ジョクジャカルタの災害地訪問記
インドネシヤのジャワ島の真ん中あたりを中部ジャワと呼ぶが、その中心的な都市が
古都ジョクジャカルタである。首都ジャカルタから空路一時間、近郊にジャワ観光の
目玉である世界最大の仏教遺跡ボロブドウールを控えた観光地でもある。18世紀以来、王様が君臨し、現在もジョクジャカルタ特別区の首都として、高度な且つ伝統的な文化を継承してきている。
この都市の近郊を2006年5月27日早朝、正確には5時54分、マグニチュード6.3という強烈な地震が襲った。死者6,000人、けが50,000人、住宅を失った人200,000人。ジャワ島には元々活火山があり時折地震はある。丁度今回の訪問時にも体感地震があったが、5月のケースは one of the worst である。
今回、被害地の現状を知りたいと思って訪れたが、たまたま滞在中運転手をしてくれたYonoさんという現地の人も被災者の一人だという。話を聴くと、家も壊れたまま、更に部落で相当の死者も出たようである。翌日、早速現場に行った。
発展途上国の場合は、いづれも日本の常識で想像出来ない局面が多々ある。中でも貧富の差が作り出す生活内容の相違は歴然としている。この国も、未だに住居の半壊・全壊の姿を曝しているのは、貧しい地域である。レンガと竹と土の質素な家に住む大多数の大衆である。金持ちは、とっくに再建したか、元々、ダメージの少ない丈夫な家に住んでいたのである。だからスラバヤの津波のときもそうだが、国民全体が日本のように痛みを分かち合う姿は私には見えてこない。国民の大半は他人事で無関心なように映る。
それはさて置き、4ヶ月以上経過した現在の Imogiri という部落の写真である。直すお金もないとため息をつく村人たちに、援助の末端まで行き渡っていない一面を見せ付けられた次第である。
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