南京芸術大学ギター講座レポート(2003/10/26)


   石田 忠


私が中国ギター界とのお付合いを始めてから早や10年が経ちました。主に家内とのデュオコンサートやそれに付随する公開レッスンが主な仕事と言ったところでしたが、今回の訪中は、前回、今年の2月に招かれたコンサートがきっかけでした。
旧正月にあわせて南京市鼓楼区に出来たばかりの会館の中にある芸術ホールのこけら落としに呼んでいただきましたが、その際に南京芸術大学音楽院の院長 王建元先生が聴きに来て下さり、その縁でこの10月に南京芸術大学の音楽院の主催で講師として招かれる事になったのです。

歓迎宴会で挨拶する王建元   南京芸術大学院長


この王先生と言う方は作曲家で、院長と呼ぶには大変お若く、これからが嘱望される方で、今まで中国の大学トップに多かった共産党の幹部に変わっての就任と言うことだそうです。
王先生は秋に今年2度目の訪日をされ、姉妹都市である名古屋市で彼の作品を鑑賞されるとのことでした。
私の今回の訪中目的は日本でいうところの所謂マスタークラス、公開レッスンというより、専門家の為の教育・指導法といった意味合いの集中講義・講習会を2日間にわたり行うことでした。中国では上海音楽院や南京芸術大学(友人の趙長貴氏は講師)など近年、ギター科が正式学科として設置されるようになり、各地でギターを教える先生方が活躍しています。日本の大学にようやくギター科が出来始めた事を考えますと、この10年で中国ギター界・音楽界がその経済発展と同じ様な速度で発展していくように思えます。その中で先生方の向上心、研究心は大変高く江蘇省・山東省を中心に各省から演奏家や教師が集まり熱気にあふれる2日間となりました。一日目の10/10に、飛音ギター音楽学校にてギターのレッスン法。次の10/11に南京芸術大学でアンサンブル法などを私の体験をからめながらの授業です。

飛音ギター音楽学校にてプロギタリスト達


初日のレッスン法について、は今の日本でのギター界の現状など少し話してから、生徒役、先生役のモデルをたて実際にレッスンをしてどのような点を注意するかなど詳しく話をすすめていきます。私が重点を置いて話した事はいかにギターを通して音楽を表現するかと言う事です。具体的には歌いやすい呼吸法・姿勢・そして拍や拍子など基礎からの表現方法で、モデルを通して実際の例を挙げて話を進めながら話を進めて行きます。レオポ
ルド・モーツァルトのバイオリン教授法を始めギター教本以外の役に立つ参考資料も紹介しました。

南京芸術大学にて8重奏のレッスン


2日目のアンサンブル法は南京芸術大学で行われ、先ず音楽院長の王先生が音楽の表現方法など作曲家・理論家として講義され、その後、私が4重奏・8重奏などのチームを相手にアンサンブルの合わせ方・拍のとり方の種類・指揮の見方等2時間ほど講義をしました。主にリズミックなポピュラー音楽などの体のとり方やゆっくりしたクラシック音楽の体での表現法などで時間をとりました。
中国でもフェルナンデスやデビッドラッセルなど著名なギタリストが来てマスタークラスの公開レッスンをあちこちでしているそうですが、今回はそれとは違う、プロの教授・生徒指導の為の実践的な授業と言うことで、私としても初めての経験で緊張もしましたが楽しく、また良い体験になりました。今後、南京芸術大学ではこうした講座を毎年計画していくということです。
今回の中国公演は演奏の機会が少なく授業が主でしたが、こうした形での中国ギター界に貢献でき、また日中友好にもいくらかでもお役に立てる事が出来るのは本当に嬉しい事です。

終了証書を手に記念撮影
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