BACK ♦♦ヨハンシュトラウスとコウノトリ♦♦
  オーストリアの面積は約8.4万平方キロメートル(北海道とほぼ同じ)で,人口は約823万人で中欧の中では小さな国である。かっては広大なハプスブルク帝国を中心として繁栄し、ウィーンに集まった天才には、ハイドン、モーツァルト、べートベンなどが活躍し、偉大な文化的な中心となっていた。オーストリアの最初の世界遺産は日本の初めての登録(1993年)より遅れること3年、1996年に「シェーンブル宮殿と庭園」、「ザルツブルクの歴史地区」の2件が初めて登録となり、現在、全部で8件の文化遺産の登録がある。
  ハンガリーの面積は約9.3万平方キロメートル(日本の約1/4)で、人口は約1004万人である。現在、世界遺産は7件ですべて文化遺産である。今回訪れたフェルテー(ノイジードル)湖は自然遺産と思いきや、文化的景観とやらで、文化遺産で登録されている。
世界遺産 ウィーンの歴史地区 
(オーストリア) 文化遺産/2001登録

 2009/4月撮影
 ヨハン・シュトラウス2世像(1825~1899)
ワルツの父と呼ばれ、「美しく青きドナウ」、「皇帝円舞曲」、「こうもり」をはじめ、ワルツやボルカなど約300曲を作曲

   ウィーンを訪れたのは今回が2回目である。ドナウ川支流とウィーン川の両岸にある広大なウィーンの市立公園には音楽家の像がシューベルト、ベートーベン、シュトラウスなど6名、これに画家であるハンス・マカルトを加えると7人の像がある。
  ヨハン・シュトラウス像は金メッキになっている。前に来た時に見たのと同じものか確認ができなかった。帰国してワイフが20年前のアルバムから写真を捜し出し、同じヨハン・シュトラウス像と判明した。
(ガイドの説明によれば、ウィーンと姉妹都市提携にある関西地区のある市の寄付で金メッキ像に変身させたという。高価な金メッキもバブル期の仕業であったのであろうか? 
★写真の右が約20年前(1988年)の8月に見た ヨハン・シュトラウス2世像≪黒色であった≫
 
  ウィーンから約70キロの距離、バスで約1時間半で人口約1700人が住む小さな町≪ルスト≫に降りた。すると町中がカタカタ、カタカタと賑やかな音がしているではないか。屋根の上を見上げると、コウノトリが巣作りの最中で、ペアーになりくちばしで、お互いに忙しく巣作りに専念している姿があちこちに。大きな翼を広げて舞い降りては、低空で飛び立つ鳥もいる。町の人々とコウノトリが一体となって生活を楽しんでいる光景だ。一度はこんな町にゆったりと滞在したいものである。
  町の人に聞いてみると、巣は鉄で円形の土台を作ってやったり、夏には屋上にのぼり巣から糞を除去したりして保護活動をやっているという。コウノトリは街の人々の暖かい心に包まれて、はじめて共存出来るのであろうか。
≪コウノトリ≫ 全長約110~115cm,翼開長160~200cm、体重4~6㎏にもなる非常に大型の水鳥である。羽色は白と金属光沢のある黒、クチバシは黒味がかった濃い褐色。脚は赤く、目の周囲にも赤いアイリングがある。

●世界遺産 フェルテー(ノイジードル)湖の文化的景観(ハンガリー)文化遺産/2001登録   2009/4月撮影
  ノイジードル湖はオーストリアとハンガリーにまたがり、湖の表面積は315k㎡で水深は深いところで1.8mしかない。
湖のほとんどはヨシに囲まれており、このことが野生生物に格好の住処を提供しており、とりわけ渡り鳥にとっては大切な生殖地となっている。
写真左:湖上に点在する別荘である。
写真右:ブシュが生い茂る湖