フェイト/エクストラ先行体験感想!

 某月某日。

 どうも、電撃文庫にて『デュラララ!!』や『バッカーノ!』などを書かせて頂いている成田良悟と申します。
 修羅場の合間なのでタイプムーンさんに遊びに行った私に、奈須さんが一枚の契約書をつきつけてきました。「この貸与契約書を書いて、このUMDソフトを持って行き給えムシュー。そして面白かったら感想を書くのだフシュルルル」と言うので、抗う事もできぬまま何も表面に印刷されていない謎のUMDをお借りする。ついでに数年前に奈須さんに貸してすっかり忘れていた『レイトン教授と不思議な町』を返してもらう。そういえばレイトン教授最新作は3Dかぁ。あのクオリティ高いアニメも3Dになるのかしら……ゴクリ……。

 ともあれ、そんなこんなでPSPのスイッチを入れると――

――フェイト/エクストラのタイトル画面が!

 スタートボタンを押すと、イージーとノーマル、どちらかを選べという『難易度選択』画面が。……RPGで難易度選択? と首を捻るも、「俺の屍を越えていけ」にも難易度選択はあったなと思い出し、ここは一つ俺のメガテンで鍛えたRPG脳の力を見せてくれるわとノーマルを選択する。

 『当ゲームにはデッドエンドルートや理不尽な死が待ち受けているのでセーブデータを複数作っておくのが吉さ! 姉ちゃん! 明日って今さ!』という感じ(意訳)の警告を経てゲームが始まります。

 はっはっは、何年ゲームをやってきていると思っているのかね。そうそう簡単にバッドエンドなど――と言っていたら、開始30分ほどの所で速攻で死にました。ひゅううー。そういえばFateもこんな感じで死にまくっていたような……。しかし今回タイガー道場は……ない! 自分で何が悪かったかを見極めるしかないのです! これが人生って奴ですよ。いや人生はロードから再開とかできませんが。

 そして、いよいよ肝となるサーヴァント選びです!
 自分で三体の中からサーヴァントを選べるだなんて、聖杯戦争も随分と変わったものです。
 さて、選ぶ三体……セイヴァーに、アーチャーに……狐耳と尻尾のキャスター。
……。
 はっはっは、選ぶまでもないじゃないですか。
 狐耳と尻尾で、英霊になる程のキャラですよ?


 羽衣狐様に決まっているじゃあないですか!

 もしくは白面の者!(←↑あくまで成田の妄想です)

 

 いやいや、いいのかしら。もう最強じゃないですか。
 尻尾の一振りで軍隊を一掃し、動くだけで日本が沈みますよ。
 これは選ばざるをえない。……まあ、これで『真名:ごんぎつね』とか言われたらあれなのですが、まず間違い無くこの子は○○○でしょう。というわけで迷わず選択を……ん?

『キャスターはピーキーな性能なので上級者向けです』

 ほほう……成る程。強すぎるからゲームがつまらなくなっちゃうかもしれないって事ですね!
 大丈夫。私はレベルを最高まであげてからザコを蹂躙するのもそれはそれで好きですからねガハハ。
 というわけで、私はキャスターを選びました! 奈須さんが含み笑いしていましたがまあ気にしません。お狐様とレッツラゴーですよ。

 そして、いよいよ第一回戦の始まりです!


『残り128人』


 ……。
 ヘーイ。
 ……へーイ!
 ちょっと待って下さい? 聖杯戦争の参加者が……128人!?
 つまり、サーヴァントも128柱存在してるって事ですかい旦那!?
 まあ実際に128柱設定しているわけではないでしょうけど、モブキャラ達にもみんなサーヴァントがくっついていると想像すると、なんだかワクワクしてきますね。なんとかだまくらかしてサーヴァントを奪い取れないかと校舎内をうろうろします。(そんなシステムはありません)
すると――
 モブキャラ「私のサーヴァント様、本当にかっこいいの!」
 おやおや、自分のサーヴァントを自慢しているモブキャラの女の子がいますよゲヒヒヒ。本家Fateの主人公以上の緊張感の無さじゃわい。
 どんなサーヴァントなのかな、と聞いていたのですが――

 ……。

 ……。

 ……。

 その……名前は出てこないのですが、情報を統合すると……

私「こッ……虎眼先生!? こいつ、シグルイの虎眼先生をサーヴァントにしている!?」

 ぬうう、モブキャラに虎眼先生を割り当てるとは……できておる喃……!
 というかバーサーカーで魔人状態だったら誰も勝てないと思うんですが。
 ははーん、この子はきっと虎眼先生を抑える為、令呪を使い果たしちゃって負けるんだな。でないと勝てる気がしない。

 そんな動揺に包まれていた私ですが――
 第一回戦の相手は――ワカメ!
 私「よし、とりあえず一回戦は頂いたな」
 プレイヤーにまでそう判断されるワカメのキャラときたらもうFateの伝統ですよ。

 ……。
 そう。そうなんです。
 このゲーム、たしかにRPGなんですが、現場に流れてる独特な空気は確かにFateであり、Fateの1ファンに過ぎない私ですが、素直に「あ、これ、Fateだわ」と思う事ができて、凄い素直に作中にのめり込む事ができました。これはいい雰囲気で、このまま進み続けようと思ったのですが――――

 ……。
 ……。
 ……。
 あ……れ……?
 うちのキャス娘さん……弱……い……?

奈須さん「だからピーキーだってちゃんと書いてあったろうに! そいつは大器晩成型よ! ついでに言うならザコに弱くボスに強い!」
私「思うてたんとちがーう!!!(笑い飯風)」

 おっと、だが英国紳士は慌てない。私は英国紳士じゃないので慌てますが。


私「どどど、どうしようどうしよう、これでは私のイメージした藤田和日郎さん的無双と違う!」


 しかし、考えてみればこれはRPGです。ロールプレイングゲーム! レッツロールプレイ! 強い自分を演じるのよマヤ! 怖い子……!! 「今のはヤラセです!」 えッ!? そっちのマヤ!? オカルト!?


私「……弱いなら……ひたすらレベルをあげて本当に白面の者ぐらい強くしてから ワカメ&ライダー組に挑めばいいじゃない!」
信じれば夢は叶うってフェイスレス司令も言っておりましたし、夢に向かってヒアウィーゴー。
 というわけで、画面に表示されたクリア推奨レベルとか無視してひたすらレベルを上げ続けます。
 教会で例の姉妹(あんた達、仲いいじゃん!?)にステータスをあげて貰ったりしつつ、まだザコに苦戦するので少し不安は残るものの、いざワカメ戦に突入です。

 ……。
 ……。
 ……。
 えー、ネタバレになるので詳しいワカメとのやりとりとかは避けますが……。
 強くしすぎたのか……その……。

 ワカメ&ライダー組……

 宝具を使わせる前に倒してしまいました。
 

 つまり、私、ライダーの宝具見てない!!

私「というわけで奈須さん、ライダーの宝具って何だったんですか?」
奈須さん「レベル上げすぎにも程があるだろオイ!?」


 ふうー、しかし、相手に宝具を使わせる前に圧殺するってどこの我様ですか。
これですよ! この圧倒的戦力! それでいて下から睨めあげるように相手を見つめる! これぞ白面の者プレイ! 「また、嘘なんだね」 はい、自分に嘘をつきました。でもだんだんキャスターが好きになってきました。メルブラの琥珀さんみたいに「どどーんといきましょうッ!」って背中を押してくれそうな超ポジティブキャラです。白面の者を知っていれば知っている程「また、嘘なんだね」と思わず言いたくなるぐらいポジティブキャラ。だが騙されても私は一向に構わんッ!
 まあ、このように、レベルをあげて圧殺したり、弱い状態で知恵と運と勇気で切り抜けたり、色々な遊び方ができるのもRPGの強みですよ……!

 しかしいよいよゲームに嵌ってきました。『運否天賦の勝敗を戦略とステータスで勝ち取る』という感じでボス戦は熱いです。
 これは修羅場の合間を縫って、具体的には寝る時に布団の中でガシガシプレイし続けるしかありますまい! 俺達の聖杯戦争はまだ始まったばかりだ!

奈須さん「あ、貸し出しプレイは一回戦までって契約だから、ロム返して」
私「なッ……!?」

 というわけで、発売日までに絶対原稿を終わらせて修羅場から抜け出さなければと思う今日この頃でした。

 ちなみに体験終了後の会話。
奈須さん「どうだった、Fateを穢すようなものだったかどうか判断してくれ」
私「それをFakeという形で、思いっきりFateの上を土足で歩いた私に聞きます?」
奈須さん「よし、成田ならしかたがない」
私「えッ、土足キャラが定着してる……!?」

 というわけで、Fateファンの皆さんはFateエクストラの発売をお楽しみに!

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