緩慢な日常、変わらぬ日常、繰り返される日常。
空の上から落とした一枚のハンカチの様に
ゆっくりと、だが確実に死という地面に向かう、
ただそれだけの日々。
「考えなければそれでいい」そう悟ったのは幸せだろうか?
不幸だろうか?
俺の名前は「山崎幸二」。今年で24になる。
去年大学を卒業し、特にやりたい仕事も無かったので
学生時代にアルバイトをしていたデパ−トにそのまま就職した。
いつもの時間に起き、いつもと同じ時間の列車に乗り、
いつもと変わらぬ笑顔で客と接し、いつもと同じ時間に帰る。
友達との会話
「お前の目、て死んだ魚の目みたいだよな。」そう言われた。
「・・・そうだな。」自分でもそう思う。
恋人との会話
「貴方ってなにを考えているのかちっとも分からないわ!
私といる時もいつもつまらなさそうにして、私といても楽しくないの?!」
「あいにく楽しいっていう気持ちをどこかに置き忘れてきたもんでね」
ほんの少しの間があった後、顔を真っ赤にして立ち去る彼女。
置き土産にビンタを忘れない所はなかなかしたたかだと思った。
それきり彼女とは会っていない。
自分が異常、まわりが普通、そう自覚してはいる、だがその
自分を変える術は持たない。いや持とうとしない。
とある日の昼休み、いつも行く店が閉まっていたのでコンビニで
食事を買い近くの公園で食べる事にする。
穏やかな春の日差し、周りで遊んでいる子供達、食後の軽い睡魔も
あり少し横になる事にする。今日はやけに眠い。
急速に睡魔が襲う、眠ってはまずいと思いつつも、意識は
闇の中へと吸い込まれてゆく。
意識がなくなる瞬間、自分はいつからこんな人間に
なってしまったんだろうか、などとがらでもない事を考えていた。
「頭が痛い・・・」定まらない思考「俺はいったい・・・」
「!会社に戻らなければ!」現実に束縛された思考、しかし
意識ははっきりとし体を起こす。
?
?
?
しばし唖然とする。
「な、なんだここは、俺は公園にいたはず」
見渡すかぎりの平原、やたらと空気がうまい。
「いや、そうじゃなくて!、なんだここは・・・異・・・世界」
あまりにも現実離れした想像、しかし・・・
「異世界、異世界か、なんだそりゃ?ハハ」
むしょうに笑いがこみあげてくる
「クク、ハハハハハハハ」
もしかしたら俺はこういうのを待っていたのかもしれない。
続く