短文のお時間

お暇ですか?(笑)いらっしゃいませv
ここは何だか乙女だったり暗かったりする意味不明な恋愛モノ短文を好き勝手に載せるお部屋です。
こういうのを書くのが好きな管理人の個人的趣味大爆発なお部屋なのです(苦笑)
でもどんなに乙女な恋愛文でも、実は明稜のとあるカップリングを思い浮かべて書いています(爆)
(あくまで明稜サイト内です!)
梧半以外の場合もあったりしますので、一人称を「俺」とかに変えるなりして(笑)カップリングを当ててみるのも楽しいかも♪ですー。
(ウソです…。楽しくないです…。すみません(汗))








(※今回は乙女短文ではなくほのぼのギャグです。バカです。)

とある和菓子屋の出来事。

「暑い…。」
そう黄色い和菓子が呟いた。
彼はケーキの並ぶ冷ケースの上。
他の上品な生菓子と共に、今日も並べられている。

「贅沢だな。ここが一番涼しいのだぞ。」
ぼやく黄色い和菓子の横で、黒く光る和菓子がそう嗜めた。
本日は晴天。
外からは眩しいほどの日が差し込み、
古く扇風機しかない店内は客の汗がひかないほどに暑くなってしまっていた。
店員に「今日も暑いわね」と客が必ず言う。
そんな日。
他の乾きもの達は暑い店内にそのまま並べられている。
だが、2人の並ぶのは冷ケースの上。
下から上って来る冷気で、他よりは随分と涼しいのだ。

「違ぇよ。暑いのは客。オレ達今日は買われる見込み無ぇぞ。」
そういう意味か、と「鹿の子」も頷いた。
艶やかに黒く光る「鹿の子」は毎日「きみしぐれ」と共に並んで売られている。
それはもう何十年も前から。
たった2人きりで毎日毎日肩を並べる、腐れ縁なのだ。
大粒の大納言が贅沢に使われた美しい外見。
その中に隠された求肥の食感も申し分ない。
この「鹿の子」は長年愛され続ける、この和菓子屋の定番商品である。
だが、どんなに最高の材料を使ったものでも、夏には売れない。
うだる暑さの中、人間は甘ったるい菓子よりも、味はともかく冷たいものを求めるからだ。

「そうだな。今日は売れんかもな。」
そういって2人の隣に並んでいる水羊羹に目をやると、ガラスケースの中、半分くらいまで減っている。
安く大きい水羊羹はその分甘ったるいばかりで大味だが、
それでも冷やして食べる事が出来る分、猛暑の中を歩いて来た客の目には美味しそうに映るのだろう。

「特にてめぇはな。」
その声に視線を戻すと、横で「きみしぐれ」が嫌味を含んだ表情を向けている。

そう、「鹿の子」と「きみしぐれ」は同じ値を付けられ、同じ場所にいつも並んでいるが、人気には大きな差がある。
甘さを抑えたきめ細やかな白餡。
その周りを包むしっとりとした黄味餡の上品な味は、どれほど高級な和菓子屋を巡っても味わえないのではないかと思われるほど。
虜になる客が後を絶たない、この和菓子屋の人気商品である。

「何だ、その自慢げな顔は。ぼろぼろと崩れる軟弱な菓子が。」
その「鹿の子」の言葉に、「きみしぐれ」はキレた。

「てめぇ、いちいち…。今日こそぶっ殺す!」

そして細いパッケージに入った「鹿の子」と「きみしぐれ」は、今日も人知れず激しいケンカを始めた。

 ● 一時間後 ●

「ああ、また落ちてるよ…。どうして毎日こればっかり落ちるのかなぁ…。」
黄色いエプロンを着た和菓子屋の店員は、ぶつぶつと言いながら屈んだ。
冷ケースの前、「きみしぐれ」が床に突っ伏している。
何故か毎日毎日、冷ケースの棚に立て掛けて並べたはずの「きみしぐれ」は床に落ちてしまう。
店員は布巾でその「きみしぐれ」を拭き、再び冷ケースの上に並べた。
朝陳列したまま、全く動いていない「鹿の子」の隣り。



とあるサイトさんで「知識萌え」というものについてのトークを読んだ際、
「私の仕事から得る知識じゃ全く使えないよな〜。あああ、損な人生。」
と思ったのですが。
最近仕事がキツイので、無理に知識を使ってみた(爆)
でもあんまり「求肥の材料」とか「雪平との違い」とか「白餡の良し悪し」とか…。
語ってもどうにもならないのでそれらを避けたら、普通の妄想に(死)

ちなみに「鹿の子」と「きみしぐれ」はどちらも4個入りで透明なパッケージに入っています。
4個が縦一列に並んで入っているので細くて、立て掛けとくとよく倒れるのです(笑)←さすがに落ちはしませんが。
制服の黄色いエプロンは私の制服(^^;)
そして、店員は八樹です。(オイ)
しかも続きもあります。
続きはラブラブなのですよ(笑)

 

「嘘」って必要。

君はきっと。
嘘が嫌いなのだろうと、そう思う。
それでも、自分を偽らなければ。
君の傍にはいられない。
「大嫌い」だと言って。
馬鹿にして。
傷付く言葉で君を痛めつけて。

そうして君に恨んでもらえば、
君の傍に居られる気がした。

でも。
君は人のものになった。

「嘘」は必要無かった?

偽りない気持ちで、君に接するべきだった?
誰よりも愛していると。
大切だと。
傍に居たいと。
真っ直ぐに君に思いを打ち明ければ、
君を僕のものに出来た?
僕は、報われた?

それは、きっと違う。

「嘘」も「本心」も関係ない。
片思いは運命。
君が僕を選ばないのは。
君が欲しいものを、僕が持っていないから。
君の欲するものを、僕は持ち得ない。
そういう運命。

「嘘」が増えていく。

「おめでとう。」なんて偉そうに言ってみたり。
楽しそうに君をからかってみたり。
笑って。
君の傍に居る。
そんな僕の姿は、偽り。

それでも、離れたくはない。
身を引き千切られるような苦しさが付きまとっても。
「大丈夫」だと「嘘」を付いて。

笑って自分を偽り続けよう。

「嘘」なんて。
本当は僕も嫌い。
でも、君が離れていくのは。
もっと嫌だから。
 

 

大きい人。
それが第一印象。

私はとても小さいから。
背の高い人は少し恐い。
見下されているような、そんな嫌な感覚。
彼はその上体格もがっちりとしていて、更に恐ろしく感じた。

けれど。
人って見かけによらない。
子供に優しかったり。
家庭的な趣味があったり。
細かい事が得意だったり
意外な一面が隠れてる。

私って偏見の塊。
彼が子供に優しく接した時、
子供は彼の外見なんて気にする事なく「ありがとう」と笑った。
私はどうだっただろう?
彼と遭遇した時、
外見に怯えて、挨拶すらマトモにしてなかったかも…。
それって、最悪。

そう反省した。
だから。
「おはようございます」
ぎこちない笑顔も添えて、
彼に、挨拶してみた。

「おはよう」
そう返してくれた。
穏やかな口調。
柔らかな表情。

意外な、宝物が隠れてた?

接してみたら、彼はとっても良い人でした。

彼は今でも大きい人。
でも、今は。
見守られているような、心地良い感覚。
第一印象って当てにならない。
やっぱり人とは真正面から接してみないと。

人って、見かけによらないからね。
 

 

君には好きな歌があるらしい。

そんな話、僕には絶対にしないけれど。
時々耳にする君の鼻歌。
そのメロディはいつも同じ。

夜、君の家の前まで何となく行ってしまった時。
派手な音が君の明るい部屋から漏れ聞こえていた。
鼻歌と同じメロディの曲。
うるさいような、でも何だか心地良いリズム。

僕は長い間君の傍に居て。
君の事は全て解っている自信があったのに。
こればかりは分からない。
僕は音楽になんて全く興味がなくて。
そんな曲の断片だけでは、曲名なんて分からない。
もしかしたら流行りの歌なのかもしれなくて。
他の誰かが聞けば簡単に分かるのかもしれなくて。
それが少し悔しく思えた。

CDなんて滅多に手に取らない。
そんな店には立ち寄った事もない。
でも、気になってしまって。
ふと、立ち止まる。
耳が潰れそうに、うるさい店の前。

君が好きな歌。
君が好きだと感じるもの。
僕も好きになりたいと、そう思っているからなのかもしれない。

僕も好きになれるだろうか?
派手な音は嫌いだけれど。
生まれて初めて。
音楽というものに興味を持った。

こんな風に、君によって僕は変わっていく。
 

 

君を好きな、僕が好き。
だから君が好き。

君のその破天荒な性格。
無茶苦茶な言動。
誰もが理解出来ないと言う。
僕にも理解は出来ないんだ。
理解は出来ないんだけど。
それでも君の傍にいると楽しくて。
僕にはない物を沢山持っている、君を見ているのが楽しくて。
僕は笑う。
心から笑う。
そんな僕が好き。

君に出会うまでの僕は不幸せだった。
何でも手に入るのに、本当に欲しい物なんて何も無くて。
誰も僕を苦しめないのに。
ただ一人で悩んで。
ただ一人で苦しんで。
寂しい、虚しい、そんな風に思っていたよ。
孤独だなんて、そんな生意気な事も呟いて。
本当は違ったんだ。
僕が幸せを感じないのは誰のせいでもなくて。
自分のせい。
全て周りのせいにして。
幸せを掴もうなんて、そんな努力はしなかった。
寂しいなんて、馬鹿な話。
幸せになる為には、そんな事を思っている暇はなかったはず。
無力な自分なら尚の事。
少ない力を精一杯使って、幸せになろうと動かなくちゃ。
何も始まる訳なかったのに。
立場や環境、そんな物に縛られる前に。
子供なら子供らしく暴れれば良かったのに。
君に出会うまでは気が付かなかった。
僕はあの日、初めて声を荒げてお願いをした。
自由を下さいって、そう叫んだ。
そして君に再会した。
嬉しかったよ。
笑う君。
「また会えたな。」って、そう言った。
最高のご褒美。
暴れて良かった、そう思って。
君に笑った。
そんな僕が好き。

君と出会って僕は変わった。
困る事も増えて、怒る事も多くなった。
バカにされるかもしれないけど、それが僕にとっては嬉しい。
初めてだよ、君が。
僕を笑ったり。
バカにしたり。
殴ったり。
君だけが僕を困らせる。
でも、そんな事に僕は喜んでる。
どんなに無理な事を言われても、それが君らしいなんて笑って。
笑って、騒いで。
君の事を好きだと感じる。
そんな僕が好き。

君は僕をどう思っているのかな。
言いなりになる下僕?
扱いやすい道具?
もしかしたらただの財布かも。
そんな風に苦笑しながら、思ってる。
それでも良いって。
君が僕をどう扱ったって、君が楽しければそれで良いって。
君が僕の傍にいて。
君が僕を忘れないで。
笑顔を僕に見せてくれれば。
それで十分。
君の中の僕の立場なんて、些細な問題。
そう思える僕がいる。

こんな風に言うと、僕が良い人みたいだけど。
でも本当は自分勝手。
君が笑えば、僕も笑う。
君が悲しいと、僕も悲しい。
君の幸せは、僕の幸せ。
そう思うと、とても心が満たされるんだ。
だから君の為になら何でもする。
君の幸せの為なら、何でも。
だってそれが僕の幸せ。
君を満たせば、僕も満たされて。
ほら、
笑った。
僕が笑った。
心から楽しそうに笑う、大好きな僕。
幸せな僕。

だから君が好き。
僕に幸せを与えてくれる、君が好き。
僕はまだ子供なんだ。
君に寄り掛かりすぎている子供。
本当に良い人なのは君の方だよ。
優しくて、強くて。
そんな君の傍にいる僕の弱さを、君は許して。
僕に笑う。
そんな君を僕はまた好きだと思う。

本当の君を僕は見ない。
君の今だけを見て、
君の表面だけを見て、
君が笑うと、その笑顔だけを見て。
僕は笑う。
だから僕は良い人なんかじゃない。
君を理解しようとすれば、きっと君の苦しみが伝わってきて。
僕の気持ちは沈むだろう。
そして君を救うことなんて出来ない。
僕は自分の無力さに気が付き、
自分を嫌いになるだろう。
だから僕は本当の君を知らない。
知ろうとしない。
何て、自分勝手な恋だろう。

それでも思う。
君が好きだと。
大好きな君を思い、笑う僕が好きだと。
逃げる僕。
責めない君。
甘えて笑う、弱い僕。
そんな僕を許す、僕。

こんな自分を自覚しながら、それでも笑う。
だってこんなに弱い自分でも
君が与えてくれた、僕だから。
いとおしい。
君を思って悩む僕さえ。
本当に情けない僕だけど。
君の為に生きている。
生きているって実感が沸く。
一方的だけど、幸せな僕の思い。

今は弱くて情けない僕。
君に与えられてばかりの僕。
だけど、僕には未来がある。
いつか君を心から笑わせる事ができるかも。
そんな可能性を持った僕が好き。
そんな風に思う、僕が好き。
君が好きだから、僕が好き。
だから君が好き。


「おはよう」

私は起きるといつもそう呟きます。
静かな部屋で、意味もなく。
誰も応えてくれないと分かっていながら。
それでも呟きます。

「おやすみなさい」

私はいつも眠る前にそう呟きます。
やはり答えてくれる人など存在しません。
静かな部屋に虚しく響くだけ。
白い天井にただ消えて行くだけです。

遠い昔
幼い私が目を覚まし
「おはよう」と挨拶をすると
食卓からは暖かな「おはよう」が返ってきたものでした。

遠い昔
幼い私の手を握り
「おやすみなさい」と母は微笑みました。
私が「おやすみなさい」と返すと、優しく頭を撫でてくれました。

私は寂しいのかもしれません。
その暖かな日々に焦がれているのかもしれません。
誰もいないこの家で
ただ眠り
目を覚まし
生きていくことが堪らなく
寂しいのかもしれません。

貴方は修学旅行の夜
私に「おやすみ」を返してくれました。
誰にも聞えないように小さな声で
「おやすみなさい」と呟いた私。
貴方は私らしくない言葉に戸惑いながらも
「ああ、おやすみ」
そう応えてくれました。

翌朝目を覚ました私は
いつもの様に「おはよう」と呟きました。
隣りでまだ眠っていた貴方は
少しだけ目を開き
寝ぼけた様子のままに
「おはよう」と
そう応えてくれました。

私を一番嫌っている貴方。
いつも怒ってばかりの貴方。

本当は心優しい貴方。

私はあの日からずっと
貴方の存在に救われています。
部屋で独り呟く
「おはよう」
「おやすみなさい」
虚しかったそれらの言葉を
あの日から貴方に送っているからです。

同じ空の下、眠る貴方。
同じ空の下、目覚める貴方。


「おはよう」


「おやすみ」


「ありがとう」




僕はいつも
君の喜ぶ言葉を探す。

ひねくれ者な君には
ありきたりな誉め言葉や
甘ったるい台詞なんて通じない。
君に疎まれてしまうだけ。

好きだ。
愛してる。
そんな言葉を君は嫌うから
本心だけど
伝えたいけど
口には出せない。
意味が無い。

君の喜ぶ言葉を探す。
いつも
いつも
君が笑顔になるように
ただただ隣で喋り続ける。
自分でも滑稽な程、饒舌に。

君は決して笑わない。
喜ばない。
いくら僕が言葉を紡いだとしても。
本当は無駄だって解ってるんだ。

それでも僕は言葉を捜す。
だって君は傍で聞いていてくれるから。
迷惑そうに俯いて
怒り出したりもするけれど。
本当は真面目で律儀な君。
結局最後まで隣で聞いていてくれる。

普段の君は他の誰かの事を思い
苛立ちや憤り
そして多分ほんの少しの寂しさを感じている。
その存在に縛られていて
僕の事を思う時間なんて少しも無い。
そう知っているから。
だから僕は君に会いに行き
言葉を探し、贈り続ける。
そうすれば君を
一瞬だけでも束縛できる。
君が一時
僕のものになる。

その一瞬の幸せを
僕はただひたすらに追い求めて
今日も君への言葉を探す。
僕の思いは一方的で
こんな努力も虚しいけれど。
努力をするのは得意だし。
何より君が好きだから。
また会いに行くよ。
君をほんの少しだけ独占しに。
そんな事を楽しみに。