家族愛のために遺言を残そう
遺言の実務について


 
遺言はなぜ書くのか
1) 自分の死後配偶者や子供たちに遺産相続のことで迷惑をかけたくない。
2) 死後自分の意思を伝えておきたい。
3) 残された者の相続争いを未然に防ぎたい。
4) 生前特別にお世話になった人に感謝の気持ちを伝えたい。

遺言は誰でもできる。(遺言自由の原則)
1) 遺言による相続は、法定相続に優先する。
2) 遺言は未成年でも15歳以上ならば、誰にでもできる。
3) 遺留分無視も有効、但し遺留分減殺請求があるかもしれないが恐れる必要なし。
4) 遺言能力である判断力、意思能力があればできる。
5) 成年被後見人でもできる。(心神喪失の常況にないと医師2人の立会い証明)[法973条]
6) 文字が書けなくても、遺言はできる。
7) 目や耳、口の不自由な人も遺言できる。
8) 法律上書いてはいけない事はない、どんなことでも書ける。但し全て実行されるとは限らない

避けたい遺言(実行されなかったり、トラブルの原因になる)
1)公序良俗に反する遺言 2)遺族を中傷する遺言 3)意味不明な遺言 4)言行不一致の遺言 5)結婚や離婚に関する遺言 6)養子縁組に関する遺言 7)遺体解剖や臓器移植の遺言

法的効力のある遺言
1) 続財産に関すること
@相続分の指定ができる。指定を第3者へ委託。(法定相続分とは異なる相続分指定)
A遺産分割の方法を指定できる。指定を第3者へ委託。(相続させる遺産の細かい指定)
B遺産分割の一定期間禁止ができる。(5年以内の期間で指定)
  (但し、相続人全員の合意で分割できる)
C相続人以外の人に遺贈できる。(包括遺贈、特定遺贈)
D寄付又は寄付行為ができる。(財産の一部を寄付、財団法人設立の為に財産提供)
E信託の設定ができる。(信託銀行などの機関に財産の管理・運用をしてもらう)
F特別受益者の調整ができる。(生前の贈与、遺贈の持戻し免除)
G相続人相互の担保責任の変更ができる。(担保責任を軽減したり加重したりできる)
H遺贈減殺方法の指定ができる。(遺留分に満たない場合の遺贈・贈与からの減殺順序)

2) 身分に関する事項
@推定相続人の廃除とその取消し。(侮辱・虐待、非行などあった相続人の排除)
A非嫡出子の認知、胎児の認知(認知された子は相続する権利がある)〔法887条〕
B未成年者の後見人・後見監督人を指定できる。(他に親権者が居ない時に限る)
3) その他
@祭祀継承者を指定できる。(祖先代々のお墓や仏壇の継承者指定)
A遺言執行者を指定できる。指定を第3者へ委託。(遺言内容を忠実に実行させるために)
遺言作成のための必要書類

1、  遺言者の印鑑登録証明書
2、  遺言者と相続人の関係がわかる戸籍謄本(相続人に相続させる場合)
3、  受遺者の住民票(相続人以外のものに遺贈する場合)
4、  商業登記簿謄本(法人に遺贈する場合)
5、  不動産登記簿謄本、固定資産評価証明(遺産の中に不動産がある場合)
6、  証人2人の住所、職業、氏名、生年月日、認印(公正証書遺言の場合)
7、  その他(保険証券等債権の証書等)、実印(作成後必要


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本山行政法務事務所