないようですね。(^^;)
このジャズ・トゥナイトにしても、渡辺香津美の方は全然駄目ですね。
まあ、元々ギターが私の好みではないということもありますけど、
全体にレベルが低過ぎますからね。その意味で、
『やたらキザさばかりが鼻につく』という、ジャズの悪い面が出ています。

それに比べ、国府弘子が担当する回の方は一定のレベルに達してますから、
これは一応、お勧めできると思います。
ただ、一通りクラシックを通過して来た人なら、
もう少しレベルが高くても良いという気はしますけど……
まあ、欲を言い出せばキリがないでしょうね。

因みに、その彼女も若い頃はビートルズの洗礼を受けたらしいですが、
それなら普通、ロックの方に行くんじゃないかと思うのに、
ジャズの方に行った、という点が少し意外でした。
まあ、日本国内に限れば、ロックは男の世界という感じが強いので、
女だと、むしろジャズの方に行くしかないんでしょうかね。
(続く)

21闇夜の鮟鱇★:2005/06/25(土) 10:26:59 HOST:39.net059085051.t-com.ne.jp
(続き)
この人は自分でも認める通り、かなりの大ボケ・キャラのようで、
『結婚式の伴奏をするアルバイトで、ショパンの別れの曲を引いた』
なんていう武勇談があるようですから、まあ相当なもんです。(^^;)
最近の放送でも『Cジャムブルース』に関して『こんなソとドだけの曲は、
レッドガーランドがほんの数分で書いたんだろう』とか言ってましたけどね。
でも、あれは確かデューク・エリントンの曲ですからね、
ここでも、相当な大ボケをかましてますよね。

大体、この曲は同じNHKのジャズ番組『セッション505』
のテーマソングでもあるわけですよね!?毎回登場するグループが
生演奏の最初に、この曲を披露することになってる分けですからね。
その作曲者の名前を間違えるなんて、NHKもなめられたものだというか……
まあ、見方を変えれば、彼女が大物である証拠かもしれませんね。(^^;)

つまりその……私を含め(笑)大物というのは余り細部にこだわらないんですね。
というのも、小物が細部ばかり気にかけるのに比べ、大物の場合は、
どうしても小さな部分よりは、大きな全体に目が行きがちな分けですからね、
その分、どうしても細部では見落としが多くなるんです。

無論、それがどんなに小さな間違いであるとしても、
最終的には、間違いは間違いとして正すことが不可欠なんですが、
でも、そうした間違いばかりをほじくり返して、
揚げ足取りをしてはいけないと思います。
そういう小物ばかりが多い社会では、大物は育ちにくいですからね。


つい最近の放送では『ザ・マン・アイ・ラブ(テイク2)』が面白かったですね。
『この演奏を最後にマイルス・デービスとセロニアス・モンクが
二度と共演しなかった』という、その記念碑的な録音を
実況中継みたいに解説してましたが、なるほどと良く分かる内容でした。

結局、何度も録音をやり直す中で、マイルスが
『俺のソロの後ろで、やたら伴奏をつけるんじゃねえ』とか
年上のモンクをしかったみたいなんですね。
それで、むっとしたものの『それでもモンクは文句も言わずに
バッキングしてます』なんていうダジャレも効いてました。(^^;)

で今度はモンクのソロになった時、元々音数が少ないと言われる彼が、
(多分わざと)暫く演奏を止めるという挙に出たようですが、
すると大して間を置かずにマイルスが介入した分けですね。
モンクにしてみれば『自分のソロの時はなんだかんだ注文を付けるくせに、
俺のソロの時は自由にやらせる余裕も与えず、すぐに介入するのか』
と思うのは当然でしょうね。ですから『こんな共演、やってられるか』
とへそを曲げるのは自然の成り行きであるように思いました。

結局、マイルス・デービスという男は余り性格が良くなかったらしくて、
ろくな評判は残ってないようですね。
例のビル・エバンスとバンドを組んでいた時も、
エバンスが作った曲を自分の創作物にするみたいなゴタゴタがあったらしくて、
それでエバンスとも長続きはしなかったみたいですからね。
(続く)

22闇夜の鮟鱇★:2005/06/25(土) 10:29:50 HOST:39.net059085051.t-com.ne.jp
(続き)
次はロックですが、最近は金曜晩のワールド・ロック・ナウを暫く聞いてます。
その中で一応、合格点がついたのが旧東独出身の『ラムシュタイン』でした。
何かステージでは巨大な男根の張りぼてを振り回したりするそうで、
日本ではゲテモノ扱いになっているかもしれませんが、
少なくとも音楽的には実力派という印象を受けましたね。

それから『ナイン・インチ・ネイルズ』は、
久々に聞いたハードロックという感じでした。
これはバンドというより、一人でやってるプロジェクトなんですか!?
最近は機械ばっかり発達したので、ライブでない限り、
一人で何でもできちゃう分けでしょうね。

そのナイン・インチ・ネイルズという名前ですけど、多分、
キリストの手足を十字架に打ちつけた釘に由来するんでしょうね。
このバンドは、ほとんどマスコミには出ないらしくて、
ネット上で色々調べても分かりませんでしたけどね。
その他では『イールズ』が聞き応えがありました。
この人は姉に自殺されたりして相当、不幸な人生を歩んで来たらしく、
その音楽も暗くて重たいですから、自殺志願者には最適でしょうね。(^^;)

残念ながら、私の基準からすると、後は大方ゴミですね。
最近の放送では『ホワイト・ストライプス』というバンドに関して、
DJの渋谷陽一が『これは革命だ』とか『歴史的傑作だ』とか、
一人で盛んにはしゃいでましたけど、私に言わせれば、
『ホワイト・ストライプス』なんて芋バンドだろうと思います。
(まあ、私みたいなへそ曲がりが言うことですから、
一般のロックファンは余り気にしないように。(^^;))


それから、最近のエピソードとして『カバー曲』というのを取り上げた時、
『ライク・ア・ローリング・ストーン』をローリング・ストーンズが
演奏した作品がありましたが、最近の若い人は、
ボブ・ディランがこの曲を歌っているのを聞いて、
ストーンズのカバーだと思うそうですね。

まあ私からすれば、ローリング・ストーンズも芋バンドだし、
ボブ・ディランにも余り興味がないので、どうでも良いようなもんですが、
結局、ローリング・ストーンズというバンド名自体、
ボブ・ディランの曲に因んで付けたわけでしょ!?

つまりね、ミック・ジャガーなんかにして見れば、
ボブ・ディランのあの曲は、自分たちの原点というか、
存在理由みたいなものなんですね。
ですから、彼らがそれを演奏するに際しても、
そんなに原曲を崩した演奏が出来るわけがないんですよね。
渋谷陽一は『その演奏に意外性がない』とか言って落胆してましたけど、
それは若干、認識が甘いんじゃないでしょうか。

23闇夜の鮟鱇★:2005/11/03(木) 09:59:29 HOST:65.net059085046.t-com.ne.jp
  ●●●夏ごろのFM放送に関して●●●(1/5)

これも大分、書き遅れてしまったことなんですが……
今年の夏頃の内容で気になることが色々ありました。(^^;)
先ず一つ目は、ワールドロックナウの『今月のリクエスト・テーマ』とかで、
『ラブ・アンド・ピース』がどうたら言ってましたよね。
確か8月26日の放送分でしたが、でも、
『ロックの本質がラブ・アンド・ピースにある』とかいう主張は、
私からすれば全く受け入れ難いと思います。正確に言うなら、
それはせいぜい『ジョン・レノンとその追随者のテーマ』でしょうね。

その中で一つ流された曲で、エルビス・コステロか何かが、
『ラブ・アンド・ピースのどこが悪いんだ』
みたいなことを盛んに言ってましたが、
こういうのを聞くと『アメリカの白人というか、
キリスト教徒は本当に頭の悪い奴が多いな』と思いますね。
大体、反戦を主張するのは良いんですけど、戦争に対置する原理として、
ラブ・アンド・ピースを持って来るというのが、根本的に間違ってますよね。
何故なら、ラブとピースというのは、そもそも両立し難い概念だからなんです。

確かにキリスト教の博愛主義からすれば、
ラブ・アンド・ピースというのはもっともらしいんですが、
ラブという場合に、キリスト教徒の多くは、
例えば、孔子が言うような仁や博愛みたいなものと、
男女の性愛とをキチンと区別できていないようですね。
その場合、博愛と平和は両立するかもしれませんが、
性愛と平和は両立するどころか、むしろ対立概念なんですよね。


ほんの一例を挙げると、つい最近のビデオ評で取り上げた『三人姉妹』では、
末妹をめぐって男同士が決闘になり、一方が他方を殺す分けでしょ!?
  http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/3729/1102295096/62
一体このどこが、平和と関係あるというんでしょうか。
つまり、性愛というのは最良の配偶者を得る為の熾烈な闘争なんですね。
ですから、その中では暴力沙汰が起こることも日常茶飯事な分けです。
ところが、間抜けなジョン・レノンあたりは、
オノ・ヨーコと一緒に素っ裸の写真をとって、
『これで世界を平和にしよう』とかほざいていた分けですね。

そりゃあね、男と女が寝る瞬間だけを取り出して観察すれば、
それぞれの欲望は満たされて平和な気持ちになるかもしれませんよね。
でも実際は、そこにたどり着くまでの過程で大変な闘争があるわけでしょ!?
まあ、その点ではロック歌手なんていう人種は実に恵まれた存在で、
女を手に入れるのに全然苦労しないという特殊な状況があるらしいですから、
そうした問題に中々気付きにくいという事情はあるのかもしれませんね。

実際問題として、金と名誉があれば女なんて追い払っても寄ってきますからね。
その意味で『金さえあれば何だって手に入る』
というホリエモンの主張にも一理はある分けです。
(ただ、こんな事を言うと女性蔑視とか言われそうなので、
敢えてひとこと付け加えて置くと、金と名誉があれば寄って来るのは、
女に限らず、男も全く同じことだろうと思います。(^^;))


ですから、番組でも言ってましたけど、ローリング・ストーンズの誰かには、
隠し子が500人いるとか噂されている分けでしょ!?
でも、それはあくまでロック歌手のような特権階層の話であって、
世の中の大半の男にとっては、決してそうでは無い
という点を忘れてもらっては困りますよね。

ただ一つレノンの為に弁護しておくと、あの時代に性愛という場合、
いわゆるフリーセックスを想定していた面がある分けですね。
ですから、もしフリーセックスが実現可能な理想であるとするなら、
ラブ&ピースを戦争に対置するという発想も不可能ではないでしょうね。

でも、その後の現実の歴史において、
フリーセックスなんて理念はとっくに挫折した分けですからね。
その意味で、現時点からすれば、
ラブ・アンド・ピースなんてちゃんちゃらおかしい分けで、
そんなものを未だに振り回しているのは、
馬鹿なロック歌手とロック評論家の化石だけではないんでしょうか。

24闇夜の鮟鱇★:2005/11/03(木) 10:04:47 HOST:65.net059085046.t-com.ne.jp
  ●●●夏ごろのFM放送に関して●●●(2/5)

ついでに、同じ特集でかかった曲で、もう一つ気になったのがありました。
それはシステム・オブ・ア・ダウンとかいうバンドの『B.Y.O.B.』という曲で、
今度は『どうして貧乏人の息子だけが戦争に行かねばならないんだ
(Why do they always send the poor?)』とか、わめいてましたね。
実を言うと、これは例の『華氏911』という映画で、
マイケル・ムーア監督が取り上げたテーマの一つでもあるわけですけどね。
でも……『アメリカの白人は馬鹿ばっかりだ』とか言っているこの監督自身、
実は余り頭がよくないんじゃないかと、私なんか疑ってますけどね。(^^;)

というのも、この映画では、イラク戦争を批判する論点として、
『ブッシュがイラクの石油を手に入れる為にやった戦争だ』
とか言ってるらしいですからね。
(まだTV放映されてないので、私は実物を見てない分けですが、
あちこちから漏れ聞く限りでは、そのようです。(^^;))
でも、少し頭を冷やして考えれば、これは誰か(ユダヤ主義)が
イスラエル(ユダヤ国家)の安全を計る為に起こした戦争であることは、
火をみるよりも明らかでしょ!? まあ、奴隷新聞ばかり読んでいる人は、
その辺を目くらましされているから気付かないんでしょうけどね。

結局『石油がどうたら』という論点にばかり捕らわれるのは、
物事の本質をぼかす為のユダヤ主義の罠にまんまと、はまっているわけですね。
その意味では、先の『どうして貧民だけが戦争で死ぬんだ』という論点も、
まんまと謀略に乗せられている点では、実は全く同じことなんですね。
何故なら、そういう論点を突きつめて行くと、最後に行き着く所は、
『金持ちも貧乏人も平等に戦争に行かせろ』となる分けで、
それは実質的に徴兵制を意味するわけですからね。


で、ユダヤ主義からすると、それこそ願ったりかなったりなんです。
というのも今、中東の米軍は人員が不足して困ってる分けでしょ!?
ですから、州兵まで送り込んで何とかしのいでいるわけですが、その結果、
ハリケーンでは、救援の人手が足りないとかいう騒ぎになったんでしたよね。
その意味で、ユダヤ主義としては何としてでも徴兵制に持ち込みたいんですね。

結局、奴らの最終的な狙いとしては、イラクの次に
出来ればシリアとイランをつぶしたい分けですが、
現状では、イラクだけでも米軍は手一杯なわけでしょ!?
ですから、ここでうまい具合に徴兵制に持ち込めれば、
全て思い通りで万々歳という分けなんです。(-_-;)

そういう点に、アホなロック歌手や映画監督は、
どうして思い至らないんでしょうかね。
ある意味で、経済原則からすれば、
貧しいものが兵役で身を立てようとするのは
やむを得ない面がある分けで、反戦を叫ぶ時に、
そこだけ取り出して騒ぎたてるというのは、何か怪しいわけですね。


因みに、例のハリケーンですけど、最初がカトリーナで次がリタでしたかね。
少し不謹慎かもしれませんけど、私なんか『リタ』と聞いたとたん、
『ラブリー リタ ミタメイ♪』とか踊り出したくなりましたね。(^^;)
次のハリケーンが『マーサ』だったりすると、今度は、
『マーサ マイディア♪』ですよね。
無論どっちも、言わずと知れたビートルズの名曲ですけど、
リタの次がどんな何前になったか、残念ながら私は知りません。

その場合、米国のハリケーンは、人の名前をつける分けですが、
昔は女の名前ばかりだったので、女性差別だとか言われた分けですね。
それで近年は、毎年交互に男と女の名前にしているそうで、
今年は女名の番だったようですが、この名前を付けるのにも、
一定の規則があるんですね。
つまり、アルファベットの順で頭文字をABC順に並べる分けです。

欧米の人工的な都市では、道の名前も同じようになってますよね。
例えば、ワシントン市ではAlexsandar通りの次がBacon通りとかね、
確かそんな感じで偉人や哲学者の名前が付いていたと思います。
ハリケーンも同じようにやる分けですから、
最初は、例えばAlisaとかで始まるんでしょうね。
で今年の例で言うと、Katrinaの次がLitaだった分けですから、
その次がMarthaであった可能性も十分ある分けですね。
(実は、良く調べてみるとリタはLitaでなくRitaですから、
Marthaがあったとしても、その前でしたね。(^^;))

25闇夜の鮟鱇★:2005/11/03(木) 10:07:21 HOST:65.net059085046.t-com.ne.jp
  ●●●夏ごろのFM放送に関して●●●(3/5)

それで、今年はハリケーンの当たり年だそうで、
とうとうアルファベットでは足りなくなって、22番目は
ギリシャ文字のαになったとか言う話がありましたね。
でも……アルファベットは英語でも26個あるはずですが、
21個まで使って、残りの5つはどうなったんでしょうか!?
QだのXだのZだの、余り馴染みのない名前はバスするんでしょうかね。(^^;)

すると、こうしたハリケーンの多発に引っかけて
すぐ地球温暖化がどうたら言い出す奴がいますが、
私からすれば、ちょっと待ってもらいたいんですね。
というのも、既に時事放談でもばらしましたように、
現在の気象は謀略によって完全に操作されているからなんです。
  http://jbbs.livedoor.jp/study/3729/storage/1069408696.html#75

例えば、今回のカトリーナとリタについて言うなら、
その狙いはかなりハッキリしてますよね。
というのも、ちょうどその頃、イラクで死んだ米兵の母親で、
シンディ・シーハンと言う女性が、ブッシュ大統領のいる場所に押しかけて、
色々騒いだものだから、米国では反戦行動が盛り上がりかけていたわけです。
ところが、それに合わせるかのように二つのハリケーンが来て大騒ぎとなり、
彼女のニュースの方は、どこかに吹き飛ばされてしまった分けですね。


無論、その後も議員選挙で反戦を言う人が取り上げられたりしていますが、
ユダヤ主義からすると、同じ反戦を言う人物の中でも
取り立ててこの女性を嫌う理由があるんですね。
というのも、もれ聞く所ではこの母親は
『ユダヤ人がパレスチナから出て行けば全て解決する』とか言っている分けで、
その点は、ユダヤ主義が最も触れて欲しくない点だからなんですね。

これはヒトラーの台頭に関しても言えることなんですが、
ユダヤ主義がその敵と戦おうとする場合、戦いにくい相手はつぶして、
戦い易い相手を『敵として敢えて擁立する』という傾向があるんですね。
『我が闘争』なんかを読むと、ヒトラーにしても、
『より戦いにくい相手』をつぶす為に引っ張り出された節がありますよね。
ですから、この場合もシンディ・シーハンという人物は、
ユダヤ主義にとって、最も戦いにくい相手と見なされたんでしょうね。

さて、話を再びラブ&ピースに戻しますと、
結局、ロックの本質は何かということが問題だった分けですが、
私はそれは『反体制』であり『政治批判』ではないかと思います。
その意味で言うと、日本を代表するロックは、
何といっても『頭脳警察』で決まりでしょうね。
『さようなら世界婦人』とか『嵐が待っている』などの名曲は、
今聞いても、圧倒的な迫力ですからね。(*^^)v


ただ体制批判ともなると、きれいごとだけでは済まないというか、
かなりキナ臭いことになる危険性もあるわけですね。
実際、彼らの場合も、いわゆる赤軍派とかなり通じていたようですが、
そうなると、あの時代の爆弾テロの責任はどうなるんだとかね、
色々面倒な問題が生じて来るように思います。
残念ながら首領のパンタを含め、とっくの昔に洗脳されましたから、
それ以降は、余り見るべきものはないだろうと思いますが……。

それにしても最近の日本はひどいですよね。FMでも赤坂何とかと言う奴が、
日本のロックは『キャロル』だとか騒いでましたけど、
こいつらの場合『惚れたはれた』が全てという感じでしょ!?
それじゃあ、本物のロックとは呼べないんじゃないですか。
つい最近も『ザ・マックショウ』なんてバンドを放送してましたが、結局ね
『お前ら自分の下半身のことしか興味がねえのか』ということですよ。

この混沌とした現代に生まれて来てね、外国では自爆テロが絶えず、
国内でも自殺者が毎年3万人を越えるという世相に対して、
何の意見も持たなくて、何がロックかと私なんか思いますけどね。
その意味で、ロックという音楽は社会との関わりを持つことが不可欠で、
決して色恋だけに安住することは出来ないんじゃないかと思います。

26闇夜の鮟鱇★:2005/11/03(木) 10:10:04 HOST:65.net059085046.t-com.ne.jp
  ●●●夏ごろのFM放送に関して●●●(4/5)

さて、ちょっとロックの話が長くなりましたが、
最後にジャズの話もしましょうかね。
やはり、夏の終わり頃『ハンドレッド・ゴールド・フィンガーズ』
というコンサートの内容を放送してましたね。
そのネーミング自体、日本人がやるにしては上出来ですから、
一体その内容はどんなものかと前から少し気になっていたんですが……
結果的には大したことはありませんでした。
この程度では、ゴールド・フィンガーズではなく、
せいぜいブロンズ・フィンガーズではないでしょうかね。

結局、今までの人生では私も余り余裕がなくて、
ジャズにしても、それほど網羅的に聞いた分けでは無かったので、
まだまだ見落としがあるんじゃないかと少し心配していた分けです。
でも、このコンサートを含め最近、色々聞き直した限りにおいては、
少なくともピアニストに関し、聞き落としはなかったようですね。(^^;)
強いて言えば、関西方面の女性歌手に良い仕事をしてる人が多いようです。
例えば、トリシクロとかチャリートとか、選曲のセンスが抜群ですね。

トリシクロは女性歌手の越智順子という人が率いているグループですが、
『アイ・ウィッシュ・ユー・ラブ』というのは、
シャルル・トレネの名曲で、私も大好きなシャンソンの一つでした。
それからチャリートは、フィリピン出身の女性歌手らしいですが、
それでブラジル音楽が好きというのが少し意表をついてますよね。
フィリピンと言えば旧スペイン植民地ですから、
スペイン音楽というなら話は分かるんですが……。
因みに、そのブラジル音楽では、イヴァン・リンスという人が
素晴らしい才能ですね。最近の掘り出し物という感じです。(^^;)


で、問題の『ハンドレッド・ゴールド・フィンガーズ』なんですが……
さすがにレイ・ブライアントは出色でしたけど、
後はどれもこれも、どんぐりの背比べという感じでしたね。
因みに、このレイ・ブライアントについては、
前から知っているので、別に見落としという分けではありません。
今まで余り暇がなくて書き落としましたが、
オスカー・ピーターソンが『スイング・ピアノの王様』であるとすれば、
レイ・ブライアントは『ブルース・ピアノの帝王』と呼ぶべきでしょうね。

ただ、ブルースともなると、どうしても重苦しくて胃にもたれますから、
そうそう気軽に聞ける代物では無いわけですが、
私が知る限りでのベストは『ヒアズ・レイ・ブライアント』に入っている
『リル・ダーリン』と『コールド・ターキー』でしょうね。
特に『リル・ダーリン』の方は、
聞くものを圧倒する力強さを持った名演だろうと思います。

という分けで結局の所、クラシック・ファンが抑えておくべき
ジャズ・ピアニストとしては『ビル・エバンス』『キース・ジャレット』
『オスカー・ピーターン』『レイ・ブライアント』の四人で十分でしょうね。
この四人は、ジャズ・ピアノのビッグ4というか四天王と言えると思います。
強いて言えば、五人目に『チック・コリア』を挙げるべきでしょうかね。
『My Spanish Heart』なんか、素晴らしい出来でしたからね。
ただ……私に言わせると、この人の音楽は余り長持ちしないというか、
すぐに飽きてしまうのが難点なんですけどね。(^^;)

27闇夜の鮟鱇★:2005/11/03(木) 10:12:09 HOST:65.net059085046.t-com.ne.jp
  ●●●夏ごろのFM放送に関して●●●(5/5)

因みに、以上はあくまで本来のジャズ・プロパーの話で、
少し脇道にそれれば、他にも素晴らしい人は少なくありません。
例えば、バロック・ジャズで言うと前に触れたジャック・ルーシェとか、
クリス・ヒンゼ・トリオのルイス・ヴァン・ダイク、
それから、ギュンター・ノリスなんかですね。
更には、映画音楽のミッシェル・ルグランやアンドレ・プレビン、
或いは、ショパンをジャズにしたオイゲン・キケロもいましたね。

でも、例のコンサートに話を戻しますと、
やたら褒めることしか知らない評論家というのも困り者ですよね。
まあ、ここで解説していた塩谷哲という人は実は評論家ではなく、
ジャズピアニストのひとりのようですが、
『あれも素晴らしい、これも素晴らしい』と褒めてばっかりでした。


これはNHKFMだけに限っことではないのかもしれませんが、
ロックにしろジャズにしろ、やたら褒めるだけの奴が多過ぎますよね。
私に言わせるなら結局、評論家なんて
『けなしてなんぼ』の商売だろうと思いますけどね。
だって、ただ褒めるだけなら猿でもできるでしょ!?
言わば、既に市場に流通している音楽の場合、
一定の支持者がいるから流通しているわけですよね。

それを、ただ『素晴らしい、素晴らしい』と褒めるだけじゃ結局、
何も言わないに等しいんですね。
実際問題として、そうやって褒めている限り、何の危険もない分けです。
つまり、仮に誰かがそれを批判しても『実際にこんなに売れてるじゃないか、
だから自分が多数派で、否定するお前の方がへそ曲がりなんだ』
という所に逃げ込める分けで、全くの安全地帯にいるわけですからね。
こういうのは、知的怠惰と呼ぶんじゃないでしょうか。


それに『素晴らしい、素晴らしい』と言うだけじゃ何も始まらないんです。
仮に、今あるものが素晴らしいと言うなら、
もう何もする必要はないとも言える分けで、そこで全て終わりですよね。
むしろ、これは駄目・あれは駄目と批判することから全てが始まるんです。

結局、駄目だという場合、少なくともその人は
それよりも素晴らしい何かを知っているからそう言えるわけでしょ!?
ですから、そこから『一体何が駄目なのか』
『俺はそうは思わない』という風に、議論が広がって行くわけですね。
評論家というのは、それが商売で金を貰っているわけですからね、
単に安全地帯にいないで、どんどん批判して問題提起して欲しいですよね。

28闇夜の鮟鱇★:2005/12/31(土) 10:56:31 HOST:212.net059085040.t-com.ne.jp
  ●●●今年聞いた音楽の総評●●●(1/2)

年末ともなると、世の中ではあちこちで今年の総括なんてやってますね。(^^;)
で、私も何か書いてみようと思ったんですが……しかし惨憺たる状況ですね。
バロックもジャズもロックも、ゴミばかりでお話になりません。
その中で、最大の収穫を挙げるとするなら
11月頃の『ライブビート』でやっていた『ジォアンナ・ニューサム』ですかね。

私の分類からすると、これはフォークに入ると思うんですが、
その病的な臭いのする音楽は、日本で言うと森田童子に少し似てますね。
彼女はアメリカの女性歌手らしいですが、何と言ってもユニークなのが、
ギターでもピアノでもなく、ハープを伴奏に使うという点ですね。
で、その音楽からすると『かなりエキセントリックで神経質な
傷つき易い少女』という印象を受けたんですが……
ネットで画像をあさってガッカリしました。

ごく普通の20代の女性で、女性特有のずぶとさすら感じさせる顔ですからね。
とすると、あの小学生みたいな声は、わざと作っているんでしょうかね。
その顔も美人というよりは、せいぜい10人並みですし、
皆さんも、顔は見ない方がいいんじゃないでしょうか。(^^;)
でも、最近の不毛な音楽状況の中では、
彼女の音楽は一級品と言わざるをえませんね。


後は、ロックのナイン・インチ・ネールズとか
ジャズのイバン・リンスなんかを以前に取り上げましたけど、
ほんの1〜2曲では、キチンとした評価を下すのは難しいですよね。
最近は色々な録音器機が発達したせいか、著作権の管理がうるさくなって、
FM放送でも、まとまった曲数は中々掛けなくなったみたいですね。
その点、この『ライブビート』は、ライブ音源が主のせいか、
一応まとまった曲数を流してくれるのが良い点だろうと思います。

1〜2曲では何故駄目かというと、いわゆる一発屋というのがいますからね。
例えば『ドリームズ・カム・トゥルー』というグループの『LoveLoveLove』
という歌はドラマの主題歌として聞いた時、素晴らしい曲だと思いましたけど、
その後、何曲か聞いてみると、後は大したことなかったですからね。
このスレッドの冒頭で取り上げた平井堅なんかにしても、
他の曲はそれほどの出来ではないようですし、やはり同類でしょうか。

それから、バロックについて言うと、何と言ってもバッハが巨大過ぎますから、
他の作曲家はどうしても、象に対する蟻くらいにしか見えないんですが……
それでも、色々沢山聞いた中には、意外な掘り出し物がありました。
例えば、バルダッサーレ・ガルッピのオラトリオ『アダムの転落』ですね。
作曲家の名は初耳でしたけど、これは隠れた名曲と言うべきでしょうね。
第二部の後半30分位しかやりませんでしたが、全曲を聞きたい気がしました。


他方、新たに聞いたバッハのカンタータの中では、
2月28日放送の182番『天の君よお迎えします』が出色でしたね。
その中のコラール自体は、独立して取り上げられることも多いせいか、
私にも聞き覚えがありましたが、全体を聞いたのは始めてでした。
でも……その歌詞で『あなたの受難は私の喜びです』とか歌うらしいですね。
『おいおい、幾らなんでもそれじゃあ、あんまりだ』とか思いません!?
他人の不幸が自分の喜びだなんてね。(-_-;)

でも、キリスト教の教義がそうなってるんですから、
こればっかりは、どうしようもないんでしょうね。
つまり『キリストという神の子が、
人類の罪を一人で背負って死ぬ為に遣わされた』
ということになっている分けですからね。
結局、あのコラールの透明な美しさというものは、
そういう痛々しさを背景にしたものだったんですね。

ただ私の好みからすると、このカンタータは、
それほど上位には来ないかもしれません。
というのも、曲にもう一つ『生命力』というものがないからなんですね。
それは一つには鈴木雅明の演奏のせいがあるのかもしれませんが……
それ以上に、元の曲自体に生命力が欠けているような気がしました。

29闇夜の鮟鱇★:2005/12/31(土) 10:59:50 HOST:212.net059085040.t-com.ne.jp
  ●●●今年聞いた音楽の総評●●●(2/2)

結局、私の考えでは、音楽の感動には二種類あると思うんですよね。
一つは、人間に生きる力を与えてくれる感動、
もう一つは逆に、生きる力を吸い取られてしまう感動ですね。
悪い例で言うと、フォーレの『レクイエム』なんかがその典型です。
それは間違いなく、大変に美しい音楽ではあるんですが、
その曲が与える感動は、我々に元気を与えてくれるというよりも、
むしろ何か、逆にしょんぼりさせてしまうような内容なんですね。

実は、私がジョン・レノンの音楽を嫌いな理由の一つも、そこにある分けで、
例のイマジンが良い例ですし、ラブなんて曲はもっとひどいですからね。
先に取り上げたジョアンナ・ニューサムなんかにしても、
こうした観点からすると、余り高い点数は付けられないと思います。

その場合、一つには『レクイエム』という形式が問題かもしれませんね。
レクイエムという音楽は『死者の為のミサ曲』とも言いますが、
こうして『死者を悼む』という感情が入って来ると、
どうしても音楽は甘くなって、感傷に流れてしまうようですね。
それが生命力を奪う結果になるんだろうと思います。
例えば、モーツァルトの『レクイエム』も有名な曲ですが、
私の好みからすると、これももう一つ気に入らないんですよね。
この曲も確かに名曲ではあるんですが、私からすれば、
むしろ、彼の最高傑作は『ミサ曲ハ短調』だろうと思います。


良い例で言うと、以前に書いたバッハのカンタータの傑作が皆そうですね。
それに、さっき紹介したガルッピの『アダムの転落』なんかも、
実にイタリア的な生命力が横溢(おういつ)していて、私のお気に入りです。
もう一つ有名な例を挙げると、ハイドンの『ミサ曲ネルソン』も最高ですね。
なにしろ、ミサ曲とは言いながら、
この曲を聞いていると、ウキウキして来ますからね。(*^^)v
これは恐らく、ハイドンの最高傑作だろうと思います。

あのう、クラシックの方では良く、大バッハを『音楽の父』
ヘンデルを『音楽の母』なんて併称することがありますよね。
確かに、バッハの音楽の厳しさは父親に似た所がありますし、
ヘンデルの音楽の優しさは母親に似ているとも言えますけどね。

ただ……最近の私の評価では、ヘンデルはちょっと格が落ちるというか、
到底バッハと同列には並べられないし、
上述したような生命力という観点からしても、
ハイドンの方が上なんじゃないかという気がしているんです。


因みに、以前にバッハのロ短調ミサに関して >>8 の所で
ヘンデル・ハイドン・モーツァルトは恥ずかしくないのを作っている
なんて書いたのは、ちょっと筆がすべりましたね。(^^;)
つまり、ヘンデルという人はミサ曲は作ってないようですからね。
私の頭の中には、オラトリオ『救世主』があって、
それとごっちゃになってしまったようです。

そうした生命力という観点では、ロックにも良い曲が沢山ありますが、
ただロックの場合は、どうしてもセックス描写が多くなるようですね。
例えば、暫く前にライブビートでやっていたパイロットもその一つで
その音楽は素晴らしい生命力を持っているんですが、
その歌詞ときたら、もっぱら『セックス描写』ですもんね。(^^;)
ですから今では、ちょっと付き合いきれないような気もしています。

もう随分、古いバンドなので、とっくに解散したんだろうと思っていた所、
つい最近、再結成されたらしいですね。
例のライブビートでのBBCライブは、その再結成版かもしれません。
ただ、恋やセックスというのは、命を生み出す行為でもある分けですから、
その意味では、生命力があるのは当然の帰結かもしれませんね。
例えば、江戸時代には遊女との心中がはやりましたが、結局、
遊女との恋愛感情には、死への恐怖を打ち消す効果があるんでしょうね。

32闇夜の鮟鱇★:2006/12/27(水) 10:22:55 HOST:118.net059085053.t-com.ne.jp
  ●●●2006年に聞いた音楽●●●

そろそろ、また音楽総評を書く時節になりましたね。(^^;)
でも、NHKのFMは今年も大方、謀略に支配されていたようで、
本当にゴミばかり多い一年でした。
まあ、その点では書く手間が省けて楽とも言えますけどね。
先ず最初ですが、つい最近『セッション2006』で聞いたジャズに、
一曲だけ突出したのがありました。

それは、KK・ジャムというトリオの『チューン・レク』という曲ですが、
『久々に魂の入ったジャズを聞いた』という感じでしたね。(*^^)v
ただ……一年も聞いて、たった一曲というのは寂しいものがあります。
ここでアルト・サックスを吹いている勝田一樹という人は、
かなりのテクニックですが、今年40才になったようですから、
もう若手とは言えないし、まあ中堅といった所でしょうかね。

この位のレベルだと、世界中どこへ出しても恥ずかしくないと思いますが、
惜しむらくは『手放しで褒められるのがこれ一曲だけ』という点ですね。
実際問題として、世の中にはいわゆる一発屋も多いわけですし、
一曲だけでは『まぐれ』と言われても仕方ないわけですからね。
その意味で、今後はもっと精進して、このレベルの音楽を、
量産してくれることを期待したいと思います。


次はフォークですが、『ライブ・ビート』で
湯川潮音という人が耳につきました。
声質からすると、昔のアイドル・佐野量子に近い感じですかね。
まあ音楽的には、それほどのレベルではないですけど、
ただ、そのナイーブな曲作りは『日本に再びフォーク・ブームが
来るかもしれない』と予感させるものがありました。

後はバロックですが、一番印象に残ったのは、
今年の正月(01/08)に『20世紀の名演奏』でやっていた
モーツァルトの『荘厳ミサ曲ハ短調(k.139)』ですね。
私が最高傑作と呼んだ例の『ミサ曲ハ短調(k.427)』と似た名ですが、
こちらは、何と12才の時に作ったんだそうです。

でも……12才というと今の日本で言うなら、まだ小学校の6年生でしょ!?
『そんなガキがどうして、こういう精神的高揚を知っているのか』
というだけでも驚きですが、それを自分で作っちゃう分けですから、
もう、あきれかえっちゃいますよね。(^^;)
まあ、世の中には『神童』と呼ばれる人が結構いますけど、
彼の場合は正真正銘の神童と言うべきなんでしょうね。

33闇夜の鮟鱇★:2007/12/20(木) 11:54:07 HOST:151.net059085052.t-com.ne.jp
  ●●●2007年・今年の音楽総評●●●(1/4)

そろそろ年も終わりという事で、またまた、
今年聞いた音楽の総評を書く時節となりました。(^^;)
ここで色々騒ぎ立てることも、少しは効果があったと言うべきか……
FMから流れる音楽のレベルは年々、少しづつですが上昇しているようです。
で、その中で今年の特筆すべき音楽と言えば、先ず何と言っても、
ジャズのアレッサンドロ・ガラティ・デュオでしょうね。

アレッサンドロ・ガラティ(41才)というピアニストは、本国イタリアでは、
ビル・エバンスの継承者とも呼ばれているそうですが、確かに
『それもあながち大げさではない』と言える位の内容がありました。
ただ、彼の音楽はどちらかというとロマン派志向が強いですから、
むしろ、キース・ジャレットに近いような気もしますけどね。

今回、聞いた中では『メリー・プレーヤー』がベストだろうと思いますが、
全体にバラード色が濃いので、パンチ不足の印象を受けました。
まあ、ドラム無しのデュオだったのも、その一因でしょうけど、
もう一つ、ジャズらしさに欠けていますから、うっかりすると、
単なるムード音楽に堕してしまいそうな恐れも感じます。
彼がビル・エバンスと比肩する域に到達するのは、
仮にそれが可能としても、まだまだ先のように思われました。


同じジャズでは、ビル・エバンスに衝撃を受けたというピアニストが、
もう一人いましたが、古野光昭カルテットの石井彰(44才)でしたかね。
でも、こちらはそれほどのレベルではありませんでした。
それからもう一人、オスカー・ピーターソンの影響が濃いのは、
確か鈴木良雄トリオの海野雅威(27才)でしたが、これはちょっと、
ピーターソンに似過ぎていて、まだまだコピーの域を出ていませんね。

さて以上は、全て『セッション2007』で聞いた演奏でしたが……
この番組の女性ミーハー・アナウンサーは、何とかなりませんかね。(-_-;)
NHKのFMでは、他にも余り音楽の趣味が良いとは思えない外人タレントが、
目につく分けですが『適当に外人を並べておけば、外人に弱い日本人のこと、
どこからも文句は出るまい』みたいな安直な姿勢があるような気がします。

因みに、以前にMDプレーヤーがぶっ壊れた話をしましたけど、
それ以後、どうなったのかについては、まだ話していませんでしたね。
で、ご参考までに紹介しておくと、その後の私は専ら、
ビデオデッキを音楽用に使っています。
つまり、気になるFM番組は片端からビデオテープに録音し、
それが6時間分たまったら、繰り返し聞く分けですね。


その場合、自動録画機能を使うと、ビデオ同様にどんどん溜まるので、
聞きこなすのが間に合わない位になって、ちょっと苦労しています。(^^;)
ビデオテープの場合、ステレオ録音は『一度FM変調した信号を、
画像よりも一段深い層に記録する』という方式のようですね。
ですから元々、FM放送と同程度の音質は保証されている分けで、
FMを録音して聞くなら、これで充分間に合うのではないでしょうか。

で、そのデッキは約一万円、テープは一本百円ですからね、
コスト・パフォーマンスは抜群です。v(^^)v
その上、ここ数年使った感じだと、一日中かけっ放しでも、
びくともしませんからね、ひ弱なラジカセなんかとは大違いです。

以前に『こう使いなさいという使い方でなく、
ひとひねりして別の使い方をすれば、金が掛からない』
と書きましたが、これなんかもその典型ですよね。
  http://jbbs.livedoor.jp/study/3729/storage/1102295096.html#73
ただ、音楽を録音するには、ラジオと配線した上で、
両方のスイッチを操作する必要がありますから、
その辺が、メカが苦手な人には大変かもしれません。

34闇夜の鮟鱇★:2007/12/20(木) 11:56:23 HOST:151.net059085052.t-com.ne.jp
  ●●●2007年・今年の音楽総評●●●(2/4)

次にロックですが、例のナイン・インチ・ネイルズの新アルバムが出たらしく、
それで例の渋谷陽一が、またまた『傑作だ』とか大興奮してましたけど……
私の聞いた感じでは全然、駄目でしたね。結局『洗脳された音楽家が、
その後、暫くの間、最後の輝きを見せる』ということは珍しく無いわけで、
彼の場合も、前回のアルバムがその最後の火花だったような気がします。
何しろ、自分から『俺は修正主義だ』と居直っているらしいですからね。
その修正主義の意味については、既にあちこちで書いたので省略します。
  http://jbbs.livedoor.jp/study/3729/storage/1102295096.html#136
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/shouhizei_2r.htm#251

そして、もう一つ今度はフォークですが……
何故か、これまたセッション2007でやっていた、
エポ・ウィズ・ショーロ・クラブが今年の二つ目の収穫でした。
セッション2007と言えば、一応ジャズ枠だろうと思いますが、
エポは私の分類で言うとやはり、フォークに入りますよね。
で、そのフォークについては、まだキチンと書いたことがないので、
これを機会にざっとまとめてみることにしました。

何故、今まで書かなかったのかというと、何と言っても最大の要因は、
フォーク歌手の連中も、軒並み洗脳されてしまった為に、
近年は大した曲を作っていない、という事情がありましたね。
そういう状況の中で、今回のエポは一応のレベルに達していました。
例えば『見知らぬ手と手』や『百年の孤独』などでは、
生きていることのヒリヒリ感のようなものが、良く伝わって来ますね。


さて、で問題のフォークですが、その絶頂期を形成していたのは、
女性歌手で言うと、ユーミン・矢野顕子・五輪真弓の三羽烏ですね。
それぞれ個性がありますが、感性の新しさという点からすると、
矢野顕子・ユーミン・五輪真弓の順でしょうか。

矢野顕子などは『丘を越えて』という有名な歌謡曲を、
実に斬新なアレンジで聞かせて、アッと言わせたわけですが、
因みに、私が特に好きなのは『終わりの季節』という曲でした。
ですから、私は『この人は日本の音楽を全て書き変えるんじゃないか』
という位に期待していたんですが……やはり、駄目だったようです。

近年は『ニューヨーク近郊の山中(!?)か何かにしけ込んで、
時々日本に戻っては活動する』という生活みたいですが、やはり、
日本の歌手は日本に活動拠点を置かないと、どうしようもないでしょうね。
まあ、洗脳されてしまえば、その辺の事も、
自分の思い通りには、ならないんでしょうけどね。


ユーミンも、その音楽の斬新さは中々のものでしたが、
私からすると、歌詞が少々ミーハーっぽいのが難点でしたね。
ただ、中身の濃い音楽を沢山作ったという意味では、
三人の中でも抜きんでていたと思います。

そして、もう一人の五輪真弓ですが、この人の音楽は、
三人の中では一番、その感性が古い感じがしました。
ただ、彼女の売りは何と言っても、その歌唱力ですよね。
これは三人の中でも、ずば抜けていたと思います。
ただ一人、外国から呼ばれて、パリ公演までやった程ですからね。

あのう……日本ではどう言うわけか、
そうした歌唱力が、余り重視されない傾向にありますね。
最近、聞いた歌手で言うと、フォーク系の手島葵とか、
ジャズ系のチアなどが良い例ですが、
あんな蚊の鳴くような声では、海外では全く相手にされませんからね。

35闇夜の鮟鱇★:2007/12/20(木) 11:59:26 HOST:151.net059085052.t-com.ne.jp
  ●●●2007年・今年の音楽総評●●●(3/4)

結局、日本人は慎み深いというか、自己主張を強く押し出すと、
嫌われる傾向が強い分けですが、その延長なのか音楽の方でも、
『前に張り出すような声』は余り好まれないのかもしれませんね。
その点では、同じ東洋人でも韓国人などは、自己主張が強いですからね。
それは、彼らが歌う演歌を聞いても良く分かると思いますが、
ガンガン前に張り出すような歌い方が、韓国では主流な分けですね。

その点で興味深いのは、クレマンティーヌというフランス系の歌手ですね。
彼女のブラジル風の音楽も、中々趣味が良くて私は嫌いではありませんが、
実は、彼女は本国では余り有名ではないらしいですね。
というのも結局、彼女の場合も、あちらで通用するには、
その声が細すぎるんですね。ですから、フランスでは売れず、
むしろ日本で売れたというのは、当然の帰結だろうと思います。

女性歌手としては、他にも才能のある人がきら星の如くいましたが、
先の三人に続く人としては、谷山浩子・大貫妙子・エポ、更には、
イルカ・山下久美子・尾崎亜美・竹内まりやなどが思い浮かびます。
他にも、これはアイドル系ですが、やまがたすみこ・飯島真理・太田裕美、
それからアダルトっぽい方では、丸山圭子・倉橋ルイ子等がいましたね。
結局、自己主張の弱い日本人には、強烈な自己主張が必要なロックより、
こうしたフォークの方が向いているのかもしれません。


他方、男性歌手ですが、これは何と言っても小椋佳がダントツでした。
何しろ東大卒ですから、その詞の内容が断然深くて、
他のミーハー歌手なんか到底、足元にも及びませんからね。
私が最も好きなのは『雨が降り、時が流れて』という曲ですが、
歌詞としては、梅沢富美男に提供した『夢芝居』という曲にある
『けいこ不足を幕は待たない 恋はいつでも初舞台』なんてね、
いかにも本質をえぐっていて、ぐさっと来るんじゃないでしょうか。

今年、聞いたライブの中では『癌を経験して何か人生観が変わったか』
と司会者に問われて『今更、癌で変わるような生き方はしてない』
とか答えていたのも『さすが』という気がしました。
ただ、この時のライブから判断する限り、
彼の場合も、近年は大した曲を作っていないようですね。

少し脱線すると、彼の息子が難病になったとか言う話がありましたが……
どうも、私はこの辺にもユダヤ主義の工作があるように思います。
というのも、ユダヤ主義の天候操作については既に何度も書いていますが、
『科学の特定領域の成果を隠匿し、謀略工作に利用する』のは、
何も天候操作だけに限らない、と私には思われるからです。


その意味で『こうした医学領域においても、
ユダヤ主義による操作があるに違いない』と疑っている分けで、
難病や障害を持つ子供を作る操作も、その一つではないでしょうか。
実際、有名人には妙に、その手の障害を持つ子供が目立つ分けですね。

例えば、水上勉・大江健三郎・長嶋茂雄などなどですね。
更に言うなら、男女の産み分けにしたってそうです。
その典型は天皇家の場合ですが、皇位を継承すべき9人が、
全て女などいうのは、もし偶然とすると相当な確率でしょ!?

直近では、やっと男子が生まれたようですが、これなんかも近年、
ユダヤ謀略のタガが緩み始めた結果だろうと私は考えています。
因みに、私の兄弟の子供にしても、全て女ばっかりですからね。
結局、男より女の方が『女権の拡張問題』などに引っかけて、
洗脳して操るのが、容易なんじゃないでしょうか。

36闇夜の鮟鱇★:2007/12/20(木) 12:01:47 HOST:151.net059085052.t-com.ne.jp
  ●●●2007年・今年の音楽総評●●●(4/4)

話を音楽に戻しますが、小椋佳の場合、ひとつ難点を言うと、
『音楽として見た場合に、ばらつきが大き過ぎる』
ということがありますね。例えば『潮騒の歌』なんて、
どうしようもなく平凡で通俗的な曲ですからね。

それから、もう一つ気に入らないのは、
彼が一応売れた後で、銀行なんかに就職したことです。
私などから見ると『あれだけの才能に恵まれながら、
どうして金勘定なんかするんだ』という感じでしたね。
これは、彼に才能を与えた芸術の女神に対する、
冒涜じゃないかとすら思いました。

その上、銀行に入っても結局は、恥をかいただけでしょ!?
つまり、例のオプション取引というのが出始めた頃に、
『それなら、オプションの売買を組み合わせれば、
必ずもうかるんじゃないか』とか言っていたのにはビックリしました。


その場合、彼が私大の出身なら、まだ分からないこともないんですね。
今はどうか知りませんが、当時の私大では、
文系入試に数学は無かったですから、
数学的思考にいくら疎くても、不思議はないと思うんです。

でも東大の場合、文系入試でも数学が必須ですからね、
どうしてそんな間違いをするのか、という気がしました。
まあ、銀行に就職したこと自体は、後になってみると、
彼の場合も『命令でそうするしか、なかったんじゃないか』
と気が付いた分けですけどね。

男性歌手で後に続くのは、井上陽水・吉田拓郎・南こうせつ・さだまさし、
それから、小室等・山下達郎・原田真二・尾崎豊あたりでしょうか。
フォークでは他にも、グループとして活動していた、
オフコースやハイ・ファイ・セットがいましたね。
因みに、私からみた場合、同性の男が書く歌詞というのは、どうしても、
舞台裏が透けて見えてしまう分、抵抗を感じることが少なくない分けですね。


その点、女性が書く歌詞は、その心理が分からない分、
何となく許せてしまうことが多いような気がします。
それから、もう一つ重要な差として、女性歌手が作る曲には、
特有の安らぎがあって、それが私は好きなんですが、
これはどうしようもない差のようです。
但し、後から出て来た中島みゆきなんかは、
男っぽ過ぎて、そうした安らぎは余り感じられませんけどね。

後は、バロックですが……今年は特筆すべき発見はありませんでした。
むしろ、宗教音楽という観点からすると、ロマン派以降で、
8/5の海外コンサートでやったグノーの『聖チェチーリア荘厳ミサ曲』や、
ブルックナーの『ミサ曲第三番』に多少の見所がありましたね。
以前に『ロマン派以降、音楽は魂の問題を語らなくなった』
と書きましたが……或いは、それは日本で紹介されていないだけで、
ロマン派以降の宗教音楽にも、隠れた名曲は多いのかもしれません。

一例を上げると、プッチーニの『四声のミサ曲』が中々の傑作のようです。
残念ながら私はまだ、その一部しか聞いたことがないんですが、
いつかFMでやってくれることを期待したい所ですね。
まあ謀略支配の現状を考えると、それは先ず無理でしょうけど、
念の為、言うべきことは言っておくことにしました。(-_-;)

37闇夜の鮟鱇★:2008/12/29(月) 11:25:57 HOST:100.net059086089.t-com.ne.jp
  ●●●2008年の音楽総評●●●(1/4)

私の音楽鑑賞に関しては、今年は随分と変化の多い一年でした。
というのも、今年の正月頃にmp3録音の機器を手に入れて以来、
もっぱら、MP3で音楽を聴くようになったからなんですね。
この手のデジタル音楽では、前に『MDプレーヤが故障したので、
VTRで音楽を聴くように変わった』という話をしましたよね。
でも……毎日10時間以上もかけっ放しとなると、
さすがのVTRも2〜3年でガタが来るみたいでした。(-_-;)

で、丁度そんな折り、手頃なMP3プレーヤを見つけたのは、
運がよかったというべきか、私にとっては渡りに船でしたね。
  http://kakaku.com/item/20656010064/Order=5/#ShopRanking
ただ、全く新しいシステムに乗り変えるのが結構な手間でした。
その場合、同じデジタル音楽とはいってもCDと違って、
MDやMP3の場合、圧縮率がひとつの焦点になる分けですね。

日本人にはデータ圧縮による音質劣化をひどく気にする人が多いですが、
mp3で言うと、ながら聞きするには64kbpsで充分という気がします。
実は、私がMDを聞いていた頃にひとつ気付いたことなんですが、
こうしてデジタル圧縮された音というのは、圧縮前の音に比べ、
むしろ、聞き易く感じられるということがあります。
結局、そうした圧縮操作によって無駄な音が整理されてしまう結果、
人間の耳にとって本当に必要な音だけが残る、ということかもしれませんね。


まあ私の場合はFMからの録音なので、元々CDほどの音質ではないし、
ノイズも付きまといますから、そんなに違いを感じないんでしょうが、
それでも、一昔前のラジカセなんかと比べると音質は桁違いですからね。
それに、実際問題として128kbpsや192kbpsなんかで録音すると、
移動や編集にかかる手間が何倍にも増えるだけなんですね。

因みに、雑音という点で言うと、最近のNHKFMは、
やたら雑音が多いという気がしませんか!?
ひょっとして、わざと送信出力を下げているのか、そうでなければ、
或いは、伝播経路で妨害工作をやられているんでしょうかね。

他方、利便性という点からすると、同じデジタルでも、
mp3は革命的な進歩と言って良いような気がします。
後述する無料ソフトなどを使うと、曲の取捨選択や組み合わせが、
自由自在ですから、聞きこなしが圧倒的に楽になりました。(*^^)v
特に、系統的に音楽を聴くことも十分、可能になったようですから、
今後は、個々の演奏者を評価することが増えるかもしれませんね。


さて、それで本題の音楽評価ですが、先ずバロックでは、
今年も大した収穫はありませんでした。
赤犬支配のNHKとしては、例えばカンタータの36番や97番は、
意地でもかけたくない、ということなんでしょうかね。(-_-;)
ただ、以前に少し触れたカンタータ182番に関して、
改めて聞き込んだ結果、これが中々の傑作と分かりました。
バッハのカンタータの中でも、5指か10指に入るでしょうね。
因みに、今回聞いたのは例のカール・リヒター指揮のものでした。

次にジャズですが今年、聞いた曲の中でのベストは、
キース・ジャレット・トリオの『恋に落ちたとき』だろうと思います。
今までに録音された彼の作品の中でも、10指に入るんじゃないでしょうか。
他方、日本の演奏家となると、例によってドングリの背比べで、
可もなく不可もなしというのが多く、突出した人は中々いませんね。
その中では、松永貴志の『時の砂』や西山瞳の『君をのせて』
といったバラードが、多少ましな部類に入るだろうと思いました。

因みに、松永貴志という人は若干22才の新鋭ピアニストらしいですが、
その年にしては驚異的なテクニックですね。
  http://www.emimusic.jp/artist/matsunaga/
今回、聞いた中でも『マッド・クラブ・パーティ』や『水風船』などには、
日本のジャズの未来形を予感させるような所がありました。
その場合、一つ興味深いのは、曲名に日本語が多いことですね。
結局、欧米由来の文化が真の意味で日本に根付く上では、
そうした日本語化の過程を避けては通れないように思います。

38闇夜の鮟鱇★:2008/12/29(月) 11:30:35 HOST:100.net059086089.t-com.ne.jp
  ●●●2008年の音楽総評●●●(2/4)

例えば自動車なんか、未だにカタカナの名前ばかりでしょ!?
光岡自動車とかいう特殊な改造車メーカーの場合は、
大蛇(オロチ)なんていう名前の車を作って売っているようですが、
主流メーカーは、何十年たってもカタカナ名ばかりですからね。
それで、米国人からは『日本メーカーの車名は、ステューピッドだ』
などと馬鹿にされている分けですから、世話ないですよね。(-_-;)
その意味では先ず、最も先進的なホンダあたりが、
日本名の車を売り出したらどうかと、私などは期待する分けですけどね。

それから、ジャズでは以前に『シー・ジャム・ブルースという曲には、
ドとソと二つの音符しかない』とかいう話を、>>21でしましたよね。
でも、つい最近知った所だと、更にその上を行く、
『音符がひとつしかない』という曲があるようです。(^^;)
それは、アントニオ・カルロス・ジョビンの『ワン・ノート・サンバ』
という曲ですが、文字通り『音符(ノート)ひとつのサンバ』ですから、
主旋律は、ソという一音だけで出来ているわけですね。

因みに、音符をより沢山使うのが高級な音楽かというと、
決してそういうことはなくて、実際はむしろ逆のようですね。
つまり、有能な作曲家がほんの少しの音符で名曲を作るのに比べ、
才能の乏しい作曲家ほど、やたら音を動かしたり、
音符を沢山使ったりする傾向が強いように思います。
一例を挙げると、ユーミンの『リ・インカネーション』なんか、
冒頭では、ほとんど音を動かしていませんからね。


ロックでは少し古い曲で、ジャーニーの『マザー・ファーザー』
が目についた程度ですが、フォークでは色々沢山ありました。
但し、それらも新作というよりは古い曲が多いようですが……
あくまで、私にとっての初耳ということですからね。(^^;)

先ず、谷山浩子の『放課後』は、歌詞がもう一つ月並みですが、
バッハの例の平均律の曲を換骨奪胎したような音楽は中々見事でした。
それから、中島みゆきの『糸』も良かったですね。
歌詞に力がある一方、曲の出来・不出来が大きいという意味で、
彼女は『女小椋桂』と呼ぶべきかもしれません。(^^;)

竹内まりやには色々良い曲がありましたが『駅』『人生の扉』、更には、
山下達郎とデュエットした『レット・イット・ビー・ミー』もいいですね。
庄野真代は以前のリストから抜け落ちたようですが、
最近、聞いた曲では『あなたが微笑うとき』と、
ボサノバ風の『アデュー』が中々の名曲でした。


ボサノバ調の名曲と言えば、丸山圭子の『どうぞこのまま』
を思いだしますが……あれは歌詞が結構きわどいですから、
子供には聞かせられませんかね。(^^;)
『ふれあうことのよろこびーをー♪』なんて歌ってますけど、
ふれあうというのは結局、なにがふれあうことでしょうからね。

抜け落ちという点では、今井美樹もその一人かと思ったんですが……
実は、彼女の場合は歌手専門で、作曲はしていないようですね。
彼女の歌の中では『野生の風』(筒美京平作曲)がベストでした。
もう一曲『グッバイ・イェスタデイ』(布袋寅奉作曲)では、
曲自体より、ピアノの伴奏が素晴らしいのにビックリしましたが、
調べて見ると、このピアニストは倉田信雄という人のようです。

男性歌手では、山下達郎の『ずっと一緒さ』は、
竹内まりやへのラブソングなんでしょうかね。
もう一人、槙原敬之の『明けない夜がくることはない』は、
曲想は悪くないんですが、その歌詞を良く聞いてみると、
何やら洗脳ソングという感じがしますね。(-_-;)

39闇夜の鮟鱇★:2008/12/29(月) 11:32:59 HOST:100.net059086089.t-com.ne.jp
  ●●●2008年の音楽総評●●●(3/4)

それから、これは演歌ですが、高山巌の『心凍らせて』も、
今年聞いた曲の中では、名曲の一つに数えるべきでしょうね。
その他では、姫神の音楽は何と言っても癒し系ですから、
今のような暗い世相には、ぴったりではないかと思いました。
ふっと肩の力が抜ける感じが、たまらなく良いですが、
全体に駄作が少ない中でも『風の彼方』がベストですね。

それから同じ民謡でも、これは沖縄系ですが、
古謝美佐子は、意外な見落としという感じでした。
彼女の歌の中では『巡る命』がベストでしょうね。
他方『黒い雨』は、彼女の旦那が作った歌だそうですね。
まあ、曲としては大したことはないと思いますが、
その歌詞を聞くと泣けてきますね。

あのおぞましい惨劇を淡々と歌っている点に、かえって胸を突かれます。
こうした原爆をテーマとする歌は、日本人の誰かが、
いつかは作らねばならなかったはずなんですが、
半世紀近くの間、誰も作らなかったということ自体、
どこかから圧力でも掛かっていたんでしょうかね。


その意味では今年、渋谷に移設して公開された、
岡本太郎の『明日の神話』が想起されます。
これはなんとも衝撃的というか、圧倒的な絵ですね。
中央で火を吹く骸骨もすごいですが、その左後方から右手前へと、
アイマスクみたいな不気味な目玉が流れて来る光景は、
悪魔の兵器の恐怖を、余す所なく伝えていると思います。

但し……壁画として修復されたものは、
色が大分くすんでいて、肝心の目玉もぼやけているようですね。
  http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/95/Asunosinwa.jpg
私が最初に見たのはこっちの写真ですが、
色の鮮やかさが全然違うし、迫力もずっと上手でしょ!?
  http://pds.exblog.jp/pds/1/200608/31/81/d0017381_3525371.jpg

さて、MP3の聞きこなしに関しては、
色々捜し回って見つけた便利ソフトがありました。
音楽ファンの為に、その内の三点をざっと紹介しておこうと思います。
例によって私の場合、全て無料ソフトですけどね。(*^^)v
先ず、FMからタイマー録音するのは簡単なんですが、
問題はそれをどう編集するかなんですよね 。


私の場合、民放は使わないのでCMは関係ないですが、
聞きこなしで先ず、邪魔になるのが解説なんですね。
で、大抵の機器には一応オートシンクという仕組みがあって、
無音部分を自動検出し、録音を切りわけることが出来るわけです。
でも……経験した人はお分かりでしょうが、実際問題として、
この仕組みは、ほとんど使い物にならない分けですね。

ですから、自分の耳で聞いて切り分けるのが一番なんですが、
MP3を編集する為の道具として、Audio Editorというのが便利です。
  http://www.xucker.jpn.org/pc/audioeditor_install.html
  ae421.lzh
このソフトは、当初wavにも対応していたようですが、
版を重ねた現在はMP3専用に変わっているので、
むしろ、MP3 Editorと呼ぶべきかもしれません。

これを使うと、MP3の分割・結合と削除の編集が出来ますが、
その内、結合というのは余り使い道がありませんね。
何しろmp3は、組み合わせや並べ替えが自由なのが利点ですから、
敢えて結合する意味は、余りないように思います。
なるべく細かく切り分けておいた方が、何かと便利な分けですね。

40闇夜の鮟鱇★:2008/12/29(月) 11:38:23 HOST:100.net059086089.t-com.ne.jp
  ●●●2008年の音楽総評●●●(4/4)

よって、残るのは分割と削除なんですが……
分割というのは曲毎に名前を付けたりと、色々手間がかかるのに比べ、
削除では邪魔な解説などを切り捨てるだけなので、ぐっと楽ですね。
ですから、私のお勧めは『確実に残す』音楽は最初から分割編集し、
『聞いてつまらなければ捨てる』ような音楽は先ず削除編集し、
残すと決まったら、改めて分割編集するという手順ですね。

このソフトは実用本意で、そっけない感じもしますが、
自分で使い込んで直していますから、さすがに使い易いですね。
ただ一つ難点を言うと、窓のサイズを直せないことです。
一応、サイズ修正の仕組みはあるようなんですが、
これはバグなのか、曲名記入の欄が広がりません。
ですから、クラシックなどで長い曲名を記入する場合、
ちょっとやりにくい感じですね。

分割(カット)の場合、例えば次のように指定する分けです。
  01 G01
    00255.08
  02 三つのロシアの歌の主題による序曲
    01148.92
  03 G03
    01320.98
  04 Vn協ニ長Op35
    04749.22


左手の数字はソフトが自動的に付ける連番ですが、
その右手にG01(ゴミとして捨てる部分)とかPf協(曲名)などと書いたら、
次の行で、その部分の末尾の時刻を時分秒で指定する分けです。
他方、削除(カット)の場合は、切り捨てる部分の頭尾の時刻を、
時分秒の対で指定するだけですから、ずっと簡単ですよね。
  01 00000.00
    00004.16
  02 00126.59
    00336.70

次はタグ編集ソフトですが、これはStepというのが使えます。
  http://hdcom.jp/free/tag/step/step.html
  STEP037bin.zip
mp3音楽を沢山ため込んで整理する場合、mp3に付属するタグで、
曲名・演奏者・録音日などのデータを、自己流に書き直したい分けですね。

このソフトは、エクセルに似た画面内に、複数の曲を並べて表示しますから、
一群の曲でタグをまとめて編集するのに便利に出来ています。
エクセルみたいに『引き落としで連番を入れる』ような芸当はできませんが、
エクセル内で作った一列を、そっくり張り付けることは出来ます。
或いは、演奏者名をコピー(制×C)してから、Step内の複数セルを選択し、
張り付け(制×V)をやると、一気に記入できます。


第三のソフトは外国製ですが、Audacityというのがあります。
  http://www.xucker.jpn.org/pc/audacity_install.html
  audacity-win-1.2.6.exe
これは音を重ねたり修正したり、何でもできそうなソフトですが、
余りに多くの仕組みがある為、初心者にはかえって難しいでしょうね。
私の場合は、もっぱらMP3の音量修正に使っています。
色々なmp3を混ぜて聞く場合、音量に大差があると困る分けですね。

このソフトでは全選択(制×A)して『効果〜増幅〜OK』とやると、
自動的に、音量の最大値が上限の1.0になるように増幅してくれます。
後は『ファイル〜MP3ファイルの書き出し』として保存する分けですが、
実はここで、lameというソフトが別途、必要になります。
  http://www.xucker.jpn.org/pc/lame_install.html
  lame_enc.zip
これを下転して適当な場所に解凍保存しておき、
今の『MP3ファイルの書き出し』の所で要求されたら、
その場所まで辿って、指定してやれば良い分けです。

Audacityでひとつ注意したいことは、やり方によっては、
大量のtmp帳が残り、HDDが容量不足に陥り易いことですね。
このソフトでは曲を開くのに、結構な手間が掛かるので、
何日もかけて編集する時は、プロジェクト帳を残したい分けですね。
でも、それをやるとb00000.auなどというデータ帳が残り、
長めの曲ではHDDの残量が足りなくなります。
さて、これらのソフトを実際に使う時に便利な方法として、
動作登録する手があるんですが……既に長くなりましたし、
内容的にも少しずれるので、それは『裏技』で書くことにします。(^^;)

41闇夜の鮟鱇★:2009/12/31(木) 12:25:01 HOST:239.net220148125.t-com.ne.jp
  ●●●2009年の音楽総評●●●(1/6)

つい最近、少しユー・チューブにはまっていたんですが……
そこで検索すると、どんな音楽でも簡単に手に入るのにはビックリしました。
実は、今までもユー・チューブに興味がなかった分けではないんですけどね、
何しろ旧PCでは、あそこの動画をまともに再生できないので敬遠していたのでした。
それが、今年5月に新PCへ乗り換えた結果、
ようやく、まともに見られるようになっていたわけですね。

それで、ユー・チューブで最初に見つけたバロック音楽がこれでした。
  http://www.youtube.com/watch?v=uRRrSYwVcMc&feature=related
既に何度か触れたカンタータ80番『神は我が櫓』の冒頭の一曲ですが、
初音ミクというのは、市販されている音声合成ソフトのようです。
誰かがそれで作った演奏をこうして公開している分けでしょうね。
でも、聞き慣れた曲をこういう合成音で聞くと、
なにか不意を突かれた感じがして、改めて涙が出てきました。

それは丁度、昔バッハの名曲をジャック・ルーシェの演奏で聞いた時、
やはり、不意を突かれた感じがしたのと似ているかもしれませんね。
一つ言えることとして、この手の合唱曲に余り馴染みがない人にとっては、
その音程を聞き取るだけでも最初は結構、苦労するということがありますよね。
その点、こういう合成音だと非常に音程が聞き取りやすく、また、
その音形というか音の並びも、くっきりとして良く分かりますから、
ある意味で入門編としては、最適ではないでしょうか。


特にこの曲の場合、バッハお得意の『フーガの技法』が、
縦横無尽に駆使されている点も、一つの聞きどころでしょうね。
フーガというのは簡単に言うと、学校で習う輪唱曲を発展させた形式ですね。
一つのメロディーを時間をずらし、音程をずらして複雑に重ね合わせつつ、
どんどん音楽的な高みへと導いていくわけですが、この曲では、
『ドードーーーシラソー ラシドーーーレドシ ラーレーソー』という奴ですね。

それから、マタイ受難曲の冒頭の大曲もありました。
これまた初音ミクですが、例の胃のもたれるスーパー・ヘビー級の傑作ですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=lXLHGZpDhFk&feature=related
さすがに音の厚みは全くありませんが、真価は十分に分かるのではないでしょうか。
因みに、最初の歌い出しで『娘たちよ来なさい』とか言っているのが面白いですね。
何故『息子たちよ』でなく『娘たちよ』なのか、不思議だとは思いませんか!?

この歌詞自体は多分、元となる新訳聖書のマタイ伝に由来するんでしょうが、
結局、私が見る所では、新興宗教というものは、その最初の布教段階において、
男よりも女の方から先に食い込んで行くことが多いようですね。
そもそも、巫女だのよりましだのイタコだのは、いつでも女と決まっていますし、
男より女の方が迷信深いというか、神に近いということなんでしょうかね。(^^;)


例のモルモン教にしたって、最初の頃は信者が女ばっかりだったので、
男が足りなくて一夫多妻制を採用した、という有名な話がありますからね。
ただ、そうした制度は他のキリスト教徒から総スカンを食くらう一方、
次の世代になると、自動的に男女が同数生まれてくるので、
モルモン教の一夫多妻制は時代と共にすたれたようですけどね。

さて、こうなると当然、次はミサ曲ロ短調ですが、
今度は合成音ではなくて、本物の合唱とオーケストラによる演奏です。
その場合、やはり何と言っても著作権の問題がつきまといますから、
以下のリンクも、いつかは消されてしまう運命にあるのかもしれません。
ですから、聞けるのは今のうちだけかもしれませんね。(^^;)

因みに最近、ノートPCを手に入れ、そのカスタマイズで、
てんてこ舞いというか、七転八倒しているんですが、
そこで使うSDカードは、4GBが800円とか言ってますからね。
こうなると、バッハ全集も親指の先位のサイズに収まってしまうでしょうし、
遠くない将来、例えば黒沢明の映画全集が同じサイズになる時代が必ず来ますよね。
となると、著作権云々で騒ぐのは、もはや悪あがきに過ぎないような気がします。
結局、将来的には『形のないものは全て只』になるんじゃないですか!?

42闇夜の鮟鱇★:2009/12/31(木) 12:30:11 HOST:239.net220148125.t-com.ne.jp
  ●●●2009年の音楽総評●●●(2/6)

その結果として、経済的な価値の中心は、例えばシルク・ド・ソレイユだの、
コルテオだのといった舞台芸術に、移って行くんじゃないでしょうか。
その時、音楽家は生の演奏活動で稼ぐから良いとして、ならば、
小説家みたいな職業は死滅するのかというと、私は多分そうならないと思います。
そもそも、紫式部や清少納言にしても、印税で生計を立てていた分けではないでしょ!?
結局、本当に気に入ったものは、本のような形にして持ちたいと思う人が必ずいますからね。
そういう方向に活路を見いだして行くのが、正しい戦略ではないんでしょうか。

話を戻してミサ曲ロ短調ですが、さわりのサンクトゥスを捜した所、
先ず最初に見つけたのは、まあオーソドックスな演奏でした。
移り変わる空の風景が重ねられているのが印象的でしたが、
演奏者は不明で、これを書く為に改めて捜し直した所、
既に消されたのか、どこにも見当りませんでした。(-_-;)

次に見つけたのがこれなんですが、少し軽めの演奏ですかね。
J.E.ガーディナーと言えば、宗教曲では高名な指揮者ですが、
ここでは最初に英語による解説が入っています。
『たとえ宗教音楽とは言っても、バッハの音楽だけは、
あらゆる制約を越えた普遍的な価値がある』とか言っていますね。
  http://www.youtube.com/watch?v=u8PqnxZ5Skc


そして三つめに見つけたのが例のカール・リヒターなんですが、
テンポが遅いのはともかく、この曲の重さを十分支え切れていませんね。
  http://www.youtube.com/watch?v=0Nv3G-j4XZE&feature=related
まあ、彼の場合、ロ短調の演奏は沢山やっているそうですから、
この演奏が彼のベストとは言い切れないのかもしれませんけどね。
ただ、この曲の重さを支え切る為には、それなりの胆力が要求されると言うべきか、
以前に聞いたヘルムート・リリンクの演奏にしても、私にはもの足りませんでした。

と言うわけで、今まで私が聞いた演奏の中では、
オットー・クレンペラーによるものがベストでしょうね。
残念ながら、この指揮者はユダヤ系らしいですけどね。
実は、改めてユー・チューブに行って『BWV232 Sanctus』で捜し直すと、
余り名を知られていない指揮者も含め、他にもごそごそ出て来ました。
  http://www.youtube.com/results?search_query=BWV232+Sanctus&page=&utm_source=opensearch
末尾に、オサンナが入っているのと入っていないのとがあるようですが、
最初の奴では、ついでに次のベネディクトゥスも並べておきました。

ハリー・クリストファーズ
  http://www.youtube.com/watch?v=334mdw98te0
  http://www.youtube.com/watch?v=MjR5o_VlQyI
ミッシェル・コルボ
  http://www.youtube.com/watch?v=Fntq-0z2UT4
ピーター・ブロムシュテット
  http://www.youtube.com/watch?v=z0giG0JqxfY
ピエール・カオ
  http://www.youtube.com/watch?v=J_nxlaGCMRg
フルビオ・ランピ
  http://www.youtube.com/watch?v=3JzGjDUCAoQ
オイゲン・ヨッフム
  http://www.youtube.com/watch?v=0wNTNEZYoHg


ついでに、他の傑作についてもそのサワリを紹介しておきましょうかね。
先ず、ヘンデルのオラトリオ『救世主』ですが、そのベストは何といっても、
『みどり子、われらに生まれたり』というキリスト生誕を祝う一曲でしょうね。
  http://www.youtube.com/watch?v=TN5BaOGTmGs&feature=fvw

その何とも博愛的なメロディーには圧倒されますが、
これはヘンデルが残した最高のメロディーと言って良いと思います。
この曲も、オットー・クレンぺラーによる名演がありましたね。
因みに、私は今まで歌い出しを『Oh unto us a child is born』と聞いていたんですが、
今回の調べ直しで、正しくは『For unto us a child is born』であると知りました。(^^;)

次は、ハイドンのミサ曲『ネルソン』のさわりの一曲です。
  http://www.youtube.com/watch?v=-H_LNftGoNs&feature=related
実は、今年の秋口に『ビバ!合唱』という番組でこの曲を取り上げていたんですが、
30分枠で全部放送できずに抜粋していたのはともかく、
最もおいしいこの部分を落していたのは、いかにもNHK的な間抜けさですね。(^^;)
多分、この場合は謀略絡みもあったんだろうと思いますが……。

43闇夜の鮟鱇★:2009/12/31(木) 12:35:11 HOST:239.net220148125.t-com.ne.jp
  ●●●2009年の音楽総評●●●(3/6)

それから最後にもう一つ、モーツァルトのミサ曲ハ短調ですね。
この曲の場合、選曲が難しいんですが結局、例の処女懐胎の一曲にしました。
  http://www.youtube.com/watch?v=GSF2zBuz-Vg&feature=channel
さて例の『バロックの森』では、今年もゴミばかり多かったようですが、
その中で、11月の第一週にバッハのカンタータをズラズラ並べていましたね。
実を言うと、丁度その直前に私の録音用のQT-MPA5が故障したのでした。(-_-;)

それで、QT-MPA5をまた一台買い足した結果、今や4台も持っていますが、
再生用に2台、録音用に1台、そしてもう1台は予備用ですね。
その場合、録音用の1台にはアンテナ入力用に専用端子を作り付けていたので、
すぐには再生用で代用できないんですが、そこを赤犬に狙われた分けですね。
このQT-MPA5は、今年の春にも二台目に買った奴が故障して直したんですね。
ここで紹介した以上、それを直すコツについても書きたいんですが、
今はその余裕がないので、また暇を見つけてどこかに書くつもりです。

もっとも、今回故障したのは一台目の方で、こっちはまだ直し方も不明なんですね。
ただ……最近知った話によると、フラッシュ・メモリーという奴は、
数百回も書き替えると、不良化してしまうんだそうですね。
その意味で、この手のフラッシュ・メモリーを使う機械は、
毎週一回書き替えるペースで使うと、一年に50回位は書き替えますから、
4〜5年もすると必然的に壊れる宿命なのかもしれません。(-_-;)


さて、その後、例のユー・チューブの使い方が私にも段々分かって来たので、
最近は『バロックの森』でも、良くカンタータをやるようになりましたね。
結局、バッハのカンタータの場合、その連番はBVW番号と同一ですから、例えば、
『神は我が櫓』は、ユー・チューブで『BVW80』で検索すると一発なんですね。

ですから、赤犬どもも『バロックの森』を始めとするFM放送で、
バッハのカンタータをブロックする意味が無くなった分けですね。
今までは、とにかく『カンタータの36番や97番は、
絶対に放送してはいけない』みたいな縛りがあったみたいですけどね。
因みに、プーチーニの『四声のミサ曲』も同じ手で捜そうと考えた所、
プッチーニには作品番号というものがないようです。(-_-;)

ワグナーもそうかもしれませんが、オペラしか作らないような作曲家の場合、
作品数は知れているので、番号を付けて整理する意味がないのかもしれませんね。
さて、その『バロックの森』では、唯一印象に残ったものとして、
例のフランス革命で処刑されたマリー・アントワネットが作った曲がありました。
『それは私の恋人』という曲でしたが、これなんかを聞くと、
彼女には十分な作曲の才能があったことが分かりますよね。


それからこれはバロックではありませんが、
一人目についたバイオリニストがいました。
マキシム・ベンゲーロフは、これまたユダヤ系のロシア人らしいですが、
その演奏だけでなく、楽器の音色も素晴らしいので、
少し調べてみた所、かの有名なストラディバリウスでした。(^^;)

今回、聞いたのはブラームスのバイオリン協奏曲でしたが、
第三楽章の冒頭の『ミーーファファソ ミーーファファソ
ミッドッミッラッミー』というメロディーが特に有名ですよね。
例の北京バイオリンでも、ちょっと出てきたように思ったんですが、
何故か、wikiの解説にある一覧では抜け落ちていました。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E4%BA%AC%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3#.E5.8F.8E.E9.8C.B2.E6.9B.B2

でも……どういう分けか作曲家にしろ演奏家にしろ、
欧米では、やたらユダヤ系が多いのが引っ掛かりますよね。
その場合、ひとつの要因としては、やはり何と言っても、
『異民族はその国の中枢に入りこみにくい』という事情があるでしょうね。
というのも、各民族には自己防衛本能というものがありますから、
その結果、才能のある異分子は医者や弁護士や芸術家といった、
独立系の職業に活路を見いだすことになるんだろうと思います。

44闇夜の鮟鱇★:2009/12/31(木) 12:41:38 HOST:239.net220148125.t-com.ne.jp
  ●●●2009年の音楽総評●●●(4/6)

日本にしても、プロレスで有名な力道山が朝鮮系だったり、
野球の世界でも、王貞治や張本勲が活躍した事実がありますが、
その背景には、似たような事情があるんでしょうね。
ただ私の見る所では、ユダヤ系の場合、もうひとつの見逃せない要因として、
『ユダヤ支配に伴うユダヤ系びいき』ということがあるように思います。
つまり、ユダヤ主義が非ユダヤ系の足を引っ張るので、結果的に、
ユダヤ系の芸術家や知識人が目立つことになるという構図ですね。

これは暫く前にFMで聞いて少し驚いたんですが、
リャードフというロシアの作曲家が怠け者で、
余り作品を残さなかった、とかいう話があったんですね。
でも……『怠け者の芸術家』なんて、言葉の自己矛盾だとは思いませんか!?
だって、芸術家というのは、科学者と同様に、
『遊びと仕事が一致する』希有な職業なわけですからね。

つまり、普通の人間の場合は、金の為にやむを得ず仕事をするわけで、
それ故に、怠惰な人は仕事をさぼることも珍しくないわけですよね。
しかし、芸術家にとっては、仕事は遊びでありレジャーであり……
好きで好きでたまらないから、やってることなわけで、
怠け者の芸術家という言い方が引っかかったわけです。


ですから、芸術家があまり仕事をしなかったとすれば、それは私には、
怠惰なんかではなく、もっと別の要因があったように思えるんです。
たとえば、なにか薬物やガスの影響を含めて、
ユダヤ主義に足を引っ張られた可能性が疑われる分けですね。
例えば、有名なチャイコフスキーなんか、一度ならず二度までも、
自分が献呈した音楽の演奏を相手に拒絶される、という目にあった分けですね。

一つはピアノ協奏曲第一番、一つは例のバイオリン協奏曲ですが、
それらはどちらも、今から見ても第一級の名曲なわけですよね。
それなのに、いくらボンクラとはいえ、専門の音楽家が、
その真価を見抜けない、というのは全く納得が行かない分けですね。
ですから私は、これらの例はユダヤ謀略が裏から手を回して、
チャイコフスキーの足を引っ張ったんじゃないか、と疑っている分けです。

まあ、自殺したゴッホを始め、悲惨な生涯を送った芸術家は、
枚挙にいとまがないわけですけど、それに比べ、
ヒットラーが嫌ったというユダヤ系のメンデルスゾーンなんか、
実に幸福な人生を送ったらしいですね。
その結果、妙にのびのびとした音楽を残している分けですが、
『その人生が順調だから、より深い作品を残せるとは限らない』
という点が、科学と違って芸術というものの奥深い所ではないでしょうか。


薬物による操作という点でいうと、暫く前のドイツで、
サッカーの八百長騒ぎがあったのも気になりました。
試合結果を操作する為に、何か薬物を使ったという話が出ていたんですが、
こういう話を聞くと、私は何やらアリババ法の臭いを感じる分けですね。
というのもユダヤ主義の習性として、謀略がばれかかると、
似たような情報を氾濫させて覆い隠す、という手口があるからなんです。

私は『スポーツも謀略で操作されている』という話を前からしていますが、
そうした操作がばれかかったので、八百長騒ぎをでっちあげたような気がします。
例えば、野球では米国がキューバに絶対勝てないとか、或いは、
一時期の日本が韓国に負けてばかりだった、という現象がありましたよね。
また、幾ら大砲を集めても巨人が全く勝てないという珍現象もありましたが、
それらのことは常識的に考えても、ちょっとおかしいとは思いませんか!?
その意味で、私は五輪ですら、余りまともには見る気がしないんですね。

最近は、フィギュア・スケートの世界でも、似たような現象がありますよね。
つまり『日韓対決の構図になって、日本が韓国に勝てない』
という状況は、いつかどこかで見た覚えがあるでしょ!?
ですから、私はそうしたこと全てが、操作されていると思っている分けです。
その意味で、今年は『われらのマオちゃん』が絶不調で、
憎たらしいキム・ヨナに大差を付けられていますけどね。
この辺にも何らかの操作があるんじゃないかと疑っています。

45闇夜の鮟鱇★:2009/12/31(木) 12:51:29 HOST:239.net220148125.t-com.ne.jp
  ●●●2009年の音楽総評●●●(5/6)

因みにマオというと、私なんかは昔聞いたFENで耳ダコが出来ているせいか、
どうしても、マオ・ツェー・トゥング(毛沢東)の方が先に来るんですよね。
その意味では、日本のマオの方は『垂れ目が可愛いマオちゃん』を略して、
『タレマオ』なんていう愛称はどんなもんでしょうかね。(^^;)
フィギュア・スケート界では、もう一人のミキティが頑張っていますね。
最近の彼女は、少し妖艶さすら出てきたようですが、
でも、五輪でキム・ヨナを倒すのは難しいでしょうかね。

他方、ユダヤびいきという点では、ユダヤ名に似た名前が得をする現象もある分けですね。
例えば日本ではシモンやサイモン、或いはシオンなんて名前の有名人が珍しくないですが、
そうしたユダヤびいきを考えると、芸能人はその手の名前をつけた方が得かもしれませんね。
或いは、エイサクやダイサクなんて名前にしても、イサクというユダヤ名に似てるでしょ!?
私は佐藤栄作がノーベル平和賞を貰ったのは、その名前のせいだろうと考えていますし、
創価学会が世界的な布教に成功したのも、池田大作の名前が寄与しただろうと思っています。

脱線ついでに、もう少し脱線すると、今年も自殺者が3万人を越えたそうですね。
その中で、特に埼玉と千葉の増え方が著しいという話が気になりました。
というのも最近、私は良くコンビニ弁当を買うんですが、
そこへ不安や不眠などに陥れる薬物を混入して来る分けですね。
そのことが何か関係しているんじゃないでしょうか。


これは前にも書いたと思いますが、奴らがロット単位で色々混入する結果、
その不安感で発作的に自殺するケースがあるんじゃないか、と疑っています。
ただ、今回のニュースからすると、むしろ薬物混入を命令された赤犬たちの中で、
嫌気がさして自殺する、或いは告発を試みて消される人が多いのかもしれませんね。

というのも、薬物の影響による自殺なら、弁当の流通圏から考えても、
関東一円に広がるはずですが、埼玉や千葉で特に自殺者が増えているとすれば、
それは弁当の製造工場がそこに集中している、と考えると納得が行く分けですね。
それから、米国ではまたまた飛行機での爆弾テロ未遂で騒いでますが、
死ぬ気で向かってくる相手に対しては、何をやっても無駄でしょうね。
それが分からないアメリカ人というのは、本当に救いがたいアホですよね。

必要なことは、人間をそこまで追い詰めているものに思い至ることであり、
背後に潜んでいるユダヤ主義の悪魔を倒すことなんです。
『ヒットラーの登場を防ぐ為の戦争を回避したのは誤りだった』
とかいうユダヤのレトリックに、未だに振り回されているようですが、
そんな愚かな国と同盟を結び、頼りにしている日本も愚かですよね。


その意味では『普天間がどうたら』というみみっちい問題で騒ぐより、
もっと大きな構想力を持つことが、日本の政治家には求められていると思います。
つまり、日米安保などは解消して『自分の国は自分で守る』気概を持つこと、
その為に必要なら核武装でもするんだ、という覚悟をすることですね。
ディズニーランドみたいな、ふわふわした気分に騙されて、
夢を見せらているのは、例の映画『マトリックス』の罠そのものでしょ!?

脱線はこの位にして今度はジャズですが、今年は大したものがありませんでしたね。
『セッション2009』で唯一印象に残ったのは、中村善郎トリオの『ホマリア』でした。
この場合、正確にはジャズというよりブラジル音楽でしょうけど、
『ホマリア』という曲名は、ポルトガル語で『巡礼』を意味するそうです。
ポルトガル語と言えば、こっちは本国の音楽でファドという分野ですが、
カルロス・ド・カルモの『ソンブラ・ド・デセージョ』もいい曲でした。

次は、ロックですが『ライブ・ビート』の内容が余りに下らないので、
今年の途中から『ワールド・ロック・ナウ』に乗り換えたんですね。
その場合、この金曜晩の番組は一曲毎に解説が入ってうるさいので、
一度は敬遠していたんですが、例のオーディオ・エディターを使うようになると、
無駄な部分を簡単に切り捨てられるので全然、問題なくなりましたね。(*^^)v

46闇夜の鮟鱇★:2009/12/31(木) 12:57:24 HOST:239.net220148125.t-com.ne.jp
  ●●●2009年の音楽総評●●●(6/6)

で、特に赤犬どもの手が入らない最初の内は、色々と良い曲があったようです。
その中から、今年聞いたロックのベストテン位を並べてみると、
先ず第一席は、チープ・トリックの『ミス・トゥモロー』でしょうね。
チープ・トリックは名前だけ知っていて聞くのは初めてでしたが、
グループの名前に反して、この曲は意外と格調高いですね。

その歌詞はどことなく『さようなら世界婦人』を連想させる所もありますが、
『Here she comes』という表現には多分、性的な絶頂を重ねているんでしょうね。
  http://www.songlyrics.com/cheap-trick/miss-tomorrow-lyrics/
あのう、日本と米国では、何でも表現が逆になるところがあって、
例えば日本人がおいでおいでをする手の仕草が米国では、
『あっちへ行け』と追い払う仕草になるんだそうですね。

同様に、日本語で『イクイク』と表現する所が、英語では『カムカム』となる分けですね。
そう言えば昔、清水あきらの爆笑ネタで、五木ひろしの『横浜たそがれ』
の替え歌を『ヨコハメ〜、タテハメ〜』なんてやってましたけど、
あの場合のサビも『あのーひとーはイッテイッテしまった』ですからね。(^^;)
第二席はイン・ケイス・オブ・ファイアの『ディス・タイム・ウィ・スタンド』、
第三席はソニック・ユースの『アンチ・オーガズム』ですかね。


この歌詞の中に『ブレイン・ポリス』というのが出て来るんですが、
ひょっとして彼らは、日本の頭脳警察のことを知っているんでしょうか。
  http://www.songlyrics.com/sonic-youth/anti-orgasm-lyrics/
或いは、頭脳警察も向こうのロックに少しは影響を与えているのかもしれませんね。
『anti-war is anti-orgasm』などと、分けの分からないことを言っていますが、
オーガズムというのは、すけべ人間は先刻ご承知の通り、これまた性的絶頂のことですね。

因みに、すけべ人間と言えば、例の『あいのり』の最終回で、
オランダの地名に『スケベニンゲン』というのがあるという話が出ていました。
正確には『Scheveningen』と書いて、現地の人はスヘフェニンゲンと読むらしいですが、
そこの日本人は皆、スケベニンゲンと読み習わしているんだそうです。(^^;)
この手の話としては、昔から有名なのにエロマンガ島というのがありますね。
学生時代に聞いて地図を調べた所、確かに南太平洋にはそういう島がありました。

当時は『太平洋戦争中に島を占領した日本兵が命名したんだ』とかいう、
もっともらしい俗説がはびこっていましたが最近、改めて調べなおした所、
エロマンガ(Eromanga)には、現地語で『熱い強風の平原』と言う意味があるんだそうです。
その証拠に、オーストラリアの奥地にも同じ名前の地名があるみたいですね。
  http://ankyo.at.infoseek.co.jp/chinmei/eromanga/eromanga.html
このサイトの話だと、アルゼンチンには『マルデアホ(Mar de Ajo)』
という地名もあるそうで、これまた傑作ですね。(^^;)


またまた脱線しましたが……第4〜7席はグリーン・デイの『ノウ・ユア・エネミー』、
アーケイド・ファイアの『ウェイク・アップ』、メタリカの『ジューダズ・キッス』、
そして、ナイン・インチ・ネイルズの『ウィッシュ』といった所ですかね。
もうひとつ、女性ボーカルでラ・ルーの『ブレット・プルーフ』も良かったです。

以上はハード・ロック系ですが、重たいバラードも何曲か目についたのがありました。
アラニス・モリセット『ノット・アズ・ウィー』、スティング『フィールズ・オブ・ゴールド』、
ジェイムス・ブラント『ユア・ビューティフル』、レジーナ・スペクター『ラフィング・ウィズ』、
それから、モービー『スタディ・ウォー』は例のラップ系ですが、これも悪くないですね。

最後に、フォークにも一応触れておきましょうかね。
ここでも、今年は余り収穫が多くなかったんですが、
その中では尾崎亜美の『ヴォイス』がベスト、
それに『フォーユー』も良い曲だと思いました。

47ゆな:2010/01/11(月) 19:23:14 HOST:p6179-ipbfp904okayamaima.okayama.ocn.ne.jp
いきなり書き込みしてすみません。
ロマン派音楽のプラスになる面とマイナスになる面
って何だと思いますか?

考えてもわからなくて…。
音楽に詳しい方にお聞きしようと思って。

48闇夜の鮟鱇★:2010/01/12(火) 15:40:58 HOST:164.net059085208.t-com.ne.jp
>いきなり書き込みしてすみません。
>ロマン派音楽のプラスになる面とマイナスになる面
>って何だと思いますか?

質問の主旨がもう一つ良く飲み込めないんですが……
結局の所、音楽ってその名の通り、聞いて楽しいかどうかが全てですよね!?
その上で『私はこういう音楽が好きだ嫌いだ』という話になると思うんですが、
少なくともロマン派音楽は、普通にテレビなんかでやっている音楽に比べたら、
遥かに高級な音楽ですよね。
高級という意味はつまり、遥かに高尚な気分に浸らせてくれるという意味ですけどね。

読めば分かる通り、私の場合はロマン派音楽より更に高度な音楽として、
バロック音楽、特にその宗教音楽があると考えているわけですが、
それでも、必ずしも『ロマン派音楽が無価値だ』と言いたい分けではありません。
結局、ロマン派音楽(その場合、ジャズのキース・ジャレット等も含めてですが)は、
あくまで気分を楽しくさせたり高揚させたりして、それこそ、
『音楽だけが連れて行ってくれる』世界で夢を見させてくれるわけですね。

それに対して、バロックの宗教音楽には『心がつらくて折れそうな時に、
助けてくれる』という魂の救済者としての役割があるんですね。
ですから、ロマン派の音楽を一通り聞き飽きた方は、是非、
その先に横たわる宗教音楽という巨大な峰に挑戦してはいかがかと、
思っている分けですが……こんな所でよろしいでしょうか!?

49闇夜の鮟鱇★:2010/01/23(土) 13:41:03 HOST:198.net059085209.t-com.ne.jp
  ■音楽総評の訂正■

今回は年末に少し焦って書いたせいか、ミスが多かったので訂正しておきます。
例によって、上段が元文、下段が訂正文ですね。(^^;)

>>42
ピーター・ブロムシュテット
ヘルベルト・ブロムシュテット 

>>43
結局、バッハのカンタータの場合、その連番はBVW番号と同一ですから、例えば、
結局、バッハのカンタータの場合、その連番はBWV番号と同一ですから、例えば、

『神は我が櫓』は、ユー・チューブで『BVW80』で検索すると一発なんですね。
『神は我が櫓』は、ユー・チューブで『BWV80』で検索すると一発なんですね。

>>43
ワグナーもそうかもしれませんが、オペラしか作らないような作曲家の場合、
ワグナーもそうかもしれませんが、ほとんどオペラしか作らないような作曲家の場合、


ついでに、以前のミスで目についた所も、訂正しておきます。

>>19
ですから、彼の胃にもたれる音楽は、つらい時には奇跡にように聞きますが、
ですから、彼の胃にもたれる音楽は、つらい時には奇跡にように効きますが、

>>40
分割(カット)の場合、例えば次のように指定する分けです。
分割の場合、例えば次のように指定する分けです。
――オーディオ・エディタでは、カットは分割でなく削除でした。(^^;)

50闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 11:53:13 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(1/12)

そろそろ、今年も音楽総評の時節になりましたが、
今回は書くことが多過ぎて、うまくまとまるか少し心配です。(^^;)
例によってバロックから始めようと思いますが、
今年は、例のカンタータ36番の評価で少し困っているんですね。
というのも、以前にインテリ乞食をやっていた頃は、地獄のような日々だったので、
辛うじて精神の平衡を保つ上で、バッハのカンタータが必需品だった分けです。

ところが、最近の私は老後の心配もなくなって結構、能天気な毎日ですから、
以前のように重苦しいカンタータばかり聞くことは、なくなってしまったんですね。
その意味で、バッハのカンタータを客観的に評価するのが難しくなった気がします。
こうした音楽評価の問題に関しては、もうどこかに書いたかもしれませんが、
音楽というものは非常に主観的なもので、その点で恋愛と良く似ていますね。

つまり、恋というものも非常に主観的な状態で、
恋している最中には、その人が絶対的に素晴らしいわけですよね。
つまり『こんなに素晴らしい人が世界中を捜しても他にいるだろうか』
と思えないようなら、それは本物の恋とは言えないわけです。
音楽の場合もそれと全く同じで、一つの音楽に夢中になっている時には、
その音楽が絶対的に素晴らしい分けなんですね。


逆に言うと、聞いている最中から『まあまあいい音楽だ』なんて思う音楽は、
そもそも大した音楽ではない、というか二流の音楽に過ぎない分けですね。
ですから、一流の音楽を聞いている最中には、
それを客観的に評価するなんてことは元々、無理がある分けです。
むしろ、一つの音楽を毎日聞いていて、そろそろ飽き始めたかなという頃、
それを客観的に評価するのに最もよい機会が訪れるんですね。

その場合、普通の音楽なら、どんなに好きでも、朝から晩まで聞いていれば、
大体一週間もするといい加減、飽きが来ますよね。
しかし、その点でも、バッハのカンタータというのは少し特殊な音楽で、
毎日毎日聞いていても、飽きるまでに数カ月かかるんですね。
その意味で、このカンタータ36番ももう随分長いこと聞いていますが、
以前のように毎日、朝から晩まで聞くということがなくなってしまったので、
うまく評価できるか自信がなくなってしまった分けです。

因みに、音楽を評価する尺度として、聞き続けて飽きるまでどれ位かかるかとは別に、
暫く聞かずにいた時に、元の感動がどれだけ戻るかという復元力の問題があります。
まあ、私の経験からすると、音楽から受ける衝撃は最初に聞いた時が最も強くて、
復元力である程度元に戻るとしても、最初の衝撃を越えることは先ずありませんが、
最初の衝撃の何割位まで戻るかで、その音楽の価値が決まるような気がします。


ビル・エバンスやキース・ジャレットの音楽が幾ら聞いても飽きないと書いたのも、
正確に言うと、そうした復元力が大きいという意味であって、
逆に言うと、フォークなんかは、そうした復元力が小さいものが多いですね。
つまり、一度聞き飽きたらそれまでみたいな感じですね。
これは多分、その音楽がどれだけ本質的に新しいことをやっているか、
という点に関わっているのではないかという気がします。

さてそれで、36番の評価なんですが……ひょっとすると私の評価では、
これは97番を上回り、45番・80番と共にベスト3に入るんじゃないでしょうか。
その構成は8曲からなりますが、4曲目にコラール風のメロディーがはさまるので、
『ここで終わりかな』と思って聞いていると、5曲目から更に後半が始まる、
という二段構えの構成になっている点が、有名な147番と似ていますね。

ただ、147番の場合、途中に入るのは終曲と同じ曲ですが、
36番は、終曲と別の曲になっている点が異なります。
こうした違いの詳しい事情は、私には良く分かりませんが……。
因みに、140番も途中にコラールと同じメロディーが入りますが、あの場合は、
アレンジが大分違うので『ここで終わり』と錯覚はしないようです。

51闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 11:55:32 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(2/12)

因みに今回、改めて聞きなおしてみて気づいたんですが、
この147番や140番というのは案外、軽めな感じですね。
その意味で、普通の精神状態でも無理なく聞けますから、
これらの曲が割とポピュラーな理由は、案外その辺にあるのかもしれません。

で、もう一つ問題なのが、この36番の7曲目のメロディーなんですね。
以前に80番と97番の中の二つのメロディーを『バッハが作ったブルース』
として紹介したことがありましたが、36番のこの曲は、
3つめのブルースと言えるんじゃないか、という気がする分けです。

ところが、今の私の精神状態では、その点の評価も自信がない分けで、
後は皆さんの評価に委ねようか、という気になっています。(^^;)
幸い、最近はあらゆるデータがネット上にありますからね。
この3曲のリンクを並べて置くことにします。


カンタータ80番の第7曲(このクリップの後半、5分10秒から)
  http://www.youtube.com/watch?v=L1RcW6L4oic
カンタータ97番の第4曲(このクリップの冒頭から)
  http://www.youtube.com/watch?v=b4jqMLRSmqc
カンタータ36番の第7曲(このクリップの冒頭から)
  http://www.youtube.com/watch?v=z9Nkq4UPcP4

指揮者は、80番は誰か良く分かりませんが、
97番がコープマン、36番がハルノンクールですね。
また、カンタータ36番の第7曲では、もう一つ猫好きが作ったものがあります。
こっちは少年でなく女声ですから、好みによりお好きな方をどうぞ。(^^;)
  http://www.youtube.com/watch?v=Y6yCLAWF8AQ
因みに、コープマンにしろ、ハルノンクールにしろ、
どちらも、私の好みではないのが残念なんですけどね。

特にトン・コープマンは、余計な装飾音符を入れる点が気に入りません。
結局、近年はやりの古楽演奏というものに、私は全く興味がないんですね。
まあ、研究者が当時の楽器でどんな音になるかを知りたい気持ちは分かるとして、
一般向けの演奏としては、あくまで現代の最も優れた楽器で、
最高の演奏を追求するのに、しくものはないんじゃないでしょうか。


それから、キース・ジャレットをYouTubeで漁っていた時、
ゴールドベルグ変奏曲でこんなのを見付けました。
  ゴールドベルグ01(ダビンチ)
  http://www.youtube.com/watch?v=1EGoZ82l4xk
  ゴールドベルグ01〜04(モネ)
  http://www.youtube.com/watch?v=QGpN4FxIk_M
  ゴールドベルグ06〜12(モネ)
  http://www.youtube.com/watch?v=iST2T7kaKnA
  ゴールドベルグ13〜26の抜粋(ルノアール)
  http://www.youtube.com/watch?v=ltQ5Fw8QIR4

しかし、こうしてバッハの名曲を聴きながら名画鑑賞をするなんて、
何とも濃密で、最高に贅沢な時間の過ごし方ですよね。(*^^)v
全くすごい時代になったもんだと思いますが、こんなのを見せられると、
もはや、FM放送なんて圧倒的に時代後れという感じがします。
その場合、この演奏は、同時に入手したトン・コープマンの演奏と比べても、
そのみずみずしさにおいて、一枚上手という印象を受けたんですが、
最初、その演奏者がキースとは夢にも思わなかったんですね。

というのも、当時はTIF(Temporary Internet Files)内のキャッシュを使っていて、
その場合、帳名が全て暗号名なので、元データとの関係が不明になる分けですね。
その上、キース・ジャレットがまさかチェンバロをひくとは思いませんでしたから、
誰か別人だろうと思い込んでいたんですが、調べ直すとやはりキース本人だったようです。
何しろチェンバロはキーの数が違いますし、ピアノとは全く別の楽器と思っていたんですが、
ピアノがひければ、チェンバロをひきこなすのは、それほど難しくないんでしょうか。

52闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 11:58:38 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(3/12)

因みに、彼がバッハの平均律を録音したという話は小耳に挟んでいましたが、
その平均律では、第一巻をピアノ、第二巻をチェンバロで演奏したようです。
これらも、名画付きのデータが沢山あるので、リンクを入れておきます。
第二巻の始めあたりでは演奏に少し固さを感じますが、この辺は、
やはり、キースもチェンバロの習いたてだったせいでしょうかね。

  平均律1-03(モジリアニ)
  http://www.youtube.com/watch?v=Y0jwYfuT3q4
  平均律1-05(ピカソ)
  http://www.youtube.com/watch?v=19aJx3heoJ8
  平均律1-13(ゴーギャン)
  http://www.youtube.com/watch?v=u7-jqU53bUk
  平均律1-17(クリムト)
  http://www.youtube.com/watch?v=EHy0wiGTY98

  平均律2-01(ゴッホ他)
  http://www.youtube.com/watch?v=4-gP3zTCbJA
  平均律2-02(セザンヌ)
  http://www.youtube.com/watch?v=pcl6sdlhems
  平均律2-05(カンディンスキー)
  http://www.youtube.com/watch?v=bMnX0d05BIw
  無伴奏チェロ組曲1番よりプレリュード(ダリ)
  http://www.youtube.com/watch?v=JysJGTUASrQ


最後の一つはオマケですが、チェロはヨーヨー・マです。
因みに、画家の名前を明示してあるものとないものがあって、
ないものは私が適当に入れたので、ミスがあるかもしれません。(^^;)
それから、ビデオ評で金髪美人と書いたマリン・ハルテリウスが、
カンタータを歌っていると知り、ネット上にデータがないかと捜した結果、
カンタータはありませんでしたが、こんなのを見つけました。
  http://www.youtube.com/watch?v=KpGjqr0Pm7A

これは魔笛のデータですが、彼女が黒っぽい髪をしているのが意外ですね。
ということは、例のオペラでは金髪のカツラをしていたんでしょうかね。
この人はドイツ人かと思っていましたが、
調べて見ると、スウェーデン人だったようです。
ドイツ人ならマリンでなく、マレーネでしょうかね。

因みに、この魔笛のデータは全部で14件ありますが、
全て演奏しても1時間位ですから、これは抜粋データでしょうね。
ドイツ語でチンプンカンプンなのが少しつらい所ですが、
誰か日本語の字幕を付けてくれませんかね!?(^^;)


でも、この調子で行くと、その内、オペラも全て、
ネットで見られるようになるかもしれません。(*^^)v
念の為に『さまよえるオランダ人』を捜した所、こんなのがありました。
  http://www.youtube.com/watch?v=XJtrXqRu9K8
  http://www.youtube.com/watch?v=93eaBe6__II

一つ目はその序曲、二つ目は例の南風の歌ですが、
歌はともかく、絵や舞台美術は中々のものですね。
ワグナーでは、他に『マイスタージンガー』の前奏曲が沢山ありますが、
その中では、このノリちゃん(Roger Norrington)の演奏が出色でした。
  http://www.youtube.com/watch?v=hLOmoIVPsnU
何と言っても、その生き生きとした躍動感が素晴らしいですね。

もう一つ興味深いのは、ヒットラー時代のフルトベングラーの演奏ですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=CBeMGGN-U0c
これは、もうドイツの敗色が濃厚になった頃の戦意高揚を目的とした演奏会らしく、
重苦しい雰囲気に包まれていますが、その裏では多くのドイツ人は何も知らない中で、
ユダヤ人の殺人工場が粛々と稼働していたことを思うと、複雑な感慨を禁じ得ません。
まあ、全てはユダヤ主義がヒトラー政権を操ってやらせたのかもしれませんけどね。

53闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:00:47 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(4/12)

それから、以前に少し紹介した、ロマン派のミサ曲ですが、
改めて調べた末、プッチーニのデータが見つかりました。
これは、例の『四声のミサ曲』のさわりの『クレド』ですが、
オペラの作曲家だけあって、さすがにドラマチックですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=ZP6FUT55x7Q
『四声のミサ曲』というのが正式名称なんですが、
一般には、グロリア・ミサという通称で呼ばれていて、
それが捜すのに苦労した一因かもしれません。

次は、グノーの『聖チェチーリア荘厳ミサ曲』で、
これもさわりの『クレド』は圧倒的迫力ですが、
そのクリップは二つに分かれています。
  http://www.youtube.com/watch?v=eD7P4ry8m8Q
  http://www.youtube.com/watch?v=QsMfp7DuWhc
もう一つ紹介したブルックナーの『ミサ曲第三番』ですが、
これは改めて聞きなおした所、大したことがないのでパスします。(^^;)

実は、以前にバッハのカンタータを図書館で借りたとき、
ついでに彼の交響曲も何曲か借り出して聞いてみたんですが、
どれもこれもつまらなくてガッカリしたんですね。
その意味で、このブルックナーとか、ショスタコービッチとか、
大した曲も作ってないのに、少し過大評価ではないか、
と本当は書くつもりでいたんです。


ところが……つい最近『サラバンド』という映画を見ていて、
そこに彼の交響曲第九番が出てきて、これが中々良かったんですね。
この第九番は彼の遺作で未完成に終わったらしいですが、
この辺が彼の音楽の肝ということかもしれません。
  http://www.youtube.com/watch?v=R6ZQMBATT6E

ギュンター・ヴァントという指揮者は、いつ頃の生まれか知りませんが、
このクリップで見る限りもう、よいよいの爺さんという感じですね。
その意味では、過去の遺産で食いつないでいるような節もありますが、
でも、これが中々の名演であることは間違いないと思います。
因みに、サラバンドというのは無伴奏チェロ組曲第5番の中の一曲ですが、
この曲自体は、バッハの作品の中で見れば、大した代物ではありませんね。
  http://www.youtube.com/watch?v=oBFrEJK7oAg

それから、この映画の監督が実は、以前に『処女の泉』で酷評した、
例のイングマール・ベルイマンなんですね。
でも、この映画を見る限り、その重厚な語り口からして、
かなりの名監督という印象ですから、ここでも、
以前の評価を訂正する必要がありそうです。(^^;)


さて次はジャズですが、先ずビル・エバンスに関しては、
ネットをあさっても、特に新たな発見はありませんでした。
ただ少し調べる内、彼が麻薬常習者だったことを改めて思いだしました。
そう言えば、日本公演の時も、麻薬常習者の入国ともなると、
色々と難しい問題があるらしく、すったもんだやっていましたね。

となると、例の東京公演のアルバムなんか、
『彼の麻薬切れ症状が生み出した奇跡』と言うべきかもしれませんね。
何しろ、日本国内にいる限り、おおっぴらに麻薬をやることは、
到底、許されなかったでしょうからね。

次にキース・ジャレットですが、例のバッハの演奏を含め、
最近の彼は、あまりジャズらしいことをやってないみたいですね。
自分のことを『即興演奏家』とか称しているようですが、
もうパンチの聞いたジャズは、やる気がないんでしょうか。
となると、例の『宝島』あたりが、ジャズとしては、
彼の最高傑作ということになりそうで、少し淋しい気がします。

54闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:03:00 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(5/12)

彼の場合も、ネット上に大したデータはなくて、
出てくるのは、おとなしいソロピアノばかりでした。
その中では唯一、このクリップなんかが、
彼のロマン派としての片鱗を感じさせますね。
盛り上がりは、最後の方のほんのちょっとだけですけどね。
  I Got It Bad and It Ain't Good
  http://www.youtube.com/watch?v=z4sTfFpaLaI

ひとつ言えることとして、ユダヤ主義としては、
彼に余りパンチの効いたジャズをやられては困るんでしょうね。
というのも、私が一日中音楽をかけている理由は、
音楽が好きという以上に、赤犬共の騒音工作への対策な分けですからね。
その点、クラシックみたいにおとなしい部分が多い音楽は不向きで、
むしろ、うるさいロックやジャズが最適なんですが、その意味で、
あまりうるさいジャズをやらせない工作があるように思います。

ところで、このクリップを見ても良く分かりますが、キースは、
そこいらの工事現場にいるおっさんみたいな恰好をしていますね。
タキシードなどで着飾るのが普通のクラシックの音楽会と比べても、
その辺の全く飾らない所は、彼の好ましい所ではないかと思います。


次は、三人目でオスカー・ピーターソンですが、
『Waltzing Is Hip』という曲を見つけました。
直訳すると『ワルツするのは素敵だ』という意味でしょうが、
Hipは、昔はやったヒッピー(Hippy)の語源のようですね。
その輝かしいピアノの響きからしても、
これは彼の最高傑作ではないかと思いました。

残念ながら、彼は数年前にこの世を去りましたが、
彼へのトリビュートとして、色々なバンドがこの曲を演奏していますね。
  http://www.youtube.com/watch?v=shPIQ1OPH9U
因みに普通、ジャズは4ビート、ロックは8ビートと相場が決まってますから、
彼の最高傑作が3拍子のワルツであるというのは少し意外かもしれません。
でも、弁証法の法則からすると、全く異質なものが出会った時に、
本質的に新しいものが生まれるというのは、決して不思議ではないんですね。

そう言えば、ビル・エバンスで最も有名なアルバムにしても、
『ワルツ・フォー・デビー』だった分けですからね。
ただ、あの場合のタイトル曲は、3拍子の部分は冒頭だけで、
その後、すぐに4拍子に転じてしまいますが、
オスピーのこの曲は、ほぼ全編が3拍子ですね。


因みに、オスピーの最高傑作という点では、
もうひとつ『自由への讃歌』もはずせないようです。
  http://www.youtube.com/watch?v=EMsSEqsnugk
実をいうと、彼の場合『スウィング・ピアノの王様』
という印象が私には強かったわけですね。

その意味で、これは重たくて感動的な名曲ですから、長い間てっきり、
誰か他の人の曲をカバーしているもの、とばかり思い込んでいたのですが、
今回、改めて調べ直した結果、彼のオリジナルと知ってびっくりしました。
彼の作品としてはこんな重たい曲は例外で、他にはないですからね。

それからネット上には、彼が色々な人と共演したクリップがありますが、
その中でこれなんか、まさに夢の共演と言うべきではないでしょうか。
  http://www.youtube.com/watch?v=TjE204OGrlk
ミッシェル・ルグランがオスピーのトリオに飛び入り参加したようですが、
曲名がない点からすると、ルグランが即興でかなでたメロディーを元に、
二人の掛け合い演奏が展開されているように思われます。

55闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:05:28 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(6/12)

録音状態が余り良くないのが残念なんですが、
全体の構造は、きれいに起承転結の四部に分かれていますね。
第一部の序奏では『ミー・ソドミーレド・ミー』というテーマを、
ルグランがソロで奏でますが、それを引き取って、
オスピーのソロがこのルグラン節を彼風にアレンジします。

第二部の展開部では、ベースとドラムスが加わって、
再びルグラン・オスピーの順に、トリオ演奏となります。
ここでは、二人の音楽の特質が良く現れていると思いますが、
ロマンチックなルグランに対し、オスピーのはずむような演奏が印象的ですね。
その後の第三部では、一転してベースのソロが挟まり、
最後の第四部は、二台のピアノが入り乱れる競演で幕を閉じます。

その場合、ひとつ気になったのは、
演奏後に二人が抱擁しあう場面なんですね。
通常こうした共演では、長々と抱擁しあうのが普通なんですが、
どういう分けか、ここではほんの一瞬、抱擁しただけで、ルグランが、
さっさと逃げるように立ち去ってしまう点が、非常に印象的でした。
『アレアレ、本当はこの二人、仲が悪いんじゃないの!?』
なんて、事情を知らない人は思うんじゃないでしょうか。


でも、演奏中のルグランを見ると、第一部の後半では、
鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をしていますし、
第二部の後半でも、楽しそうに体を揺すってますからね。
この二人が仲が悪いなんてことはなさそうです。
むしろ、考えるべきはフランス人の行動パターンでしょうね。

結局、オスピーのトリオというのはあくまで『カナダ国籍』で、
この演奏会もカナダで行われたもののように思います。
そして、フランス人はカナダという国に関して、
かなりのトラウマを持っているみたいですね。
それは丁度、日本人が朝鮮半島にトラウマを持っているのと、
良く似ているかもしれません。

というのも、過去のカナダでの植民地戦争において、
フランス軍はイギリス軍に大敗を喫したわけですね。
その結果、カナダはイギリスの領土となり、独立した今も、
その国家元首はイギリスの女王がつとめているわけですね。


ですから、フランス人のルグランとしては、
請われてオスピーのトリオに参加はしたものの、余り、
その場に長居したくはなかったんだろうと思います。
それを裏返すと、フランス人が多少とも日本びいきであるとすれば、
それは多分、日本が東南アジアの戦争で一時、英軍を圧倒したこと、
特に、シンガポールの要塞を降伏させたことが大きいでしょうね。

ルグラン節が好きな人の為に、幾つかリンクをはって置きます。
  Les moulins de mon coeur(風のささやき)
  http://www.youtube.com/watch?v=uE7HbF_L8x0
  Un Parfum De Fin Du Monde(世紀末の香り)
  http://www.youtube.com/watch?v=zTtVFZOD_io
  シェルブールの雨傘(ハネケンとの共演)
  http://www.youtube.com/watch?v=HkChxPhYBK8

最初のレ・ムラン・ド・モン・クールは『我が心の風車たち』と言う意味ですが、
何故か、英語では『The Windmills of Your Mind』となるようですね。
『私の心の中で、あなたの名前が沢山の風車のように回っている』という、
中々素敵なイメージですが『風のささやき』が正式な日本語名のようです。
歌詞に合わせて、それに関連する写真を次々とつないでいく所は、
この手のネット・データでは、ごくあれふりた手法ですけどね。
ただ、このクリップでは、画面の切り替え方がいかにも手がこんでいて、
その辺に、フランス流のエスプリを感じさせると思います。

56闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:07:55 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(7/12)

次のアン・パルフューム・ド・ファン・デュ・モンドは、
『世界の終わりの薫り』という意味ですが、
ここに使われている汚い夜景は多分、東京あたりのものでしょうね。
外国の夜景はもっと整然と秩序だっていて、美しいですからね。
因みに、海外放浪では色々な夜景を見ましたが、その中でも、
何と言っても印象的なのは、砂漠都市の夜景ではないかと思います。

ラスベガスに着いた時は、グレイ・ハウンドのバスから見ましたが、
真っ暗闇の中を走っていくと突然、光の海が現れる分けですね。
その情景はまさに、息を飲むような美しさでした。
もう一つ、モロッコのマラケシュに着いた時もそうでしたね。
今度は列車の窓から見たんですが、やはり真っ暗闇の中を行くと、
突然、光の海が見えてくるのが感動的でした。

因みに、このマラケシュというのはモロッコ南部にある古都で、
『籠からコブラが顔を出す』という例のヘビ使いがいて、
観光客相手に商売をしている、と聞いていたんですが、
残念ながら、私はお目にかかりませんでした。


最後は一番有名な曲で、羽田健太郎と共演したビデオですが、
この人の場合『これがハネケン節だ』というのがないと、
プロとして生きていくのは、少しつらいだろうなと思いました。
もっとも、彼は60才にも満たずに既に亡くなったようですね。
よって、これ以上悪口を言うのはやめておきますが、参考までに、
例のルイス・ヴァン・ダイクによる演奏を挙げておきます。
  I will wait for you
  http://www.youtube.com/watch?v=Ok1SatoUoBM

最近、ネット社会故に有名になった人として、
スーザン・ボイルというおばさん歌手が騒がれていましたが、
同じくイギリス人で、ビージー・アデールというジャズおばさんもいましたね。
この人の演奏も完成度は高いですが、個性という点ではやはりもう一つです。
  The Way You look Tonight
  http://www.youtube.com/watch?v=Yqi4XOzRRvM

さてようやく、4人目のレイ・ブライアントですが、
彼がこんな楽しいジャズをやっていたのは意外でした。
元々はダンス音楽を中心にやっていたらしいので、
決して、不思議ではないのかもしれませんが。
  JIve at Five
  http://www.youtube.com/watch?v=aiNictkutkw


外科医が自分の好きな音楽をかけながら手術をする、
というシーンがTVドラマなんかに良くありますが、
間違ってもこんな音楽をかけてはいけませんね。
体が勝手に動きだして、患者は確実に死にますからね。(^^;)

二曲目は何やら、My back pagesというキースの有名なメロディーの、
第十変奏くらいに聞こえないこともないですが……実を言うと、
『ドドシラーラーソソー ミソラソミラーソミソー』というあの曲には、
ボブディランの元歌があるということを、今回の調べで初めて知りました。
それで私は、ボブディランを少し見直したんですけどね。
  City Tryal Dance
  http://www.youtube.com/watch?v=eLQvk_jy0og

そして、三曲目では典型的なブライアント節をたっぷり聞かせてくれます。
  Little Susie
  http://www.youtube.com/watch?v=Ar9tKSlyg4o
この他にも、彼がお得意とするブルースが色々ありました。
  Blues No. 6
  http://www.youtube.com/watch?v=VAEtGNd8rB4
  Rockin' Chair
  http://www.youtube.com/watch?v=G1bcvYkKYz0
  BLUES FOR NORINE
  http://www.youtube.com/watch?v=VswrBr1aUfo

57闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:12:25 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(8/12)

後半は、ヨーロッパの洗練されたジャズですが、
先ず目についたのが、ミッシェル・ペトルチアーニでした。
この曲は、特に後半の盛り上がりが素晴らしいですが、
他に目ぼしい曲はないようですから、案外一発屋かもしれませんね。
  Home
  http://www.youtube.com/watch?v=5G9-icEpbYU

次は、昔ショパンをジャズにしていたオイゲン・キケロですが、
キケロと言えば、有名なローマの哲学者がいましたからね。
私はてっきり、イタリア人と思い込んでいたんですが、
今回改めて調べ直した所、実はルーマニア人だったようです。
まあ、ルーマニアは『ローマニア』とも読めますから、
それは別に、不思議ではないのかもしれませんけどね。

先ず最初の『枯葉』は音楽としても極上ですが、絵も素晴らしいですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=Ok6dwmZHxjU
二曲目の『スラブ舞曲第10番』は、憂愁に満ちたドボちゃんの傑作です。
  http://www.youtube.com/watch?v=YfpnXvfWgV0
そして三曲目は『キケロの練習曲』ですが、これはオリジナルでしょうか。
  http://www.youtube.com/watch?v=lj77xy5-gGQ


因みに、彼も60になる前にこの世を去ったようですが、
例の羽田健太郎と言い、ジャズ演奏家は早死にする人が多いですね。
まあ、麻薬中毒のエバンス(享年51才)は論外としても、
ペトルチアーニ(享年36才)にしても、生まれつきの障害者ですから、
長生きは無理だったんでしょうね。

一つ言えることとして、ジャズ演奏家はバーみたいな、
煙草の煙が充満する、あまり健全でない環境で、
演奏することが多かったせいかもしれませんね。
その点、色々な訃報から察するに、一番長生きする職業は、
画家と坊主ではないかという気がします。(^^;)

更に前出のルイス・ヴァン・ダイクですが、昔はもっと、
とんがった前衛風の作品を作っていたと思うのに、
今回捜して印象に残ったのは、こんな奴しかありませんでした。
一曲目のEmilyはその写真からしても、若い頃の演奏のようです。
  http://www.youtube.com/watch?v=TZDhhrkaHvQ


二曲目はフィリップ・エランというシャンソン歌手の伴奏をしていますが、
もう一人共演しているピアニストは、コール・バッカーという人らしいです。
  http://www.youtube.com/watch?v=0IgYqwnTHOQ
三曲目のトルコ行進曲は、彼らしく徹底的に換骨奪胎しているので、
モーツァルトの原曲は、その痕跡がかろうじて分かる程度ですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=zk-HSvC1PHk

それから、もうひとり書き落としていた大物として、クロード・ボランがいます。
昔、黄金のフルートで一世を風靡したランパルと共演していたのを聞きましたが、
当時はそのランパルの印象が強過ぎて、彼はその影に隠れてしまった感じですね。
でも、この傑作にしても、作曲したのは彼だったようです。
  Sentimentale(サンティマンタル)
  http://www.youtube.com/watch?v=iWn85KBmBE4
少年が月を踏んづけている写真が、中々幻想的で素敵ですよね。
ただ、ここまでロマンチシズムが強いと、キースとはまた別の意味で、
かえって、ジャズの範疇からは外れてしまいそうな所があります。

二曲目は今回、見つけた中では最高の出来ですが、
そのロマンチシズムには、直近でノックアウト状態です。(^^;)
  Intime(アンティム)
  http://www.youtube.com/watch?v=gLCBrAJbxpE
因みに、Intimeをインタイムと読んではいけません。(^^;)
これは英語のIntimateに相当する仏語で『親密な』という意味ですね。
三曲目は、有名な曲をこれまた徹底的に換骨奪胎していて、
ここでも、ジャズの範疇を越えてしまいそうな所がありますが、
どんどん転調して、何とも華やかな雰囲気を作りだしています。
  Tea For Two
  http://www.youtube.com/watch?v=41avFo921WY

58闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:15:52 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(9/12)

そしてロックですが……今年は、ほぼ収穫なしでした。
ひとつには、私がほとんどFM放送を聞かなかったせいもありますが、
それ以上に、ユダヤ主義がつぶしているのではないでしょうか。
その中でかろうじて目についたのは、スラッシュの、
『ウィー・アー・オール・ゴナ・ダイ』という一曲でした。
イギー・ポップという昔のパンク・ロック歌手が客演していたようです。

最後にフォークですが、今年は谷山浩子の圧勝でしたね。
特にネット上にはファンが多いらしく、大量のデータがありますが、
その中でも、特に『ひとみの永遠』という曲がベストでした。
この曲には、久々にノックアウトを食らいましたが……
ノックアウトというのは、つまり『毎日その曲を聞かないと、
いてもたってもいられなくなる』という一種の音楽中毒で、
体にはあまり良くありませんね。(^^;)

一説によると、これは大正製薬の目薬のCMソングだったんですか!?
ならば、どうして私の耳に入らなかったのかが少し不思議なんですが。
しかし、小椋桂の『揺れるまなざし』といい、
矢野顕子の『春咲き小紅』といい、CMソングには名曲が多いですね。
コマーシャルともなると多分、札束を積まれるんでしょうから、
作曲家のリキの入れ方が違うんでしょうかね!?(^^;)


『札束が名曲を作る』なんて言ってしまうと、聞こえが悪いというか、
実も蓋もないという気がしないでもないですが……でも、
やはり『芸術家の努力が名作を生み出す』という点において、
例のシェーンベルグ説は、明らかに否定されたことになりますよね!?

谷山浩子の作品として、今までの私の評価では、
『カントリー・ガール』がベストだったんですが、
この『ひとみの永遠』は、それを軽々と越えた感じですね。
これはスポーツに限らず、なんでもそうだろうと思いますが、
人間生きている限り、自己ベストを更新するのは、
最高の生き甲斐でしょうし、その意味ではご同慶の至りです。

因みに、そのカントリー・ガールという曲は、謎の多い曲ですね。
最初に発売された時は、歌詞が三番までしかなくて、
後から出てきた曲では四番の歌詞が入っていた分けですけどね。
ですから、私は四番の歌詞は後から付け加えたものとばかり思っていたんですが、
今回調べた所によると、むしろ、歌詞は最初から四番まであったのに、
最初にアルバムに入れた時、時間が足りなくて四番をカットしたというんですね。


でも、それはにわかには信じがたい話でした。
だって、四番の歌詞があるとないとでは、全体の意味が全く違って来るでしょ!?
三番まで聞く限り『カントリー・ガール、君の目の中で夕焼けが燃える……』
という台詞は、彼女を振ったプレーボーイが贈った言葉と考えざるを得ませんよね。
ところが、四番の歌詞では、実はその手紙には代筆者がいたということになって、
もう一人の誠実な男が出てきて、状況は大逆転する分けですからね。
幾ら時間が足りないからと言って、四番の歌詞を省いてしまうのは、
暴挙と言われても仕方ないのではないでしょうか。

それから、今回聞き直していて気づいたんですが、
この曲の終盤にはバンジョーの音が入ってきますね。
(但し、この曲にはいくつかのバージョンがあって、
その中では、鉄琴風の音が入る奴がベストですね。
その鉄琴のメロディー自体が、付加価値になっていますが、
こうしたアレンジによっても、曲の善し悪しが、
かなり左右されるということが良く分かりますね。
今話しているのも、このバージョンのことです。)

ということは、ひょっとしてこの曲は例の『カントリー・ロード』という、
ウェスタンの名曲に触発されて作られたのかもしれないと気づいた分けです。
例の『耳を澄ませば』というアニメでも使われていた音楽ですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=oZOr-Jka3_4
でも、私の評価としては『カントリー・ロード』より、
『カントリー・ガール』の方が上ですね。

59闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:18:39 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(10/12)

似た例として、五輪真弓の『林檎の樹の下で』という歌がありますね。
この場合は言うまでもなく、同名で外国の有名な曲がある分けですが、
ここでも、私の評価は元曲より五輪真弓の曲の方が上なんですね。
まあ、同じ日本人が作った曲なので、耳に馴染みやすいのかもしれませんが、
純粋に音楽として見ても、触発して作られた後の曲の方が上のように思います。
『過ぎ去った昔は余りに優しくて、涙嫌いのあなたも瞳をうるませた』
という歌詞があるこの曲は、彼女の作品の中でも私が一番好きな曲なんですが、
ネット上にはどういう分けか、見つかりませんでした。

ただ、谷山浩子の圧勝ということを裏返すと、
例の3人娘の方が、少しふがいないということも言えますよね。
結局ここでも、ユダヤ主義に足を引っ張られているんでしょうが、それにしても、
谷山浩子の場合は、名曲を量産している感じが、素晴らしいの一言に尽きますね。
声美人の彼女も、いまや相当のおばさんでしょうけどね。

他にも『沙羅双樹』が感動的な名曲で結局、今の時点では、
『ひとみの永遠』『沙羅双樹』『カントリー・ガール』が、
彼女のベスト・スリーということになると思います。
他にも『お早うございますの帽子屋さん』というのが、
これまた外せない名曲なんですが……なんと言ってもその歌詞が、
例の笹川さんの『人類皆兄弟』みたいな歌詞ですからね。


二十歳過ぎてこんなナイーブな歌詞を作られると、
ちょっとつらいかなと思ったんですが、調べて見ると、
十八歳前後の作品のようですから、まあギリギリセーフですかね。
この曲は実は彼女が最初に賞を取った作品で、
言わば、彼女の歌作りの原点みたいな曲だったようです。

他にも、名曲は沢山ありますが、その中でもこれなんか、多分、
ペット好きにはたまらない画像が沢山、詰まっていますね。
  クルル・カリル(扉を開けて)
  http://www.youtube.com/watch?v=jf0wyhvEg_Y
更には『花園の子守歌』や『パタパタ』のような、
芸術の香りする曲が私の好みです。

問題作という点では『ドッペル玄関』という曲の歌詞が、
洗脳の構造をそのまま、なぞっているようで気になりました。
ドッペルというのは英語のダブルに対応するドイツ語のようですが、
それなら、二重玄関という意味になるんでしょうかね。
ただ、幽体離脱などを意味するドイツ語として、
『ドッペルゲンガー』というのがあるようですから、
或いは、それをもじった名前かもしれません。


もう一つ『海の時間』という曲が、これまた問題作ですね。
この手のセックス描写としては、もっと露骨なのに、
尾崎豊が作った『アイ・ラブ・ユー』がありましたけどね。
多分、かぐや姫の『神田川』あたりから、日本の青少年は、
早過ぎる同棲へと急きたてられているように思います。

例の『帰国』というドラマでは、帰ってきた過去の将兵たちが、
『こんなに恵まれた暮らしをしているのに何故、
日本人は堕落したんだ』とか言ってましたけどね。
結局の所、彼らの頭では、ユダヤ支配から生み出される、
現代のこうした悲劇には到底、思い至るべくもない分けですね。

つまり、現代の日本人は、物質的にいくら豊かになったとはいえ、
あらゆる欲望に追いたてられる生活を強いられているわけでしょ!?
そう言えば『子守歌』という曲の歌詞には、
『よこしまな闇の力』というのが出てきますが、
私から見れば、それこそユダヤ主義そのものですね。

60闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:21:26 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(11/12)

さてそれで、こんなに名曲があるとなると、私としては、
自分なりのベスト・アルバムを組んで見たくなった分けですね。
で、厳選した30曲を六曲づつ五つの楽章に分けて、
『希望・幻想・恋・孤独・勇気』と並べてみることにしました。

後は、ジグソーパズルのように、それぞれの曲のあるべき場所を、
捜してはめ込んでいくという作業ですが、結構な手間でしたね。
例えば、最後から二つ目の『静かに』という曲なんか、
どうしようもなく陰鬱で『谷山浩子のブルース』
と呼びたい位ですが、こういう曲は明るい曲の手前に置くと、
双方が互いに引き立て合って効果的な分けですね。

その点で思い出すのは、例のカンタータ45番の構造ですね。
このカンタータの場合、冒頭に希望に満ちた明るい曲があって、
二曲目の短いレシタティーボに続く三曲目がポイントですね。
この暗い曲で一気にどん底の気分に叩き落され、涙を流した後に、
今度は、第四曲の明るく開放的な曲想で幸福感を味わう分けです。


ですから、この三曲目から四曲目へ移る所のカタルシスが、
このカンタータの肝と言ってよいと思います。
後は、五曲目にこれまた一種のブルースみたいな陰鬱な曲があり、
そこで少し熱を冷ました後は、六曲目のレシタティーボを挟んで、
最後に七曲目のコラールで締めくくる分けですね。

問題のベスト・アルバムは、名付けて、
『谷山浩子の目くるめく世界』としましたが、
そのリストは長くなるので、末尾に置きます。
一つの楽章が約30分として、五つの楽章全体を聞くと、
2時間半位かかりますから、ちょっとしたオペラほどの長さですね。
実はこの他にも『心だけそばにいる』とか『さかなの言葉』とか、
まだまだ取り残した名曲が色々あるんですが、
うまくはまる場所がなくて、あきらめざるを得ませんでした。

次は三人娘で、先ず前述の五輪真弓からですが、
『優しさをそのままで』が今年聞いた中のベストでした。
  http://www.youtube.com/watch?v=P0Vhev91Y0w
このクリップは、ローマ字の字幕付きですが、
その訛り方からすると多分、作ったのは韓国人でしょうね。
白鳥の絵にしても、日本人の感性とは少し違った美しさですしね。


他に『ふれあう時を信じて』や『悲しいせりふ』なども名曲でした。
この人の場合、ファンの広がりが随分、国際的なのも特徴的ですね。
例のパリ公演の関係か、フランス語の歌詞がついた曲もありますが、
その歌詞自体は、元の歌詞とは無関係のものが多いようです。
例えば『少女』が『秋の異邦人』(L'etranger a l'automne)、
『ジャングルジム』が『小説家』(L'ecrivain)といった感じですね。

ユーミンに関しては今年、特に新しい発見はありませんでしたが、
矢野顕子では『NEW SONG』と『すばらしい日々』が出色ですね。
特に『NEW SONG』の方は『このレベルの曲を量産できれば、
大作曲家の仲間入りも夢ではない』と思わせるほどの出来映えです。
ただ、谷山浩子などと比べ、名曲の量産にはほど遠いのが残念ですね。

男性歌手では、小椋桂の『愛がこわれそう』が名曲ですし、
他にも『心の襞』は捨てがたいと思います。
この他の歌手についても、これから追い追い調べて行くつもりですが、
何しろ、ネット上には聞きこなすのが間に合わない位の、
大量の音楽データが埋まっていますからね。

61闇夜の鮟鱇★:2010/12/20(月) 12:23:17 ID:???0
  ●●●2010年の音楽総評●●●(12/12)

あと何年かかるかしれませんが、一通り聞き終わった段階で、
改めて、歌手全体の序列付けをやり直そうかと思っています。
ただ、生きる元気を一番沢山くれるという点において、
矢野顕子の優位は動かないかもしれませんね。
彼女のデビュー・アルバムが確か『ジャパニーズ・ガール』でしたが、
今や、貫祿がついて『にっぽんのお母さん』という感じですしね。

例えば『クリーム・シチュー』という曲もその一例ですが、
確かに、落ち込んだ時には、下手な慰めの言葉をかけられるより、
暖かいクリーム・シチューを腹一杯食べる方が効きそうですね。(^^;)
  http://www.youtube.com/watch?v=J78DJimREdQ
例によって、ユダヤ・マスコミが不安ばかりをあおる年の瀬ですが、
それに負けずに、良いお正月をお迎え下さい。(*^^)v


【谷山浩子の目くるめく世界】

  第一楽章『希望』
    1.ひとみの永遠
    2.クルル・カリル(扉を開けて)
    3.おはようございますの帽子屋さん
    4.鳥は鳥に
    5.見えない小鳥
    6.花園の子守歌とそのつづき

  第二楽章『幻想』
    7.森へおいで
    8.Elfin
    9.月が誘う
    10.薔薇の歌
    11.楽園の林檎売り
    12.仇

  第三楽章『恋』
    13.放課後
    14.パタパタ
    15.MAY
    16.The Boat
    17.SORAMIMI
    18.約束

  第四楽章『孤独』
    19.ピエレット
    20.ガラスの巨人
    21.ひとりでお帰り
    22.よその子
    23.子守歌
    24.誕生

  第五楽章『勇気』
    25.終電座
    26.洗濯かご
    27.約束の海
    28.沙羅双樹
    29.静かに
    30.カントリー・ガール

62闇夜の鮟鱇★:2011/12/25(日) 12:52:57 ID:???0
  ●●●2011年の音楽総評●●●(1/7)

今年からバロックというくくりをやめ、クラシックとすることにしました。
そのクラシックでは、今年もロマン派のミサ曲を色々あさったんですが、
その中で最大の収穫は、何と言ってもロッシーニの小荘厳ミサ曲ですね。
次はそのサワリの部分ですが、クラシック・ファンなら誰でも、
『生きていて良かった』と思うのではないでしょうか。(*^^)v
  http://www.youtube.com/watch?v=HpVPGqW54xw

それにしても、こんな名曲を我々が今まで知らずにいたというのは、
随分もったいない気がする分けですが……実を言うと、
肝心のヨーロッパ人自身が、それを知らなかったみたいですね。
というのも、西欧では近年になってロッシーニの宗教音楽が、
再発掘というか再評価されていて、それを昔のルネッサンスになぞらえて、
『ロッシーニ・ルネッサンス』と呼んでいるそうです。

因みに今年、NHK・FMの例の『ビバ!合唱』という番組でも、
ちょうどここの部分を取り上げていたようですね。
多分、そこでも『ロッシーニ・ルネッサンス』の話が、
出ていたのではないかと思いますが、私は聞く暇がなくて、
録音しなかったので良くは知りません。
ただ、取り敢えず今回は、NHKも一番おいしい所を見逃さなかった、
ということで、ご同慶の至りということにしたいと思います。(^^;)


ところで、このヒゲおやじが熱唱しているドミネ・デウスという所ですが、
バッハは一体どんなメロディーを付けたのだろう、と少し気になりました。
で調べてみると、ロ短調のミサ曲では牧歌的なメロディーになっていて、
『ドーシラソーー ーファファミ』というところでしたね。

こうしたミサ曲を作る場合、どの辺に重心を置くかという問題は、
キリスト教の各宗派にとって案外、重要なことなのかもしれません。
バッハのロ短調では、明らかにサンクトゥスに重心がありますが、
カトリックの場合はむしろ、その手前のクレド(信仰告白)に、
重心を置く傾向が強いように思います。

『私は神を信ずる、キリストを信ずる』という所ですが、それは例えば、
昨年引用したグノーの聖チェチーリア荘厳ミサ曲を見ても明らかですよね。
まあ、ユダヤ支配の論理からすれば『信仰を確認させることが、
カトリックで何よりも優先される』のは、当然の帰結でしょうけどね。
このミサ曲のクレドはこんな感じですが、これもまあ名曲でしょう。
  http://www.youtube.com/watch?v=VgkLFnCwh28


因みに、左上に出ているARTEというマークですが、
これはフランス東部のストラスブールにある放送局の名前で、
NHKのBS放送では良く見かけるので、皆さんもお馴染みではないでしょうか。
このホールも、日本のものなどに比べると随分と立派で贅沢な作りですが、
この局では、何かEU共通の放送をやっているみたいですね。

ストラスブールという街は、アルザス・ロレーヌ地方にあって、
元々がドイツとフランスの係争地ですから、戦争の度に、
あっちに行ったり、こっちに行ったりしている所なんですね。
そうした歴史的経緯から、EU共同の放送局が置かれたわけなんでしょう。

この曲でひとつ興味深いのは、ミサ曲ハ短調の影響が色濃いことですね。
ロッシーニもあのモーツァルトの名曲には相当、感銘を受けたようです。
その影響は各所に見てとれますが、例えばクオニアムなんか、
その歌い出しの所が、ハ短調のクオニアムとそっくりですものね。
  http://www.youtube.com/watch?v=DfREJwz13OM
こっちがハ短調のクオニアムですから、聞き比べてみて下さい。
  http://www.youtube.com/watch?v=fAv40Ko1G0g

63闇夜の鮟鱇★:2011/12/25(日) 12:57:32 ID:???0
  ●●●2011年の音楽総評●●●(2/7)

それから、このミサ曲では、もう一カ所、聞き逃せない所があります。
それは次のクリップですが、特に後半2分半あたりから始まって、
ドミネ・デウスへとつながる『グラティアス』が名曲ですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=ZKE9NHGqB7I

この指揮者は、リッカルド・シャイーというイタリア人のようです。
それから、次のクイトーリスを歌っているソプラノ歌手ですが、
アレクサンドリーナ・ペンダチャンスカと読むんでしょうか。
どうやら、ブルガリア人のようですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=RbJYf2VXMc8

その名前からしても、何かエジプトとの関係を連想させますが、
『きっとクレオパトラがこんな顔をしていたんじゃないか』
と思わせるような東洋的な風貌をしていますね。(*^^)v
この人には、歌劇『サロメ』の主役をやらせたい気がします。
それにしても彼女といい、アルトのマヌエラ・カスターといい、
随分と胸をはだけていて、いくら演奏会形式とは言え、
ミサ曲を歌うには、少し色っぽ過ぎるんじゃないでしょうか。(^^;)


さて、ロッシーニ・ルネッサンスと言えば、
もう一つ外せないがグロリア・ミサ曲なんですね。
彼の宗教音楽では、さっきの曲とこの曲が双璧になると思いますが、
一つ目がグローリア、二つ目がクム・サンクト・スピリトゥですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=YbQGcKyH1f4
  http://www.youtube.com/watch?v=aldc_ROS34s

因みに、さっきからドミネ・デウスだのクオニアムだのと、
耳慣れない言葉を使っていますが、特にカトリックの場合は、
グローリアやクレドなどを、更に細かく区分しているみたいですね。
ですから、有名な六区分しか知らない私なんかは、
どういう風に並べたら良いか分からずに苦労します。(^^;)
この場合は一応、連番が付いているのでそれと分かりますけどね。

ところで、前者のクリップの背景には、聖母子像が沢山出てきますが、
ここで注目して欲しいのは、聖母マリアの顔ですね。
昔、ヨーロッパの聖堂めぐりをしていた頃に気づいたんですが、
キリストの顔は、誰が描いても一定の共通性があるのに対し、
マリアの顔は、描く人によって全くバラバラなのが印象的でした。
結局、キリストの顔に比べると聖母マリアの風貌に関しては、
何の手がかりも残されていない、ということなんでしょうね。
ですから、画家は自分の想像力で創作するしかないようです。


それから、以前にノットルダムを『我らのおばさん』と訳しましたが、
さすがに『おばさん』では、ちょっとまずかったですね。(^^;)
英語では『Our Lady's Church』と訳しているようですから、
強いて言えば『我らの淑女』でしょうかね。
その時、ノートルダムという表記はおかしいとも書きましたが、
これはどうやら、英語での発音がそうなっていて、
日本では、それをそのままカタカナに引き写したようですね。

実を言うと、ニューヨークにもノットルダム寺院があって、
これがまた素晴らしく壮麗な建築なんですね。
正式の名前は、セント・パトリック寺院でしたかね。
パリやブリュッセルのノットルダムは、二つの四角柱が、
前面に門のようにそそり立っているのに比べ、こちらは、
そこが四角柱でなく四角錐になっているわけですね。
  http://tabisuke.arukikata.co.jp/mouth/14354/image

こういうのを、ノットルダムの北米様式というそうです。
大き過ぎるせいか、全景をうまく捕らえた写真がありませんね。
その場合、我ながら一つ不思議なのは、ニューヨークにいた時、
何度か見たはずなのに、強い印象を受けた記憶がないんですよね。
それで、後から色々考えてみたんですが結局、思い至ったのは、
私の建築を見る目というか、審美眼が鍛えられたのが、
他ならぬパリ滞在中であった、ということのようです。

64闇夜の鮟鱇★:2011/12/25(日) 13:00:18 ID:???0
  ●●●2011年の音楽総評●●●(3/7)

建築の話が出たついでにもう一つ言うと、
最近、見た『トロイ人』というオペラを上演していたのが、
スペインのバレンシア歌劇場という所だったんですね。
  http://ozreisen.files.wordpress.com/2010/10/valencia-science-04.jpg
  http://1.bp.blogspot.com/_-7C7n8Suyu0/S-reaGm2pqI/AAAAAAAAGek/nyIL5nZqJ3E/s1600/1000+Calatrava.jpg

この建築はまだ完成して数年しかたっていないようですが、
これまた見事な造形美ではないでしょうか。
さすがに、ピカソやガウディを生んだお国柄だけあって、
その造形は、シドニーのオペラハウスを上回っていますね。

何か、見ているだけでワクワクして来ますが、日本には、
こういう夢のある建物が少ないのが何とも淋しい気がします。
日本でワクワクする建物というと、例えば、
姫路城や東京都庁ぐらいしか思いつきませんものね。


ロッシーニのミサ曲としてはこの他にも、
ミラノ・ミサ曲がありますが、これは少し落ちると思います。
  http://www.youtube.com/watch?v=aoOiOlUqKDo
このクリップはクオニアムとクム・サンクト・スピリトゥですが、
天使が着ている服がスケスケで、何とも生々しいですよね。(^^;)
西欧の宗教画には、この手の肉感的な表現が少なくないですが、
教会の方針とは矛盾しないんでしょうかね。

そう言えば、神父が子供に性的な悪さをして良く騒がれていますが、
教会にある絵画や彫刻の刺激的な表現も、一因かもしれませんね。
まあ、全てはユダヤ主義による罠なんでしょうが……。
他のミサ曲で目についたものとしては、
ドボルザークのミサ曲も一応聞く価値がありますね。
この曲には特にサワリと言える所がないので、先頭のキリエにしました。
  http://www.youtube.com/watch?v=eWbeBxyL788

もう一つ、ドブロゴスのミサ曲ではアニュス・デイがベストですが、
アニュス・デイに重心があるミサ曲というのも珍しいですよね。
何か、解放感が感じられて良い曲だと思います。
  http://www.youtube.com/watch?v=MosZG0TE-kI
スティーブ・ドブロゴスという人は1956年生まれだそうで、
まだ若いアメリカ人ですが、その名前からすると東欧系でしょうか。


宗教音楽はこれ位にして、次は世俗音楽ですが、今年は、
チャイコフスキーのバイオリン協奏曲を色々聞き比べた結果、
アンネゾフィー・ムターの演奏が出色でした。
この人の場合、技術がどうのとかいうレベルは、
遥かに越えた次元で勝負している感じで、
何か風が歌っているかのように聞こえますものね。
  http://www.youtube.com/watch?v=Q7c5EmpgnTA
彼女はドイツのバーデン出身のようですが、
若い頃から天才少女として騒がれたんだそうです。

次は、ハンガリー人のアンタル・サライの演奏ですが、
これは何と言っても、バイオリンの音色の艶が素晴らしいですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=KOTQN0tNNNY
その演奏技術に加えて、楽器やホールや録音技術など、
全ての条件が揃わないと、こういう音にはならないでしょうね。
ただ、オーケストラがちょっと先を急ぎ過ぎるのがネックで、
肝心のサビの所で、テンポがずれてしまっています。

その点、こちらの演奏ではオーケストラのためが良く効いていますね。
  http://www.youtube.com/watch?v=WHUJ4tI16qM
実は、指揮者の原田幸一郎という人は、元々バイオリン独奏者ですから、
この曲については、その細部まで知り尽くしているんでしょうね。
バイオリンの神尾真由子は、2007年のチャイコフスキー・コンクールで、
優勝した人のようですが、さすがにその情熱的な演奏は見事です。

65闇夜の鮟鱇★:2011/12/25(日) 13:03:02 ID:???0
  ●●●2011年の音楽総評●●●(4/7)

もう一つ、今度はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番ですが、
このマルタ・アルゲリッチの演奏で一つ驚いたことがありました。
  http://www.youtube.com/watch?v=OwWOLlDEyz4
このクリップの最初から1分50秒あたりを見ると分かりますが、
プロのピアニストでも、一本指で演奏することがあったんですね。(^^;)

まあ、それは一つには女性の非力さを補う為かもしれませんが、
もう一つの理由として、チャイコフキーのこの曲が余りに、
自然な運指を無視している、という事情があるのかもしれません。
実を言うと、チャイコフスキーは楽器の特性に無頓着な所があって、
それでこの曲にしても、バイオリン協奏曲にしても、
そうした点で、演奏家の評判が余り良くなかったらしいですね。

ですから、献呈した相手に演奏を拒否された事件にしても、
理由のひとつは、そうした演奏のしにくさにあったと言われています。
ところで、このフランケンシュタインみたいな顔をした指揮者は、
シャルル・デュトアというスイス人で、その若い頃のようです。
実はこの頃、彼とマルタ・アルゲリッチは新婚夫婦だったようで、
そのせいか、彼女も色気をむんむん発している感じがしますね。


色気むんむんと言えば、もっとすごいのがありました。(*^^)v
ニコ動のデータなので、ログインしないと見られませんが、
曲目はショパンのピアノ・ソナタ第2番『葬送』ですね。
  http://www.nicovideo.jp/watch/sm8819751

最初の印象から、どこかの音大生だろうと思い込んだんですが、
調べてみると、王羽佳という中国人だったのでびっくりしました。
結局、プロの女性ピアニストがこういう風に色気むんむんだと、
日本では、女性ファンから総スカンを食らうんでしょうね。
ですから、余りセクシーな服装は避けるのが常識なんでしょうが、
どこかの音大生なら、こういう恰好もありかなと思ったのでした。

この曲のひとつの聞き所は、第2楽章の第2テーマで、
『ミシドラーソ ソドレミー』というところですよね。
このクリップで言うと9分8秒あたりからですが、
彼女の恍惚とした表情を見ていると『この人はセックスの時も、
こんな顔をするのかな』などと余計な想像をしてしまいました。
それもこれも、色気むんむんのせいですからね。(^^;)


因みに今年、ネットデータを漁った末に、
私にもようやく、ショパンの全体像が見えてきたようです。
その中で彼の代表作を上げるとすれば、
やはり何と言っても、作品10の練習曲集でしょうね。
全体で12曲ある中でも、特に『急急緩急急緩』と続く、
前半の6曲のあふれんばかりの詩情に触れれば、
彼が『ピアノの詩人』と呼ばれる理由が一目瞭然です。

その第3曲が『別れの曲』、第5曲が『黒鍵のエチュード』ですが、
最後の第12曲の『革命』も有名ですね。
ショパンの最高傑作を一曲だけあげろと言われれば、
この別れの曲か、バラード第2番になるだろうと思います。
ショパンの練習曲集には、もう一つ作品25というのがありますが、
鮮烈さという点からすると、こちらはちょっと落ちますね。
その中では、第11曲の『木枯らしのエチュード』がベストでしょうね。

ここでもビデオを引用する手はあるんですが、今回は、
midiの名演奏があるので、是非それを紹介したいと思います。
実は、8年以上前に入手したデータなんですが、
改めてネットで捜しても、どこにも見当たりませんでした。
そこで僣越ながら、私のサイトに入れてリンクをはることにします。
こんな名演を埋もれさせておくのは、もったいないと思ったからですが、
もし作成者が困るという場合は、一報を下されば速攻で削除します。
(改めて捜し直した所、このサイトかもしれませんがハッキリしません。
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/midi.htm
少し違う所がありますが、同じ人が作り直す可能性もありますからね。)

66闇夜の鮟鱇★:2011/12/25(日) 13:05:47 ID:???0
  ●●●2011年の音楽総評●●●(5/7)

先ず最初は、練習曲集・作品10の第1〜第8曲ですね。
http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0018.mid
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0019.mid
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0020.mid
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0021.mid
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0022.mid
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0023.mid
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0024.mid
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0025.mid

そして、9曲目は昔のドラマに出てきたバラード第2番、
10曲目がピアノ・ソナタ第3番の第4楽章です。
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0026.mid
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/A0027.mid
そのドラマですが今調べた所、1995年秋に12チャンネルでやった、
『クリスマスキス〜イブに逢いましょう』という奴ですね。

いかにもミーハー狙いがミエミエの嫌らしい題名ですし、
その視聴率も散々だったらしいですが、
少なくとも私が見た限りでは結構、面白いドラマだったと思います。
しかし、midiの自動演奏でも、これだけの名演が可能となると、果たして、
人間のピアニストは必要なんだろうか、と思える出来栄えですね。(*^^)v
そもそも私が練習曲集の真価を知ったのは、この演奏のお蔭ですが、
ショパンの神髄はこの10曲を聞けば、十分に分かりますよね。


さて、次はジャズですが……ネット上には音楽が無限にあるとなると、
私の場合、どうしてもクラシックを優先することになる分けですね。
ですから、今年は他の音楽をあさる暇が余りなかったのでした。(-_-;)
その意味で、ジャズは去年書き残したことを中心に書くことにします。
先ず、オスピーの共演データがあの他にも色々あったんですが、
これはカウント・ベイシーと共演しているクリップですね。
曲目はスロー・ブルースですが、コアなジャズファンには、
案外こういうのが受けるかもしれません。
  http://www.youtube.com/watch?v=3drqJ1bUmEA

それからもう一つ、こっちはELPのキース・エマーソンとの共演で、
曲は、ホンキートンク・トレイン・ブルースという奴ですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=ZvQIobg0BwU
この場合、二台のピアノの音色の違いがポイントなんですが、
右側で弾くオスピーのピアノの音が澄んでいるのに比べ、
左側で弾くエマーソンのピアノの音が濁っているのが分かりますかね。

こういうのをホンキートンクの調律と言う分けですね。
つまり、ピアノの各音は3本づつの鋼線が張ってあり、
普通の調律では、3本の音を同じ音程に揃える分けです。
ところが、ホンキートンクの調律というのは、
その3本の音をわざと微妙にずらす分けですね。
その結果、こういう風に少し濁った、味のある音になる分けでが……
元々は、安酒場でピアノの調律が狂っていただけらしいです。(^^;)


因みに、ホンキートンクと言うと私が忘れられないのは、
ハンブル・パイの『ホンキートンク・ウィメン』という曲なんですね。
意味は良く知りませんが『イモ姉ちゃん』とでも訳すんでしょうか。(^^;)
今調べた所、元々はローリング・ストーンズの曲だったみたいですが、
歌詞がエロ過ぎるので、中国公演では禁止されたんだそうです。
それが大ヒットした結果、色々なバンドが歌っていたようですが、
その中でも、ハンブル・パイの演奏は衝撃的なすごさでした。

ちょっとロックを先取りする感じになりますが、
ネットを捜すと、そのライブ・バージョンが見つかりました。
  http://www.youtube.com/watch?v=tEcslYWAdDg
スタジオ録音のものに比べると、迫力は少し落ちますが、
あれは『Eat It』というアルバムに入っている曲ですかね。

それから、ヨーロッパのジャズの書き残しでは、
アンドレ・プレビンのジャズがありました。
  http://www.youtube.com/watch?v=DP3ecwHJtSc
  http://www.youtube.com/watch?v=es32CRYEeN4
前者は有名な『いつか王子様が』、後者は『The Way You Look Tonight』で、
これは去年、ジャズおばさんビージー・アデールの演奏でも引用しましたね。

67闇夜の鮟鱇★:2011/12/25(日) 13:07:46 ID:???0
  ●●●2011年の音楽総評●●●(6/7)

そして今度はロックですが、この曲にはすっかり騙されました。(^^;)
  http://www.youtube.com/watch?v=qGc1uCFefQs
フライ・リーフの『Do You Hear What I Hear?』という曲なんですが、
ちょっと聞いた感じでは、完璧なロックに聞こえるでしょ!?
でも、どこかしら聞き覚えのある曲だと思って調べた末、
その元曲が昔のクリスマス・ソングだったことに気付きました。

残念ながら日本では余り、はやらなかったみたいで、
クリスマス・シーズンにも、ほとんど耳にしませんけどね。
実をいうとクリスチャン・ロックという分野があって、
フライリーフも、その一つだったようです。

そもそも、ロックは元々がセックス描写であるという説があり、
普通知られている有名なバンドの曲は、大体が、
セックスやドラッグと縁が切れないわけですね。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF
  ロックンロールの由来は黒人のスラングで性行為を意味する語であり、
  クリスチャン・ロック・ミュージックを訳すと
  キリスト教性行為音楽となる。


たとえば、ポール・マッカートニーの名曲
『マイ・ラブ』にしても、基本はセックス描写ですからね。
  My Love
  http://www.youtube.com/watch?v=LDawH3xt3EI

因みに、彼の曲で私が一番好きなのは、
同じアルバムで次に来る『ゲット・オン・ザ・ライト・シング』
の方なんですが、これまたセックス描写ですよね。
  Get On The Right Thing
  http://www.youtube.com/watch?v=jmmZqjSXNJQ

でも、こうなると白人の親たちとしては心配が尽きない分けで、
音楽に引かれて、そういう悪いことを覚えては大変な分けです。(-_-;)
そこで一計を案じて『それなら行儀の良いロック音楽を別に用意して、
そっちに若者を引きつけ、有害な音楽から遠ざけよう』とした分けですね。


有名なニルバーナも、そうしたお行儀ロックの一つかもしれませんが、
何故か、wikiのクリスチャン・ロックの一覧には乗っていませんでした。
  http://www.youtube.com/watch?v=mBCUdfaT8W8
  http://www.youtube.com/watch?v=pkcJEvMcnEg
一曲目の『インブルーム』では、その演奏会場が、
どこかの学園祭みたいな雰囲気でしょ!?
二曲目の『リチウム』では『I found God』とか歌っていますしね。

因みに、このバンドの音はお聞きの通り、重低音が効いていますからね、
赤犬どもが出す騒音への対策としては、打って付けと気づいた分けです。
少なくとも、これをヘッドホンで聞いている限り、
どんな騒音も気にならなくなりますからね。(^^;)
但し……それでも、削岩機の騒音を至近距離で一日中やられると、
結構、ボディー・ブローみたいに効いてくるわけですね。

そこで私も、例のノイズ・キャンセラーを試すことにしたのでした。
その場合、高いものは何万円もする分けですが、私としては、
徹底的にコスト・パフォーマンスにこだわりますからね。
それで、格安品をあさった末、一番安かったのが、
サンワ・サプライのMM-HPNR1という奴でした。
  http://kakaku.com/search_results/MM-HPNR1/?category=&c=&nkey=&act=Sort&sort=priceb
私が買った時は送料込み2400円でしたが、
どういう分けか、今や4000円を越していますね。

68闇夜の鮟鱇★:2011/12/25(日) 13:10:26 ID:???0
  ●●●2011年の音楽総評●●●(7/7)

この安さですから、まあ効かなくても諦めようと思っていた所、
結果的には大成功で、十分な効果があったようです。
あのう、ノイズ・キャンセラーというと、
外部の音を全てカットするみたいに考えがちですが、
外の音が全く聞こえないというのも、逆に危ないんだそうですね。
ですから、何万円もする高級品でも日常会話的な音は、
ある程度、聞こえるように設計されているようです。

この品の場合、最初は全く効かないように思えました。
単三電池を一本入れてスイッチをonにすると、
ヘッドホンの音は全体に大きくなりますが、
外部の音が減った感じは全然ない分けですね。
ところが、実際に使ってみるとこれが案外効きました。

結局、問題なのは不快な重低音で、そこだけカットすれば、
例のボディブローみたいなダメージは消えるみたいです。
ですから、付近の騒音で勉強に支障が出ている人とか、
或いは、飛行場の近くで騒音がうるさいと悩んでいる人は、
これを使ったら、かなり被害が解消するのではないかと思います。


そして、最後はフォークですが、ひとつ耳に付いた曲で、
『日だまりの詩』(ル・クプル)というのが良かったですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=VTkd71RnlPQ
それから去年『林檎の木の下で』の話をしましたが、その調べで、
もう一つ『時の過ぎ行くままに』という歌が出てきました。

これまた、外国曲(As Time Goes By)の翻案みたいなんですが、
これを聞いていて、今度は『もしも二人が愛せるならば、
窓の景色も変わって行くだろう』という歌詞に引っ掛かりました。
というのも、去年引用した矢野顕子の曲『春咲小紅』の中に、
『窓の景色も取りかえて』という印象的な部分があったからですが、
結局、あの一節はここから来ていたみたいですね。(^^;)
この歌詞自体は、糸井重里によるもののようですけどね。
  http://www.youtube.com/watch?v=qIhDChEOvjw

それから、少し前に『踊る幸福の赤いバス』という映画を見ました。
インド映画のつもりでとった所、実は珍しいレバノン映画で、
その中に、ダブケという踊りが出てきたんですね。
でネットを漁ると、色々と面白いデータが出てきました。
先ず、これはベイルート空港の免税店がある広場の風景です。
『誰かが音楽をかけると皆が浮かれて踊りだし、音楽が終わると、
何事も無かったかのように去っていく』という所が秀逸ですね。(^^;)
  http://www.youtube.com/watch?v=VEp29GS1VXI


日本の盆踊りみたいなものかもしれませんが、
誰もが振り付けを知っている、という所もすごいですね。
ただ……一見すると自然発生のようにも見えますが、
やはりこれは演出者がいるのではないでしょうか。
そうでもないと、こういう風にきちんと、
終始一貫したビデオが残ることはないように思います。

そして、もう一つこれはパレスチナのビデオですが、
同系統の踊りをこっちではダブカと呼んでいるようです。
  http://www.youtube.com/watch?v=uRyx5s0yktk
何か、戦士の踊りみたいで、戦闘的な印象も受けますが、
隣のイスラエルとは日常的に戦争状態ですから、当然ですかね。
ある意味で、パレスチナはユダヤ主義の天敵ですからね、
人類の敵・ユダヤ主義を倒す為にも頑張って欲しい所です。(*^^)v

最後に、今回は『良いお正月を』と言うのはやめておきます。
何しろ今年は、東日本大震災を筆頭にひどい一年でしたが、
ユダヤ主義の断末魔を考えると、来年は更にひどくなる可能性があります。
折から、北朝鮮の金正日が急死して、世の中は大騒ぎしていますが、
これが悪い方に転ばないことを祈るしかありません。
その意味では皆さんも来年は何とか、しぶとく生き延びましょうね。(^^;)

71闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:18:05 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(1/9)

今年もまた、音楽総評の時節になりましたが……残念ながら、
今年に関しては、特に新発見というものはありませんでした。
少なくともクラシック音楽に関しては、既に『聴くべき音楽は、
ほぼ聴き尽くした』ということなのかもしれませんね。
例えば、以前にビデオ評で少しほめたマーラーですけど、
その交響曲をざっと一通り聞いて見ても、彼の場合、
良いのは映画で引用された部分だけみたいですね。(-_-;)
  http://jbbs.livedoor.jp/study/3729/storage/1162001315.html#125

後は残念ながら、眠くなるような音楽ばかりでした。
その点、少し違ったのが >>53 で書いたブルックナーの場合でした。
これまたある映画に関し、第九交響曲の第二楽章を引用しましたが、
実はその第二楽章より、第三楽章の方がもっとすごいんですよね。
結局、この曲の場合、第一楽章・第二楽章・第三楽章と、
楽章を追う毎にレベルが上がる印象を受けます。

ですから『もし彼が最後まで作り切っていたなら、最後の第四楽章は、
一体どんな、ものすごい音楽になったのか?』と気になりました。
こうした場合、たとえ未完に終わった作品であっても、
そのスケッチ位は残されていることが多いと思うんですが、
この第四楽章も、そのスケッチがどこかにないんでしょうかね。
もし残っているなら、それを元にして誰かプロの作曲家が、
第四楽章を完成させてくれないかな、と期待してしまいます。(^^;)


ところで、その時の指揮者のギュンター・ヴァントですが、
あのビデオを見ると『指揮者というものは、その曲の限界を、
こうやって引き出すのだ』ということが良く分かりました。
その意味で、今後の私が指揮者を評価する場合には、
あの演奏が一つのベンチマークになりそうな気がします。

他方、現代音楽も色々あさりましたが、やはり退屈でしたね。
特に、無調音楽に関して言うなら、それで成功しているのは結局、
アルバン・ベルク以外では、ヒンデミットくらいではないでしょうか。
例えば、ジョン・ケージが作った『4分33秒』という作品なんか、
演奏家たちがそこに座って、4分33秒間ただ沈黙しているだけという、
人を食ったようなことをやっていますけどね。

私なんかから見ると、愚にもつかないことをしている感じで、
『勝手にやってろ』とでも言うしかないですね。
結局の所、現代音楽が退屈な理由は、前衛が退屈だというよりも、
単に『才能が涸渇している』ということに尽きるのではないでしょうか。
例の太陽黒点グラフにはModern Maximumとかありましたが、太陽黒点が減り、
自然放射線が増えたら、また状況が変わるかもしれませんね。(^^;)
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Sunspot_Numbers.png


因みに、放射線と文明の興亡という点に関しては、もう一つ、
アケメネス朝ペルシャが、その一例に当てはまることに気が付きました。
今後は、放射線文明学なんていう学問領域が出来るかもしれませんね。
ただ、ローマの共和制が500年近く続いたのに比べると、
アケメネス朝は300年も持たなかったようですね。

勃興は同じBC6世紀でも、滅びるまでの期間は、
各地の個別事情によると考えるべきなのかもしれません。
他方、音楽と放射線の関係について言うなら、
バロック音楽の巨頭バッハがマウンダー氷期の申し子であるのに対し、
ロマン派の巨頭ワグナーはダルトン氷期の申し子と言えるような気がします。

その場合、バッハにはヘンデルというライバルがいたのに比べ、
ワグナーにもブラームスというライバルがいるのが興味深いですね。
但し、ヘンデルの場合はバッハと同じ年に生まれていますが、
ブラームスは、ワグナーより20年も遅い生まれですから、
ダルトン氷期と結びつけて理解するのは、無理のようですけどね。

72闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:22:06 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(2/9)

という分けで、今年はその代わりに、バッハの名曲の中でも、
私のお気に入りの、とっておきの曲を紹介してみようかと思います。
ただその前に、現代音楽とは逆に、音楽を過去に逆上る場合、
一体どんな風景があるのか、ということを先ず書くことにします。
先ず、バッハ以前の作曲家で最も有名なのは誰かとなると、
衆目は恐らく、ビバルディということで一致するでしょうね。
でも、私の評価ではビバルディはせいぜい一流半いう所なんですね。

というのも『どうしても彼の音楽を聴きたくなる』
ということがないからなんです。その点で言うと、
むしろ外せないのが、ハインリッヒ・シュッツなんですね。
あのう、バッハの音楽を聴いていると時々、
『ハインリッヒ・シュッツ合唱団』という名が出て来るので、
私は最初、それを合唱団の名前だと思っていました。(^^;)
それが実は、作曲家の名前であると知ったのは暫く後のことでしたが、
最近では『大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団』
なんていうのも出来たみたいですね。

こうして演奏家グループが作曲家の名前を名乗る例としては他にも、
例えば『アルバン・ベルク四重奏団』なんていうのがありましたが、
その点、有名過ぎる作曲家の場合は、そういう例は少ないようですね。
例えば、チャイコフスキー四重奏団なんて、余り聞かないでしょ!?
多分、余りメジャーではないが、一部にマニアックな愛好者がいる場合、
こういう風に作曲家の名前を冠するのではないでしょうか。(^^;)


さて、ハインリッヒ・シュッツは、バッハより丁度100年早く生まれた人で、
『ドイツ音楽の父』などと呼ばれることもあるようです。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%83%E3%83%84
結局、それ以前は音楽と言えばイタリアで、ドイツは後進国だった分けで、
その中で初めて、ドイツ固有の音楽を確立した人という位置づけのようです。
その素朴で静謐な音楽は、ある種の癒しの範疇に入るでしょうね。

そのせいか、いつも刺激の強い音楽ばかり聞いていると、
時たま、無性に彼の音楽を聴きたくなることがあるわけですね。
その意味で、彼の音楽は余人をもって代えがたい所がありますから、
ハインリッヒ・シュッツは一流、と言って良いのではないかと思う分けです。
YouTubeを漁ると、こんなのが見つかりました。
  https://www.youtube.com/watch?v=0TkRXQH5np8&playnext=1&list=AL94UKMTqg-9B5SDF4yhRfTNJ_sa_N1zfC

シュッツのベスト15とか言う再生リストなんですが、世の中、
どんどん便利になっている感じですね。自分でリストを作らなくても、
その手のマニアが、リストまで用意してくれる分けですからね。(*^^)v
全体で1時間弱ありますが、その中で私のお勧めはこの三曲です。
  https://www.youtube.com/watch?v=9oSeeqNAKi4
  https://www.youtube.com/watch?v=d5ZT9mpc34g
  https://www.youtube.com/watch?v=gDj-nUIQF9U


因みに、三件目に出てくる写真では、壮麗な内装が何とも見事ですが、
一体どこの教会なんでしょうかね。色が褪せていない分、
バチカンのシスティナ礼拝堂などより、むしろ立派な感じがします。
そう、建築と言えば最近、決まった新国立競技場のデザインが見事でしたが、
ザハ ハディドというのはイラク出身の女性建築家らしいですね。
  http://www.jpnsport.com/first.html

これで、東京のランドマークがまた一つ増えることになると思いますが、
今から出来上がるのが楽しみで、ワクワクしますよね。
私としては、早くもニックネームを思いつきました。
まるで、東京にUFOが舞い降りたみたいな造形ですから、
東京UFOスタジアムというのはどうでしょうか。(^^;)

こうなると、2020年の東京五輪の招致は是非成功させて、
ここで開会式をやりたいという気がします。
その点、東京スカイツリーの造形は、もう一つでがっかりでした。
あれでは、中国の広州タワーにもデザインとして負けてますものね。

73闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:25:23 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(3/9)

ところで、先の15曲はその選曲が多少通俗的な感じがしますし、
どういう分けか、私が一番好きな曲も入っていない分けですね。
それはヴァスト・マールという曲で、貧乏旅行で私がパリの安宿にいた時、
そこのFM放送でやっていたのを、ラジカセで録音して聞いたのが最初でした。

実は、例のカンタータ第97番も、パリのFM放送で初めて聞いたんですが、
ハインリッヒ・シュッツが作曲家の名であると知ったのも、
ひょっとすると、その時だったかもしれません。
残念ながら、もうはっきりとは覚えていませんが……。

ですから、私はこのヴァスト・マールを聴くと、パリの安宿で食った、
『シュー・クルート・ガルニ』の味を懐かしく思い出します。(^^;)
直訳すると『酢漬けキャベツの添え物付き』という意味になりますが、
添え物付きとは言っても、実際は添え物のソーセージの方が主役で、
それを酢漬けのキャベツと一緒に、円筒形の缶詰に詰めてある分けですね。


これが安くて旨いという分けで、パリでは常食にしていたんですが、
後で知った所では、これはフランス料理ではなくドイツ料理のようです。
まあ、パリでは美味しそうなレストランがいくらも目に付きますけど、
貧乏旅行では、レストランなんて論外、というか高値の花ですからね。

私などは、主食はもっぱらスーパー・マーケットでパンとジャムを買い、
後はインスタント・コーヒーとこの缶詰ぐらいで済ませていた分けです。
少し慣れてくると、学生食堂に潜り込んだこともありしました。
ソルボンヌ大学のパリ分校というのが、パリの中心部にある分けですが、
そこの食堂に並んでいる学生を捕まえて、食券を譲ってもらう分けですね。

食券は学生証がないと買えないのですが、学生に頼めば大体、
実費で分けてくれます。その食堂で覚えている料理では、
豚の血をつめたソーセージというのがありました。
切るとドロッとした汁が出て来て……私は半分も食えませんでしたが。(^^;)


脱線ついでに、パリでの宿の話を少し、しましょうかね。
大体、貧乏旅行では安宿を探すコツというものがあるんですが、
それは『なるべく外見が汚れた宿を探す』ということなんです。
古くなって薄汚れた宿ほど、宿賃は安くなるわけですが……
ただ多少とも危険を伴うので、単純にまねするのは危ないでしょうね。
つまり、ある程度、旅慣れて来て、そうした危険に対する感度というか、
とぎすまされたアンテナを持っている必要がある分けです。

パリでは結構、長居したという話を以前にしましたが、そうなると、
今度は、一泊幾らの宿よりも、週払いの宿の方がお得な分けですね。
で、その場合、モンマルトルの近くに良い所がありました。
モンマルトルというのは『殉教の丘』という意味で、
その丘の上には、例のサクレクール寺院が立っているわけですが、
その丘を取り囲むようにキャバレー街がある分けですね。

日本でも、神戸の生田神社の回りに歓楽街があったのを思い出しましたが、
社寺の回りに歓楽街が生まれるのには、何か必然性があるんでしょうかね。
で、有名なムラン・ルージュもそうした中の一つである分けですが、
歓楽街で働くその筋の女性は、老後の為にアパートを経営している分けです。
そうしたアパート街が歓楽街の裏手に並んでいたと思いますが、
それらの宿が大体、週幾らという契約で格安で泊まれるんですね。

74闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:28:19 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(4/9)

さて話を戻しますと、問題のヴァスト・マールという曲は、
YouTubeなどネットをあさっても、中々出てきませんでした。
そう言えば、以前に紹介した曲の中でも、
ビル・エバンスの『ラブ・フォー・セイル』だとか、
ヴィラ=ロボスの『ファゴットと室内オーケストラの為の
七音による舞曲』などは見つかりませんが……
或いは、謀略工作でつぶされているのかもしれませんね。

で、ここではパリで録音した奴をお聞かせしようと思います。
モノラルで、その上、音割れしてしまっていますが、
ラジカセ録音で音が割れている、と言うのも少し妙ですかね。
普通、ラジカセにはノーマライザーというものが入っていて、
過大な音量は自動的に絞り込んで録音するはずなんですけどね。

それでもまあ、どんな音楽かを知るには、これで十分でしょう。
フランス語を勉強している人の為に、ここでは、
頭尾に入ったフランス語の解説も付けておきました。
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/VastoMar.mp3
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/VastoMar.mp3


パリのFM放送局でひとつ面白いと思ったのは、
フランス・アンテール・ドゥーという局があって、
そこでは一日中、雑多な音楽を垂れ流している分けですね。
一応、公営放送らしく広告はなくて、時々時刻を知らせたり、
天気や交通情報やニュースを挟んだりして、延々とやってました。

例えば、これは青い影という曲に『明晩9時からシャンゼリゼ劇場で、
アタウアルパ・ユパンキ等の演奏会がある』という告知が入りますが、
少しはパリの匂いが感じられるのではないでしょうか。
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/snd/Yupanqui.mp3
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/Yupanqui.mp3
私みたいな音楽フリークが、かけっ放しにするには打って付けで、
日本にもこういう放送局があると良いのになあと思いました。

日本では音楽だけ聞きたいと思っても、広告はあるわ、
番組は途切れるわで、中々こうは行きませんからね。
まあ現時点では、そうした聞き流し用の音楽が欲しいなら、
YouTubeのXLというのがあるみたいですけどね。
  YouTubeで好きな動画を連続再生する方法
  http://small-life.com/archives/11/04/2501.php
因みに、このサイトでは説明が抜けていましたが、
連続再生の切入は『回る矢印』を打てば十分のようです。


問題の局名を訳すと『フランス内地・第二局』となりますが、
つまり、フランスの場合、なんだかんだ言ってもまだまだ、
世界各地に、タヒチを始めとした海外領土があるわけですね。
ですから、そうした外地に対して、内地と言っているわけです。
もっとも……こちらの録音にはバカンスの告知が入っていて、
『FIP leur signale(FIPは彼らにお知らせします)』とか言っていますね。
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/Vacance.mp3

FIPはフランス・アンテール・パリの略だったと思いますが、
聞き流し用のFM局はこのFIPの方で、
フランス・アンテール・ドゥーは、むしろ、
ヴァストマール等をとった局だったかもしれません。
もう大分昔の話で、良く覚えていませんが、
パリの地域情報を全国放送で流しても意味ないですからね。

その聞き流しの曲では、いくつか気に入ったのがあったので、
参考までにご紹介しようかと思います。
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/doitu.mp3
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/dansei.mp3
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/josei.mp3
最初の曲はドイツ語の歌、後の二曲はシャンソンですね。
垂れ流し放送は説明なしですから、歌手も曲名も不明ですが、
おそらくどの曲も、本邦初公開ではないでしょうか。(^^;)

75闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:31:14 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(5/9)

問題のヴァスト・マールという曲の素性ですが、
今回、これを書く為に調べ直して、ようやく分かりました。
これは『イタリア風マドリガル』という曲集の第19曲で、
作品番号がSWV19という奴らしいです。
  http://heinrich-schuetz-haus.de/swv/sites/swv_019.htm
  http://ml.naxos.jp/opus/195127

正確な曲名は『Vasto mar, nel cui seno』となっていて、
『大いなる海に抱かれて』といった意味のようですね。
前者のサイトでは、歌詞を対訳で示しているようですが、
左がイタリア語、右がドイツ語とチンプンカンプンなので、
どなたか分かる方、翻訳して頂けると助かります。(^^;)

ここで注目すべきは、曲集の番号と作品番号が一致することですね。
バッハ場合、カンタータの番号がBWV番号に一致すると書きましたが、
それは結局、このBWV番号を作った人自身が、バッハの作品の中でも、
カンタータを最も重要な作品群と考えていた証拠ではないでしょうか。
ひょっとすると、沢山あるカンタータを整理したいというのが、
BWV番号を作った人のそもそもの動機だったような気もします。
ですから、この場合にしても『イタリア風マドリガル』こそが、
シュッツの代表作である可能性が高いのではないでしょうか。


さて、それではシュッツ以前はどうか、という話になりますが、
私の知る限りにおいて、繰り返し聴く価値がある最古の音楽は、
ギヨーム・デュファイのミサ曲『スラファスエパル』だろうと思います。
『スラファスエパル』は古フランス語で、日本語に訳すと
『もしも顔が青いなら』という意味ですが、原曲はシャンソンのようです。
ギヨーム・デュファイというのは15世紀のフランス人で、
バロック以前のこの辺の音楽は、ルネサンス音楽と言う分けですね。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4

この頃の音楽ともなると、まだまだ形式がきっちり定まる前のせいか、
その変則的なリズムが、むしろ現代音楽に近いような印象も受けます。
それに、これだけ時代を逆上ると、曲を作ることは大変な難事業のようで、
誰かがミサ曲を作りたいと思った時、たまたま手近にあった俗謡を、
ミサ曲に仕立て上げるしかなかったみたいな感じがしますね。
ですから、この時代にはへんてこりんな名前のミサ曲が多いです。

時間軸を逆上ったなら、今度は空間軸を果てまでたどるとどうなるか、
その点で、西洋から最も遠い極東の日本人が作った音楽が問題になります。
その場合、私が知る限りで日本人が作ったロマン派音楽の最高傑作は、
尾高尚忠(おたかひさただ)のフルート協奏曲ではないかと思います。


でも、この曲はピエール・ランパルによる演奏を聴いた切りで、
それ以外の演奏は、一度も聴いたことがないんですよね。
こういう曲は、日本のオーケストラこそ、もっと積極的に、
どんどん取り上げるべきではないかと思いますが……その点で、
日本の音楽家には、愛国心が欠けているんでしょうか。(^^;)

それから、以前に書いたことで、幾つか気になったことがあります。
先ず >>53 ではジャズのオイゲン・キケロに関して、
『キケロの練習曲』がオリジナルかと書きましたが……
実はこれはシューベルトの曲だったようです。
  http://www.youtube.com/watch?v=0UVSKhMIkLc

『楽興の時』で最も有名な第三番の次の第四番がこれなんですが、
但し、そのままでは無くて部分的な抜粋になっているようです。
しかし、それにしても『楽興の時』全体を聞いてみると、
この第四番がベストという感じですから、その点では、
オイゲン・キケロの音楽センスは、さすがという感じですね。

76闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:33:34 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(6/9)

次は、ビデオ評でワルキューレに関し、そのクライマクスを、
『第一幕で剣を引き抜く所から後の20分』とか書きましたけどね。
あの頃の私は、まだまだオペラの演出というものを、
良く分かっていなかったみたいですね。
  http://jbbs.livedoor.jp/study/3729/storage/1102295096.html#104

ひとつのオペラを別の演出で見るという経験は、
その後、何回かしましたが、ワルキューレの場合、
あそこで剣を引き抜くというのは、特定の演出家がやっただけで、
別の演出では、全然そうなっていない分けですね。(-_-;)
ですから、ああした表現には全く意味がなかった分けです。

その罪滅ぼしという意味も込めて、ここでは最近、
見つけたワルキューレ第一幕のリンクをはって置きます。
  ワーグナー《ワルキューレ》第1幕 クナッパーツブッシュ指揮
  http://www.youtube.com/watch?v=Nm1FanHg2Nw
このビデオは『オペラ対訳プロジェクト』というサイトのもので、
幸い著作権の問題もクリアしているみたいですから、
皆さんも安心して見られるのではないでしょうか。(*^^)v


指揮者はクナッパーブッシュという人で、つまりは今年、
万有サロンなどに張り付けた音楽と同じ演奏である分けですね。
この第一幕で問題の『剣を引き抜く』場面に対応するのは、
冒頭から44分30秒の所で『並み居る男たちが、どんなに頑張っても、
誰も手に入れることは出来ませんでした』と歌うあたりですね。

それから、ビデオ評で書いたことにもう一つミスがありました。
ビデオ評(3R)で、シューベルトの未完成について触れましたが、
あのメロディーは第二楽章のテーマではなくて、
むしろ、第一楽章の第二テーマだったようですね。
  http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/3729/1237697206/3

それから、一つ忘れていましたが、去年紹介したmidiサイトに関して、
周辺で目についたフランツ・リストのデータもざっと聞いてみたんです。
リストの代表作は恐らく、交響詩『レ・プレリュード』でしょうが、
残念ながら、彼のピアノ曲は退屈なのが多くて、ちょっとガッカリでした。
ただ、その中でも何曲か気に入ったのがあったので、
念の為に、今回はそれを紹介しておくことにします。


ある意味では、これを今年の新発見としても良かったですかね。
ただ、聴き始めたのが去年の末頃だったので、ちょっとうっかりしました。
前半から抜粋した第一曲集は短めの曲8件からなり、
後半から抜粋した第二曲集は長めの曲4件です。
前半の第3曲では、泉が沸くような情景描写が印象的ですが、
後半の第3曲は、何やら死に神のダンスを連想させて不気味ですね。
結局、リストも純粋音楽派でなく、標題音楽派だったようです。

【第一曲集】
12の大練習曲 S137 第5番 変ロ長調
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/GlandEtude5.mid
ディアベリのワルツによる変奏曲 S147
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/diabelli-liszt.mid
巡礼の年第1年-スイス S160 第4曲「泉のほとりで」
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/auborddunesource.mid
巡礼の年第1年-スイス S160 第7曲「牧歌」
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/eglogue.mid
2つの演奏会用練習曲 S145 第1番「小人の踊り」 嬰ヘ短調
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/gnomenregen.mid
2つの演奏会用練習曲 S145 第2番「森のざわめき」 変ニ長調
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/waldesrauschen.mid
3つの演奏会用練習曲 S144 第2番「軽やかさ」 ヘ短調
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/leggierezza(a).mid
3つの演奏会用練習曲 S144 第3番「ため息」 変ニ長調
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/concertetude3.mid

【第二曲集】
ポロネーズ S223 第2番 ホ長調
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/polonaise2-l.mid
「ファウスト」よりワルツ S407【グノー】
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/faustwaltz.mid
葬送前奏曲と葬送行進曲 S206
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/trauer.mid
メフィスト・ワルツ2番 S600(4手への編曲)
  http://www5b.biglobe.ne.jp/~hasekou/mephistowalzer2_4h.mid

77闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:36:47 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(7/9)

ショパンの場合もそうでしたけど、こういう自動演奏では、
『人間の演奏では聞き取れない、楽曲の細部までが、
手に取るように良く分かる』というのが、一つの利点ですよね。
ただ、リズムや音程に全く狂いがないこの手の演奏は、
うっかりすると、やみつきになりそうな所がある分けですね。
で、そうなると今度は、人間の演奏がまだるっこしく感じられて、
余り聴く気がしなくなるというのが、ちょっと困り物でした。(^^;)

さて、それでようやくバッハの名曲紹介ですけどね。
バッハという人は例のマタイ受難曲の他にも、受難曲を作っていて、
ヨハネ受難曲とマルコ受難曲というのがある分けですね。
でも……聖書ではキリスト伝の部分は4部作になっていて、
もう一つ、ルカ伝というのがある分けですが、どうしてバッハは、
ルカ受難曲だけ作らなかったのかと、少し気になっていたんです。

ところが、つい最近YouTubeでそのルカ受難曲を見つけました。
実を言うと、BWVの一覧表を見れば、その244から247に、
マタイ・ヨハネ・ルカ・マルコと受難曲が並んでいるわけですね。
でも……更に調べると、このルカ受難曲が実は偽作だという話があり、
問題は振り出しに戻ってしまいました。(-_-;)
そのルカ受難曲自体、まだ聞き込む暇がないので、
私には今の所、何とも判断できない分けですけどね。


ただ、ヨハネはともかく、マルコはほとんど聞き所がないですから、
ルカ受難曲にしても似たようなものかもしれません。
で、ここで取り上げるのはそのヨハネ受難曲なんです。
マタイについては既に色々書きましたが、
その次に有名なのが、このヨハネ受難曲なんですね。
この場合も、聞きどころは多くないんですが、
バッハの名曲という場合、ヨハネの第39曲を外せません。

もう5〜6年前のことかと思いますが、例の『バロックの森』で、
この曲がリクエストされて掛けられたことがありました。
その時、リクエストした人のハガキにあった言葉が印象的で、
『今までに自分の人生で聞いた全ての音楽を、
この一曲と交換しても良いと思った』とかあったんですね。
確かに、この曲には人をそんな気持ちにさせるものが、
あるのではないでしょうか。
  http://www.youtube.com/watch?v=STEPEbzKqp0
  http://www.youtube.com/watch?v=gnfwxHnYwXk

ヨハネでは、あとは最初と最後の曲を聞けば十分でしょうね。
他方、ミサ曲では大曲のロ短調以外にも、
バッハは何件かミサ曲を残している分けですね。
その中で、お勧めの一曲がミサ曲ト長調(BWV236)なんですが、
その中でも特に好きなのが『Gratias Agimus』の部分ですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=robNOPVttpw


それから、オラトリオでは、クリスマス・オラトリオが有名ですが、
私の好みとしては、6曲あるクリスマス・オラトリオのどれよりも、
素晴らしいと思うのが、復活祭オラトリオなんですね。
  http://www.youtube.com/watch?v=vEkPOQJ0Bks
キリストの生誕を祝うクリスマスに対して、
キリストの復活を祝うのが復活祭なんですが、特にその第三部は、
歓喜がほとばしるような祝祭的な音楽が最高です。(^^;)

ところで……この辺のミサ曲やオラトリオというのは、
その大半がカンタータの中にも似た曲がある分けですね。
バッハの時代は、楽曲のオリジナリティというものへの意識が、
まだまだ希薄だったようで、バッハの場合も、
同じメロディーをあちこちで使い回しているわけですね。
その場合、気になるのはロ短調のメロディーも、
カンタータの各所に紛れ込んでいることなんですね。

その帰結なのか、ロ短調という大曲自体『人生の終盤に、
今まで用いた曲を寄せ集めて作った』みたいな解釈が、
バッハ研究者の間では主流のようなんです。
実は、ヘルムート・リリンクがオレゴンのバッハ音楽祭で、
ロ短調の講義をしているビデオを今年、偶然に見つけました。
内容は当然、英語ですが、彼の解釈も同様のようですね。
  The Rilling Discovery Lectures
  http://www.youtube.com/watch?v=zk5xzIKgawo

78闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:40:53 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(8/9)

でも……私としては敢えて、そう考えたくはないんですよね。
つまり、ロ短調という大曲は、決して寄せ集めなどではなくて、
むしろ『先ず最初にロ短調ありき』と考えたい分けです。
言い換えると、かなり早い段階でバッハはこの大曲の構想を暖めていて、
その為にメロディーを書きためていたのではないか、と思う分けです。

その時、カンタータは教会勤めの都合で毎週義務的に、
一曲づつ作らざるをえない、という状況があったようなんですね。
でも、幾ら大天才とはいえ、そうそう毎週、
良い曲想が浮かぶはずもないですよね。

ですからバッハは、自分が大曲の為に書きためていたメロディーを、
そうした義務的なカンタータに流用したのではないでしょうか。
これはまあ、全くの素人考えに過ぎないかもしれませんが、
そう考える方が、私にはしっくり来る分けですね。


後は世俗曲ですが、沢山あるオルガン曲の中でも、私が一番好きなのが、
前奏曲とフーガ・ハ長調(BWV545)という奴なんです。
  http://www.youtube.com/watch?v=6tA0jITY9ks
特に、後半のフーガの部分は、肩をもまれるような安らぎがたまりせんね。
因みに、同じ前奏曲とフーガ・ハ長調でも、
BWV531は全く別物ですから、注意しましょう。

チェンバロ曲では、既に平均律やゴールドベルクの話をしましたが、
その他では、パルティータというのが6曲あって、
その中で特に、第四番が傑作です。
以下のデータはどっちも音割れしてるようですけどね。
  https://www.youtube.com/watch?v=VqSwDlplDnw
  https://www.youtube.com/watch?v=U9iuIvOEeHM
  
因みに、カンタータでは >>51 でブルースとして3つ並べましたが、
もう一つ、13番の第5曲も入れるべきかもしれませんね。
  https://www.youtube.com/watch?v=hekpAAogzEk
ただ、この曲は基調が長調でなく短調ですからね。
陰鬱さというか哀しみが前面に出てしまうと、
ブルースという概念から、少し外れそうな気もするわけです。
こうしたカンタータは今聞き込んでいる最中なので、来年あたりには、
私なりのベスト10を決定できるかもしれません。(^^;)


それから、もう一つ考えているのが『モーツァルトのピアノ協奏曲に、
全て名前をつけてしまおう』というお節介プロジェクトなんですね。
まあ、ドイツ人あたりは『音楽に名前をつけるなんて邪道だ』
と怒るかもしれませんけどね。でも、そもそも音楽というものの起源は、
『何かについての音楽』だったわけでしょ!?
例えば、神様を讃える為の歌や、誰かが恋しいという歌が、
その始まりだったのではないでしょうか。
純粋音楽などというものは多分、ドイツ人の発明品でしょうね。

それで、モーツァルトのピアノ協奏曲というのは27曲もあって、
どれがどれか分からなくなるので、記憶力のにぶい私としては、
たとえお節介でも、適当な名前を付けてしまいたいと思った分けです。
で、既に思いついた曲名としては、以下のようなものがあります。(^^;)
  第27番『白鳥』――その高貴さは、最後尾にしてベストですね。
  第20番『運命』――なにやら、宿命的なものを感じさせます。
  第23番『春風』――そのさわやかさから、連想された名前です。

ついでに言うと、バッハ一族の名前も紛らわしくていけませんね。
誰が誰かわからなくなるでしょ!? まあ、大バッハ以外は、
余り印象的な曲を作っていない、というのも一因なんですけどね。
で、ここはひとつ研究者に頑張ってもらって、各人のエピソードから、
適当なニックネームを付けてもらえないか、とお願いしたい所なんですね。
例えば、風呂場で転んで亡くなった人がいたら、
『風呂死にバッハ』とかいう感じですね。(^^;)

79闇夜の鮟鱇★:2012/12/26(水) 12:45:06 ID:???0
  ●●●2012年の音楽総評●●●(9/9)

この文章も、そろそろ長さが限界という感じですが、
今年はクラシックしか聞かなかったこともあり、
ジャズ・ロック・フォークの評価はおやすみとします。
ただ、もうクラシックは聴き尽くしたとなると、
今後は、またクラシック以外の音楽を、
聴き漁ることになるような気もします。

ただ……そうした中で、気になっていたことをひとつ。
去年 >>66 で書いた『ホンキートンク・ウィメン』では、
『エロ過ぎて中国では公演禁止になった』という話をしましたよね。
その時の私には、一体どこがそんなにエロいのかもう一つ、
ピンとこなかったんですが……後から気が付きました。(^^;)

結局、この曲の場合『Gimme, gimme, gimme the honky tonk blues』
と歌ってる所が問題で、つまりは女性があの時に出す声を、
honky tonk blues(調子っ外れのブルース)になぞらえた分けですね。
そういう点からすると、この曲の名前も『イモ姉ちゃん』でなく、
『調子っ外れの女』と訳すのが正しかったかもしれません。


それから、その後 >>67 で引用したマッカートニーの曲でも、
ちょっと説明が舌足らずだったようで気になりました。
マイラブでは『My love does it good』と歌っていますが、
つまり『俺の恋があそこに作用して快楽をもたらすのだ』
と主張してる分けで、結局はフリーセックス批判なんですね。

次のゲット・オン・ザ・ライト・シングで『正しいことをしろ』
と歌うのも、結局は同じことを言いたい分けで、
『恋のないセックスは楽しくないよ』と言うわけでしょうね。
当時は、フリーセックス論が全盛だったわけですが、
ひょっとするとジョン・レノンもその口で、ここでは暗に、
ジョン・レノンを批判しているのか、と当時は思いました。

さて、これを書き上げたら、自動投稿の冬休みバージョンが、
いよいよスタートすることになると思います。
それを先取りするかのように、早くも中国あたりは、
尖閣周辺での領空侵犯など、不穏な動きを始めていますね。
富山の放火殺人で、現職警官が逮捕されたタイミングも絶妙ですが、
当然、警察叩きを狙ったお得意の謀略工作が背景にあると思います。
その意味では、大事故や大災害にも、心の準備をしておきましょうね。


それからもう一つ、天候操作では大寒波到来という分けですが、
その場合、ひとつ注意が必要なのは、TVの天気予報では、
日本のごく近傍の画像を用いた説明しかしないことですね。
オホーツク海あたりまでを含めた広域画像を見ないと、
天気が変わる本当の理由を知ることはできないと思うんです。

まあ、それをやると謀略的な天候操作がばれるという分けで、
天気予報士たちは、敢えてそれを避けているんでしょうけどね。
毎日これらの画像をチェックしていれば、カムチャッカ半島の周辺では、
最近も巨大な低気圧がしばしば出現しているということが分かると思います。
  http://weather.asahi.com/gms/asia.html
  http://www.jma.go.jp/jp/gms/smallc.html?area=5&element=0

結局、低気圧には反時計回りの風が吹き込みますから、
日本の東北方向に強い低気圧があると、日本では北西の風が吹いて、
シベリアの寒気が日本に流れ込んで来る分けですね。
以前には、うっかりミスで『北西からの強風』と書くべき所を
『北東からの強風』と書いてしまいましたけどね。
  http://jbbs.livedoor.jp/study/3729/storage/1123461002.html#81

80闇夜の鮟鱇★:2012/12/27(木) 16:56:42 ID:???0
  ■訂正■
>>75 のキケロで張ったリンクにミスが有りました。(-_-;)
正しくは53番でなく57番ですから、上段を下段に読み直して下さい。
  先ず >>53 ではジャズのオイゲン・キケロに関して、
  先ず >>57 ではジャズのオイゲン・キケロに関して、

それから、>>74の末尾のリンク4件にもミスがあって、
呼び出し元がmp3なのに、呼び出し先がMP3となっていました。
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/Vacance.mp3
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/doitu.mp3
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/dansei.mp3
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd/josei.mp3
これは、呼び出し先を直したので元のリンクが正常化したはずです。

88闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:28:53 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(1/10)

今年もまた音楽総評の時節ですが……昨年、予告したこともあり、
今年は、ほとんどカンタータしか聞かない一年でした。(^^;)
ただ、私もカンタータとはもう長いこと付き合って来ましたから、
改めてそんなに新しい発見はないんじゃないか、と予想していたんですが、
意外というべきか、まだまだ大変な名曲が埋もれていたのに驚きました。
その中で今年、最大の発見と言えば、何と言ってもこの一曲ですね。
  https://www.youtube.com/watch?v=Lr7Wr5iHsGU

これはカンタータ134番の第4曲ですが……実は、その134番では、
先にリリンクの全曲演奏を聞いていて『もうこれ以上の名演は、
望み得ないのではないか』という位の感銘を受けていたわけです。
ところが、この演奏を聞いてみると、そのハミングの力によって、
レオンハルトはリリンクを越えたかもしれませんね。(^^;)

というのも、この演奏をよく聞いていると、その途中(3分25秒付近など)で、
本来の楽譜にはないはずの、ハミングが聞こえてくるんですよね。
それは、キース・ジャレットがハイになった時に奇声を発するのにも似て、
音楽がもたらす心地よさから、ついうっかり声が出てしまった、
といった風情のハミングである分けですね。
それをとがめたり、とり直したりしないで、そのまま採録した所など、
レオンハルトという人の鷹揚な大きさかもしれないと思いました。


今年聞いたカンタータでは、もう一曲ノックアウトされたのがあって、
それは197番第8曲のソプラノのアリアでした。
このデータで言うと、23分35秒あたりからですね。
  https://www.youtube.com/watch?v=a8x_hnsBSGo
やはりカンタータにしても、その中に一曲は、
こういうノックアウトされる名曲がないとつらいですよね。
但し、この作品は案外有名でないのか、データが少ないのが残念でした。
問題の第8曲も、下手くそなボーイ・ソプラノではなくて、
本物のソプラノで聞いてみたい所なんですが……。

で、さっそく問題のベストテンなんですが……200曲以上ともなると、
さすがに一年かけても、十分には聞きこなせませんでした。(^^;)
でも、今やネット上でカンタータを全曲聞ける分けですからね、
何とも素晴らしい時代になったもんだと思います。
で、こうして全曲を聞いてみた印象なんですが、
これは大バッハが残した大変な遺産であるというか、
人類にとって、かけがえのない財産ではないかと思いました。

例えば、このサイトなんか『カンタータのある生活』
と謳っていますが、中々うまい名前をつけましたね。(*^^)v
  http://nora-p.at.webry.info/
それがある生活とない生活とで、どれほどの落差があるかは、
カンタータのファンにとっては、ほぼ自明のことではないでしょうか。


で、全曲を聞いた中から、目ぼしいものを55曲ばかり選びだし、
私の評価順にざっと並べたのが、以下に作ったリストです。
まだ聞き込みが全然足りませんから、以下の順序付けは、
あくまで仮のもので、最終決定という分けではありませんが……。
しかも、その順序は後ろにいくほどいい加減ですが、
特に、私が聞きやすい順に6曲づつ並べたこともあって、
その意味でも、実際の評価順とはズレが大きいかもしれません。

あのう、これはクラシックに限らないことでしょうが、
音楽ファンにとって困ることのひとつは、
レベルの違い過ぎる曲が並ぶことなんですよね。
その点、以下のリストはそうしたデコボコを少なくして、
粒を揃えてあるので、かなり聞きやすいのではないかと思います。
この他にもまだ何曲か、聞き落としがあるかもしれませんが、
多分、ベストテンに入るような曲はもうないでしょうね。

第1〜第6順位
  45番 人よ汝によきこと告げられたり
    https://www.youtube.com/watch?v=ius4OyXidk0
  80番 神は我が櫓
    https://www.youtube.com/watch?v=OMcP9Uky-AQ
    https://www.youtube.com/watch?v=0zUfTQlRTew
  36番 喜びて舞いあがれ
    https://www.youtube.com/watch?v=YodfArFnH7Q
  97番 わがすべての行いに
    https://www.youtube.com/watch?v=2slwyDE73Vw
  134番 おのがイエス生きたもうと知る心は
    https://www.youtube.com/watch?v=9YSuRzX8094
  19番 かくて戦おこれり
    https://www.youtube.com/watch?v=rEDpbsk7Q6M

89闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:31:21 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(2/10)

最初の45番は既に沢山書いたので、特に付け加えることはありません。
次の80番では、色々調べる内にBWV80aというのが目についたんですね。
80と80aでは一体何が違うのか、と気になって聞いてみたんですが……
素人でも分かる差は、最後のコラールが二度繰り返される所位ですかね。
因みにこのカンタータでは昔から、ドハデな金管が加わる演奏が有名ですが、
あれはバッハの息子が後から付け加えたものなんだそうですね。
ひょっとすると、その改作された方をBWV80aと言うんでしょうか。

ところで、この演奏はローマの教会で行われたライブのようですが、
中々の名演で、特にソプラノの豊かな声量が素晴らしいですね。
この歌手は『ロレダーナ・ビージ』という人らしいですが、
でも……こういう肉感的な女性は、男を堕落させるという意味で、
教会からは嫌われるかもしれませんね。(^^;)

まあ、そういうことを言い出すなら、そもそもカンタータなんて、
カトリックから見たら、不倶戴天の敵の音楽ですからね。
ローマの教会でカンタータを演奏するなどということは、
一昔前には到底、考えられなかったことのような気もします。
これは近年の宗教和解が進んだ時代の産物かもしれませんね。


それに続く36番と97番は、これまた何度も書いたので省略します。
そして、最初にも触れた134番ですが、これは復活祭関連のようです。
曲想としては、140番の冒頭の曲に近いので、
140番が好きな人には特にお勧めでしょうね。
その場合、同じ復活祭関連とは言っても、例の復活祭オラトリオは、
キリストの処刑という衝撃から完璧に立ち直った感じがしますよね。
(因みに、去年は復活祭オラトリオの『第三部』と書きましたが、
あれはミスで、全部で11曲ある内の第3曲目でした。)

それに比べると、このカンタータの方は『その衝撃から、
まだ十分に立ち直り切れていない』という印象を受けます。
ここで使われている絵のポイントは、キリストの右胸にある傷ですね。
この傷は、キリスト処刑の後で『本当に死んだかどうかを確認する為に、
ローマ兵が槍で突いて出来た』と言われるわけですね。

ですから、この絵のキリストは一度処刑されてから蘇った姿であるわけです。
キリストの処刑後、暫くして『あのキリストが実は死んでなくて、
墓から蘇った』と騒ぎ始めたのが、例の聖パウロだったわけですね。
聖パウロと言えばバチカン聖堂の名前としても有名ですが、結局、
キリスト教の現在のような信仰の原型を作った人物であるようです。


でも……死者が蘇った、などというヨタ話を信じるのは、
最初のうちは女ばかりで、男は少なかったらしいです。
そこから、前にも少し触れましたが『娘たちよ、一緒に嘆こう』
なんていうマタイ受難曲の歌詞も生まれた分けでしょうね。
男たちの多くは当然、疑い深くて、その象徴として、
キリストの右胸の傷に指を突っ込んでいる男の絵を見かけますが、
後述する42番の絵なんかがそれですね。

あのう、仏教では良く仏舎利というのがありますよね。
あれはブッダの遺骨を分骨して納めてある、と言う触れ込みですが、
実は、それを全て集めると象一頭分にもなるという話がありました。
ですから実際の所は、その代替物として宝石などが使われているようです。
その点、キリスト教では遺体を包んだ聖骸布なんてのがありますけど、
万一どこかから、キリストの遺骨が出てきたとしたら、
どえらい騒ぎになるのではないでしょうかね。(^^;)

だって、パウロたちは『キリストの墓を暴いたら空になっていた』
と主張して、キリストの復活を説いた分けですからね。
つまり、処刑されて死んだはずのキリストは、一度生き返り、
しかる後に昇天した、ということになっている分けです。
その意味で、キリストの遺骨というものは、
この世に存在してはいけない代物なんですね。

90闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:33:56 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(3/10)

最後の19番は、以前にも聞いたはずの曲ですが、
例のMDプレーヤーの故障に伴って、そのまま忘れていたようです。
今年、改めて聞き直してみると、これまた結構な名作で、
特にロ短調のベネディクトゥスとの類似が著しいですね。
先ず先頭の三拍子の曲が、オサンナの曲想とそっくりですし、
更に第5曲のテノールのアリアは、その切々と歌い上げる所など、
ベネディクトゥスにも匹敵する名曲と言えるのではないでしょうか。

第7〜第12順位
  37番 信じてバプテスマを受くる者は
    https://www.youtube.com/watch?v=-gu6FFHEdgw
  197番 神はわれらの確き望みなり
    https://www.youtube.com/watch?v=a8x_hnsBSGo
  33番 ただ汝にのみ、主イエス・キリストよ
    https://www.youtube.com/watch?v=9n6HAoTUtWo
  13番 わがため息、わが涙は
    https://www.youtube.com/watch?v=ikCzdT5p_94
  140番 目覚めよ、と 呼ぶ声あり
    https://www.youtube.com/watch?v=3sj-NKqR0tw
  147番 心と口と行いと命をもって
    https://www.youtube.com/watch?v=ZdxcD790lGM

先ず37番ですが、カンタータ全体の中でも『続き番号が共に名曲』
というのは、先の36番とこの37番に限られるのではないでしょうか。
昔、図書館から借り出して聞いた時は、36番が最後だったので、
その次の名曲のことは、最近まで知らなかった分けですけどね。
ここでは第2曲のテノールのアリアが、聞きどころだと思います。
その場合、決定版はこのリリンクの名演で決まりでしょうけど、
ガードナー・ハルノンクール・コープマン等々を聞き比べてみると、
皆さん相当、勝手なことをやっているのに驚かされます。
そんなに色々な楽譜が残されているんでしょうかね。(^^;)


そして197番は、冒頭でも触れたように今年見つけた名曲ですね。
その後の33番と13番は、共に『ブルース』のアリアが含まれています。
つまり、33番の第5曲(テノールとバス)と、13番の第5曲(バス)ですね。
全体に私の評価では、どうしても『ブルース』が優先しますから、
134番にしても、ベストスリーには入らなかったわけですね。
で、有名な140番と147番もベストテンからは、もれました。(^^;)

第13〜第18順位
  83番 喜び満ちし新しき契約の時
    https://www.youtube.com/watch?v=rK_7wTucbNM
  126番 主よ、われらを汝の御言のもとに保ち
    https://www.youtube.com/watch?v=CSHx52uDOnY
  99番 神なしたもう御業こそいと善けれ
    https://www.youtube.com/watch?v=t7HQzV180C4
  182番 天の君よ、お迎えします
    https://www.youtube.com/watch?v=QTtP5wXm4oY
  109番 われ信ず、尊き主よ、信仰なきわれを助けたまえ
    https://www.youtube.com/watch?v=s9zUcSo5kt4
  8番 いと尊き御神よ、いつわれは死なん
    https://www.youtube.com/watch?v=Hfkq-S7Vis8

ここでは特に、99番で使われている絵が印象に残りますが、
少子化に悩む日本では、床の間に飾りたいような代物ですね。(^^;)
というのも、この絵は『女性の母性本能をいたく刺激する』
ような気がするからですが、実際の所はどんなもんでしょうか。
この作品の目玉としては、第三曲のテノールのアリアでしょうね。


何やら風呂上がりの天海祐希みたいな女性が、5人も子供を抱えていますが、
これは別に『五つ子を生んで苦労している図』ではなさそうです。
この絵の題名はcaritaで、英語ではチャリティ(慈善)ですから、
慈善の女神が孤児たちを慈しんでいる、という図柄でしょうかね。
左足で踏んだ壺から、金貨がこぼれ落ちているので、
沢山の寄付が集まっていることが分かります。

実は、これを描いたブグローという画家がちょっとしたくせ者で、
いわゆる守旧派の親玉として、印象派の台頭を弾圧したので、
印象派の面々からは宿敵として忌み嫌われていたようです。
しかし……今となってみれば、これも中々の名画ですよね。
芸術家も生身の人間ですから、生きて行く上では、
様々な軋轢もある分けで、最近もロシアのバレエ・ダンサーが、
ライバルの顔に硫酸を浴びせた、なんて事件がありましたね。

でも、芸術を観賞する側からすると、そうした対立はむしろ、
どうでも良いことで、我々としては印象派でもブグローでも、
絵さえ良ければ文句ないのではないでしょうか。
ワグナーとブラームスも、生きている間には色々と対立したそうですが、
今や、私を含めて多くの人々は両者を等しく楽しんでいますものね。

91闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:36:31 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(4/10)

109番は、そのドラマティックな曲想がロマン派受けしそうですね。
指揮はリリンクですが、ここの絵は何やら性的なイメージが強烈です。
それから末尾の8番は、ヘベレケさんのデータですが、
このカンタータは、第4曲のバスのアリアばかりが突出した名曲で、
ちょっと全体のバランスが悪いような印象を受けました。

実は、この曲に関しても、ふとリヒターの演奏を聞き比べた所、
同じ曲とは思えない位違っているのに、びっくり仰天しました。
この曲は沢山データがあるので、リリンクやレオンハルトも、
聞いてみたんですが、リヒターのものはやはり突出していますね。
その抒情性あふれる演奏で、リヒターという人を少し見直しました。

第19〜第24順位
  66番 喜べ、汝らもろ人の心よ
    https://www.youtube.com/watch?v=IwYitSVpRCQ
  42番 この同じ安息日の夕べ
    https://www.youtube.com/watch?v=Y6_O0fo84t0
  130番 主なる神よ、われらこぞりて汝を頌め
    https://www.youtube.com/watch?v=i9MWN4G2Lis
  136番 神よ、願わくばわれを探りて
    https://www.youtube.com/watch?v=OS1OoeuFh-k
  5番 われはいずこにか逃がれゆくべき
    https://www.youtube.com/watch?v=XLOrtGCBQUU
  170番 満ち足れる安らい、嬉しき魂の悦びよ
    https://www.youtube.com/watch?v=WWgt-DAEItM


ここでは42番が例の『キリストの胸の傷に指を突っ込む人』の絵柄ですね。
次の130番の絵は何か下手くそで、素人の絵かと最初は思ったんですが……
調べてみると実は、有名なターナーの作品と分かりビックリしました。
『日曜に立つ天使』という題ですが、これは世界の終わりに現れる天使で、
例のハルマゲドンなんかが出てくる黙示録の話ですよね。

あのう、新約聖書というのは、冒頭のキリスト伝四部作の部分は、
文学的な説得力もあって、それなりに面白いんですけどね。
ところが、その後半で取ってつけたようにハルマゲドンとか何とか、
チンケな話が出てくる所が、ちょっと不可解なんですね。
まあ、聖書の成立に関しては沢山の研究があるんでしょうが、
私のような全くの素人から見ると、何やら謀略臭い気がします。

つまり、その前半でキリストへの信仰を信者に植えつけた上で、
後半では分けの分からない神秘主義に縛りつけている感じがしますね。
この両者がどうやって結びつくのかが、私には疑問なんですが、
或いは、例の聖パウロたちがやったことかもしれませんね。
私なんかから見ると、パウロは山師臭いですからね。


山師という点からすると、先の126番やこの後の68番などには、
マルチン・ルターの肖像画も出てきますけど、これまた、
何やら山師風の風貌で、私にはもう一つ好きになれませんでした。
それで気づいたんですが……ひょっとすると、
ルター自身も謀略に操られた犬で、その宗教改革により、
カトリックとの間に血の抗争を生み出す事が、
ユダヤ主義の狙いだったのではないか、なんて考えたりしています。

もっとも……例の80番の『神はわが櫓』のコラールを作曲したのが、
他ならぬルターのようですから、カンタータのファンとしては、
ルターに足を向けては寝られないのかもしれませんけどね。(^^;)
それから、170番で気になったのはテレマンとの関係なんですね。
実は141番が偽作で、真の作者はテレマンだという話があるんですが、
その第2曲のテノール・アリアの曲想が、
170番の末尾の第5曲と良く似ているんですよね。

これは前半二曲だけのデータですが、2分50秒付近からですね。
  https://www.youtube.com/watch?v=GCioiUVKDEU
ですから、もしこれがテレマンの作なら、170番は、
バッハがテレマンの影響を受けて作ったということになるんでしょうか。
私はテレマンの曲はとんと聞かないので、残念ながらテレマン節が
一体どんなものなのか、サッパリ知らないんですけどね。

92闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:38:18 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(5/10)

第25〜第30順位
  31番 天は笑い、地は歓呼す
    https://www.youtube.com/watch?v=T9juM3anT1s
  68番 げに神はかくまで世を愛して
    https://www.youtube.com/watch?v=vBT7Snv6BCc
  62番 来たれ、異教徒の救い主よ
    https://www.youtube.com/watch?v=sY0YKHw90dU
  1番 暁の星はいと美しきかな
    https://www.youtube.com/watch?v=WolLwgiwTIs
  123番 いと尊きインマヌエル、虔しき者らを率いたもう君侯
    https://www.youtube.com/watch?v=Mguz7f_suDY
  114番 ああ、愛しきキリストの徒よ、雄々しかれ
    https://www.youtube.com/watch?v=ulRnENvYBtc

バッハのカンタータでも、全曲良いのは少ないと以前に書きましたけど、
ここで先頭の二つは、共に典型的な竜頭蛇尾だろうと思います。
31番は、以前にバレエ音楽として使われていたのを聞いたことがありますが、
元気が良いのは最初の二曲だけで、後半はぐっと落ちますね。

68番も、出だしを聞く限り、何やらすごい展開を予感させますが、
その後は残念ながら、尻すぼみになってしまっています。
もし、後半が期待を裏切らない出来なら、この二つは、
ベストテン入りしてもおかしくないレベルなんですけどね。


次の62番と1番は共にFMでも良くかかる曲ですから、
カンタータのファンには、お馴染みではないでしょうか。
その後の123番と114番は、とにかく陰鬱な曲ですね。

特に123番には『陰鬱大賞』を差し上げたいと思います。(^^;)
ひたすら陰鬱なだけで、ほとんど救いがないですが、
陰鬱な気分に浸りたい時には良いかもしれません。

第31〜第36順位
  143番 わが魂よ、主を頌め讃えよ
    https://www.youtube.com/watch?v=DuwVMpzZ27A 
  161番 来たれ、汝甘き死の時よ
    https://www.youtube.com/watch?v=sDtZWSck3J8
  82番 われは足れり
    https://www.youtube.com/watch?v=S2ID33M6x7M
  78番 イエスよ、汝はわが魂を
    https://www.youtube.com/watch?v=91Z4WTAzxeE
  54番 罪に手むかうべし  
    https://www.youtube.com/watch?v=d1bBpIdyV0c
  56番 われは喜びて十字架を負わん
    https://www.youtube.com/watch?v=mKE4woPJ8dc


ここでは、143番と161番は馴染みが薄いですが、
その後の4件は有名で、少し手垢の付いた感じですかね。
78番では、第2曲のアリア(ソプラノとアルト)が特に著明ですが、
82番と56番も、フィッシャー・ディスカウのバリトンで良く聞きました。
これに続く次の6件も、世間的には良く知られたものが多いですが、
私からすると多少、通俗的な印象を受けます。

第37〜第42順位
  103番 汝らは泣き叫び
    https://www.youtube.com/watch?v=Pvc5tGwOWro
  63番 キリストの徒よ、この日を彫り刻め
    https://www.youtube.com/watch?v=21hEADqKiTE
  4番 キリストは死の縄目につながれた
    https://www.youtube.com/watch?v=QYMoemWG92w
  71番 神はいにしえよりわが王なり
    https://www.youtube.com/watch?v=PKAMnyl80Ho
  199番 わが心は血の海に漂う
    https://www.youtube.com/watch?v=2883Qc4BgoM
  61番 いざ来ませ、異邦人の救い主
    https://www.youtube.com/watch?v=9axZooLKAHQ

第43〜第48順位
  135番 ああ主よ、哀れなる罪人なるわれを
    https://www.youtube.com/watch?v=QzkRC1uYSGw
  159番 見よ、われらエルサレムにのぼる
    https://www.youtube.com/watch?v=CM_dri0nbEg
  191番 いと高きところには神に栄光あれ
    https://www.youtube.com/watch?v=5RtFIHXmd3s
  120番 神よ、讃美はシオンにて静けく汝に上がり
    https://www.youtube.com/watch?v=3Q22l9ulrR4
  215番 おのが幸を讃えよ、祝されしザクセン
    https://www.youtube.com/watch?v=v-Ea5TxZvjg
  113番 主イエス・キリスト、汝こよなき宝
    https://www.youtube.com/watch?v=DjLjTE0aZXc

93闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:41:31 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(6/10)

この辺からは、いわゆる『パロディ』と言われる使い回しのある曲が、
中心となりますが、特にカンタータとして聞く意味は少ないと思うので、
私の評価としては相対的に低くなります。
先ず、最初の135番と159番は『我が頭(こうべ)は血汐にまみれ』
というコラールがテーマになっているようです。
これはバッハが使ったコラールの中でも多分、最も有名な奴で、
例のマタイ受難曲では、物語の節目毎に繰り返し用いられていますね。

昔、ポール・サイモンの歌で『アメリカの歌』というのがありましたが、
あれも、このコラールのメロディーの借用なんですね。
  https://www.youtube.com/watch?v=RKvMuvMgZas
ところが……それが実は、バッハのコラールというよりも、
『自分がそのコラールを元に編曲したもの』のパクリであるとか言って、
クリス・ヒンゼが抗議していたのを思い出します。

でも、この二つのカンタータでは、その同じコラールのメロディーを元に、
バッハ自身が様々に編曲したものを聞くことが出来る分けですね。
それはともかくとして、キリスト教という文学宗教においては、
キリストが処刑される時のむごたらしさが、信仰の核ですからね。
キリストが十字架を引きずってゴルゴダの丘まで登らされ、
十字架に釘で手足を打ちつけられる、という血なまぐさい情景において、
茨の冠をかぶせられた頭から流れ落ちる血は、受難の象徴なんですね。


ところが……フィリピンあたりの復活祭では、熱狂的な信者が、
実際に、自分の手足を釘で十字架に打ちつけるらしいですね。
  http://karapaia.livedoor.biz/archives/52078064.html
これはカトリック教会からすると、痛し痒しではないでしょうか。
というのも、信者たちの信仰の強さは認めるにせよ、そのこと自体、
キリストの受難の悲惨さを相対化してしまう分けですからね。
その後の4曲は全てロ短調関連ですが、これだけでも相当な迫力ですから、
ロ短調の入門編として聞くには良いかもしれません。

先ず、191番はグローリアの先頭曲から始まりますが、
120番の第二曲にはクレドの末尾、つまりサンクトゥス直前の曲があります。
そして、215番の先頭がオサンナで、113番はアニュスデイ……
のつもりだったんですが、改めて聞きなおすと違ってましたね。(^^;)
どこでこんな間違いをしたのか、ハッキリ覚えていないんですが、
アニュスデイはむしろ、11番の第4曲だったようです。
この11番は別名を『昇天祭オラトリオ』とも言うようですが、
今回はもう時間切れということで、あえて入れ替えはやめておきます。

ここで、先ず気になるのは215番なんですが、
この最後にある第9曲は、何やらヘンデル風ですよね。
既に170番に関して、テレマンの影響かと書きましたけど、
こっちは、ヘンデルの亜流みたいな印象を受けます。
バッハもやはり、同時代人の影響は免れなかったと言うべきでしょうか。


そして、更に大きな問題は120番なんですね。
前に、ロ短調について少し触れた時『クレドだけを取り上げるのは、
けしからん』とか書いた記憶があるんですけどね。
というのも、私からするとクレド末尾の音楽は、
次のサンクトゥスというクライマックスへの導入、
ないしは助走みたいにしか聞こえないからなんです。

ですから、そこだけを聞かされると『目の前に御馳走を並べられて、
食べようとした瞬間に引っ込められた』みたいな気分になる分けですね。
つまり、クレドの末尾を聞いた時点で、私の体はもう、
次のサンクトゥスを聞く態勢に入ってしまうようなんです。

その意味で、このカンタータを最初に聞いた時には驚きました。
元々、それをこうして分離して演奏する習慣もあったのだとすると、
私のああいう気分は、長いことロ短調を聞き慣れた結果、
条件反射として生み出されたものに過ぎないんでしょうか!?
私が『最初にロ短調ありき』と考えたいと書いたのも、
その一つの理由は、この点に関係していた分けです。

94闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:44:16 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(7/10)

つまり『元々バッハの中には長いこと暖められたアイデアとして、
ロ短調ミサがあり、そのメロディも出来ていたのではないか。
その時、カンタータを義務的に作る必要に迫られたバッハが、
そのメロディを流用してカンタータを作ったのではないか……』
そういう風に、敢えて考えたかった分けです。
ところが……色々調べてみると、例のパロディ(使い回し)では、
詳細な楽譜研究から、どっちが先に書かれたかが分かるそうなんですね。

というのも、最初に書く時は暗中模索ですから、書き直しも多い分けで、
色々と修正した経緯が、楽譜に残されているんだそうです。
それに対し、それを後から流用する時は、もう元の楽譜があって、
丸写しするだけですから、そういうミスが少ないというんですね。
その意味で、ロ短調は先に作ったカンタータの楽譜を流用した、
ということが、今では確定的な事実としてあるんだそうです。

でも……あくまで自分の立場にこだわるなら、
『それでも地球は回っている』と言いたい気分です。(^^;)
やはり、最初にスケッチ程度のものとしてロ短調の構想はあったんだ、
という風に考える可能性もゼロではないと思うんですね。
バッハの頭の中だけにあって、具体化していないものとして、
メロディーの構想のようなものが先にあったと考えないと、
クレドとサンクトゥスのあのつながり具合は、
うまく説明できないんじゃないか、という気もする分けです。


第49〜第55順位
  214番 鳴れ、太鼓よ!響け、トランペットよ!
    https://www.youtube.com/watch?v=EMzQyzqiwn8
  207番 鳴り交わす絃の相和せる競いよ
    https://www.youtube.com/watch?v=o0ypkKbOdRI
  179番 心せよ、汝の敬神の偽りならざるかを
    https://www.youtube.com/watch?v=GszphAiyMpM
  138番 汝なにゆえにうなだるるや、わが心よ
    https://www.youtube.com/watch?v=LtYl3JnZIKI
  169番 神にのみわが心を捧げん
    https://www.youtube.com/watch?v=Vj-E3OnMATM
  208番 楽しき狩こそわが悦び
    https://www.youtube.com/watch?v=Y2Vt7EOaBgI
  206番 しのび流れよ、戯るる波 
    https://www.youtube.com/watch?v=uPvSavz7I7M

ここでは先ず、214番がクリスマス・オラトリオとかぶっていて、
クリスマス・オラトリオの有名な第一曲が、その先頭にあります。
207番の先頭曲もブランデンブルグ協奏曲第1番の第3楽章とかぶります。
そして、次の179番と138番はミサ曲ト長調との重複が多く、
更に、169番の先頭にはチェンバロ協奏曲第2番の第1楽章があります。
そして、最後になりましたが208番と206番は、
それだけで聞く価値のある世俗カンタータの名曲ですね。
まあ、教会カンタータに比べるとはるかに軽いですけどね。

という分けで、カンタータの話は一応これでおしまいですが、
今、カンタータ聞き比べの二周目に入っているので、
何年か後には、より完全なリストを紹介できるかもしれません。
何と言ってもカンタータの場合は、聞き飽きるまでに、
数カ月かかるのが普通ですから、その評価も一筋縄では行かないんですよね。


で、ここからは去年、パリに関して書いた話の反響が良かったので、
今年は少し、その旅の話の続きをしてみようかと思います。
あのう、ひょっとすると耳が良い人は、もうお気づきかもしれませんが、
去年紹介したラジカセ録音は、音がごつごつしていたのではないでしょうか。
これは、もっと大編成のオーケストラの音楽などを聞けば、
すぐに分かることなんですが、実はこの時に使ったラジカセは、
日本製ではなく、フランス製だったんですね。

日本を出る時は当然、ラジカセも持って行ったんですけどね、
旅先でそれを盗まれてしまったので、買い直したのでした。
ラジカセにはノーマライザーが入っているという話はもうしましたが、
日本のメーカーの場合、その働きが割と自然なんですけどね。
それに比べ、フランスのメーカーのものは大陸的と言うべきか、
そのノーマライザーの働きが、ごつごつしている分けなんですね。

多分、直前の録音レベルの平均をとる時間巾が少し違うんでしょうね。
これは同じテープに入っていたスペイン語の歌の断片ですが、
これを聞くと、その辺の不自然さがもっと良く分かると思います。
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/snd2/Spanish.MP3

95闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:47:04 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(8/10)

さて、そのラジカセを盗まれたのは、アメリカを出る少し前のことで、
ワシントンからニューヨークに向かうバスを待っていた時でした。
買い物をひとつ忘れていたことに気がついて、
近くのスーパーまで往復したんですが、その時ふと日本での習慣が出て……
外国旅行でこわいのは、こういう時なんですよね。

普段は『ここは日本とは違う』と思って十分、警戒しているんですけど、
何かの拍子に、日本での習慣がひょいと出てしまう瞬間がある分けです。
ほんの5分か10分のことだし、一々重い荷を担いで行くこともあるまいと、
路側にそれをちょっと置いて、買い物に出かけたんですが……
戻ってみるとあっさり消えていましたね。(-_-;)

近くに黒人の少年が数人座り、私の方をニヤニヤ見ている分けですね。
こいつらの仲間が盗んだな、とすぐ分かりましたが、もう後の祭ですよね。
それで身ぐるみはがされ、まあ身軽になったと言えば身軽になりました。
当時はバック・パッキングというのがはやっていて、その時の荷物は、
ソウルで見つけたバック・パッキングのまがい物みたいな安物の背負子に、
ラジカセから電卓から、旅に必要な品々を全て詰め込んであった分けです。


幸いカメラだけは首から下げていて被害を免れましたが、
お金も無事だったので、決定的なダメージは受けませんでした。
旅の資金はその大半をドルのトラベラーズ・チェックに変え、しかも、
倒産の可能性を考えて、アメックスとバンカメで二等分しました。
そして、後は事前に本で読んだ通りに、一つは首から下げる袋に入れ、
もう一つは、ズボンの太ももの内側に縫い付けた袋に入れた分けです。

太ももの内側は一番敏感な所なので、泥棒に手を突っ込まれれば、
すぐに分かるという話が、そういう本には書いてありました。(^^;)
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/img2/books.jpg
そう、一部は現金のまま持ち出したんですが、
ソウルかどこかで銭湯に入った時、万札を一枚抜かれました。
この被害は、暫く後になるまで気がつかなかったというか、
気づいた時は、もうアメリカに渡っていたと思います。

あの時は、わざわざ貴重品置き場に預けたはずなんですが、
そこの係員がインチキをやったんでしょうね。
全部抜き取ればすぐにばれますが、一枚だけ抜かれると、
気づくまでに時間がかかるわけで……まあプロの手口ですね。(-_-;)
という分けで、ロンドンに飛んだ時は小さな手提げ袋一つという身軽さで、
防寒具など必要な荷物の大半は、パリ郊外の蚤の市で手に入れました。


日本の冬は幾ら寒いと言っても、昼はからっと晴れて気温も上がりますが、
ヨーロッパの冬はどんよりと曇っていて、その寒さは邪険な感じがします。
(まあ、日本でも裏日本は、似たような状況かもしれませんけどね。)
ですから、冬は防寒着が不可欠なんですが、このキルトのジャンパーは、
幾ら蚤の市とは言ってもさすがにパリで、デザインが日本とは大違いですね。
もうボロボロなのを、記念にとってあったんですけどね。
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/img2/quilting.jpg

他方、ラジカセはこっちですが、この Continemtal Edison 製の品は、
修理に修理を重ねて、既に原型をとどめていない感じですかね。(^^;)
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/img2/radicase.jpg
このラジカセは、例のノーマライザが違うという以上に、
モータの構造が日本製とは、まるで違っていて驚きました。

日本のラジカセの場合、速度を一定に保つ為に専用の電子回路が入っていて、
マイナス・ドライバを突っ込んで微調整したりしますけどね。
こいつはブラシ受けか何かに重りが付いていて、一定の回転数になると、
その遠心力でブラシが外れる、という仕掛けになっていました。
まあ、何事も絶対にひと真似はしないのが、フランス人の偉い所ですね。

96闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:50:32 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(9/10)

それから前回、モンマルトルの安宿の話をしましたけど、
一体どこでそういう情報を仕入れたのか、という話があります。
実は、あの盗難事件の後、ニューヨークの本屋を漁っていて、
『Let's Go Europe』という本を見つけたんですね。
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/img2/LetsGoEurope.jpg
これは、アメリカ人がアメリカ人の為に書いたヨーロッパ案内ですね。
アメリカ人が風景について言うことは、余りあてになりませんが、
美術館や博物館について書くことは、信用できるという印象を受けました。

で、各地の安宿情報も、これに大方乗っていたように思います。
当然、全て英語ですけど、英語の本もそれほど苦にならなかったのは、
大学時代に、物理の自主ゼミを英語の教科書でやっいてた為のようです。
因みに、学生割引を最大限に活用しようと思って作ったのが、
この Student Pass ですが、外国でも使える学生証ですね。
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/img2/StudentPass.jpg

あのう、これから物理をやろうと思っている人の為にひとこと言っておくと、
どうせやるなら、最初から英語の教科書を使った方が利口ですね。
日本語の教科書は、本質の回りをぐるぐる回っているだけで、
何か靴の上から足を掻いているような感じのするものが多いですからね。
論文を書く時は、どうせ英語で書かなければならない分けですし、
一刻も早く英語に慣れてしまった方が、絶対に得だろうと思います。
まあ、私の場合は途中で謀略に巻き込まれてしまい『物理なんか、
やっている場合じゃない』ということになった分けですけどね。


この本の栞に『オー・カルカッタ』の切符が挟んであって、
それで思い出したんですが『せっかくニューヨークまで来た以上、
何かひとつはミュージカルを見てやろう』と考えたようですね。
  http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/img2/Oh!Calcutta!.jpg
但し、これはどうやら宣伝ビラで、切符自体はなくましたかね。
その当時、ブロードウェイの劇場で掛かっていたのが、
今では有名な『コーラス・ライン』だったんですが、
……あのちょっとエッチな作品ですね。

小椋桂の歌に『雑踏の中の孤独を愛するなんて』という歌詞がありますが、
実を言うとこの雑踏というのは案外、日本に特有の現象かもしれませんね。
新宿や渋谷で駅の周辺に立って眺めていると、どこからともなく、
大量の人波が現れては消えるさまに圧倒されると思いますが、
アメリカではどこに行っても、雑踏なんていうものはありません。
それだけ、人口密度が違うということなんでしょうね。
その唯一の例外だったのが『コーラス・ライン』がはねた後、
劇場からゾロゾロと出てくる人波だったんですね。
これは私が米国で唯一見た、雑踏と言える情景でした。

で、私もその『コーラス・ライン』を見たのかというと、
全然そんなことはなくて、へそ曲がりの私としては、
メジャーな作品は敢えて敬遠したのでした。(^^;)
その代わりという分けで『男女が全裸で演じる』というので、
当時、評判になっていた『オー・カルカッタ』を、
オフ・オフ・ブロードウェイか何かで見たんですけどね。
踊りも演技も中途半端で、全く期待はずれでしたね。
まあ、下手なすけべ心を起こした私も馬鹿だったんですが。(^^;)


ところで『物理をやる奴が何故、第二外国語として、
フランス語を選んだのか』と不思議に思われる方もいるでしょうね。
今も同じかどうか知りませんけど当時、第二外国語は、
文系は仏語、理系は独語と大体決まっていた分けですけどね。
ところが私の場合、高校時代にアウシュビッツ収容所の話を、
本で読んで、ひどいショックを受けた分けです。

まあ一番感受性の鋭い時期ですから、当然かもしれませんが、
そうした本の一つに、収容所入り口の写真が付いていて、
そこには鉄棒の文字で『アルバイト マハト フライト』
(働けば自由になれる)とか書いた看板が掲げられていたんですね。
それを見て以来、私はちょっとした『ドイツ語アレルギー』
に陥ってしまって、大学受験ではフランス語を選んだのでした。

今となってみると、あれもユダヤ主義による自作自演の臭いがして、
『謀略にまんまと騙された』という気もする分けですが……しかし、
結果的には、その選択も間違いではなかった、と言うべきでしょうね。
というのも、フランス語というものが抱えている歴史的遺産、つまり、
ギリシャ・ローマへとつながる文化的な厚みは、半端ではないですからね。

97闇夜の鮟鱇★:2013/12/28(土) 11:54:34 ID:???0
  ●●●2013年の音楽総評●●●(10/10)

語学に関して言うと『お前は英語と米語の区別もつかないのか』
とヨーロッパでは良く馬鹿にされました。(-_-;)
ヨーロッパ人にとっては、その区別は自明みたいですけど、
何しろ『ジス・イズ・ア・ペン』で育った世代ですからね、
英語と米語の区別なんて付くわけがありません。(^^;)

私の英語の聞き取り能力が進歩したのは、むしろ日本に帰ってからで、
米軍放送などを聞いて耳を訓練した結果なんですが、
英語が『王様の英語』なら、米語は『ならず者の英語』でしょうかね。
あの西部劇で活躍する、ならず者がしゃべる言葉という感じがします。
その場合、ひとつ面白いと思ったのは、英語の聞き取りが進歩すると、
何の努力をしなくても、仏語の聞き取りも進歩するということでした。
多分、構文が似ているので、脳内の英語処理能力の向上が、
そのまま仏語処理能力の向上に結びつく分けでしょうね。

その意味では、良く英語耳とか言いますけど、問題は耳よりも脳なんですね。
耳が慣れると音が突然聞き取れるようになる、というのは事実ですが、
音が聞き取れることと、内容を理解できることとはまた別なんですね。
つまり、音が聞き取れるようになったとしても、
最初はほんの数分もすると脳が疲れてしまい、ついて行けなくなります。
ですから長い時間、英語を聞き取り続けるには脳の訓練も不可欠で、
それだけで、大変な努力が必要だろうと思います。


その点、英語に比べ、仏語の発音に関しては完璧な自信がありましたが、
大学では、音響機器などを使って徹底的に仕込まれた為でしょうね。
当時は、チャンスがあったら留学してやろうと思っていたので、
大学一年の時は英会話、二年の時は仏会話を勉強していたこともあります。
ですから、フランス語では最初から、そのなまりがわかったんですね。

日本語でも、東京弁というか東京なまりというものがあるように、
フランス語にもパリなまりというのがある分けですね。
例えば政府のことをグヴェルネマンと言いますが、パリなまりでは、
その末尾の鼻にかかるマンの音を、モンに近く発音する分けです。
ですから、グヴェルネマンがどんどん、
グヴェルネモンに近づいているような印象を受けました。

或いはスイスあたりに行くと、ジュネーブのフランス語というのが、
また少し違っていて、何か生硬な感じがしましたね。
ただ……発音だけが完璧でも、かえって困ることがあります。
というのも、それでフランス語がペラペラと誤解され易いですが、
実際のところは、大してしゃべれる分けではなかったですからね。


最後に、例の国立競技場に関して、気になったことを少し書きます。
選考委員のひとりという内藤廣という人が、例の縮小案について、
『それほど威圧感がないものになった』とか言っていましたけどね。
でも、この威圧感という言葉の使い方が私には不可解なんですよね。
だったら、東京都庁舎も万博の太陽の塔も、威圧感があるでしょ!?

『優れた建築物が精神を刺激する効果』を威圧感と呼ぶのであれば、
パリの街なんか、どこもかしこも威圧感だらけでしょうね。
私がオルレアンにいた時は、宿の近くに大聖堂がありましたが、
毎朝それを見上げる度に『すごいなあ』と驚嘆していました。
似たようなことで言うと、例えば富士山の麓に住んでいる人は毎朝、
富士山を見上げる度に、その威容に圧倒されて拝むんじゃないですか!?

結局『優れた建築が人間の精神を刺激する結果として、
その刺激を受けた人が、また新たなものを創造する』という、
雪だるま式の効果が、ヨーロッパの諸都市にはあるように思いました。
逆に言うと、それを見た人の精神を圧倒し、高揚させない建築なんて、
建築の名に値しないんじゃないでしょうか。

98闇夜の鮟鱇★:2014/01/03(金) 15:55:22 ID:???0
  ■追記■
どういう分けか、webcrowサーバの画像へのリンクが不良気味で、
例えば、FireFoxの場合は『Forbidden』などと出てしまうようです。
そこで、T-comサーバにも同じデータを置いて公開することにしましたが、
こっちでは一部の画像でサイズを縮小し、小型にしてあります。
というのもT-comの方では、空き容量の余裕が残り少ないので、
なるべく大型データを置きたくないからなんですね。
尚もし、こっちでもうまくいかない時は、メール作成の窓を開き、
その本文欄に以下の全体を張り付けて、
そっちのリンクを打つと成功するかもしれません。

  太ももの内側は一番敏感な所なので、泥棒に手を突っ込まれれば、
  すぐに分かるという話が、そういう本には書いてありました。(^^;)
    http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/img2/books.jpg
  幾ら蚤の市とは言ってもさすがにパリで、デザインが日本とは大違いですね。
  もうボロボロなのを、記念にとってあったんですけどね。
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/img2/quilting.jpg
  他方、ラジカセはこっちですが、この Continemtal Edison 製の品は、
  修理に修理を重ねて、既に原型をとどめていない感じですかね。(^^;)
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/img2/radicase.jpg
  実は、あの盗難事件の後、ニューヨークの本屋を漁っていて、
  『Let's Go Europe』という本を見つけたんですね。
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/img2/LetsGoEurope.jpg
  因みに、学生割引を最大限に活用しようと思って作ったのが、
  この Student Pass ですが、外国でも使える学生証ですね。
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/img2/StudentPass.jpg
  この本の栞に『オー・カルカッタ』の切符が挟んであって、
  それで思い出したんですが『せっかくニューヨークまで来た以上、
  何かひとつはミュージカルを見てやろう』と考えたようですね。
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/a-z/omake/img2/Oh!Calcutta!.jpg

99闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 11:56:03 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(1/9)

今年は、例のバッハのカンタータで聞き残した分を聞いた以外には、
残念ながら大した収穫はありませんでした。(-_-;)
それでも一応、今年、主に聞いた18曲を6曲づつ並べておきますが、
この辺はコアなカンタータファン以外、余り興味がないかもしれませんね。
その中でも最大の聞き落としはBWV148で、これはベスト20に入りそうですが、
後は入るとしても、せいぜいベスト30かベスト40ではないでしょうか。

最初の6曲では他に、17番がミサ曲ト長調の末尾の曲、
29番がミサ曲ロ短調の末尾の曲入りですね。
それから、30番は頭と尻とに同じ合唱が入っていて印象的です。
  148番 その御名にふさわしき栄光を
    https://www.youtube.com/watch?v=BLIkiX39aDY
  17番 感謝の供えものを献ぐる者は、われを讃う
    https://www.youtube.com/watch?v=F3WUKeg8kpo
  30番 喜べ、贖われし群よ
    https://www.youtube.com/watch?v=i1XpNY9Glzc

  22番 イエス十二弟子を召寄せて
    https://www.youtube.com/watch?v=70yanuwveSw
  29番 われら汝に感謝す、神よ、われら感謝す
    https://www.youtube.com/watch?v=xaiIchwHWOs
  177番 われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ
    https://www.youtube.com/watch?v=LjxMqXoQB-c


90番の第三曲(7分24秒頃)は、ドレミの歌と良く似ていて印象的ですが、
あの歌は、このバス・アリアのパクリだったんでしょうかね。(^^;)
94番は有名な45番のコラールを元にした変奏曲みたいな作りです。
そして、79番にはミサ曲ト長調の第一・第五曲があり、
146番にはBWV1052のチェンバロ協奏曲のメロディーがあります。
それから、3番は58番と同名、98番は99番と同名のようですね。

  90番 怖ろしき終わり汝らを引きさらう
    https://www.youtube.com/watch?v=l3oV8YmdDyI
  94番 われいかで世のことを問わん
    https://www.youtube.com/watch?v=C8lD8X-8llg
  79番 主なる神は日なり、盾なり
    https://www.youtube.com/watch?v=JdTa7VRKlZM

  146番 われらは多くの患難を経て
    https://www.youtube.com/watch?v=5nbn5g9vfSk
  3番 ああ神よ、いかに多き胸の悩み
    https://www.youtube.com/watch?v=2ofuOmyuz0o
  98番 神なしたもう御業こそいと善けれ
    https://www.youtube.com/watch?v=fvbAMzS0mGs


156番はこれまた、チェンバロ協奏曲BWV1056の第一楽章があり、
151番は冒頭の牧歌的なテーマだけでも有名ですね。
そして、172番のコラールは、36番のコラールと同じものを使っています。
最後の200番は、失われたカンタータで、
一曲だけ発見されたという代物ですね。

  156番 わが片足すでに墓穴に入りぬ
    https://www.youtube.com/watch?v=_-2FVcWkPCs
  151番 甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり
    https://www.youtube.com/watch?v=bpQSZ5Ejk2k
  172番 歌よ、響け
    https://www.youtube.com/watch?v=7rfWMwe69Ak

  180番 装いせよ、おおわが魂よ
    https://www.youtube.com/watch?v=bIsYoREcFH4
  24番 まじりけなき心
    https://www.youtube.com/watch?v=agLEN8u-pWg
  200番 われはその御名を言い表わさん
    https://www.youtube.com/watch?v=Kzwhvz47Mwk

100闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 11:58:17 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(2/9)

それで、さすがにカンタータにも少し飽きてきた頃、
他の映像を漁る中で見つけたのが、車窓ビデオという奴だったんですね。
まあ、これはいわゆる鉄道オタク(鉄っちゃん)の領域でしょうが、
今年の中頃には、暫くこれにはまってしまいました。(^^;)

ですから、今年は他に余り書くことがないこともあり、
その車窓ビデオを中心に書いて見ることにします。
音楽総評という点からすると、ちょっとした脱線になりますが、
でも、この車窓ビデオも中々侮れないというか、
下手な音楽ビデオより見応えがありますからね。(*^^)v

それに、鉄っちゃん以外でも『日本の鉄道路線に全て乗ってみたい』
と考えている人は、私を含めて少なくないのではないでしょうか。
この車窓ビデオを使うと、ほぼそれに近いことが、
いとも簡単に出来てしまう、というところが味噌なんですね。


ただ……車窓ビデオの場合、音楽ビデオに比べて、
かけっぱなしで仕事をしていると、どうしても気が散るというか、
仕事のペースが落ちてしまうのがネックなんですね。
ですから『今年中には国内の鉄道路線を大方制覇する』
という当初の目標は断念せざるを得ませんでしたが、
それでも既に、半分位は回ったような気がします。

実を言うと私の場合、例の放浪で外国にはあちこち行きましたが、
日本国内に関する限り、本州を出たことが一度もないんですね。
その本州でも北端の下北・大間崎や、南端の串本・潮岬は踏破しましたし、
西端でも下関までは行きましたが、東端だけは行きはぐってますけどね。
という分けで、今回の鉄道路線の探索ではどうしても、いまだ見ぬ世界、
つまり、北海道・四国・九州といった島を重点に回る結果になりました。

その場合、今年は例の古典講読で芭蕉の話が出ていることもあって、
私も久々に俳句を作ってみたくなった分けですね。
それで、以下ではビデオのリンクに添えて、
そのビデオから触発された俳句を並べてみることにしました。
どれも今年見つけた車窓ビデオの中では、極上の部類に入りますけどね。


先ず一つ目は、釧網本線の知床斜里〜網走ですね。
  ――網走の 朝日赤々 海と雪――
  【前面展望】 JR北海道 釧網本線 知床斜里→網走
  https://www.youtube.com/watch?v=alqW_C55F6s
網走と言えば、つい最近亡くなった高倉健の『網走番外地』で、
すっかり名を馳せたせいか、今では一種のブランド価値があるんでしょうか。
途中の桂台という駅のあたり(40分頃)なんか、一幅の絵のようですからね。

このビデオでは車体の影の伸び方からしても、
午前中のかなり早い時間帯と分かりますが、汽笛の甲高い音が印象的ですね。
雪が厚く積もった地域では、通常の汽笛だと、
雪に吸収されて届きにくいので、それで多分こんな音を使うんでしょうね。

二つ目は、同じ北海道でも西南岸を走る日高線の苫小牧〜様似ですね。
  ――冬の海荒れて 様似は遠し 金の道――
  前面展望 普通列車(苫小牧→様似)
  https://www.youtube.com/watch?v=MuG2ukJtAKk
様似では1600年頃に砂金が発見されて、一種のゴールドラッシュになり、
それで当時から倭人が住み着いたんだそうですね。
それに比べると、網走に倭人が来るのは1800年頃だそうですから、
倭人による北海道開拓の歴史では、様似の方がずっと先輩格なんですね。

101闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 12:01:24 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(3/9)

そうした歴史を知ってか知らずか、今ではすっかりさびれた様子ですが、
このビデオでは、1時間16分あたりからの海と空の様子が、
何やら、ただならぬ気配を漂わせていますね。
丁度、厚賀(あつが)から大狩部(おおかりべ)にかかる当りですが、
どこかのおっさんが昼間っから一杯機嫌で、
『なんとか追分』を唸っているのが、
丁度良いバック・グラウンド・ミュージックになっているようです。(^^;)

三つ目は四国の西北岸にある盲腸線ですが、
予讃線の伊予大洲〜伊予市(長浜回り)ですね。
  ――伊予灘に 春風嬉し 菜の光――
  【HD】予讃線(等速) 伊予大洲→伊予市 海回り(長浜回り) 前面展望
  https://www.youtube.com/watch?v=glLjWN94kjQ&index=2
ここでは、後半で少し高台から海を見下ろして走る風景が見所ですが、
折から、菜の花が咲き誇っている場所もありました。

因みに、ここが盲腸線になったのは、後から、
伊予市と伊予大洲を結ぶ山回り線が出来た結果のようです。
大体、国鉄時代の鉄道路線は、政治家の力で決まるのが通例でしたから、
この場合、宇和島あたりに有力な政治家がいたのかもしれませんね。(^^;)


そして四つ目は西九州で、肥薩線の八代〜人吉です。
  ――球磨川に霧満ちて 登れば恋し 湯の香り――
  【前面展望】 JR九州 肥薩線 八代→人吉 球磨川に沿って
  https://www.youtube.com/watch?v=AFdo9Q1s7Gs
この川上りの旅は、中々の癒し効果がありそうですが、
丁度、登り切ったあたりには人吉温泉もありますから、
そこでひと風呂浴びたら、最高ではないでしょうか。(*^^)v

右上の赤白アイコンからも分かるように、このビデオの作者は、
最初に引用した釧網本線のビデオを作ったのと同じ人のようですが、
この太めの鉄っちゃんは、中々良い仕事をしていますね。
但し……残念ながら、英語は余り得意でないようです。
16分50秒あたりの坂本駅の所に書いてある英語の説明は、
果たしてこれで意味が伝わるかどうか、かなり微妙ですね。

因みに、日本では英会話の広告が花盛りですけど、
はっきり言って、極論すれば日本人で英語をしゃべれない人なんて、
一人もいないんじゃないか、というのが私の持論なんですね。
その意味で、ただの日常会話を勉強する為に、高い金を出して、
英会話学校に通うなんていうのは、全く無駄なことに思えます。


だって、日本人で1から10まで英語で数えられない人はいないでしょ!?
そして、後はこんにちは・ありがとう・さようならが言えれば、
それで海外旅行での英語の日常会話としては、こと足りますからね。
実際問題として、外国旅行で買い物をする時に必要な英会話なんて、
その程度のものに過ぎないわけですね。

後は道を聞いたりするのは、身振り手振りで済みますからね。
日本人はその辺を難しく考え過ぎなんですね。
無論、英語で政治・経済や文化・芸術を論じようと思ったら、
それはまた全く別次元の話ですが、普通の人が日常会話という場合、
そんなことを考えている分けではないでしょ!?
突きつめると、日常会話は度胸と条件反射に尽きるんですね。

私の経験で言うと、日本から英語圏に入った場合、
例えばデパートのような人込みで他人と肩がぶつかった時に、
無意識に出てしまうのは『失礼』という言葉なんですね。
これはあくまで条件反射の範疇ですから、
頭であれこれ考えても、どうしようもない問題なんですね。

102闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 12:03:43 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(4/9)

最初の一週間位は『知っているはずの英単語が出て来ない』という、
まさに胃腸がねじれるようなイライラを体験します。
それが一週間もすると、肩がぶつかれば、
『ソーリー』という言葉が勝手に出るようになる分けです。

で、英語圏から仏語圏に入る場合も全く同じで、
肩がぶつかると最初は『ソーリー』が出てしまいますが、
一週間位して、やっと『パルドン』と出るようになります。
その時も、知っているはずの仏単語が出て来ないという状態で、
胃腸がねじれるような体験を繰り返しました。

そういう意味で、日常会話というのは半分が度胸で、
残りの半分は条件反射なんですね。
それで、次の段階として単語をつなげて意味を伝える、
という問題になるわけですけどね。


  乗降客が多く3分延発
  people who get off
  the departure in
  three minutes late more
うーん、とうなっちゃいましたね。(^^;)

『降りる乗客が多かった。その結果、
列車の出発が3分遅れた』という分けですからね。
  Many people got off here
  and the train departed 3 minutes late.
でどうでしょうか。難しいことは考えなくても、
二つの事実を並べて、それを and でつなげば、
それで因果関係は十分に伝わりますよね。

因みに、つい最近知ったんですが、この坂本駅の近くでは、
荒瀬ダムの取り壊し工事が始まりつつあるようなんですね。
ですから、この乗降客は、その工事関係者の家族かもしれません。
それから、ここで聞こえるヒュイッ・ヒュイッという音は、
多分、降りる人の数を数えるカウンタの音でしょうね。
これはワンマン列車のようですから、誰かがズルをして、
料金を支払わずに出るのを、防ぐ為のものではないかと思います。


その点では、もう一つキンコン・キンコンという音もしますが、
これを私は最初、いわゆるディーゼル車が発する特有の音で、
アイドリングか何かの音だろうと思っていたんですね。
というのも高校生の頃、私も電車で通学していたことがあって、
似たような音を聞いた記憶があるからなんです。
その時はもっと鈍くて低い音だったんですが、それが近代化で、
多分こんな音に変わったのではないかと思った分けですけどね。

ところが……色々と調べ回る内に、実はこれが、
例のATSの音だということを後から知ってビックリしました。
つまり運転手が間違えて発車して、事故を起こすのを防ぐ為に、
こんな音を出しているようなんですね。
だとすると、私が昔に聞いていたあの音は、
一体なんだったのか、ということになる分けですが、
どなたか分かる方はいらっしゃいませんかね。

例えば、これは南仏を走る列車のビデオですが、
発車のすぐ後の15秒〜45秒あたりで、問題の音が出ていますよね。
  France:Villefranche - Latour-de-Carol( Ligne de Cerdagne )
  https://www.youtube.com/watch?v=qArlnu7hRbs
外国の鉄道ですから、ATSのはずはないと思うんですが……
因みに、これは南仏のペルピニャン付近を出発して、
ピレネー山脈の北沿いを、西へ走る路線のようです。

103闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 12:06:34 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(5/9)

それから、車窓あさりでは外国の路線も当然、捜しましたが、
車窓風景に関する限り、日本の圧勝のようですね。(*^^)v
何しろ、日本の風景は元々が変化に富んでいる所にもってきて、
人口密度が高い分、あらゆる所に鉄道網が張りめぐらされていますからね。

外国の車窓で見逃せないものとしては先ず、スイスの登山鉄道でしょうね。
途中の14分あたりで、マッターホルンがぬっと神々しい姿を現します。
あの先端が工具のバイトみたいな形をした山ですよね。
  Zermatt to Gornergrat Railway, Switzerland - Driver's View
  https://www.youtube.com/watch?v=rJYDUpQkue0

因みに、同じアルプスでも、こっちは列車でなく自家用機からの眺めですが、
1時間15分〜30分あたりは、一見の価値があるのではないでしょうか。
スイスのチューリッヒからロカルノまでの旅ですね。
  a flight through the Swiss Alps
  https://www.youtube.com/watch?v=3bztcDL5v3I


この他では、ヨーロッパで見るべきなのは北欧のベルゲン周辺位ですかね。
これはベルゲンからオスロまでの7時間余の旅です。
  BergensBanen minutt for minutt HD (Full video)
  https://www.youtube.com/watch?v=z7VYVjR_nwE

こっちはフィヨルド添いを走る路線で、春夏秋冬と季節毎に揃っていますが、
何しろ10時間の長丁場ですからね、全部見るには覚悟が必要です。(^^;)
  Cab Ride Norway : Trondheim - Bodø (Winter) Nordland Line
  https://www.youtube.com/watch?v=9pVWfzsgLoQ

もう一つ、イスカル渓谷というのがブルガリアにあるんですけどね。
  Driver's view of Iskar gorge Sofia-Mezdra
  https://www.youtube.com/watch?v=y616xQpAm2Q
これに関しては、その付近で見つけた観光ビデオにはまりました。


このヴェリコ・タルノボという古都は長い歴史があるそうですが、
何と言っても、そのエキゾチシズムが圧倒的ですね。v(^^)v
  Veliko Tarnovo Province Video: Veliko Turnovo Bulgaria city information tour
  http://www.tripadvisor.com/LocationPhotoDirectLink-g616072-i17417034-Veliko_Tarnovo_Province.html
  ヴェリコ・タルノヴォ市 (Veliko Tarnovo)
  https://www.youtube.com/watch?v=IGbhvBW1X1A

それから、これはビルマの鉄道でタジとカラウを結ぶ路線ですが、
大昔のタヂカラオのみことが作った、という謂れはないそうです。(^^;)
超低速で5時間近くかけて、スイッチバックをしつつ高所に上りますが、
そのポイントの切り替えを手動でやっているのには驚かされました。
手動と言っても、昔の日本では切り替え用のレバーがありましたけど、
ここでは、もっと原始的なやり方をしていますからね。
  Burma :Thazi - Kalaw : Cab Ride
  https://www.youtube.com/watch?v=90D6l_qnT3M

ここでも、カラウという所が僧院で有名な観光地のようです。
例えばこれは、付近にあるシュエウーミン洞窟寺院の入り口ですが、
これも日本から見ると、随分エキゾチックな感じがしますよね。
  Access to Pindaya Caves, Burma
  http://www.panoramio.com/photo/4478571

104闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 12:09:17 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(6/9)

さて改めて、日本の車窓に戻りますが今回、
一番最初に見つけたのが、この羽越本線のビデオでした。
  新潟ー酒田間車窓風景・羽越本線特急いなほ3号
  https://www.youtube.com/watch?v=lbmQA6QwAYk

昔、夜行列車で京都から弘前まで行ったことがあるんですが、
翌朝の朝の光の中で、非常に印象的な風景に出会ったんですね。
あれが、この羽越線の車窓風景だったようですが、
海沿いに沢山の墓地が並ぶ光景など、忘れがたいものがあります。
こういう風景は、先に並べた網走や様似のビデオと同様、
孤独な魂には、特にしみるのではないでしょうか。

因みに、見所に来るとビデオの作者が写真を取っているのか、
カシャッ・カシャッという音がするので、それに気をつけていると、
のべつ監視していなくても、絶景を見逃す心配はなさそうです。
この作者は、酒田で下車後にバスに乗り換えて東へ行きますが、
丁度、奥の細道で芭蕉が歩いた路程を逆に辿るような感じですかね。


他方、このビデオの前のビデオもあって、それがこれです。
  東京ー新潟間車窓風景・上越新幹線MAXとき号
  https://www.youtube.com/watch?v=ysAOeiB9I_I
東京から新潟までノンストップの新幹線ですが、金属音を発しつつ、
快晴の関東から豪雪の新潟へと爆走する様が、何とも言えず感動的です。

今まで、新幹線と言えば殺風景なものと思い込んでいましたから、
新幹線のビデオでこれほど感動するとは、私にも予想外でした。
昔、川端康成の雪国という小説があって、その出だしの一節で、
『トンネルを抜けるとそこは雪国だった』とかいうところが、
大変に有名ですが、これは丁度その新幹線版という感じですね。
無論、これは田中角栄が残した最大の遺産と言っても良いでしょう。

それから、本州で記憶に残るものとしてはもう一つ、これですね。
  特急やくも5号 岡山〜米子
  https://www.youtube.com/watch?v=vu74e-m584E
倉敷から米子へと中国山地を横断する列車なんですが、この辺は、
日本の豊かな里山を代表する風景と言えるんじゃないでしょうか。


伏せたお椀のように連なる山々の間を、右へ左へと、
縫うように快走する列車が、何とも心地よいです。
因みに、運転士が女性なのはともかくとして、座高が低い分、
一二枚座布団を敷かないと、視野が狭くて危なっかしい感じがしますね。

それから、北海道で一つ書き落としたのが、このビデオです。
  キハ183「ヌプリ」函館〜(小樽経由)〜札幌
  https://www.youtube.com/watch?v=pDagZ3MJHJY
北海道のことは良く知りませんでしたが、函館から札幌に行くには、
西回りと東回りの二つの方法があったようですね。
将来の新幹線は、その中央を突っ切るらしいですけどね。

東回りは平地を走る分スピードが出るので、今では主流のようですが、
これは西回りの小樽経由で、このビデオは5時間以上かかります。
まあ、大方は退屈な風景なんですが、最後の方の4時間40分頃から、
深い霧に覆われた石狩湾沿いを走る幻想的な光景が見所ですね。
こんな風景は、気象条件が揃わないと中々見られないと思いますが、
霧の中からゴジラがぬっと顔を出しそうな気がしませんか?(^^;)

105闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 12:15:04 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(7/9)

四国では、もう一つ、この路線がありましたね。
  予土線 宇和島→窪川
  https://www.youtube.com/watch?v=fh32L7cB_-U
ここでは特に、後半の四万十川下りの風景が見所です。

こうして車窓あさりをしていると、日本の地理には詳しくなりますが、
その中で、色々と面白い駅名が出て来てビックリさせられます。
この路線にもハゲ(半家)だのデメ(出目)だのがありますが、
さすがに、デベソはありませんでした。(^^;)
(但し今、調べ直した所では、出目はイズメと読むそうです。)

昔、漫才の『うなづきトリオ』というのがはやっていた頃、
宇奈月駅というのを見つけて驚いたことがありますけどね。
今回、山陰本線にマジ(馬路)という駅を発見し、
最近の若者言葉は余り使わない私ですが、
あやうく『マジー!?』と叫びそうになりました。
世界遺産への登録で有名になった石見銀山のすぐ近くですね。


それから、九州でもこれが中々面白かったです。
  松浦鉄道普通伊万里行 1/4 佐世保〜佐々
  https://www.youtube.com/watch?v=bNKCoruuAc0
佐世保の裏山みたいな、ちょっとゴミゴミした所を走りますが、
港町特有のヌルヌルッとした感じが、たまりませんね。

外国でもイタリアのジェノバという町では、
似たようなヌルヌル感があったのを思い出します。
まあ、芸術作品のような重厚な街と佐世保とでは比較になりませんが、
そのジェノバでは、ピザを買い食いしたことを覚えています。
本場のピザはどんなものか、という興味で食ってみたんですが、
何しろボリュームたっぷりで、一つ食べたらおなかが一杯でしたね。

それから、この列車の行き先が伊万里なんですが、
伊万里とか唐津とか、焼き物で有名な所には、
余り有力な政治家がいなかったんでしょうかね。
というのも、福岡の西手に姪浜という駅があるんですが、
ここがどういう分けか、福岡駅とつながっていないんですね。
ですから、山陽方面から来た人が唐津に行く場合、
直通便では随分遠回りする必要があるようなんです。


それから、外国旅行に関して一つ思い出したんですが、
直近に書いた書き込み大賞(14R)では、
『シネとかアホとか書けば当然、削除する』と言いましたよね。
でも、日本人がポルトガルに行くと、子供たちから、
『シネ、シネ』と言われるのを皆さん御存知でしょうか。(-_-;)

私も最初はギックリしたんですけどね、実はポルトガル語では、
中国人のことを『シネ』と言うわけなんですね。
で、彼らから見ると日本人も中国人も区別がつきませんからね、
珍しい東洋人を見かけると『シネ、シネ』と言って騒ぐ分けです。
旅先では色々な国の子供を見かけましたが、
それぞれ個性があって面白かったですね。

イタリアでは、子供がカンフーのまねをして追いかけてきましたが、
当時はブルース・リーの全盛期でしたから、東洋人と見れば、
誰もがカンフーをやる、みたいに思っているようでした。
そう言えば、少し前に例のアルジャジーラで『アフガニスタンに、
ブルース・リーのそっくりさんが現れた』とか言ってましたけど、
彼が映画デビューする可能性はあるんでしょうかね!?
  ブルース・リー似のアフガン青年 カンフーがネットで話題に
  http://m.china.com.cn/japanese/doc_1_26378_165574.html

106闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 12:17:03 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(8/9)

それから、メキシコでは子供は可愛いんですけどね。
大人は初対面でも『アミーゴ、アミーゴ』とやたら馴れ馴れしくて、
ちょっと油断ならないような感じがしました。
フランスの田舎では、子供に出会うと親の後ろに隠れてしまい、
横から、こわごわと覗くようにするのが印象的でした。

たしか今年の夏ごろ、笑福亭鶴瓶と竹内結子がつるんで、
ニューカレドニアを旅しているのを放映していましたけどね。
その時、現地で出会ったフランス人親子の子供が、
鶴瓶の顔をみたとたん、泣きだしてしまったんですね。

私も後から知ったんですが、フランスでは未だに、
モンゴル恐怖症というものがあるんだそうです。
大昔、モンゴル帝国がヨーロッパに攻め込んだ時、
色々と残虐行為を働いたので、よほど強く印象に残ったんでしょうか。


ですから、フランスでは子供を育てる時、何か悪いことをすると、
『モンゴルが来るぞ』と言って脅かすそうなんですね。
丁度、日本でも『悪いことをすると鬼が来るぞ』
なんて脅かすのと似たようなものでしょうけどね。
ですから、フランスの子供は東洋人と見れば親の後ろに隠れるし、
場合によっては、泣きだしちゃったりするんでしょうね。

脱線に脱線を重ねて、そろそろ良い分量になったので、
最後は、また少し音楽の話に戻ることにします。
これは最近、見つけたんですが、
例の『ナクソス島のアリアドネ』のビデオがありました。

こんなファンタスティックなオペラを、いつでもネットで、
見られるようになった、というのは喜ばしい限りですね。(*^^)v
  Ariadne auf Naxos 2003 Paris
  https://www.youtube.com/watch?v=_gjpv2Ehtro


字幕はフランス語なので、大体の内容は荒筋サイトで把握しましょう。
幸いここに分かりやすい荒筋の解説サイトがありました。
  二期会「ナクソス島のアリアドネ」
  http://yaplog.jp/dachin55/archive/33

実を言うと、このオペラの主要メロディーの一つが、
『ミーソー レーファー ドーレミーレド ミーレー』
という奴で、シューベルトの子守唄とそっくりなんですね。
シューベルトの子守唄を知らない人はこちらをどうぞ。
  シューベルトの子守歌.mp4
  https://www.youtube.com/watch?v=GiDPTB6qLps

でも、考えようによっては、この方が素人にもとっつき易いですよね。
それに、音楽的には更にその上を行っているような所があって、
その変奏とも言える『ミミソソ レレファファ ミソ↑ドーソ ↓ドレ#レ』
というメロディーなんか、このオペラの中でも最上の音楽でしょうね。

107闇夜の鮟鱇★:2014/12/23(火) 12:19:51 ID:???0
  ●●●2014年の音楽総評●●●(9/9)

それから、リヒアルト・シュトラウスのオペラではもう一つ、
『薔薇の騎士』のビデオもみつかりました。
  Der Rosenkavalier Richard Strauss Carlos Kleiber
  https://www.youtube.com/watch?v=bXsTgUMveP0
  https://www.youtube.com/watch?v=COZLJ1qoFSE

こちらの荒筋はここにあります。
  ばらの騎士 あらすじ −わかる!オペラ情報館.URL
  http://www.geocities.jp/wakaru_opera/derrosenkavalier.html

このオペラで何と言っても有名なのは、終盤の豪勢なワルツで、
『ソ↑ミミー ソ↑レレー ソ↑ドドー ソ↑シシー
ソララーソミ ミファソファー』という奴ですが、
聞きやすい所で、こんなピアノ演奏はどうでしょうか。
  R.シュトラウス=ジンガー:ばらの騎士によるコンサート用ワルツ Op.59,TrV227
  https://www.youtube.com/watch?v=Ua7lK7Lg-vg


肝心のメロディーが中々出てきませんが……1分49秒あたりからですね。
世間的に言うと、この『ばらの騎士』の方が有名かもしれませんが、
改めて今回、聞き比べた感じでは、音楽的に見る限り、
私の評価としてはやはり『ナクソス島のアリアドネ』の方が上ですね。
ということは、結局『ナクソス島のアリアドネ』が、
R.シュトラウスの最高傑作ということになるかもしれません。

因みに、これは意外に新しい作品で、戦時中に作曲されたものらしく、
その関係で、日本で上演する時には著作権裁判まであったそうです。
  「ナクソス島のアリアドネ」著作権裁判
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%82%B9%E5%B3%B6%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%8D#.E3.80.8C.E3.83.8A.E3.82.AF.E3.82.BD.E3.82.B9.E5.B3.B6.E3.81.AE.E3.82.A2.E3.83.AA.E3.82.A2.E3.83.89.E3.83.8D.E3.80.8D.E8.91.97.E4.BD.9C.E6.A8.A9.E8.A3.81.E5.88.A4

でも……これは、やらずもがなの裁判という感じもしますね。
何やら、日本とドイツとの間にクサビを打ち込むような意図を感じますが、
バイエルンと言えばカトリックですから、
その関係の工作があったんでしょうか。


そう言えば、直近ではメキシコの警察が反体制的な学生を、
麻薬組織に引き渡して43人も殺させたとか言って大騒ぎになっていますけど、
大体、この手の分けの分からない事件がはびこるのも、
カトリック支配地域の特徴ですからね。
  メキシコ学生43人失踪、犯罪組織が殺害して燃やして川に
  http://www.cnn.co.jp/world/35056280.html

日本でも、サッカーの代表監督が就任してまだ間もないというのに、
さっそく、八百長疑惑でひと騒動ありそうですが、
これまたスペインのカトリック組織の関与が疑われますね。
ついでに言うと、韓国ではびこる慰安婦問題の騒ぎにしても、
今までは、赤犬の工作かと思っていましたけど、
ひょっとすると、カトリックによる謀略の可能性もありますね。

因みに、韓国ではキリスト教が最大の宗教なんですが、その内、
カトリック教徒だけでも国民の7.6%もいるらしいですね。
ともかく、カトリックの陰謀体質は昔から有名ですし、共産主義と共に、
今もユダヤ支配の両輪の一つとして、機能しているんでしょうね。
ですから、共産主義同様、油断は禁物だろうと思います。
では皆さん、来年も謀略に負けず、しぶとく生き延びましょう(*^^)v

118闇夜の鮟鱇★:2016/01/04(月) 16:29:10 ID:???0
【お詫び】

どうもミスばかりで申し訳ありません。(-_-;)
最近は色々と雑用に追われ、ここへの記入もほぼ8ヶ月ぶり位でしたが……
それでやり方すら、すっかり忘れてしまっていたようです。

で、せっかくの音楽総評だったのに、去年の年末(12/27)には、
まるでデタラメな操作をやったらしく、
闇夜の鮟鱇という名前すら入らなかったようですね。
普通ならすぐ後で再チェックをするのに、それすらサボッたものだから、
おとといになって、ようやく失敗に気づいたんですね。

ところが、あわててやり直したものだから、
またまたミスをやらかして、今度は化け文字が入ってしまいました。
こんどこそ三度目の正直としたい所ですが、どうなりますやら。(^^;)


因みに、その過程で気付いたんですが、
暫く前にしたらば掲示板の設定変更があって、それ以来、URL入りの記入や、
英語の記入(英数字のみの記入)が、できなくなっていたみたいですね。

で、その点はすでに手直ししましたが、
ついでに、無記名記入も可能にしておきました。
もしそれで、ゴミが増え過ぎるようでしたら、
また元にもどすつもりですが……それまでは無記名投稿も可能なはずです。

それから、公開してある携帯電話の番号に掛けてくる人が、
時々いるようですが、色々いたずらも多いので、
直接出ることはしないようにしています。
ですから、何か御用の方で、どうしても万有サロンへの書き込みが、
うまくいかないという方は、留守番電話かショートメールに、
御用件を残すようにお願いします。あしからず。

119闇夜の鮟鱇★:2016/01/04(月) 16:33:10 ID:???0
  ●●●2015年の音楽総評●●●(1/5)

今年は予定した通り、カンタータの聞き直しを始めているんですが、
後は飽きるまで、のんびり・ゆっくり聞くつもりなので、
残念ながら、余り書くことがないんですよね。(^^;)
ただ……普通、何か面白い音楽が出てくる時というのは、
何もわざわざ、こっちから探しにいかなくても、
勝手に向こうから耳に飛び込んで来るものなんですね。

例えば、ビートルズが登場した時なんかが、そうでしたよね。
でも、最近はそういう例は、ほとんどなくなってしまったようです。
パリの同時多発テロでは、イーグルス・オブ・デス・メタルの演奏中に、
その会場が襲われて、沢山の人が死んだそうですけどね。
この米国のロックバンドの演奏も少しネットであさりましたけど、
まあ、取り立ててどうということもない音楽でしたね。

恐らく、少なくとも私が生きている間は、
もう退屈な音楽しか生まれないのではないでしょうか。
ユダヤ主義が必死でつぶしにかかっているみたいですからね。
私が死んで暫くしたら、少しはましな音楽が出て来るかもしれませんから、
本当の音楽好きは、せいぜい長生きしてそれを待つしかないでしょうね。


もっとも、赤犬を介したユダヤ支配が続く限り、
必ずそうなるという保証は全く無いわけですね。(-_-;)
それに『できればユダヤ主義の最後をこの目で見届けたい』という分けで、
現時点の私は、少なくとも100才までは生きる予定でいますから、
あなたもその間は、生き延びることが不可欠です。(^^;)

さて、それで今回はちょっと趣向を変えることにして、
カンタータを聞く中で目についた画像について、
取り留めのないことを書いてみようかと思います。
先ず、一つ目はカンタータ12番で目についたこの彫刻ですが、
渾身の力を込めた聖母マリアの祈りには圧倒されますよね。
  https://www.youtube.com/watch?v=AS_mdDaeS3o

この手の画像の素性を調べる方法としては、
Googleの画像検索というのが一応使えるようですけどね。
  https://www.google.co.jp/imghp?gws_rd=ssl
但し、YouTubeの本体の画面から直接引き落としても駄目で、
YouTubeの履歴画面を開き、小型のサムネイル画像の中打ちメニューで、
『名前を付けて画像を保存……』を打ち、先ず自分のPCに保存します。


そうすると、保存先にmqdefault.jpgというのが残りますから、
それを先の画像検索の窓に引き落とすと、成功するみたいですね。
この場合『The Mourning Virgin』という彫刻が出ますが、
ニューヨークのメトロポリタン博物館所蔵の作品のようです。
しかし、調べて驚いたのは、それが18世紀ドイツの作品とかあって、
作者が不明となっていることなんですね。

私にしてみれば『ミケランジェロのピエタにも匹敵する傑作か』
という位に思っていたのが、作者不明という分けですからね。
何とも驚き・桃の木・山椒の木なんですが……
それでも、千年以上も前の作品なら仕方がないとも言えますが、
18世紀の作品で作者不明とは何事か、という気がしたわけです。
で、ふと連想したのは日本の名僧のことでした。

日本では親鸞だの日蓮だの、現代に名を残す名僧は沢山いますが、
ひょっとすると、一番の偉い坊主は誰もその名を知らないまま、
歴史の闇の中に埋もれているんじゃないかと言う気もするわけですね。
というのも、本当に偉い坊主というものは、
後世に自分の名前を残そうなどとは思わない所が、
すっとこどっこいのコンコンチキなんですね。(-_-;)

120闇夜の鮟鱇★:2016/01/04(月) 16:36:18 ID:???0
  ●●●2015年の音楽総評●●●(2/5)

ともかく、この彫刻のすごさを言いたかっただけなんですが……
まあ、西洋にも似た事例があったということなんでしょうかね。
この彫刻の作者(多分、修道士)にしても、自分の名前を残そうとか、
そういう世俗的な名誉には、まるで関心がなかったということのようですね。
今、世間的にはノーベル賞がどうたらと大騒ぎしている最中のせいか、
ただ信仰の為だけに生きた人の生きざまには、
取り分け興味を引かれる思いがしたのでした。

因みに言うと、前述したピエタという彫刻にしても、
私が日本にいる間には全く知らなかったんですけどね。
例の『Let's go Europa』に、しきりに見ろ見ろと書いてあったので、
それでバチカンに行った時は、とにかくそれを探して見たのだと思いますが、
その時は取り立てて、そんなにすごい彫刻とも思わなかったんですね。

まあ『キリスト教信仰の中では特別な意味があるんだろうな』
と思った位でしたが、今改めて見直すと、
確かに傑作と言われるだけのことはありますね。
  http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-2c-ff/nsymmty/folder/894283/11/5666011/img_3
  https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%94%E3%82%A8%E3%82%BF&tbm=isch


で、例によって、この辺からは定例の脱線になる分けですが(^^;)、
例の外国放浪の間には私も少しは美術館巡りをしたので、その話をします。
実はニューヨークのメトロポリタン美術館やグッゲンハイム美術館を含めて、
米国にも錚々たる美の殿堂があった分けですが、
あいにく今回の旅は物見遊山の旅ではなかったので、
米国にいる間はそうしたものに触れる機会はありませんでした。

で、私のそうした経験で最初のものは、拷問の博物館に関して、
前にも少し触れたことのあるロンドン塔にあった宝物館だったんですね。
何も知らずに訪れた私は、そこの衛兵の衣装のEⅡRという印が気になって、
『これは一体なんですか』などと能天気な質問をして顰蹙を買いましたが、
あれは『Elizabeth Ⅱ Regina』の略で、
女王エリザベス二世を意味するみたいですね。

で、ロンドン塔の内部を暫く歩き回っていると、
何やら自動小銃を抱えた兵士二人が立つ入り口が目についた分けです。
それで『一体何事か』と気になって、とにかく入ってみた分けですが、
中には宝飾品の数々が実に無造作に並べられていました。


大体、日本に比べると、向こうの美術館や博物館の陳列は実に無造作で、
手を伸ばせば届きそうな所に、宝物や美術品が並んでいますからね。
ちょっと頭のおかしな奴が、絵を引っかいたり傷付けたりしたら、
一体どうする気なんだろうと心配になるほどでした。

で、その宝物館の正式名称を何といったか忘れましたが、
英国の歴代の王様が使った宝物の数々を陳列していたようですね。
どれもこれも、値段の付けようがない位高価なものだろう、
という位のことは、素人目にも容易に想像が付きましたけどね。

その中でも、特に印象に残ったのは『アフリカの星』とか言ったかなあ、
玉子くらいの大きさの馬鹿でかいダイヤモンドがありましたね。
何しろ、あの大英帝国が世界中からかき集めた財宝の数々ですから、
日本人の感覚からはちょっと想像できないような、
贅の限りを尽くした収集品で、なるほどこれじゃあ、
自動小銃の兵士が守っていないと大変なことになるなと納得しました。

121闇夜の鮟鱇★:2016/01/04(月) 16:39:14 ID:???0
  ●●●2015年の音楽総評●●●(3/5)

ロンドンではこの他にも大英博物館あたりには、知る人ぞ知るというか、
見るべきものが沢山あったとのちに知り、惜しいことをしたと思いました。
まあ、最初から物見遊山の旅なら、見逃すはずも無かったでしょうけど、
今回の旅の主眼は全く別の所にありましたからね。
そんなことにばかり、うつつを抜かす分けにも行かなかったわけです。

で次はパリですが、ヨーロッパ美術の殿堂とも言えるルーブル美術館だけは、
さすがの私も隅から隅まで見て回りましたけど、一週間はかかりましたかね。
ミロのビーナス、モナリザ、サモトラケのニケといった高名な作品群が、
所狭しと並ぶ様はまさに壮観というか、圧巻でしたね。

そうした名品の中で、その時の私が最も気に入った作品は何かというと、
アングルの、女が裸の背中を見せて座っているだけという地味な絵でした。
作品名は忘れましたが、似た構図の絵が複数あるようで、
あの時に見たのがどれだったのかハッキリしません。
  http://item.shopping.c.yimg.jp/i/l/prehard-meiga_pri0032
  http://jp.canson.com/sites/default/files/Canson%20et%20les%20artistes_Ingres_2.jpg


前者のような気もしますが、肉がこんなにたるんでいたかなあ……。
ネットを色々あさっても、どれとも違う様な気がして気に入りませんでした。
まあ今見たら、また全く別の作品をベストに挙げるかもしれませんけどね。
いや、Wikiにあるこの『ヴァルパンソンの浴女』がそれかもしれません。
先の絵と同じ絵みたいですが、光の加減か色合いが全く違いますよね。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B4%E5%A5%B3

ただ、その中に印象派の作品がないのを少し物足りなく感じたんですが、
後から分かった所だと、パリではオルセー美術館というのが別にあって、
印象派の作品は全てそっちに集められていたようです。
最初からそうと分かっていれば見に行ったかもしれませんが、絵画見物は、
あくまで片手間ですから、こだわって探すことも無かったんでしょうかね。

ひょっとするとそっちは有料で敬遠したのかもしれません。
何しろ、ルーブル美術館の方は多分、例のスチューデント・パス
(Student Pass)が効いて、何度入っても只だったように記憶します。
それから、イタリアではフィレンツェのウフィッチ美術館が、
必見だったようですが、これまたそっくり見逃しましたね。


ローマでは例のバチカン美術館は一応ざっと見たと思いますが、
『最後の審判』はそれほど印象には残らなかったようです。
似た名で『最後の晩餐』の方も一応見た気がするんですが……
洞窟みたいな感じの場所にあり、ひどく劣化して、
くすんでいたのでこれまた、余り印象に残ってはいません。

今、調べ直した所だと、これはミラノ近郊にあるみたいで、
しかも、当時は修復中だったようですから、ひょっとすると、
見たと言うのも或いは、私の記憶違いかもしれません。
ミラノと言えば、例の国外退去の直前で時間もなかったはずですしね。

後は、マドリードのプラド美術館を一通り見ました。
例の奇想の画家のヒエロニムス・ボッシュの絵は、
何かのカレンダーで見慣れていたんですが、
『快楽の園』が突然、目の前に現れた時にはビックリしました。
観音開きの扉の中に、三面に分けて描いてある奴ですね。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:El_jard%C3%ADn_de_las_Delicias,_de_El_Bosco.jpg

122闇夜の鮟鱇★:2016/01/04(月) 16:41:41 ID:???0
  ●●●2015年の音楽総評●●●(4/5)

そのプラドでは、ゴヤの『裸のマハ』も有名ですね。
着衣のマハと全裸のマハとがぺアになっているのが、
何ともエロチックなんですが、実際に生で見てみると、
着衣のマハの方の描き方が、いかにもぞんざいで印象に残りました。

後から調べて分かったところだと、ゴヤはこの絵を、
ある金持ちの寝室に飾る為に描いたらしいですが、当時のスペインでは、
こんなエロイ絵を常時飾っておくわけにもいかなかったようですね。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Goya_Maja_naga2.jpg
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Goya_Maja_ubrana2.jpg

ですから、普段はそれにかぶせて隠して置く為に、
着衣のマハもついでに描いたということのようですから、
そっちは、あくまでつけたりという扱いだったんでしょうか。
その辺の事情の一端はここの話でも分かります。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%B8%E3%81%AE%E3%83%9E%E3%83%8F


エロイ絵の話が出たついでという分けでもないんですが、この辺で、
改めてカンタータの話にもどると、BWV54のこのデータにしても、
そのエロさには、目が釘付けになりますよね。(^^;)
  https://www.youtube.com/watch?v=cq6ttqZwNjw
で当然、気になってその素性を調べにかかる分けですが、
この絵は『死に追跡される罪』という標題のようです。

カンタータ54番の標題が『罪に手むかうべし』ですから、
恐らくその内容にはピッタリの絵なんでしょうけどね。
でも……この絵で罪と言っているのは、この女の淫乱さのことなのか、
或いは、この絵に情欲を燃やす男たちのことを指すのか、
ちょっと判別に困る気がしました。(^^;)

こうして、人間の情欲の罪深さに死を対置するのは、
宗教では珍しくないテーマかもしれませんが、
以前に紹介した別のカンタータでも裸の女が、
片手に骸骨を持って見つめているのがありましたよね。
今ちょっと捜し直しても見つからないので、あきらめましたが……。


この絵の作者はヨハン・ハインリヒ・フューズリーとかいう、
ドイツ系のスイス人で、主にイギリスで活躍したようですね。
日本では馴染みがないようですが、衒学的なテーマの作品が多く、
余り親しみ易くはないので、そのせいもあるんでしょうか。

さて、音楽総評と言いながら、今年は実質的な音楽の話が、
無しのまま終わるのが、ちょっと残念な気がします。
そこで、そのお詫びと言っては何なんですが、一つVBSを紹介しておきます。
最近YouTubeで音楽をかけていると、やたら広告が入るようになりましたが、
うるさいので、当初はミュート・ボタンを使っていたんですね。

ところが……それだと広告が終わっても、元に戻すのを忘れる失敗が多く、
それで一計を案じて、疑似ミュートというのを作ってみたんです。
具体的には、完全な無音にする代りに、音量を1/10に絞るという仕組みで、
これだと広告の音が気にならない一方、広告が終わればすぐに分かります。
実は、マスターボリュームを操作する為の象物(オブジェクト)があって、
それを使うと案外簡単に作れるようです。

123闇夜の鮟鱇★:2016/01/04(月) 16:44:44 ID:???0
  ●●●2015年の音楽総評●●●(5/5)

疑似ミュートでは一回打つ毎に音量が10分の1になります。
  疑似ミュート
    http://www2.tba.t-com.ne.jp/omake/vbs/QuasiMute.vbs
    http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/vbs/QuasiMute.vbs

逆疑似ミュートでは一回打つ毎に音量が10倍になります。
  逆疑似ミュート
    http://www2.tba.t-com.ne.jp/omake/vbs/Anti-QuasiMute.vbs
    http://aaaazzzz.webcrow.jp/omake/vbs/Anti-QuasiMute.vbs

先ず、これらを下転して適当な所に保存します。
具体的には、IEならリンクの中打ちメニューで、
『対象をファイルに保存……』を打ち、適当な所に保存します。
すると、QuasiMute.vbs や Anti-QuasiMute.vbs が残るので、
その直行を暖簾に作り、その中打ちメニューから、
直行キー(ショートカットキー)を指定して置くと便利ですね。
私の場合、疑似ミュートを『代×F1』(シフト×F1)、
逆疑似ミュートを『代×F2』にしてあります。


因みに、YouTube関連では色々と赤犬の工作がひどくて苦労しますが、
例えば例のアルジャジーラでは、音量のばらつきがひどかったですね。
  http://so-zou.jp/web-app/news/nettv-news/
録画する技量の問題もあるのかもしれませんが、別のニュースになると、
音が突然大きくなったり小さくなったりするので苦労しました(^^;)。

これは少し捜し回った末、GoVolumeというアプリを見つけて、
多少は解消しましたが、このアプリを使っていると今度は、
先の疑似ミュートを使えなくなるというネックもあります。
  http://www.sakura-densan.com/govolume/

それから、その英語ニュースでは最近、上の標題帯と下のシーク帯が、
どうやっても、同じ画面内に同時に表示出来ないようになっていますね。
まだまだ英語に未熟な身としては、英語の標題を見ないと、
音と画像だけでは、一体何の話なのか判断に困ることも多いわけですね。


他方では、特にアルジャジーラの場合、各ニュースの長さがバラバラで、
1~2分のものがあるかと思うと、40分以上のものがあったりします。
ですから、この話があと何分で終わるのかを知るのにシーク帯が必要ですし、
興味のないニュースを飛ばして先に行きたい時も、シーク帯は不可欠です。

似たようなことで言うと、Googleも大分いじられいてるらしく、
最近は万有サロンの例のカスタム検索が、ほぼ使えなくなっていますね。
例えば、前回紹介した車窓ビデオに関し『大狩部』を調べ直そうとすると、
『結果はありません』などと間抜けな答えが帰ってきました。
  https://cse.google.com/cse?cx=002435551557512966760%3Avaf0cagwz5a&q=%E5%A4%A7%E7%8B%A9%E9%83%A8&oq=%E5%A4%A7%E7%8B%A9%E9%83%A8&gs_l=partner.12...23520.23520.0.25525.1.1.0.0.0.0.176.176.0j1.1.0.gsnos%2Cn%3D13...0.122j14884j2..1ac.1.25.partner..1.0.0.6EvLK7JpssE#gsc.tab=0&gsc.q=%E5%A4%A7%E7%8B%A9%E9%83%A8&gsc.page=1

そういう場合、カスタム検索で失敗してもあきらめずに一般検索から、
『闇夜の鮟鱇 大狩部』や『万有サロン 大狩部』で探してやると、
成功する場合もありますから、根気よくやるしかありませんね。(-_-;)
  https://www.google.co.jp/search?q=%E9%97%87%E5%A4%9C%E3%81%AE%E9%AE%9F%E9%B1%87+%E5%A4%A7%E7%8B%A9%E9%83%A8&ie=utf-8&oe=utf-8&hl=ja
  https://www.google.co.jp/search?q=%E4%B8%87%E6%9C%89%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%B3+%E5%A4%A7%E7%8B%A9%E9%83%A8&ie=utf-8&oe=utf-8&hl=ja
では、来年こそ赤いペテン師どもの息の根が止められて、
世界が変わる良い年になりますように!(*^^)v


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