監督:ピアック・ポースター 脚本:ウイサヌシット
出演:チンタラー・スカパット/ローン・バンチョンサン
サアート・ピアムポンサン/ペット・チェンイム/ローム・イッサラー
タイ王国・1987年製作・121分
「サラシン橋心中」と「悲恋の橋」。
この作品を最初に見たのは、NHK教育テレビで放映されたとき。そのタイトルは「悲恋の橋」。その後MXテレビ(東京UHF)でオンエアの時には「サラシン橋心中」というタイトルになっていた。日本語字幕もところどころ違うものになっており、比較対照の研究に良いかもしれません。輸入販売されているビデオなどは「サラシン橋心中」になっています。「サラシン橋」は、プーケット島とタイ本土を結ぶ唯一の橋です。原題は「サパーン・ラック・サラシン」。
シンプルストーリー。
いわゆる心中もので、実話に基づいているという事が冒頭で語られる(1973年、プーケット島での出来事)。老姉妹の養子で、生活を支える為に早朝から深夜まで働き続ける青年「タム」。島の有力者の娘で高校生の「イウ」。この2人のどこまでも純粋な恋のお話し。日本での「君の名は」「伊豆の踊子」のように、タイ内では定番プログラムのようで、近年ではテレビドラマも制作されたようです。
マングローブ林の風景も魅力的だがっ!
チンタラー・スカパットの魅力には敵わない。彼女、タイの人に見えない。もともと中国系ということもあるのだけれど、日本の街を歩いていても違和感がないかも。学食でナンプラーをかけて麺を食べる場面で、ああタイ人だって。タイ語っていうのは、なんとも艶めかしい響きを持っていて、その言葉が彼女の口から発せられると、もうダメです。耳の奥で溶けた声が心臓まで流れ込み、なんともいえない甘酸っぱい思いが浮かんできます。これは恋なのか。
みんなが思いやりの心をもっと持っていればなんの問題もないのだろうけど。
ソンテオ(乗り合いトラック)を運転しながらタムがイウに言った言葉。これぞタイ魂。映画がヒットした(もちろんタイ国内)理由なのかも。タンブン(徳を積む)を日々重ねて来生の幸福を祈るタイ国民のツボにはまったのでしょう。米映画「ゴースト・ニューヨークの幻」も思いっきりツボにはまり大ヒットしたらしいです。なるほど!映画のラスト、橋から身を投げた2人が海中で幸せに暮らしているシーンがありますが、みんな泣いたんだろうなーと想像できます。
笑えるシーンもある(らしい)
主人公タムの友人はタイで有名なコメディアンらしいです。タムがイウと会えなくなった時、「食事をご馳走するよ」(日本語字幕)というセリフがあるのですが、原語では「カノムチン(日本のそうめんのようなもの)を1杯だけおごるよ」と言っているようです。タイ人はここで爆笑します。他にもいろいろ笑える場面があるようです。

photo:ソンテオを運転するタムと登校中のイウ。
自家用車じゃぁありません。おそらく免許も持ってないでしょう。その後彼はイウのために借金をしてラジオを買いました。イウは後ろの客室(荷台)が満員なので助手席に座ってます。ソンテオはプーケット島庶民の足。ハイラックスやダイハツの軽ワンボックスが走り回ってます。

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