所沢市立山口中学校屋内運動場改築工事監査報告
平成13年度
| 定期監査結果報告書 |
工事監査
(所沢市立山口中学校屋内運動場改築工事)
所沢市監査委員
所監第97号
平成14年2月5日
写
所 沢 市 長 斎 藤 博 様
所 沢 市 議 会 議 長 高 橋 大 樹 様
所沢市教育委員会委員長 新 藤 綾 子 様
所沢市監査委員 大 舘 則 夫
同 並 木 幸 雄
同 仲 村 清 功
同 大 舘 甚 平
定期監査結果について(報告)
地方自治法第199条第4項の規定に基づく定期監査を実施したので、同条第9項の規定により、その結果について報告書を提出します。
第1 監査の種類
地方自治法第199条第4項の規定による監査
第2 監査の対象
所沢市立山口中学校屋内運動場改築工事
第3 監査の期間
平成13年9月26日から平成14年1月31日まで
第4 監査の方法
工事監査の執行にあたっては、契約関係書類及び設計図書等の提出を求め、平成13年10月16日に関係者からの説明聴取及び現場を実査し、工事が適法に合理的、能率的に行われているかを財務事務及び技術面を通して監査した。
なお、技術的なことについては「社団法人日本技術士会」に工事技術調査を依頼し協力を得た。
第5 監査を実施した監査委員
大 舘 則 夫・並 木 幸 雄・仲 村 清 功・大 舘 甚 平
第6 監査の結果
監査の結果、関係書類は整備され、施工も設計図書に従って良好に実 施されており、おおむね適正と認められた。
なお、詳細は以下のとおりである。
1 建設全体計画
所沢市立山口中学校の旧屋内運動場は、昭和45年に建てられたも ので、築後30年が経過し生徒数の増加に伴って狭あいとなり、建物各部の老朽化も著しく進んでいる。屋外プールにおいても擁壁部分の上にあり、擁壁に亀裂等が生じ危険な状態であった。また、平成元年に学習指導要領が改訂され、体育教科に格技が取り入れられたこと等から、屋内運動場棟とは別に格技場と水泳プールを併せた柔剣道場棟を建設して、教育環境の整備拡充を図ったものである。
本件建物は、敷地の有効利用を図るということから、既存の屋内運動場と屋外水泳プールを解体した跡地に屋内運動場棟、柔剣道場と水泳プールを併せた複合施設を計画したもので、柔剣道場と水泳プールについては重層施設としている。用途地域が第一種低層住居専用地域と第二種中高層住居専用地域との両区域にまたがっており、地上2階の計画とされたものである。
本計画は、建築設計論的には所定の手続きを経て設計者を選択し「良質な環境の校舎すなわち安全な空間と環境を保持し、災害時にも対応できる学校という基本理念を目指して意欲的に計画された学校建築」となっており、所定の水準にあるものと判断します。また、「耐震安全性に関する新しい知見から多くの体育館棟で安全性が不足していること」が、明らかであり、さらに今日的要求(教育上のカリキュラムから格技場が必要)から築後30年を経過した既存建築がいわゆる陳腐化の現象を起し十分な機能を満たしていないことが認められている。今回の技術調査の結果、上記2つの事由から本工事は、時宣を得た事業であり妥当であると認められる。
(1)事業計画の妥当性
事業計画は妥当であり問題はなかった。しかしながら、「小・中学校の校舎の大規模改築を社会資本整備と位置付けますと、そこには計画が必要です。すなわち、年間の整備予算計画に基づいて整備の必要な校舎を順序だてて、校舎の耐用年数を決定しなければなりません。一般に、建物の耐用年数を推定することを耐久設計と言っております。従来、鉄筋コンクリートの建物は半永久的寿命とされておりましたが、建物が生活空間として機能していくためには老朽化の概念を取り入れる必要があります。建物はいろいろな部材・部品で構成されており、それらが一律に老朽化するわけではありません。また、これらの部材・部品は建物の環境によっても老朽化の度合いが違います。つまり、耐久設計の手法による計画が必要です。目標耐用年数を定め、例えば構造体やサッシュは60年、防水は20年、設備器具は10年など目標を定めて計画することが大切であります。本件の設計は単なる個別的な改築設計に終始して、建物の寿命を延ばすという基本的な考え方と手法が見受けられません。」との指摘があったので、今後は、各種設計手法について十分検討されたい。
(2)既存建築の不具合の事前調査
事前調査は行われているが、重要項目である既存建物の陳腐化の分析、対策の調査内容の整理が明確にされておらず、既存建物の評価が十分行われた事実がなかったので、今後、これらについても適切に対応されたい。
(3)立地条件、現場周囲等について
特に問題は見られなかった。しかし、児童・生徒に関する危機管理の一環として教育委員会は「文書で児童・生徒の安全確保に関する要望書」を施工者に示すことが必然的な手続きであり、今後、これら工事に対しては、適切に対応されたい。
2 設 計
建築工事の設計は、委託方式により行われている。設計基準・設計図書・構造設計は、建築基準法の定める方法により設計されていた。
3 積 算
積算は、国土交通省(旧建設省)建築工事積算基準並びに社団法人公共建築協会の積算基準に準拠しており、算出根拠は、適正と判断された。
4 入札・契約
(1)入札は、意向反映型指名競争入札によって行われており、工事規模及び工事内容から適正なものと判断した。なお、指名選定基準、評価基準の透明性の向上を図るため、内容の充実に向けさらに努力されたい。
(2)契約締結についての諸手続きは、適正に行われていた。
(3)工事の履行保証は、履行保証保険契約での対応がなされ金銭保証となっていた。また、設計者における設計瑕疵の対応は、建築家賠償責任保険に加入しており、適切な対応がとられていることが確認できた。
5 工事監理・指導
工事監理・指導は、重点管理の方法で外部の設計者に委託されていた。工事監理者は、監理業務計画書を明文化し提出していたが、この計画書に従って工事監理した結果が示されていないと思われる。実際に工事監理を行っている担当者は、現場代理人を指導できるような工事監理の実績があると判断できなかった。公共工事を監理する工事監理者は、明確な監理基準、監理方針を持って監理する必要がある。
「国土交通省においては、工事監理の重要性に照らして第三者工事監理へと転換してきており、設計者と工事監理者を独立させて、真に技術を持った工事監理者に委託し、専門技術者の集団を監理・指導する立場から、明確な監理方針や基準を示し、そして相当の報酬をうける工事監理者でなくては責任(建築士の責任)をとることができない。」との指摘があったので、今後、工事監理の委託にあたっては、十分検討されたい。
6 施工計画書
施工計画書及び要領書は整備されており、内容的に指摘すべき事項はなかった。
7 施工管理
施工管理上、必要な各種報告書・記録は、精査した結果、適正に処理されていた。また、現場管理については、安全対策等も含め適切に措置が講じられていた。
8 施工状況
建物の実査の結果、構造物の出来形・施工状態の不良等については、良好であると判断された。なお、残土等現場発生材、廃棄物等の処理は適切であった。
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所沢市立山口中学校屋内運動場改築工事
(1)工事場所
所沢市大字山口1345番地(2)設計・監理
株式会社 見沢工務所(3)請負業者及び進捗率(平成13年9月30日現在)
建築工事 56.0%
株式会社 新藤組
電気設備工事 40.0%
株式会社 橋本電工
機械設備工事 35.0%
株式会社 山口設備↑工事管理者から施工や安全管理等、日常の管理状況について説明聴取 (4) 工期
平成12年12月22日から平成14年2月28日まで(5) 工事内容
構造 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造
敷地面積 23,762.33u
建築面積 3,036.38u
延床面積 3,239.97u
用途地域 第一種低層住居専用地域↑工事が設計図書に従って適正に施工されているか、現場で実地調査
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