19号 |
2002年4月発行 |
***神奈川フェスティバル盛況(相川氏熱演)***
3月31日神奈川ギターフェスティバルが行われた。場所は川崎・元住吉の国際交流センター。昼から夜まで6時間あまりに渡って独奏から重奏、合奏まで入り混じっての演奏交流会、さらに昨年度のオーディションに合格した3名の晴れ舞台での演奏も含まれて盛りだくさんだ。勿論YGEも出場しビバルディの3−11を演奏し、ソロ3名の実力と力のこもった力演をバックがサポートし、まとまりのある演奏で拍手喝采。そして相川直樹の演奏は特別枠の時間を与えられての演奏。まずはラウロの“ワルツ・弟3番”のかろやかなワルツ、アルベニス“カディス”、もう得意の作曲家であるディアンスの“タンゴ・アン・スカイ”と“フィコーサ”
。“タンゴ〜”はオーディションに合格した時の自由曲でもありまことに堂に入った演奏、彼の今までの曲の中で最も彼と相性がよいのではないかと思える曲、もうひとつは今回のために特別に選曲した特殊技巧の入った派手な曲だが、彼の性格とも合っていた。どの曲も熱のこもった、聴いている観客をあきさせない演奏だった。
他にも東京ギターアンサンブルMがトップバッターで、話題のベンジャミン・ヴァードリーの“エリス島”を演奏、ゴンササの菊池一二がウクレレの音の魅力を披露、終盤には高木裕二氏がフルートとのデュオで素晴らしい息の合った演奏を聴かせてくれたりし、盛況の内に終了した。
***淑恵の中国日記(特別寄稿)***
今回は12日間の中国滞在になってしまいました。実は飛行機のチケットが取れなかったので予定より2日延びてしまったのです。遠いし、荷物は重いし、成田エキスプレスは衣笠まで来ないし、と羽田待望論に賛成したくなりながら着いた成田空港は、テロの影響で、お客さんの姿がいつもより少なくゆったりしていましたが、荷物検査は今までになくしっかり、時間を取っていましたし、飛行機に乗り込むときにももう一度検査があって、ギターの中まで開けさせられ、やはりぴりぴりしていました。どう見ても善良そうな私たちに係りの人はすまなそうにしているので怒るわけにもいきませんが、ハンドバックの中も見るし、中に入っていた銀紙に包まれたチョコレートがしっかり反応してくれて時間が掛かるしでやきもきしました。新しくなった上海の空港は2度目ですが、周りの高速道路が縦横無尽に走っていて、成田の周りがひどく貧弱に思えてきます。(2年後には空港から上海までリニアモーターカーで8分で着くようになるとの事です)夜遅くに常州市という上海と南京の間くらいにある車で2時間半の友人の通訳さんのお宅に着き、次の日は一日ゆっくりして(この日、‘本物のお金持ちの家’というお宅拝見をしてきました。中国は一人っ子政策ですからどこの家も皆3人家族です。御主人の会社社長はちょうど夕食の支度をしている最中でした。勿論立派な家でしたが、中国では社長さんがご飯を作るんだ!と感激してしまいました。)
次の朝、24日(水)の朝、南京へ車で向かいました。南京飛音ギター学校の校長、趙長貴さんと広州の江さんと私達と4人での演奏会のはずだったんです。宣伝も行き届き、チケットもしっかり完売していて。それが何と!許可が下りない・・・?ということになっていました。まだ外国人の演奏会は難しいのだそうです。それがまたアジア的というのかホール(江蘇州一番の、出来たばかりの素晴らしいホールでした)の館長が内緒でOKをだしてくれ、ゲストとして演奏する事が出来ました。広州から高級ギター専門の楽器店の人も来てして、淑恵のロマニロスが注目を浴びました。(勿論演奏もです)大きなホールで、こういう所ではロマニロスのような楽器の信頼度は絶大で他の追随を許さないといった感じです。自分でいうのも何ですがこの日の演奏はめちゃくちゃ良くて、他の人の演奏は身体に届くが石田の演奏は心に届くと言われたりして(当り前ですが中国語です。)このまま日本に帰ってきたら一年中気分良く過ごせそうな感じだったんです。
次の日25日(木)、長旅の疲れと宴会だのレッスン(忠だけですが)だのと言葉はわからないし、今回は本当に忙しくて練習もままならずの緊張で、前日よりは気に入らない演奏になってしまいました。テンションもちょっぴり下がってきました。まっ、いいか。と宴会を楽しみながら気を取り直して次の26日(金)に望みます。
張家港市というところです。ここは10年位前に新しく出来た物流の中心地で中国で一番衛生的できれいな市と言われているそうです。ここのホテルは4つ星ホテルで、高そうで主催者に申し訳ない思いでいっぱいです。楽器店が新しく作った演奏会用のホールで、テレビ局が取材に来てくれ、演奏と共にインタビュー、公開レッスンも収録してくれました。演奏の前はいつものように中国語で暗記した忠の言葉と、町並みやホールを誉め、家内が3ヶ月位ここで住んでみたいと言っている等通訳さんに言われるままのことを言って挨拶をしました。
さて次の27日(土)の朝は早く起き、車で鎮江市へ。今回の演奏会はここの先生の招待だったのです。ペン先生は当局と上手く計らってくれ、演奏会の許可は勿論、今回の訪問そのものが正式の政府招待ということになっていました。このあたり、よくわからない国です。鎮江市は4回目の訪問ということもあり、忠は中国政府鎮江市群星芸術学校の客員教授にして貰いました。因みにノーギャラの名誉職です。北京などの有名教授に続き4人目だそうです。会見があるので良い服で来いと言われた鎮江市群星芸術館では教育委員会の他、中国中央テレビ、新聞も来てくれ堅苦しい挨拶やインタビューがありましたが、夜の演奏会や公開レッスンと合わせて編集し、衛星放送で世界中に配信するとのことでした。うれしいけれど我家はBSがはいらないんです。
いよいよ最後の28日(日)朝、高速バスに乗って常州市(人口400万人)に戻ってきました。以前演奏した工人文化宮という所に、新しいホールが出来、そこでの演奏です。この日は午後の演奏会で、テレビ局の取材でのインタビューは簡単でしたが、編集されたものは結構良かったそうです。その晩放映されましたが(見ていないんです)終わった途端、通訳さんの家には電話がジャーンと鳴り響き、言葉のわからない私達は疎外感に苛まれていました。不思議にテレビの取材があるとうれしくなってしまって、演奏の方もまあまあ、いい感じになります。そしてこの日で演奏終わりという開放感でホッとしました。5日続けて違う場所に移動しながら5回の演奏は、正直しんどいです。ちょっと懲りました。(内緒ですが最後の方はもうどうでもいいといった気分でした。ごめんなさい)
次の日からのんびり過ごすことにして予定を入れないで置くつもりでしたが、結局食事の招待が多くて、言葉のわからない私達は食べるのが専門になってしまいます。さぞかし太って帰国するのだろうと、思っていたほど体重は増えていなかったので安心。日本に留学する人、居た事がある人等、日本人を見たい人の招待ですと日本語を話す人がいて助かります。地ビールはどこも美味しく、上海ガニは今がシーズンだそうで素晴らしく、日本にはない野菜など、しっかり食べてきました。食後は家に案内してくれ、どの人も皆、中を見せてくれます。
中国ではどこに家も例外なくダブルベッド、靴を脱ぐ玄関のたたきのような所はないのにスリッパに履き替えるようになってどこの家もきれーいになっていてしかも広い。開発中の郊外の高級住宅も見学に行ってきました。アメリカ映画に出てきそうな家ばかりで、3階建ての住宅にはメイドさんの部屋まで付いていて、1階部分だけでも衣笠の我家より広く充実していました。こんな家を誰が買うのだろうと、余計な心配をしてきた中国の家探訪。記念に即日完売の高級マンションのチラシを持っての帰国でした。
そうそう交通事故にも遭いそうになりました。片側3車線の真中で前を走っていたオートバイが、知合いを見かけたらしく、急に停車したんです。普通は歩道の方に寄せてから停まるでしょ、それが2車線またいで停まってその人を乗せて悠然と発車したのには驚きました。だって後ろの車は停まれたけれどその後ろの車はブレーキが間に合わず、追突してしまい、両方の運転手は降りて被害状況の確認をしているのに、知らん振りして2車線後続の車に迷惑をかけているのだもの。日本人なんぞは中国で運転をしては絶対いけないと強く感じました。忠はスクーターに乗りました。特に左折が難しいそうです。(あちらは日本と逆の右側を走ります)もう2度と乗らないと言っています。
ところで上海ガニですが、全部食べるのには随分時間が掛かります。せっかちさんには向かないかも・・、かに味噌は絶品です。北京など北の方に比べ、南京のあたりの料理は油が少なく食べやすいのですが、上海に近い常州、鎮江、張家港は更に美味しいです。レストランではウェイトレスさんがナフキンの端をお皿の下にはさんでひざに掛けてくれたり食事のマナーも少し違うみたいです。私達は割合何でも食べられる方なので困る事は全くありません。四川料理はより美味しいと聞きました。行ってみようかしら・・・
YGE新入会メンバー紹介!
§山上 信尚さん(やまがみ のぶひさ、男性、血液型:B)
鎌倉市台在住。学生。ギター歴:昨年(2001年)の10月から、先生には1月ぐらいから習っています。好きなギター曲/作曲家/演奏家:バリオス、ロドリーゴなど。ギター以外の好きな曲/作曲家/演奏家:ショパン。ギター以外の趣味:なし。好物:なし。嫌いなもの:グリンピースなどの豆類。YGEに期待すること:よろしくお願いします。自己アピール:特になし。今後のギター界について:特になし。コメント(なんでも):この機会を大切にして清澄したいと思います。→彼はなにを隠そう、あの関東学院大学3年でギター部に在籍中なのです。つまり鶴さんの後輩に当たります。久しぶりのギター部の後輩です。
***総会にて、会計は岩井さんより酒井さんへ***
去る4月4日の練習後に総務の逆井氏の議事進行により、総会が厳かに開催された。会計の岩井さんより会計報告があり、昨年はコピー代が大曲をやろうとしたために費用的に多かったのと、バスギターを村田和尚から購入したために前年度より支出が多かった。今年度以降のために定演準備金を積立てしたことも、次年度繰越しがかなり少なくなった原因である。まあ半年程様子をみてから対処しようという安易な結論に落ち着いた。
その後役員改正に移った。コンマスと総務に関してはまだ替わりを担える人材がいないから、ということで留任になり、会計は岩井さんがすでに数年もやっているので、交代しようということになり、役職未経験者(内田、桑原、谷水、酒井)の中から選任しようということになったが、立候補がないため別室での協議となりようやく酒井さんに決まった。今後の方針とすると会計等の誰でも出来る(?)係りは交代でやっていこうということになった。他に音楽協会理事は今までは粕谷くんということになっていたが就職して復帰が難しくなったため、大沢くんが担当することに決着。監査役は最近実動していなかったのと、金額が小額のため廃止し、会計のみの承認ですますことになった。(いい加減ですか?まあYGE自体いい加減な人の集まりなので勘弁を)
***大沢くん今年こそは・・・***
大沢稔、YGE若手のホープ。その彼が今年こそはと雪辱に燃えている。神奈川ギターオディション、一昨年は本選に出場した、昨年は惜しくも予選敗退。しかも演奏順が1番(しかも自分で選んだ順だ)。ギターの練習時間がとれないというのでアルバイトも止めて、練習に励むオオサワ ミノル、昨年の相川直樹氏に続き2年連続で石田門下からニュー・ヒーロー(合格者)が出るか?今年は6月23日(日)栄区のリリスホールにて行われるので、行ける人はぜひ行きましょう。(最寄り駅はJR本郷台駅)
活動予定
◎2002年6月2日(日)第46回石田ギター教室発表会(横須賀文化会館中ホール)
◎2002年6月9日(日)横須賀市民音楽のつどい(横須賀文化会館大ホール)2週続いての文化会館。
◎2002年6月23日(日)神奈川新人ギタリストオーディション(国際交流センター)大沢くん出場。
◎2002年7月7日(日)重奏コンクール&フェスティバル(ムーブ町屋)YGEメンバーは出演せず?
◎2002年11月10日(日)日本ギター合奏フェスティバル2001(練馬文化センター)YGE出演予定。
活動報告
◎2001年9月22日(土)ベンジャミン・ヴァードリー・マスタークラス(目黒区民センター)大沢、菊池受講。
◎2001年9月30日(日)横須賀ギターフェスティバル(横須賀文化会館中ホール)ビゼー:“カルメン”より“ハバネラ、セギディーリャ、ジプシー・ダンス”。 YGE他の重奏チームも出演。
◎2001年11月11日(日)JGA音楽祭(トッパンムーア・ホール)ピアソラ:“リベル・タンゴ”。 木村大と同じ舞台で、オープニングに合奏団”OZ”としてYGEゲスト出演。合奏フェスと同日で掛持ちのためJGA出演後合奏フェスへ。
◎2001年11月11日(日)日本ギター合奏フェスティバル2001(練馬文化センター)ビゼー:“カルメン” より“ジプシー・ダンス”、 ピアソラ:“リベル・タンゴ”。
◎2001年12月9(日)第46回石田ギター教室発表会(横須賀文化会館中ホール)ビバルディ:“調和の霊感” 作品3−8全楽章。ソロは1st:大沢、2nd:キントン。練習回数が1〜3回という、ほとんど練習しないで本番へ。
◎2002年3月31日(日)神奈川ギターフェスティバル(国際交流センター)ビバルディ:“調和の霊感” 作品3−11より1・3楽章。ソロは1st:大沢、2nd:キントン、バス:菊池。相川氏のオーディション合格演奏もあり。ゴンササ(菊池兄弟)はウクレレとギターで参加。
いんふぉめーしょん(+近況報告)
◆最近のYGEの練習曲。春の演奏会用にヘンデル:“ガボット”、ローレント:“サバの女王”、ビバルディ:“コンチェルト・グロッソ“。秋の演奏会用にルー:”ポンティチェロ・タンゴ”、 ”アラ・ピアソラ”より2楽章。
◆石田先生&キントンさん、ADSLに加入し快適インターネット生活。
◆星野まき子さん、YGEに復帰、さすがベテランの実力を発揮中。
◆逆井さん、内田さん、桑原さん、の“トリオ・クワンズ”解散?
◆岩井さん、家庭のことで色々と大変そう。元気度が毎週上がったり下がったり違う。
◆村田和尚、春は稼ぎ時なので忙しそう。
◆菊池さん、YGEの曲探しに奮闘、トリオも組んで練習中。
◆鶴迫さん、奥さんの節子さんとの二重奏の曲を捜しているが、なかなか決まらず。
◆大沢くん、今年こそは神奈川オーディション合格へ、目下練習に力が入る。他にもコンクール参加予定。ニュー・ミノルに変身するか?
◆谷水さん、目下勉強中。
◆酒井さん、おばあちゃんになる。YGEでは初でしたが、次は誰?
◆石田由香里さん、音楽大学の演劇運営系の学科に合格し大学生に。しかし大学に専念するためにYGEが退会。念願の女子大生がメンバーになるかと思っていたオジサンはがっくり。
◆神田さん、退会、でもレッスンは続けています。神奈川オーディション落選ショックか?でも今年も挑戦予定!
◆坂本真奈美さん、重たーい腰が上がって、大阪でアンサンブルのグループに入会。
編集後記
ご無沙汰していました、ようやくシャコンヌ19号です。前回から半年が経ってしまいました。今回のメインはキントンさんの中国記、現代ギターに載った石田さんのものとは一味違う内容です。この前現代ギターホールにスペインで教授をしている大谷定之さんの演奏を聴きに行きました。その日にスペインより到着したばかりということで、いかにもスペイン風な枯れた音が印象的でした。ついでにGGショップで譜面を見ていたら欲しいのが見つかり思わず購入、あともう一つ欲しいのがあったが持ち金が足りず諦めました。お金があればあるだけ使ってしまう、GGショップは恐いところである。