浅見光彦ミステリー

DVD−BOX T
平家伝説殺人事件
ゲスト:有森也美、河原さぶ
天城峠殺人事件
ゲスト:加納みゆき、鶴田忍
佐渡伝説殺人事件
ゲスト:鮎川いずみ、橋本功
美濃路殺人事件
ゲスト:岩崎良美、井川比佐志
DVD−BOX U
越後路殺人事件
ゲスト:黒木瞳、山谷初男
唐津佐用姫伝説殺人事件
ゲスト:遥くらら、北村総一郎
備後路殺人事件
ゲスト:丸山秀美、河原崎長一郎
琵琶湖周航殺人歌
ゲスト:伊藤つかさ、名古屋章
主な登場人物
浅見光彦(水谷豊)
 フリールポライター。
 父親は大蔵省の大臣で、兄は警察庁刑事局長というエリート一家の中で、旅行や歴史の記事などを書いている落ちこぼれながら、持ち前の好奇心で探偵能力を発揮し、事件を解決します。

 浅見光彦は水谷豊、と思っている私にしても、原作に出て来る顔立ちや背の高さなんかは、のちに原作者の要望で兄の役までもやった榎木孝明のほうがそれらしい、とは思うのではあるのですが。

 なんといっても水谷さんバージョンは、他の光彦よりも明るく飄々としていて、マザコンとまではいかなくてもどこかそんな雰囲気で、でも実は子離れしていない母親のことも気遣っているような、という三十路越えの男性が持つ可愛らしさが一番出ている、と思うのですけれども。

 可愛いんだけれどしっかりもしています、という、相反するものを持っている人、といえばいいんでしょうか。

 お兄さんへの憧れを抱きながらも、

 ちなみに浅見光彦は、原作の世界では常に33歳です。
 原作では北区に住んで(最初に知った時は、山の手ではないことが意外でした)いますが、ドラマでは世田谷区に住んでいます。

 その家はといえば兄の陽一郎が継いだもので、兄夫婦と子供、母の雪江、お手伝いさんと暮らしています。居候の身分で、しかもたいして稼ぎもないのに、車はソアラに乗っています。これ、格好良いけど物凄く高いです。トヨタの車。

 これをドラマに出すための予算を出すにあたっての話を、座談会でプロデューサさんがしていました。

浅見雪江(乙羽信子)
 高級官僚で浅見家の大黒柱でもある兄の陽一郎を常に大切にしていますが、その実、自立出来ていない光彦が可愛くて仕方ない、実は自立して欲しくないんじゃないか、といった感じです。

 乙羽さんの愛らしい顔立ちに浮かぶお茶目な表情が、息子の起こすゴタゴタはゴメンだというタテマエと、事件は面白いという本音とを、良く出していたんじゃないかと思います。
 
 ちなみに乙羽さんのお母さん役は、浅見シリーズ後の朝比奈周平シリーズでも続きます。

浅見陽一郎(高橋悦史)
 光彦とは違ってエリートの道を歩み続け、すでに家庭も築いている陽一郎ですが、危なっかしいけれども自由な弟を優しく見守るお兄さんです。

 高橋さんのお兄さんは、本当に大人の男性、という雰囲気で、弟を自由にさせておきながらも保護して挙げているような雰囲気。
 それでいてどこか自由な光彦に対して、憧れがなくもない感じです。
      

 内田康夫原作の大人気シリーズミステリー、浅見光彦シリーズのドラマ化第一弾は水谷豊、と思っていたのでしたが、詳しいサイトさんへ行ったところ、どうも単発ものでは先に数人の役者さんがやっていらっしゃるようです。

 しかしシリーズ化の第一弾で、たぶん浅見光彦が有名になったのは、このシリーズのおかげもあるのだと思います。
 全8本がTに4話、Uに4話で収められています。
 BOXはTとUに4話ずつ分けられていて、そのどちらにも4巻目に特典映像が収録されています。

  特典映像の内容は、主演の水谷豊、監督の吉川一義、日本テレビのプロデューサーだった赤司学文、長富忠裕の4氏による座談会です。
 Tに23分、Uに24分収録。Uには内田康夫からの手紙も出てきます。
 このシリーズをやる前の水谷さんは、ちょうど休業をしているところだったそうなのですが、そこにプロデューサーから、そろそろ仕事に戻ってこないか、二時間ドラマをやろう、という話が来た、という話や、様々なエピソードが語られます。

 ちなみに、すでに各局が浅見光彦をやっていますが、これは2005年の秋に終了した、日本テレビの『火曜サスペンス劇場』でやっていたものです。

 浅見光彦、私は原作よりも先に、水谷さんのドラマを見ましたから、原作を読む時に頭に浮かぶのも、水谷さんの光彦です。
 こういう人はわりかし多いようですし、私の友人など、水谷さんが光彦でなくなってからはドラマ版は見なくなったというし(私はもうちょっとゆるくて、違う人バージョンもたまに見ますが)、特典映像の座談会でも、浅見=水谷豊のイメージの人が多いという話が、原作者からの手紙にも出てきます。
 
 友人にしても私にしても、浅見光彦といえば水谷豊、と思うほどだというのに(まあ人それぞれですけれど)、実は他の光彦シリーズに比べて、特別にたくさん作品があるわけではありません。むしろ8本は、辰巳版や榎木版に比べて少ないのですけれども、一般に有名な、光彦が履く筈のないエナメル靴を履いていた(実際には履いておらず、音声さんが間違えて付けた音のせいだったそうですが)ことで内田康夫が抗議し打ち切り、というのとは違う話が、特典の中で語られ、映像も出てきます。

 が、どっちにしろ抗議があったことは事実だそうですし、それで打ち切りになって朝比奈周平シリーズが作られたのだ、という話もあるようです。ちなみに同じ『火曜サスペンス劇場』枠。どうも原作者も、似たようなことを書いているようで、この辺りの真相は私には分かりません。