『ささやかな報復』
「……。」
今、自分の中に湧き上がり、そして消えない苛立ち。
冷静な自分の一部分が「子供のようだ」と自身の感情を馬鹿にするけれども。
感情というものは操作出来ない。
いくら頭では分かっていても、簡単に消す事は出来ないものだ。
「起きろ…サル……。」
それはとても小さな声だった。
いつも発する尊大な口調、張りのある大きな声が嘘のような。
言葉を口にはしたけれども、本気で起こそうとは思っていない。
無理に起こして、「何か用か」と問われてしまっては困る。
用がある訳でもない。
何の口実も浮かばない。
自分と半屋の間には、会う為の理由が何も無い。
「気持ち良さそうに眠りおって…。」
眠るには肌寒いはずの秋風。
やや冷たいその風が、半屋の眠る場所へと枯葉を集めている。
足元に溜まっていた枯葉に触れると、渇いた音がした。
潤いのない、寂しい音。
何枚も拾うと、その音は手の中で騒がしいものとなった。
「……。」
黙ったまま、手の中の枯葉を見る。
こんな幼稚な悪戯。
何故、思い付いたのだろう。
ただ何となく。
何もせずにこの場を去るのが虚しく思えて。
梧桐は手の中の枯葉を、眠る半屋にばら撒いた。
そのまま、黙って校舎へと戻って行く。
約束など無かった。
半屋が眠っていて寝覚めなくとも、全く悪い事ではない。
折角、会いに来てやったのに。
そんな苛立ちは間違っている。
そう分かっていながらも、何故だろうか。
裏切られたような気持ちで、ささやかな報復。
という訳で。
苛立ち梧桐さんと寝惚け半屋君。
そんな絵なのでした。
私って寝てる半屋君大好きだよね…。(他人事か)
今回は本当に梧桐さんが描けず、このTOP絵を完成させるまでに1ヶ月程の時間を費やしてしまいました。
結局…原画(主線)は酷いものです…。
自分自身、梧桐さんへの愛なら世界中の誰にも負けない!と豪語する人間なので(そうだったのか)
とてもあの原画の人を「梧桐さん」などとは呼べません。口が裂けても。
ところが、色を付けると割りと納得のいく絵に♪
さすがフォトショ!万歳万歳!!
その後も様々な小細工を使い(笑)梧桐さんを修正…修正……。
最終的には時間をかけた分だけ、何だか満足のいく絵に仕上がったので大変嬉しいです♪
半屋君には何もしていないのですが、こちらはそれでも可愛げに描けたと思うし!(まさに自画自賛)
もう燃え尽きた気分です。
暫くTOP絵変えなそうです。
(季節モノなんだから変えろよ。)