馬コラムへようこそ。
 左の写真は、春、鶴居村での山菜採りのひとコマです。『民宿・丹頂の家』の親父さんのコゴミの穴場からの帰り。獲物を鞍にくくり付け、愛馬のどさんこの雪(先頭の馬)と悦寿(頭が見えている茶色の馬)を連ねて雪裡川沿いをポッカポッカ移動中。
 北海道では、まだまだ、馬に自由に乗れる場所が沢山あります。道東の釧路は馬産が盛んで、高度経済成長期に動力が牛馬からエンジン付きトラクターに変わるまで、沢山の馬を生産してきました。そんな土地柄、馬の居ない暮らしに寂しさを感じ、ペット代わりとして、ドサンコを飼っている所がまだまだあります(もちろん、馬の生産農家もまだまだあります)。
 春先(北海道なので、5月中頃)は、左の写真のコゴミが採れます。炒め物良し、てんぷら良し、民宿タンチョウの家でも、春には、食卓に並びます。5月のシーズンに馬好き2人を背に、馬も新鮮な草を楽しみに、ポッカポッカ進みます。目的地で、馬を木に繋ぎ、我々は、山菜をget!馬達は、心行くまで、新鮮な草を食みます。帰りは、タラの高いところの芽を馬の背からget!馬が居ないと入れこめないやぶも、馬となら楽勝で入り込めます。こんな山菜取りが可能なのも、道東ならではです。(04年秋に雪が、05年6月に悦寿が相次いで亡くなりました。謹んでご冥福をお祈りします)
『なんだか、楽しそうだな、でも、馬なんか乗れないよな』と思いのあなたへ
 馬に乗るのは、たいして難しくも、むちゃくちゃ筋力が必要でもありません。何しろ、自転車の様に、自らバランスを取る必要が無い。相手(馬)がバランス取って立っていてくれます。
 乗馬は何歳でも始められるスポーツです。オリンピックでも、金メダル取るのは、20歳代という、他のスポーツとは一線を隔し、40代〜60代の人が表彰台に登るのも珍しくありません。
 そして、生き物と協調して行う唯一のスポーツです。馬は従順で記憶力の良い生き物です。彼らに跨り、指示を与え、それに従ってくれるという、人馬一体の感覚は他のスポーツでは味わえません。 
では、どこで、体験できるのでしょうか?
 一般的には、乗馬クラブでは、体験コースが用意されています。これに乗るのが安全でしょう。なにしろ、クラブで一番従順で大人しい馬に、ベテランインストラクターが付きます。もっとも、体験の後、勧誘がある場合が殆どなので、体験だけで終えるのは、ちょっとしんどいかも。
 次にJRAや地方競馬場でも、体験乗馬や乗馬教室が開催されています。ご近所の方は、掲示板やHPをチェックして見てください。
 
 最近、観光地で、体験乗馬が出来る所が増えて居ます。もっとも、安全確保のため、引馬(インストラクターが手綱を持っている)で、周回するケースが多い。野外で馬に乗る、外乗出来る場合には、どのような馬が与えられるか、よく確認してください。基本的に馬は従順ですが、大変臆病です。野外で何かの音に驚き、バッと走る事も、横に飛ぶこともあります。十分な訓練を受けた馬と、ベテランインストラクターが付いてくれる所が安心して乗馬を楽しめます(写真は、下のどさんこ牧場でのトレッキングの様子)。
 管理人がお勧めするのは、鶴居村のどさんこ牧場です。ここの馬は、従順なドサンコの上、十分な調教を受け、かつ、ベテランインストラクターによるガイドが付きますので、安心して、乗馬することが出来ます。さらに、ここでは、まったくの初心者でも、釧路湿原の奥地までのトレッキングに出られる!ゆったりと馬の背に揺られて進む森の中や湿原の深部は、馬で無いと行けない場所でもあります。そんな所で食べるお弁当も格別です。
(写真は、釧路湿原の深部、キラコタン岬からの眺め。目的地は、国立公園の特別保護区なので馬も入れない。1km程、下馬して歩きます。)
乗馬と健康
 さて、乗馬は、どなたでも始められ、筋力が必要ないと言いましたが、実は、乗馬することで、筋力が付きます。しかも、馬の上で、バランスを取る為に自然に付いてくれるのがうれしい。筋肉が付く場所は主に、腹筋と背筋です。ですから、乗馬を始めると姿勢が良くなり、腰痛が解消します。さらに、姿勢が矯正され、猫背も治ります。その他、大腿筋も鍛えられ股関節が柔軟になる事で、動作が機敏になり、転倒防止にもなります。また、普段使わない様なその他の筋肉も使用しているので、全体的に、基礎代謝が上がると共に、水泳やエアロビクスと同じような有酸素運動なので、ダイエットにももってこいなのです。更に、脳の神経を刺激し、脳の老化防止にも効果があります。以上の様な効果の為、乗馬は、無理なく出来る健康増進にもってこいの運動でもあるのです。
 また、馬には、ストレスや孤独感をからくる心の疲れを癒す効果があります。あの人懐っこい目、手に伝わる温もり。馬と信頼関係を確立して仲良くなれば、擦り寄って来ます。何とも可愛いではありませんか。
馬と個性
 馬にも個性があります。真面目なやつ、怠け癖のあるやつ、臆病者、のんびり屋etc。馬が機械でない以上、それぞれの個性があり、好き嫌いもあります。その個性に合わせて、馬に乗り手の指示に従ってもらい、いや、乗り手のヘマをもリカバリーしてくれた時に感じる、人馬一体に成れた時(なら無いと悔しい)の感動。これが続けられる理由かも知れません。
馬と仲良くなるには
 馬は、大変臆病です。肉食獣と戦う角も牙もするどい爪も丈夫な皮膚もありません。唯一の武器は、よく聞こえる耳と、俊足の駆歩です。そんな、馬のご先祖様の特性を今も受け継いでいます。そのため、目の前の急な動きや聞きなれない音に敏感に反応してしまいます。決して、悪気はありません。怖いから、逃げたいだけだし、蹴りも必死だから蹴り出すだけです。だから、馬に近づくには、緩やかな動作と静かな『ほー、ほー』という掛け声を掛け(あなたに近づくんだよと合図し)ながら、近づきましょう。そうすれば、馬も安心してくれます。ここで、耳に注目します。耳を後ろにぎゅーと倒さなければ、それほど警戒していません。ぎゅーと倒すなら、馬はかなり警戒していますから、近づいてはなりません。
馬が警戒していないなら、触れる程近づいてもok。次に、手の甲を馬に見せながら、『あなたの敵ではないよ。仲良くしよう』手を近づけます。そうすれば、馬は、においを確認して、『こいつは敵ではないな』と認識します。そうすれば、触っても大丈夫!子馬が近くに居る時は、くれぐれも慎重に耳を確認してください。(左上と左の写真は、どさんこ牧場でのスナップ。実は、ここでは、子馬もトレッキングに付いて来る場合もあります。詳しくは、牧場まで問い合わせください)。

このコーナーは、管理人の馬体験を元に、気軽な息抜きコーナーです。

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