失ったのは、空色の記憶
手に入れたのは、欲望
「戻ってこいよ、シュウ。俺はお前の友達だから絶対に裏切ることはしない。」
この人は誰なのか。ただの知り合いじゃないのか?なんでそんなにも笑っていられるのか。
理解できない。
僕が何をしたのか知ってるのだろう。
それで笑っていられるのは……
「帰ろう、シュウ。こんな寒いだけの場所にいる必要ないだろ?な?」
僕の中に、開いた穴。その部分が埋まっていく。
思い出しちゃいけないのに、心が拒絶する。
『俺、セイジ。シュウの友達。よろしくな!』
ア ノ 日 ノ 君 ト 変 ワ ラ ナ イ……
「シュウ、帰ろう?」
その手の温もりは、覚えがある。
僕が笑っていられた場所。
「セイジ」
呼んでみる。
「セイジ」
2回呼んだら抱きしめられた。ギュッて、優しく。
とっても温かかった。
「お帰り、シュウ。」
「ただいま」
そう言いたかった。
だけど言えなかった。
言ったら、もう戻れなくなってしまうから。
何も言えない僕を、それでもセイジは優しく抱きしめてくれていた。
ありがとう、セイジ……
ありがとう………………
………………さようなら