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ある土曜の午後

目覚めたら とっくにお昼は過ぎてた
  少し後悔して 雨戸を開ければ
  あふれる光にくらむ
  昨晩の酔いが残ってる
  なみなみ注いだ水を 一息に飲む
  話したことの大半は記憶にないけど
  笑ってた ただ笑ってた

  「生きる」という意味
「愛する」という意味
  「死ぬ」という意味
  独りになった瞬間に また胸を揺らす
  答えを知るものなどいない
  もう下は向かない 昨日そう言った気がする


  晴れた日の深呼吸が気持ちいい
  雨の日の土の匂いが気持ちいい
  流れる雲を見送る
  誰かの言葉ひとつで上下する日々
  言葉の重さを噛みしめた
  役に立たない自分の歯がゆさを
  飲み込んだ ただ飲み込んだ

  「生きた」という証
「愛した」という証
  「死んだ」という証
  結局 どれにも終わりなどないのか
  漠然とした明日が来る
  ありがとうと言う 誰にでもなくなにげなく呟く


  生きていく 生きていく くじけそうだ
信じてる 信じてる その数だけ傷つきそうだ
  夢などない 意味などない
  わかってる わかってる 何もわかってない
  この道は正しいのだろうか
  わからないけど もう少しだけ歩いてみるか

あの子の父親が投げたボール
放物線を描いた
ああ、そうか、春が来たんだ。



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07/03/03
no.219

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