セレストロン Advanced-GT赤道儀について

 Advanced-GTは、米国の望遠鏡メーカーであるセレストロン社が製造する自動導入機能を備えた赤道儀です。日本ではタスコが総代理店となり各社から販売されています。日本市場ではビクセンやミードが人気でイマイチ感はありますが、中々どうして大したものです。
 ここでは、私の独断と偏見によるAdvanced-GTの特徴や使用感についてご紹介しましょう。

大きさ  三脚  水準器  重量  稼動音  コントローラ 初期設定

 PCとの接続  制御ソフト  極軸望遠鏡  モーターカバー  

バランスウェイト  鏡筒の取付け  電源

大きさ
今まで高橋製作所の"P-2Z"という小型赤道儀を使ってきた私にとっては、Advanced-GTはとにかくデカイです。ショップで見るよりも自宅の様な狭い空間では得にその大きさを実感します。
三脚
女房の足の様に”太い!”です。それに重い。しかし、その分安定性は抜群です。もちろん収縮も可能です。三脚を開いた状態でアクセサリプレートを付けるとしっかりと固定する事ができますが、外さないと畳む事ができません。
水準器
小さいですが丸い水準器が付いています。別途用意する必要がないので重宝します。
重量
重いです。ウェイトだけで5kg、赤道儀全体では20kg位ありそうで、私の”ガラスの腰”ではちょっと辛いです。
稼動音
近所迷惑の一言。追尾中は「動いてるの?」ってくらい静かですが、導入時の音は住宅地での使用では気が引けます。特に赤緯のモーター音が凄くて、とてもそのまま使う気にはなれませんので、モーターカバー内に静音材を入れる等で改善しています。
コントローラ
ハンドコントローラは米国人向けの為か日本人には大きめです。また、メッセージや星の名称は全て英語の為、英語が×の私にはちょっと辛いです。すばるや馬頭星雲なんて出てきません。そのまま使用する場合には、星座や星の英語名を覚える勉強が必要でしょう。
 初期設定
電源導入時に日時や緯度等の設定を行いますが、バックアップ電源が無いので電源を入れる度に日時だけは毎回設定し直す必要があります。
PCとの接続
PCとの接続はハンドコントローラとPCのCOMポートをシリアルケーブルで接続します。専用ケーブルを購入する事も可能ですが、簡単なケーブルですので私は節約の為に自作して使っています。
制御ソフト
標準添付の”Super Star W for Celestron"を使用します。これは”Super Star W"からセレストロンの架台のみ対応させた限定版で、PC画面に表示された星図から目的の星を選択するとハンドコントローラを使用せずに導入できる優れものです。また、ステラナビゲータより軽いので、それ程機能を要求せず簡単に導入したいのであればちょっと型落ちのノートPC等でもストレス無く十分利用できます。
極軸望遠鏡
極軸望遠鏡はオプションで、ビクセンの”GP極軸望遠鏡”を別途購入する必要があります。取り付け後の調整について「ビクセン赤道儀のマニュアルを参照して」と極望のマニュアルには書いてありますが、セレストロン赤道儀なので、当然そんなの書いてありません。自力で調べる必要がある様です。
モーターカバー
天頂部の星を導入する場合等、場所よっては赤緯を回転させるモーターを保護するカバーが赤道儀にあたり、動作不全を起こす場合があります。コントローラで導入の緊急停止をすることは可能ですが、遠隔操作で赤道儀の見えない箇所で操作させるには不安が残りますので、この辺りは改善してほしいものです。
バランスウェイト
標準では5kgのウェイトが付いていますが、何故か横に平べったいので気になります。ウェイト軸が2cmなのでビクセンのウェイトと交換できそうです。
鏡筒の取付け
アリ型仕様となっていますので、アリ溝のある鏡筒ならば簡単に交換が可能です。
電源
電池BOXはありませんのでそのままでは使用できません。シガーソケット用電源ケーブルは付属していますので、別途バッテリや家庭用電源で使用するのであればACアダプタを購入する必要があります。私は外部バッテリとして大自工業の”SG-1000”を使用しています。実際、赤道儀だけならこのバッテリで1昼夜位は余裕です。

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