最初に、マリアナとは、どのあたりだか分かりますか?
観光地の「サイパン」「グアム」近辺です。
日本軍はマリアナを絶対国防圏とし、なにがなんでも守りきらねばならない土地である。
なぜかというと、ここをアメリカに奪われた場合、B29戦略爆撃機により、日本本土が空襲される
からである。
日本軍は、島の防備を固めると同時に空母などの艦隊を送り込む。
日本の空母は、500kg爆弾を飛行甲板に受けても耐えれる、最新鋭の装甲空母「大鳳」を
旗艦とし、提督の小沢治三郎中将が座乗。
この小沢中将は、アメリカ軍が、日本の優秀な提督の名をあげるとするならば、真っ先に出てくる人物。
他の空母としては、真珠湾攻撃など、歴戦を経験している「瑞鶴」「翔鶴」と、商船から改造した
「準鷹」「飛鷹」などがメインである。
大鳳の搭載出来る航空機は、53機、瑞鶴・翔鶴は84機、準鷹・飛鷹は57機。
大鳳は、装甲が厚いため、格納庫が狭く、あまり搭載できないのである。
提督の小沢中将の作戦は、日本の空母艦載機はアメリカよりも航続距離が長いため、
先制攻撃を仕掛け、その後、空母は退避させる基本でありながら先手必勝の作戦。
まず、日本機がアメリカ艦隊に攻撃を始める。
が、この頃の日本パイロットはベテランが相次いで戦死し、未熟パイロットばかり。
勿論、歴戦の勇者もいるが、数が圧倒的に少ない。
しかるに、それを差し引いても想像を絶する被害を「受ける!!」
アメリカは新鋭戦闘機の「グラマン F6F ヘルキャット戦闘機」が艦隊上空で待機
これは、通常考えられることではあるが、この戦闘機の前に
日本機はバッタバッタと打ち落とされる。
これが、名高い「マリアナの七面鳥撃ち」である。
勿論、日本も爆撃機の護衛に零戦52型がいる。つまりは名高いゼロ戦である。
この52型というのは、一般的に言われているのは21型であるが、
それを改良・改造し、性能を向上させたものである。
が、いかんとも、ゼロ戦自体が旧式化していたためと、未熟パイロットのため、
次から次へと撃墜される。
このアメリカ戦闘機から逃れると、次はアメリカ艦隊の対空砲火の出番である。
これが、またやっかいな最新対空砲なのである。
なにが、最新かというと、今までの対空砲は、高度○○mに到達したら、弾丸が破裂するように
なっていたのだが、この最新兵器
「VT信管」は、飛行機が発する磁気を感じて爆発するものだ。
少し説明を加えると、この対空砲火は、機銃(機関銃)ではなく、大砲?の一種の
「高角砲」 というものである。
これは、連射が効かない物で、機銃が届かない所にいる、飛行機を落すものであり、
また、砲弾を飛行機に当てるのではなく、弾丸の破片で飛行機を撃墜するものである。
この、対空砲でまた、かなりの数が撃墜され、残った日本攻撃隊は
敵艦の機銃、回避運動、爆弾、ならびに、魚雷を敵艦に当てるための操縦技術を
駆使し、敵艦に肉薄。
結果、戦果は、微々たる物で、実に失った飛行機は93%にもなる。
一方、日本空母のほうも被害を受けている。
それは、アメリカ軍の航空機による被害ではない。
なにかと言うと、潜水艦の攻撃である。
装甲空母の大鳳は、艦尾付近に魚雷を1発受ける。
勿論、こんなものでは、通常沈没などはしない。
だが、この大鳳は気密性を重視した作りになっており、魚雷を受けた影響で、艦内にガスが充満。
4時間後に引火し、大爆発を起こし、沈没。
なんとも あっけない最期である。
被害はこれだけに及ばず、空母 翔鶴まで及ぶ。
翔鶴もまた、大鳳とは違う潜水艦の攻撃を受け、魚雷4本で沈没。
翔鶴ほどの大型空母が たった4本の魚雷で沈むのも、なんとも不甲斐ないと感じる。
この後、アメリカ空母の攻撃が始まる。
だが、この時には、すでに攻撃圏外にいたのだが、ここで、日本艦隊を
撃滅しなくては、と考えがあり、攻撃は夕方、空母に戻って来るころは、夜間着陸となる。
もちろん、攻撃圏外のため、燃料切れもありうる。
この攻撃で、改造空母の飛鷹が爆弾1発、魚雷1本を受け沈没。
改造空母は、装甲が弱いため、実質魚雷1本で沈む。
大型艦の場合は、通常爆弾だけでは 沈みません。
が、浸水にたいして、防水扉などの装備が不十分だったのかもしれない。
こうして、日本軍は、なんら戦果を挙げることが出来ず、サイパン・グアムを奪い取られることになる。
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