花が大好きなのです。ただ単純に花の風情が好きなのです。名前も知らない道端の小さな花でも、季節を教えてくれる天からの使者のようです。花が好きなわりには名前が覚えられないのが悩みの種ですが
今回は私の心に残った幾つかの花を挙げてみました。
日本ではあまり見かける木ではないし、時々見かけても色が原色という事もあって私にとってはそれほど好きな花ではありませんでした。ところが2002年5月の初夏を思わせる日の早朝、前日までは、そこに存在するのさえ気が付かない花だったのが 朝露にぬれ、朝日を一身に浴び、キラキラ光る花粉を、まるで金粉をまぶした様に身に纏って、輝いているのです。その姿は、息をのむ程の美しさでした。力強い生命力、この花の一生で一番輝いている一瞬に立ち会えた気がしました。そして、その2、3日後には、またその木の存在は本当に目立たない物に戻っていました。 |
ブラシの木 U 2002年の初夏に出会った「ブラシの木の花」の感動は忘れられないものでした。そして2003年10月、オーストラリア・パースに旅する機会を得ました。南半球にあるこの国は、日本とは季節がまるで逆であり、訪れたときは春も終わり、初夏にさしかかる時でした。まさに花の饗宴といった趣の季節です。そしてこの花の原産地がオーストラリアであり、あちこちに生えているのを知りました。街中で咲いているものは盛りは過ぎていて、あまりきれいではなく、高地の方ではまだまだ美しさを保っていました。そして、名前もまさに「ビン洗いのブラシ」なのでした。 |
2002年は花の開花が何もかも早くて、予想が狂ってしまう大変な年だったと記憶していますが、その予想外の早咲きが、私達のドライブの一日を思いがけず楽しく、エキサイティングなものにしてくれました。 例年だと、6月に入ってから咲くという、この可愛らしい花が咲いていたのです。 最初に蓼科湖畔で見たときは「りんごの花」によく似ているけれど、木を見ると「りんご」でないことは確か、でもメンバーの中で、いまだかって見たことがある人がいませんでした。そして、昼食後に行った車山高原の上り口に、こんな素晴らしい佇まいの木に出会ったのです。 一瞬、同じ花の木とは思いませんでした。通りがかりのカメラを持った人に尋ねると「コナシノキ」だと教えてくれました。後日、広辞苑で調べたら「酸実」とか「桷」と書いてズミと読み、コナシやコリンゴとも呼ぶ事をしりました。 |
はなはだしい勘違いをしてしまった木です。 7.8年前に晩秋の「広島」「松山」を旅した時に、葉の落ちた梢に金色に光る実をびっしりつけて、それが西日を受けて燦然と輝いている木がありました。広島では街路樹、松山では城山にたくさんあるのです。後でそれは「栴檀の木」だと知りました。 そして、2002年、倉敷を旅した時、2月というのにまだ実が木に残っている風景に出会いました。私は「せんだんは双葉より芳し」という諺の「せんだん」と思い込んでいました。が、この諺の「せんだん」はビャクダンという香木の異称で、とても高価で希少価値のある全く別の種類の木であることがわかりました。 白檀があんなにたくさん植えてあったら、さぞ、その自治体は裕福なことだろうと、自分の早とちりがおかしくなりました。 |
栴檀の木 U 私が最初に出会ったのが「金色に輝く実」の方だったので、いったいどんな花が咲くのか、大変興味がありました。そうこうしているうちに「若芽会」でこの花のことが話題になり、秦野市立上小学校の校庭に市の保存樹木に指定されている立派な木があることが話題になりました。そしてついに「花」も見ることがかないました。紫の「藤の花」や「桐の花」を思わせるような、それらより、ちょっと地味な雰囲気です。そして、まだ若木なのですが秦野市立本町小にも何本か植えられているのに気が付きました。 それにしても、なぜ学校に植えられているのでしょうか?もしかして・・・・・ |
樹齢1,000年以上といわれ、国の天然記念物に指定されている巨大な紅しだれ桜。4月下旬の満開時には、四方に伸びた太い枝から、真紅の滝がほとばしるかのように小さな花を無数に咲かせ、その様はまさに滝が流れ落ちるかのように見えることから、古来滝桜と呼ばれるようになったといわれています。 桜の見頃に行ける事はなかなか難しいのですが、初めて訪れたのに見事に咲いていてくれました。桜は青空に映えます。まさに最高の時でした。 |
純白の美しい花です。鉢植えで店先にあったのを思わず買ってしまいました。翌年、せまーい我が家の庭の地に下ろしましたが、見事に咲いてくれました。心が洗われるような 白い花です。 |
秋田・男鹿半島にある真山神社の境内の裏山で見た光景です。最初何かの花が咲いていると思い、蛇が出そうな草むらの斜面を登ってできるだけ近づいて見たのですが、大量の緑の中に白く光る箇所が花なのか葉っぱなのか、判然としないのです。朝の光を受けて、そこだけ特別の白い群れがあり、心に残る風景でしたが、それがなにであったか確かめる術もないまま、写真も記憶もそのままになっておりました。ところが秋頃、「若芽会」でたまたま、これを見た「萌黄さん」が「マタタビの木」ではないかと教えてくれました。インターネットで調べると、まさに「マタタビの木の葉」がある時期、光沢のある白になるとありました。「猫にマタタビ」のあのマタタビです。そして梅に似た香気のある花も咲くそうです。今度はぜひぜひ、花に出会いたいものだと、今からそのチャンスが来ることを楽しみにしています。 |