チューリップ 1  1997.1.14

イラストで描かれるチューリップの葉は2枚が多いが、実際は3枚である

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チューリップ Tulip

ユリ科の春咲きの代表的な球根植物。チューリップは中央アジアおよび中東地域が原産で、数千種が庭園の花としてひろく栽培されている。

花茎はまっすぐにのび、葉脈の平行した幅広の長い葉をもち、茎の先端にカップ形の花を1個だけつける。花は単色だが、色はさまざま。変わり花チューリップとよばれるものは、アブラムシによって感染するウイルス性の病気のために色がまだらになっている。

庭植えチューリップは16世紀にコンスタンティノープル(現イスタンブール)からヨーロッパにつたわり、たちまち高い人気をえた。
花への関心が高まり、とくにオランダでは1634〜37年にかけてチューリップマニアとよばれる大流行があった。チューリップへの投機がつづき、たった1つの球根に巨額の金が投じられた。大勢の人々が破産したのち、政府が取り引きを規制したため危機はおさまった。

チューリップの栽培はオランダの重要な産業で、球根は今でもオランダの主要輸出品目である。アメリカ合衆国ではミシガン州とワシントン州で商業的栽培がおこなわれている。

過度の交配により、庭植えチューリップの原種を追求するのはきわめてむずかしい。ダーウィンという品種は、長い丈夫な茎と、深い色合いの花をもつ遅咲きチューリップである。パロットも遅咲き品種で、花弁の先端にひだがはいっている。早咲きのダックバンは草丈が15cm以上になることはめったにない。

日本へは文久年間(1861〜64)にはいったが、本格的な量産がはじまったのは大正末期、新潟県中蒲原郡小合村(→ 新津市)でオランダから球根を輸入し、栽培をはじめてからである。やがて新潟県下にひろまり、ついで富山県の砺波平野(→ 砺波市)にもひろまって、日本のチューリップ産業の中心となった。

分類:ユリ科チューリップ属。チューリップの学名はTulipa gesneriana。

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