成年後見
成年後見制度は、判断能力の不十分な成年者(痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害
者等)を保護するための制度であり、旧民法で、禁治産・準禁治産に対応するものです。
禁治産・準禁治産の制度を、各人の多様な判断能力及び保護の必要性の程度に応じた
柔軟かつ弾力的な措置を可能とする制度とするため、補助、補佐、後見の制度に改めた。
補助(新設)
精神上の障害(痴呆、知的障害、精神障害、自閉症等)により判断能力(事理弁識能力
)が不十分な者のうち、後記の補佐や後見の程度に至らない程度の状態にある者を対
象とする。家庭裁判所の「補助開始の審判」とともに「被補助人」のために「補助人」を選
任し、当事者が申し立てにより選択した「特定の法律行為」について、審判により補助人
に代理権又は同意権、取消権の一方又は双方を付与する。
自己決定の尊重の観点から、本人の申し立て又は同意を審判の要件とする。代理権、
同意権の必要性がなくなれば、その付与の取消しを求めることができ、すべての代理権
、同意権の付与が取り消されれば、補助開始の審判も取り消される。
保佐(準禁治産の改正)
精神上の障害により判断能力が著しく不十分な者を対象とする。単に浪費者であること
を要件とはしない(浪費者の中で判断能力の不十分な者は補佐又は補助の各類型の対
象となる。)。
家庭裁判所の「保佐開始の審判」とともに「被保佐人」のために「保佐人」を選任し、新た
に、保佐人に同意権の対象行為(民法12条1項)について取消権を付与した上で、当事
者が申立てにより選択した「特定の法律行為」について審判により保佐人に代理権を付
与することを可能にする。代理権の付与は、本人の申立て又は同意を要件とする。
後見(禁治産の改正)
精神上の障害により判断能力を欠く常況にある者を対象とする。
家庭裁判所の「後見開始の審判」とともに「成年被後見人」のために「成年後見人」を選
任し、成年後見人は広範な代理権、取消権を付与されるが、新たに、自己決定の尊重
の観点から、日用品の購入その他日常生活に関する行為を本人の判断にゆだねて取
消権の対象から除外する。
任意後見契約
本人は、自ら選んだ任意後見人に対し、精神上の障害により判断能力が不十分な状況
における自己の生活、療養看護及び財産管理に関する事務の全部又は一部について
代理権を付与する委任契約を締結し、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から
契約の効力が発生する旨の特約を付すことにより、任意後見契約を締結することができ
る(任意後見監督人の選任前の受任者を「任意後見受任者」という。)。
成年後見制度における鑑定
これまでの成年後見制度では、禁治産者及び準禁治産者のいずれについても、鑑定を
しなければならないものとされており、新しい成年後見制度でも、これまでの禁治産及び
準禁治産に相当する後見及び保佐では、原則として鑑定が必要であるとさています。補
助及び任意後見については、鑑定を必ずしなければならないものとはせず、医師の診断
書で足りるとされていますが、これらについても、必要に応じて鑑定が行われることがあ
ります。