鍼灸学校の受験を考えてる方に。。。

実際3年やってみて、思った事を書いてみよう。 

鍼灸業界を考えている諸君。よく読んでよく考えて下さい。 

まず、本科と専科がある事を知ろう。 
本科とは、はり師・きゅう師と按摩マッサージ指圧師の3つのライセンスが取れる科の事。 
対し、専科は、はり師・きゅう師のみである。 
実際、無免許マッサージ店が乱立している事を考えれば、按摩マッサージ指圧師の免許は 
魅力が薄いように感じるかもしれないが、デイケアサービスの需要が高まる中、保険請求の出来る 
有資格者の方が有利だ。求人も多い。魅力は無限大だ。 

じゃぁ、鍼灸だけじゃダメか?? 
かといって鍼灸だけではダメかと言えばそんな事もない。 
多くの、鍼灸師は、鍼灸のライセンスだけで飯を食っている。 
学校の多さに差があるのだ。 
鍼灸学校は、新設校の乱立で増えているけど、本科は国の対策で学校申請をしても 
許可が下りないのだ。これは、視覚障害者の職業保護を目的としている。 
(だから、無免許マッサージは問題なのだ!) 

資格試験合格率のカラクリ 

さて、学校の選考基準に過去の国家資格試験の合格率が学校のレベルの参考値となろう。 
しかし、この数字鵜呑みにするのは危険である。 
つまり、脱落者がいる。という事だ。 
僕のクラスで1年から数えて約10人脱落している。 
さらに、国家試験直前で一人脱落している。 
他の学校の話を聞くとどこでも大体同じようなからくりがある。 
つまり、こういうことだ。 
国家試験を受ける為には、卒業又は卒業見込みが必要となる。 
でどこの学校も卒業見込みを出す為の試験を行う。 
ここで結果を出さないと国家試験の願書が出せないのだ。 
つまり、学校は国家試験に受かる見込みの生徒を合格率の分母として送り込むのだ。 
もちろん、学校も悪魔ではないから、受かるか落ちるかは運しだい位の生徒も送る。 
が、しかし、受かりそうも無い生徒は受検させないのだ。 
この辺は、注意してみないと失敗するので、要注意。 
説明会で思い切って「受験者数」ではなく、「3年生の人数」を分母にして、合格率をだせ!とぶつけるのも可。 

似た商売 

では、一般の人に同列に扱われる職種として 
「カイロ」「整体」などがある。 
これらは、国家資格ではない。 
極論を言えば、医学的知識なしで独自理論で「患者」を相手にしている商売である。 
(もちろんかなり勉強している方も多い。法整備がないからど素人が整体師を名乗り商売を始めても問題ない) 
これがなぜ許されるかと言えば、憲法の「職業選択の自由」や患者の「選ぶ権利」などがある。 
過去に裁判になった事があるが、人体に危害がなければ「職業選択の自由」の範囲との 
判決が出た事があるのだ。と言っても大正時代の判決だけど、いまだ効果があるようだ。 
つまり、OKなんです。 
だから、この手の商売を始めたい方は、ガンガンやるべき! 
ただし、最近は数が増えてきていて、行政も目をつぶっていられなくなっているのも事実。 
国会でも、何回か議題になっているようです。 
あまり派手に稼いでいる所は、「按摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師に関する法律」 
によって逮捕されている。 
罰則は50万円以下の罰金である。いっぱい稼げばはした金程度だ。 

じゃぁ、国家資格は要らないか?となるが、 
僕は要らないんじゃない??とも思う。 
なぜなら、免許があると制限が多い。 
広告規制があって、経歴や得意な疾患を宣伝してはいけない事になっている。 
徐々に緩和の方向にあるが、規制されている事には変わりない。 
免許がないとなんでもOK。 
曲がった背骨を真っ直ぐにとか、肩こり腰痛取り除きます。とかOK。免許があるとNG。 
罰金は30万円。 
僕は、はりきゅうに興味があったので免許の道を選んだけど、そっちに興味があれば無理にはりきゅうの免許は要ら 
いと思う。 
授業料も高いし、時間もかかるし良いことあんまりない様な気もする。。。 
はりきゅうは人体に危害を与える可能性が高いから無免許は捕まりますよ。 
ホントは整体カイロやマッサージもちゃんとした知識がないと危ないんですけどね。。。 
その考えを逆手にして、鍼灸の免許と他の手技療法でやるのも手である。 

さて、入試対策 
ぶっちゃけ、今は専科はたいした苦労なく入れそうです。 
なぜなら、新設校が乱立しているからです。 
需要より、供給の方が多いくらいなのです。 
国家試験の合格率高い昔からの名門校でさえ人数が集まらないと聞きます。 
しかし、医療系なので、あまりに見た目にアホそうな方は弾かれます。 
面接は清潔を心がけましょう。 
入試科目を調べて、早めに対策を考えましょう。 
国語と生物を科目にしている所が多いようです。 
僕は、簡単な問題集を買ってやってました。 
なんと、小学5年生の漢字ドリルからはじめ、6年の漢字ドリル、4字熟語の問題集。 
漢字検定4級と3級。高校の現代文の問題集をやりました。 
生物は、大学入試用の参考書と看護学校用の問題集をやりました。 
本科は倍率が高い為、専科以上の対策が必要と思われます。 
両方に共通していると思われるのは、面接です。 
清潔は当たり前です。 
それと、今から新聞等の医療などに関する事は読みましょう。 
テレビ欄しか見ない人は論外です。 
それと、学校の説明会は必ず行きましょう!! 

学校選び 
大雑把に。 
 国家試験対策重視校。  
 実技臨床重視校。  
 東洋医学重視校  
 現代医学重視校  
 金儲け重視校(笑)  
があります。 
最後はギャグだけど、東洋医学を学びたくて鍼灸学校に来たが、たいしてやらなかった。 
と言う事は、あるそうです。 
この辺はちゃんと聞いた方が良いでしょう。 
鍼灸イコール東洋医学ではないでんですよ。 
東洋医学にも、日本式の東洋医学のところと、中医学をやるところがあるようです。 
僕の学校は中医学でした。同じようで違うので注意が必要です。 
ちなみに世界の流れは中医学のようです。 
(日本は鍼灸後進国です。) 
先生もポイント 
専任教員とゲストの先生がいます。 
僕の学校の場合、鍼灸師の科目は選任の教員が教壇に立ちます。 
医学らしい科目。例えば、解剖学、生理学、病理学、臨床医学各論(病気の話)は、 
ドクターの資格を有するどっかの大学の教授、助教授をお招きしています。 
さらに、臨床的な実技の時間は、開業している先生を招いて実戦的なお話を聞けます。 
もちろん、それが良いとは言いません。 
ただ、どういう先生が教えてくれるかは結構重要です。 
こればっかりは受けてみないと分かりませんがね?? 
専任だけで責任を持ってやるところもあるようです。 
でも、実技だけは、自身で開業しているような、飯を食える人にやってもらいたですね。 
教科書通りに行かない事とかもこっそり教えてくれます。 
医学博士に騙されるな!! 
医学博士と聞くと、もの凄い人がなれるものと思っている人も多いでしょう。 
しかし、そうでもないらしいのです。 
基礎研究でなれるそうで、他の博士より取りやすいらしいです。 
先生が医学博士というのはあまり気にしなくて良いと思います。 

勉強しよう! 
入った後は、ひたすら勉強。  
しかも難しい。  
一応医学ですから、一通り体と病気の事を勉強します。  
医学部生や医者が読むような本を時として教科書とは別に買い揃えないといけません。  
僕でさえ、難しい医学書を何冊かあります。  
その上、東洋医学も勉強しますから、鍼灸師は西洋・東洋共にそこそこ深い知識が必要です。  
そんな訳で、結構大変です。 
はりきゅう師にこんな知識いるのかよ!!と思うような事も習いますよ。  
が、しかし、最後の数ヶ月で国家試験合格までもって行けます。 
最後に大変な思いをしますが、やれなくは無いです。 

最後に・・・ 
学校の乱立もあって、世の中ではりきゅう師は過剰な人数です。 
他の医師を含めた医療ライセンスのなかで爆発的に増えてます。 
この中で仕事を見つけるのも、生き残るのもかなり厳しいと感じています。 
悪い事は言わないので、僕はよほどの高い志が無い限りやめる事をお勧めします。 
500万払って、免許取ってそれで商売が出来ないんじゃアホらしいです。 
でも、鍼灸の可能性が広がっているのも事実で、スポーツトレーナーなど、新たな分野も増えています。 
法整備が進めば、もう少し幅が出る可能性もあります(期待しない方がいいと思うけど。。) 
免許取って終わりでは無い世界ですから、取ってからの方が勉強する事は多いのでしょう。 
鍼灸師である以上、勉強し続けなくてはならないのです。。。 

参考までに
社団法人 東洋療法学校協会

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