魔法のデザイナーファッションララ

What's『ファッションララ』
『魔法のステージ ファンシーララ』を語る時、そのベース原案となっている『ファッションララ』について触れないわけにはいかない。
『ファッションララ』は、セイカノートとスタジオぴえろ(正確にはぴえろプロジェクト)によって87年に創作された、女児用ファンシー文具展開を基本としたキャラクターだ。
それまでにも、文具メーカーがオリジナルのキャラクターを着せ替えやぬりえ、あるいはスケッチブック、パズル等のメインビジュアル用に使用していた例はあるが、アニメーション制作会社と本格的に組んだものは『ファッションララ』が最初であった。これは僕個人の推測だが、87・88年当時は、少女向けアニメが激減しており、セイカノートは新たな女児向け商品用に、それまでのアニメキャラを使った商品展開のノウハウを生かして、既存の魔法少女アニメ風のオリジナルのキャラクターを使用することにしたのではないだろうか。
『ファッションララ』シリーズがそれまでのオリジナルキャラクターを使用したファンシー文具と大きく異なるのは、この「既存の魔法少女アニメ」テイストへのこだわりと、さらに一般のアニメキャラクター文具商品同様のCM展開をおこなったことだ。そして、これがそのまま本シリーズの商品的な特長でありエポックでもあった。

デザイナー志望の小学生・ミホが、コンピューターから現れた(!)魔法の妖精・ピグとモグからもらった「魔法のライトペン」(これもスゴイ!)で大人に変身して、魔法のデザイナー・ファッションララとして大活躍するという魔法少女アニメ的な基本シチュエーションを、そのまま文具展開用のキャラクターに持ち込んだ点が斬新で、女児のみならず「大きいおともだち」の間でも話題となった。もちろん変身の呪文(「ピンキーポップ・ミラクルファッション」)も設定されており、これもCMのコピーに加えるなど、トータルとしては番宣ノリのフィルムに仕上げてあった。
本商品のヒットで、セイカノートは続いて第2弾『おまじないアイドル リリカルレナ』シリーズを東映動画(キャラデザインは越智一裕!)と組んで発売。CFのBGM用にイメージ主題歌まで制作された。また同様のコンセプトで『双子のスター ツインエンジェル』(ちょっと名称や発売メーカーは不確定)という、双子の小学生姉妹が、魔法のアイテムで双子のアイドルに変身して大活躍という設定の文具シリーズ(キャラデザインは近永早苗! (c)は葦プロ)もあった。
なお、『ファッションララ』シリーズは現在(98年5月)でも文房具店などで入手可能である。

OVA『ハーバーライト物語(ストーリー)』
文具展開を基本としていた『ファッションララ』であったが、88年5月に「ぴえろ魔法少女第5弾」と銘打って、スピンオフに近い形でOVA化、ビームエンタテイメントより発売された。また、ビデオ発売に先行して、サントラがキングレコード(スターチャイルド)よりリリースされている。
ミホがピグとモグの魔法の力でララに変身するという、骨子となる設定以外はOVA用に一新され、アンデルセンの「シンデレラ」をモチーフにストーリーやシチュエーションが練り直されている。
OVAでミホの声を担当したのは山本百合子(『ダンクーガ』の結城沙羅や『レディジョージィ』のジョージィが有名。最近はバラエティ番組のナレーションなどが多い)、キャラクターデザインは文具版と同様に岸義之(『魔法の妖精ペルシャ』『魔法のスター マジカルエミ』キャラデザイン)が担当している。

小学生のミホは4姉妹の末っ子。だが、姉たちは内気なミホに辛くあたり、彼女の楽しみといえば死別した優しい父親を想い出すことと、すてきな洋服のデザインをして空想の世界で遊ぶことだけだった。
ある日ミホは街のワルで暴走族のリーダー、キッドという少年と知り合う。周囲から阻害されていたミホとキッドは、次第に心を通わせるようになるが、彼の家庭は街一番の有力者であり、近々開催されるファッションデザイン・コンテストの主催者でもあった。ミホは、唯一の優しい姉・シュリにコンテストに応募したいと申し出るが、そのデザインは姉たちの名義でエントリーされてしまった。コンテスト当日、落ち込むミホの前に2匹の妖精が現れ、魔法で彼女を大人に変身させると、コンテストに出場できるようにしてくれるのだった。
本作は、ハッピーエンドだがストーリーそのものは悲劇型のシリアスドラマで、基本的にはコミカルタッチであったそれまでのぴえろ魔法少女作品とはかなり違ったテイストとなっている。またOVAのみの企画物ということもあってか、文具版で設定されていた魔法のアイテムや呪文などはオミットされ、ララもストーリーに合わせて、魔法のデザイナーとしては活躍せず、単にミホが変身した姿という範疇にとどまっている。
OVA版のあらすじを見ればわかると思うが、『ファンシーララ』のキャラクターパーソンは、巧みにコミカルな味付けにしているが、実はこの『ハーバーライト物語』がベースになっているのだ。
ところで『ハーバーライト物語』のラストだが、古い作品で入手やレンタルも困難と思われるのでネタバレしてしまうと、作中の出来事は空想好きなミホが創った物語であり、現実の彼女は優しい姉たちと仲良く暮らし、今日は仕事で海外へ行っていた父親が帰ってくる日であった、という夢落ち二重構造(笑)となっている。最近では『センチメンタルジャーニー』#4で似た構成を使っていた。

「ハーバーライト物語(ストーリー)〜ファッションララより〜」
スタッフ
監督・作監/高橋資祐 脚本/寺田憲史 キャラクターデザイン/岸 義之
音楽/山本健司 美術監督/岡田和夫 制作/高江勇次(スタジオぴえろ) 音響監督/松浦典良

キャスト
ミホ/山本百合子 キッド/井上和彦 ピグ/室井深雪 モグ/丸尾知子 シュリ/原えり子 意地悪な姉たち/松井菜桜子 小森まなみ


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