消し具について


パステルの消し具は何でしょうと問えば、練り消し(練りゴムともいうのかな?)と答えるのは教科書的です。
もちろん練り消しも使いますが、ぶっちゃけて言えば消せれば何でもいいわけです。
パステルでの消しの特徴

消し具を紹介する前に、パステルで描いたものを消すってどういうことかを説明しましょう。
学校に通ってたときに、黒板に落書きなんかしてあそんだことありませんか?あのイメージです。
黒板にチョークで描いたものは、ホースでじゃーじゃー水でも流さない限り、チョークは完全には消えません。
黒板消しというものもありますが、
黒板についたチョークの粉を吸い取ってついている粉を少なくするだけです。しかも、黒板消しを移動させながら消すので、薄く粉が広がるんですね。
パステルの消し具の役割もそういうイメージです。

パステルでは「消す≒ぼかす=色を伸ばす」

パステルでぼかす道具は何かと問われたら、擦筆と答えるのも教科書的です 笑。
実際使ってみるとわかりますが、ごく軽く描いたところを擦筆でこすると大半の絵の具の粉は擦筆の繊維の中に入り込んでしまって、紙に絵の具がほとんど残らない、つまり描いたところが消えてしまうような状態になるんですね。指でぼかす時にも同様のことが言えて、指に粉が付着した分だけ絵の具は薄くなっているわけです。もちろん紙質と消し具のの相性の問題もあるでしょうけど。
つまり、パステルでは塗った量に応じてではありますが、消しながらぼかす、ぼかしながら消すということになります。

消し具の紹介(一例)
練り消し  これはマジ消しにかかるときには欠かせません。その場合ははじめに粉を付着させるようによく練りながら、横に動かさずに押し付ける感じで使います。そうとう薄くなったら少しゴシゴシします。それでも完全には消えません。逆に厚く塗り重ねたところで練り消しをすべらせると実になめらかなブレンディングができて面白いですよ。厚めに塗ったところのアバウトなぼかしもできます。 
擦筆  これは薄くて繊維質な紙を筆状に巻いてあるものです。本などでは剥いて新しいきれいな紙層を出して使うと書いてありますが、ペン先は芯の部分なのでいつまでたってもペン先はきれいになりません。鉛筆を削るようにナイフで削って使うのでは?と思いますが、紙製なのでそれもうまくいきません。したがってみっきはあまり使いません。
綿棒  擦筆の代用として便利です。使い捨てがききますからね^^ 細かい作業に向いています。ただし綿棒には軸というものがあって、使いすぎるとこの軸が紙の表面を傷つけてしまうので要注意です。
ティッシュペーパー  これも使い捨てがききます。広い面を薄く伸ばすのに向いています。きめ細かく色が伸びてくれるのが特徴です。ただかなり薄くなります。濃くきれいに伸ばしたいときには数回繰り返すといいです。
スポンジ  究極のお道具です。ちょっと使うの怖いですよ 笑。描いた絵を雰囲気だけを残しながらぶち壊しにしたい!塗りなおしたい!という衝動に駆られることはよくありますが、そういうときに向いています 爆。ただ究極のお道具ゆえ一種の賭けですね(;´▽`A  写真では台所などで使うスポンジが載っていますが、最近は100円ショップなどでも売っているメラミンスポンジというのを使ってます。きめが細かくていいですよ。
  なんと言っても一番便利でいろんな味のある「消し」「ぼかし」ができるのが指です。もちろん指先だけでなく、手のひらとか手のひらの側面とかも使ったりします。「消し具を使うの邪道だ、手だけで描くべし!」というパステル描きもいるくらいです。
他に、布を使ったり、脱脂綿を使ったりといろいろバリエーションがあります。特別な道具ではなくそのへんにあるものでよいというのがお手軽ですね^^



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