「超必殺技のすすめ」

「……」
「……ちょ……」
「……」
「何でさっきからだんまりなのよ。先に進まないでしょうが」
ゆっくりと、促すツインテールの少女を見た少女……御月七色。
「御月七色、まともに始めなさいよっ」
「……皆さん、こんにちは。御月七色です。日頃は、『floating pallet』をご愛顧いただき、ありがとうございます」
七色は、ゆっくりとお辞儀をした。
「今回は、突発版SSということで、お楽しみいただければ、幸いです」
「この倉嶋財閥が才嬢、倉嶋綺亜も、わざわざ出向いてあげたのよ。感謝することね」
あまり膨らみのない胸を強調するような、そんな腕組をしながら言ったのは、倉嶋財閥の一人娘、倉嶋綺亜だった。
「……べ、べつに御月七色だけだと、司会進行大変だろうな……とか、そんな心配して出向いた訳じゃないんだからね!」
「見事に、テンプレートな台詞ですね、綺亜お姉ちゃん」
ちょこんと座っていた少女は、綺亜に、にっこりと笑いかけた。
「む……秋乃こおり。アンタまで、いた訳?」
「出席すれば、バームクーヘンが振舞われると聞いたので」
ほわほわと微笑んだこおりは、続けて、
「はい。こおりだけじゃないですよ。何と、ボスである尽き詠みの巫女さんまで、来てくれているのです!」
「……見せてもらいましょうか、フロパの座談会の性能とやらを」
桜色の髪の少女は、一拍置いた後に、そう言い放った。
「のっけの挨拶から、大佐調!?」
「今日は、日頃の感謝を込めまして、超必殺技の解説などをしたいと思います。コーナー名は、『あの技を小説風に語ってみよう』です」
「どの辺りに、日頃の感謝が込められているのか、良くわからないけれど、まあ良いわ」
「それで、超必殺技って言っても、登場キャラも結構いるし、どれをピックアップするつもりなの」
「読者アンケートの結果を尊重して、第一位を採り上げたいと思います」
「……読者アンケートなんて、なかった気がするけれど、まあ良いわ」
「わくわく」
「見せてもらいましょうか、超必殺技の解説とやらを」
「……アンタはアンタで、それでしか、振れない訳?」
「見せてもらいましょうか、、『あの技を小説風に語ってみよう』のコーナーの解説とやらを」
「……少し言い換えただけ!」
「すべらなければ、どうということはない」
「いや、思い切りすべってるでしょ……」
「とにかく、解説を始めたいと思います」






一糸纏わぬ少女は、独り、無慈悲な蹂躙を繰り返し受け入れていた。
「ん……はぁ……ちゅぱ……」
少女を支配している者もまた少女だった。
「秋乃こおり、と言いましたか。天地星霜の担い手と聞いて、少しは期待しましたが、所詮はこの程度でしたか」
「……は……ぅ」
「……最早、完全に蕩けてしまったようですね。私の方も、それなりに堪能できました」
無機質に、語りかける声に、
「……あ……」
返事はなかった。
「あず……姉……ぁ……ふ……」
髪に美しい花をさしている少女は、こおりのささやかな2つの膨らみに、そっと手を添えた。
「少し名残惜しいですが、ここまでです。そろそろ、貴女の全て、奪いつくしてあげましょう……」
覆い被さるような格好で、唇を塞がれている少女の目は、半ば虚ろだった。
だらしなく開かれてしまった口腔では、挿し込まれた柔らかな舌が、優しく掻き回すように、こおりの幼い歯と舌とに触れていた。
ちゅくちゅくとみだらな、混ざり合った唾液が、少女の喉に進められていく。
「ん……っん……こく……」
「さあ、最後の輝きを……ん……はぁ……私にみせて下さい」
「……ん」
左指を下腹部方向に少し動かすと、ぴくんとこおりが震えた。
「こちらの方も、私の味をしっかり覚えてくれた様で、ひくひくと鳴いています」
「……あ」
巫女は、自身の小丘を、こおりのそれにあてがった。
ちゅ
「んん……」
肉と肉とが、じっとりと触れ合う。
「わかりますか?私の精気と貴女の精気の、この高鳴る繋がりが」
「……ぁ……」
火照ったこおりの顔が、今まで以上に朱に染まって、触れている体温から、その緊張が巫女に直に伝わってくる。
くちゅ
「……ん……熱い、ですね……」
恥じらいの水音の中、巫女は、青く輝く繋がりを、こおり自身の中へ、ゆっくりと挿し進めた。
「ん……あっ……ふぅ……ん……っ」
酸素を求めるように、こおりの呼吸が荒くなる。
「んっ」
ゆっくりゆっくりと埋没させていく。
「はぁ……んぁっ!」
くちゅり
「全部、入りました……」
「……ふ……ぁ」
ぱくぱくと酸素を求める、こおりの口。
「苦しいですか?……苦しいでしょう。でも、その苦しみでさえ最早、今の貴女には快感をもたらす劇薬……」
「……ぁ……」
2人の白い肌には、じっとりと汗が浮かぶ。
「……感じなさい」
ちゅく
「……っ!」
ずっ ずっ
奥の小部屋をノックするように、前後させた。
「……んぁっ……ぁっ……あっ……あっ」





「……以上、『あの技を小説風に語ってみよう』のコーナーでした」
ばんっ!!
「な、何なんですか、これは!?こ、こおりが何かもの凄く大変なことになってしまっています!却下です、却下願います!」
こおりは、ばんっと机を激しく打った。
「セイクリッド・インストール反対!」
ばばんっ!!
追い打ちをかけるように、再び激しい打撃音。
「は、ハレンチだわ!」
綺亜も、顔を真っ赤にして、抗議していた。
「何を今更」
ルトワは、さらりと受け流す。
「はっきり言わせてもらうわ!健全な少年少女には相応しくない!」
当の巫女、ルトワは、どこ吹く風といった調子で、
「……私は、別に構いませんが」
「か、構います、構わなきゃ駄目なとこです!尽き詠みの巫女さんには、恥じらいが足りないですっ」
金髪ツインテールの少女、倉嶋綺亜も、うんうんと頷いた。
「そもそも、普段からの格好だって……って、今日は、服が違うわ!?」
「はい」
「はっ!?こおりも、たった今気付きましたが、何か、普通の服を着てます。あの破廉恥極まりない格好じゃないです!」
ルトワは、学生服を着ていて、髪も片方を縛っていて、趣きが違っていた。
「はい」
「髪型も違うわ!?」
綺亜も、驚きを隠せない様だった。
「天宮殿から、こちらに降りてくるのに、いつもの恰好では、流石に目立ちますので。名前も、永遠、になります」
「っていうか、良く服なんて……」
「従者に用意させました」
「従者なんていたんだ!」
「裏設定ですが。もう1つ、私自身にも『とてつもなく不器用で、食事は全て従者任せ。身の回りのことも、従者任せ』という設定もあります」
「実は、とんだ駄巫女!?」
「ちなみに、何だか、オープン○ートな感じです」
「?どういう意味よ?」
「何だか、心の錠も外せそうな勢いです」
「?だから、何を言ってるのよ?」
「私にも、わかりません」
割って入るように、七色は、
「実は、本来なら、もう一枚挿絵が入る予定でした」
綺亜の方も少しは気を取り直した様子だったが、まだ疑るような視線のままだった。
「……もう一つ、必殺技を紹介するってこと?」
七色は、そっと頷いた。
「こおりは、恰好良い技を所望します!」
「……多分、皆さんの期待を裏切らない内容かと、思います。ある意味、予想外です」
「……破滅バタフライとかも、お断りよ?」
「いえ。セイクリッド・インストール(倉嶋綺亜喰らいバージョン)です」
「!?まさかの倍プッシュ!?」
「これが、若さか……秋乃こおりも幼さ味溢れていて、堪能できましたが、倉嶋綺亜の味は、今でも忘れられません」
「ちょっと!何で、私まで、インストールされちゃってることになっている訳!?」
「でも、インストールは確かにしましたので。秋乃こおりに比べると、挿し込んだ後の感覚がふわりとしていて、何とも心地よくて……」
「はわわわ……実は、こおりより先に綺亜お姉ちゃんが、慰みものに……」
「な、なぐさみとか……子供が、変な言葉使うんじゃにゃい!」
「……語尾がおかしいですよ、綺亜さん」
「もう一度、繋がってみたいものです」
と、遠い方を見る眼差しのルトワ。
「違う違う!それは、妄想だから!勝手に、事後になってるから!そもそも、接触すらしてないのにっ」





「……ふふ、やはりここは、この町村麻知子のバタフライをピックアップするしかないよう……」
がしゃーん!
「へぶぁっ!!」
突如現れた謎の人影は、錯乱した座談会で舞った花瓶の犠牲になっただけだった……