TV & CINEMA

ナショナル 「パナピック」


なつかCM その15

1977年 ナショナル 『パナピック』
出演:高田みづえ

みづえ:「パナピックの本に パナピックを乗せます」

(パナピックのスイッチを入れる)
みづえ:「これがナショナルのカラオケ パナピックなの」

(歌い始める)
♪硝子坂〜 キラキラ光る 硝子坂〜

みづえ:「お父さんも歌手になれます」

はいっ! ♪みづえのカーラオーケ ナショナルパーナピック〜


1970年代、バーなどを中心に飛躍的に普及を遂げたカラオケ。
ブームのあおりで、70年代後半からは家庭用カラオケも出現するが、これはその先駆的存在。
本の形をしたソフトにマグカップ状のハードを乗せるという、珍しいシステムを採用。
スピーカーはハードに内臓されているので、場所を選ばず演奏できるし、ハード本体も安いというのに、この商品を目にした記憶はナッシング。
ただ、ソフトは1冊につき1曲しか入ってないから、数曲集めたら高くつきそうだし(1冊いくらか不明)、かさばりそうなので邪魔かも。
それに、こんなハードじゃ音質なぞ望むべくもないし、不発に終わったのは当然か。

それにしても、ラストの「お父さんも歌手になれます」はイカす。
当時、カラオケといえばオッサン専用の娯楽だったし、「歌う」行為もまだまだ非日常で、そこには己がスターであるかのような錯覚と陶酔感が介在していたのは想像に難くない。
この一言で、当時のカラオケ観を全て体現してるな。
まさに時代を映す名コピー。
デビュー当時の高田みづえという人選も的を得てるし(歌唱力あり&初々しさで父性本能刺激)、隠れた傑作CMかも。

(2005.3.14)

 

ポッカ 「カフェオーレ」


なつかCM その14

1980年 ポッカ 『カフェオーレ』
出演:大和田獏 (ラテン調の陽気な歌) ♪トレボーン ポッカカフェオーレー オーレオーレ

(男子5人が女子のテニスを観戦)
大和田:「ファイト! そこだ!」

♪カッフェオーレ〜

(女子のパンチラを見た男子一同、衝撃でズッコケ)
男子:「ヒュー!」 「あ〜」

♪うまさが主役〜

大和田:(カフェオレ飲んで一言)「トレボーン!」

♪ポッカカフェオーレ オーレ!


CMは時代を映す鏡である、と言われる。
最新モードを意識したイチオシの新製品を、消費者のニーズや嗜好を分析した上で製作し、世に送り出すのがCMの基本形であるから、時代の気分が色濃く反映されるのは当然といえる。
ただ、流行は移ろいやすいために、古いCMを見直すと、現在のセンスから物凄くかけ離れていて驚く事もしばしば。

個人的に、このCMなんかは時代錯誤感が強烈。
懐かしさを通り越して、恥ずかしさすら覚える。
パンチラ見ただけでこんなにひっくり返るかっつーの(写真中)。
コミカルの演出にしたってベタ過ぎ(>_<)
それに、カフェオレの「オーレ」とラテンの「オーレ」は無関係だろうに。
「カフェオレなんて誰も知らないだろう」と言わんばかりのイージーさ。
カフェオレ黎明期の悲劇か(悲しいのか)。
このダジャレ感覚も痛いが、「コーヒー → ブラジル → ラテン → オーレ!」という連想ゲームがまる判りなのもトホホ。

それにしても、当時の大和田獏は爽やかだなぁ。
明るい瞳に愛嬌のある笑顔で、好青年そのもの。
それが今では・・・
死んでるような目で無機質な笑みを湛える『ワイド・スクランブル』の司会ぶりが定着しているだけに、このギャップにはビックリ。
一体何が彼を変えてしまったのだろう?

(2005.3.5)

 

ライオン「エチケットシャンプー」


なつかCM その13

198?年 ライオン『エチケットシャンプー』
出演:斉藤慶子

(外人とワルツで社交ダンスを踊る斉藤慶子)

斉藤:「みんな エチケットでシャンプーしてる?」

(刷毛で男の肩を掃う)

斉藤:「肩のフケ 見られてるよ」

(刷毛で男の肩を掃う)

斉藤:「男の肩 女の肩 どっちもどっちもエチケット フケを抑えて清潔な髪」

♪フケイヤイヤ エチケットシャンプー〜

斉藤:「キレイな髪 女は肩で勝負する」

(刷毛で自分の肩を掃う)

斉藤:「ライオンから」


このCMはいつ放映されたのか年代不詳だが、斉藤慶子の姿から察するに、83年〜85年あたりか?
80年代中盤くらいまで、シャンプーCMでは毎日の洗髪を奨励すると同時に、フケ防止も重要なテーゼであった。
『メリット』とかでもフケ防止を大々的に謳っていたし。
しかし、80年代後半から、フケ防止を主題にしたCMは影を潜めていく。
実際、時同じくして、街頭で肩にフケが落ちてる人を見掛けなくなったし。
やはり、洗髪回数が増えた事が功を奏したのだろうか?
昔はフケが肩に落ちてる人って、結構居たもんなぁ。

斉藤慶子は「熊本大学の女子大生 → 週刊誌の表紙 → JALのキャンギャル」と、宮崎美子そっくりなプロセスで芸能界入りを果たすも、羽田沖の日航機事故とバッティングしてしまい、肝心のCMは放送されなかった。
しかし、それが逆に「幻のキャンギャル」として話題となって、仕事は殺到。
以降、途切れる事無く芸能界で活躍。
今やすっかりベテラン女優だけど、これと言った代表作は無く、決定打に欠けるキライが無くもない。
2時間ドラマではおきゃんな役を演じる一方、大映ドラマ『仮面の女』では狂気のストーカー演技を披露したりと、何でもこなす器用さが長持ちの秘訣だろうか。
案外、この『エチケットシャンプー』や『ビトウィーン』などのライオン製品CMが最も印象的だったりするんだけど(笑)
高齢出産で話題になったし、CMのイメージ通りに実生活でも良妻賢母。
でも、「恋多き女」「魔性の女」呼ばわりされた時期もあったっけ。
日用品のCMが似合う明るい庶民性と、男好きする色気や翳りを備えているのだから、それはそれで逸材かも。
ううむ、やっぱり女優向きだな。

(2005.2.19)

 

花王「トニックシャンプー」


なつかCM その12

1983年 花王『トニックシャンプー』
出演:田尾安志・三田寛子
BGM:三田寛子「初恋」

♪走る君が居た〜 遠くで僕は〜 いーつーでも〜 君を探しーてた〜

三田:(トニックシャンプー持ってグラウンドへ)「爽やかな人 好き」

田尾:「やぁ!」

(シャンプーを受け取り、田尾が洗髪)

(ベンチに二人で腰掛け、田尾が自分のキャップを三田に被せる)

田尾:「あぁ青春 スキッと爽快 花王トニックシャンプー」


珍しく男性用シャンプーのCMを見つけたので、ここで紹介。
てか、当時から現在に至るまで、CM流すほど大量消費されてるメンズシャンプーなんて、トニック系しかないような気がするが。
逆に言えば、大半の男は女性用シャンプーで髪を洗っているわけで、シャンプー業界はユニセックスというより、圧倒的に女性上位といえる。
男女兼用を謳ってるシャンプーでも、CMになると女性モデルが起用されるし、やはり基本ターゲットは女性だし。
洗髪人口は男女でそう差は無いと思うが(男はハゲるし女は髪が長いので、シャンプー使用量では差が出るだろうけど)、よく考えたら不思議である。
整髪料はメンズ・レディースが分離されてると言うのに。
種類寡数なメンズシャンプー、新製品が開発されたらそれこそ入れ食い状態かと思うけど、トニック以外にこれと言ったモノが出ないのも不思議。
う〜ん、謎だらけ。

CMに出ているのは、今をときめく楽天ゴールデンイーグルスの田尾監督。
当時は中日ドラゴンズの選手でした。

BGMの「初恋」は村下孝蔵のカバーで、当時、三田寛子がシングルとして発売したのだが、このCMでは田尾とのデュエットバージョンになっている。
これってCD化されたら面白いのになぁ。

(2005.2.9)

 

資生堂「スーパーマイルドシャンプー」


なつかCM その11

1990年? 資生堂『スーパーマイルドシャンプー』
出演:小泉今日子

小泉:(スーパーにて)「きれいになろうね うん きれいになろう」

小泉:(ショッピングカートに乗っかり)「スーパーマイルドォ〜!」

小泉:(シャンプーの陳列棚で)「うん きれいになろう」

ナレーター by 小泉:「髪にスーパー優しい 資生堂スーパーマイルドシャンプー」

小泉:(買物を終えて)「きれいになろうね」


「当て逃げ容疑でピンチ?」なコイズミさん登場。

毎日(毎朝)洗髪する習慣を、消費者の間に浸透させたシャンプー業界。
回数が増えれば、それだけ毛髪には負担が掛かるというわけで、次に打ち出したコンセプトが「髪と地肌に優しい低刺激シャンプー」。
その特性を全面にフィーチャーしたパイオニア的存在が、資生堂『スーパーマイルドシャンプー』である。
狙い通り、この商品は大ヒットし、以降『プロテア』『ティモテ』など、他社からも類似商品が発売された。
未だに流通しているロングセラーですね。

『スーパーマイルド』の小泉今日子CMは、1988年から数年に亘ってオンエアされたので、今回のバージョンが何年のものだか特定できないが、髪型から察するに90年?
88年前後の小泉は、主演映画『怪盗ルビイ』が話題を集めたものの、歌やドラマなどでの大ヒットには恵まれず、人気は低迷していた(と思う)が、この『スーパーマイルド』がバカ売れした辺りから徐々に盛り返し、89年に主演したフジテレビ系ドラマ『愛しあってるかい!』と主題歌「学園天国」が大ヒットして、第二次黄金時代へ突入していく。
そういう意味でも印象深いCMだし、一連のシリーズは彼女にとって代表作かもしれない。

(2005.1.28)

 

カネボウ「朝シャン」


なつかCM その10

1989年 カネボウ『朝シャン』
出演:田村英里子・富川春美
BGM:田村英里子「ロコモーション・ドリーム」

♪ロコモーション シェイク シェイク ウィズミー〜

田村:「シャンプー・リンス・コンディショナー、シャンプー・リンス・コンディショナー、シャンプー・リンス・コンディショナー」

(ナレーター)「リンスもコンディショナーも入った これが朝シャン」

田村&富川:「私たち 振るのが得意」

(ナレーター)「カネボウ 朝シャン 新発売」


朝シャンブームで多くのリンスインシャンプーが発売されたが、こちらはコンディショナーも加わった一石三鳥で、よりお得感がUP!
・・・のはずだが、大して話題にならずにすぐ市場から消えてしまった。
コンディショニング効果は不十分だったって事?
実際に使ってないから判らないけど。
それ以前にネーミングがベタすぎ。
そのものズバリ『朝シャン』って・・・・
自信作ゆえの真向勝負というより、安易な便乗商魂しか感じられないんだけど。

加えて、CMの完成度も恐ろしく低レベル。
ひたすら三位一体を唱えながら(「シャンプー・リンス・コンディショナー」連呼ってのも芸が無い)、具体的なコンディショニング効果については触れず終い。
決めゼリフが「私たち振るのが得意」ってのも訴求力弱すぎ。
てか、コンディショナーが最大の売りじゃないんかい!
要するに、分離している液剤をシェイクして混ぜるだけが取り得のお遊び商品か。
コンディショナーは目的じゃなくて手段に過ぎないわけね。

ちなみに、田村英里子と共演しているのは、元おニャン子クラブの富川春美。
当時、メインの田村よりも富川のほうに目が行って驚いた人は多かったと思われ。

(2005.1.22)

 

資生堂 「スピーディーシャンプー」


なつかCM その9

1988年 資生堂「スピーディーシャンプー」
出演:斉藤由貴


由貴:「ハァハァ・・・寝坊しちゃった寝坊しちゃった」

(ナレーター)「シャンプーとリンスが一つになって 朝のシャンプーのスピード化に成功しました」

由貴:「じゃいってきます」

由貴:「リンスが入ったモーニングフレッシュ スピーディーシャンプー 新発売」


80年代後半になると、毎日の洗髪は完全に習慣として根付き、更なる差別化として登場した新たなアプローチが「朝シャン」である。
出掛けに髪を洗ってスタイリングに差をつけよう!みたいなコンセプトで。
男から見たら「しち面倒くさい」としか思えぬ所業だけど(俺だけ?)、意外なほどに一世を風靡したっけ(てか、これも習慣として根付いてる?)。
で、そのブームに火をつけたのが、この『モーニングフレッシュ』である。
ただ、発売当時はシャンプーとリンスがバラ売りだったが、この改良版『スピーディーシャンプー』ではシャンプーとリンスが一体化し、その目新しさと効率性が受けて、一気に朝シャンが裾野を拡げて浸透したように思う。
朝シャンの啓蒙だけでなく、「リンスインシャンプー」という新たなジャンルを生み出す事にも成功したこの商品、業界に与えた功績は多大かも。

ただこのCM、こうやって画像を切り取ってもつまんないなぁ。
由貴のアップもなければ、髪を洗うシーンもないし。
動画で見ると、小芝居が微笑ましくて結構印象に残るんだけど。

(2005.1.15)

 

花王 「エッセンシャルシャンプー」(中森明菜)


なつかCM その8

1983年 花王「エッセンシャルシャンプー」
出演:中森明菜


明菜:「不思議だね 毎日シャンプーするのが怖い女の子 まだ居るんだって」

明菜:「エッセンシャルのキューティクルケアーシャンプー 髪に優しいから毎日シャンプーしたくなる キュートな髪は急に作れません」

(自分のポートレイトパズルを完成させて)

明菜:「よし!きまり」

明菜:「エブリデイ髪洗える」

(チャリのベル音を鳴らす)♪パフパフー

(ナレーター)「エッセンシャルの」

(コーラス)♪キューティクルケアーシャンプー

(ナレーター)「コンディショニングタイプもあります」


70年代より毎日の洗髪を啓蒙してきた『エッセンシャル』だが、83年にもなると、洗脳(?)が徐々に功を奏しつつある事が伺える。
冒頭のセリフは「目標普及率まで最後の一押し」って感じだろうか。
当時俺は中1で、毎日シャンプーする輩がクラスにどれほど居るか、担任がアンケート調査した事あったけど(なんでそんな事したんだろ)、女子は9割、男子でも半数以上が毎日洗髪してたっけ。
俺は1日置きだったので、想像以上に多くてビックリしたけど、これが当時の平均か(てか、今はどのくらいなんだろ)。

80年代、『オリエント』『キャノン』『パイオニア』など明菜は多くのCMに出演し、内容も充実していたけど、アーティスティックにナルシスを剥き出しにしたり、マンガチックにおどけてみせたりと、いずれも過剰演出された作品ばかり。
そんな中、このCMはごく普通のティーン(死語か)を演じており、素の魅力が引き出されて印象的。
件の事件以降、イメージダウンでCM界からは遠ざかっていたが、2001年に「ファンケル青汁」でようやく返り咲いた。
でも、あれ以降また音沙汰がないのは寂しいところ。

(2005.1.9)

 

花王 「エッセンシャルシャンプー」(林寛子)


なつかCM その7

1976年 花王「エッセンシャルシャンプー」
出演:林寛子


(BGM)♪エッセンシャール mn〜 エッセンシャール

(ナレーター)「今日からは優しいエッセンシャル 髪を地肌を傷めない 滑らかな指の通り エッセンシャル」

(BGM)♪ah〜 エッセンシャール

(ナレーター)「痛んだ髪にも地肌にも 優しい 花王フェザー・エッセンシャルシャンプー 新発売」

寛子:「毎日シャンプーしてもいいくらい」


ラストの閉めコメが非常に時代を感じさせるが、70年代当時は、毎日シャンプーする習慣がまだ根付いていなかったのだ。
3日に1回ペースが平均だったような気がする。
俺も当時、このCMを見て「えー、毎日シャンプーするやつなんか居ねぇよ」と子供心に思ったし。
メーカーとしては消費量をUPさせるために、こうして毎日の洗髪を啓蒙していたのだろう。

いきなり選挙に出たり離婚したりと、「お騒がせ熟女」の観を呈する林寛子だが、自分らの世代にとっては、ドラマ『がんばれ!レッドビッキーズ』のヒロイン役が代表作。
好きなドラマでよく観てたが、林のやや上向きの鼻がどうしても豚鼻に見えてしまい、彼女自身はあまり好きではなかった。
けど、改めてみると可愛いかも。
ビビアン・スーとそっくりだし(ビビアンは豚鼻系じゃないけど)。
後年、杉浦幸が出てきた時、林寛子と同じような鼻をしていて、妙に懐かしさを覚えた。

(2005.1.8)

 

日立 「パディスコW1」


なつかCM その6

1982年 日立 「パディスコW1」
出演:杉田かおる


杉田:「飛び出します、ダブルです」

杉田:「日立パディスコW1は、ヘッドフォンステレオが飛び出す欲張りテレコ」

杉田:「いい音ダブルの日立パディスコW1」

(ナレーター)「暮らしを豊かに日立のHINT商品です」


ううむ・・・杉田かおるの初々しさにビックリですね。
でも、この優しい微笑の裏で、当時から悪行の限りを尽くしていたとか。
写真一番下の「イエイ!」なポーズ(名称不明)も時代を感じる。
当時、このポーズは結構目にした記憶が。

しかし、一番ビックリなのはこの商品だろう。
カセットデッキのイジェクトボタンを押すとウォークマンが飛び出るんだから。
着脱式ウォークマン内臓のラジカセ(当時はテレコって名称だったのか)なんて、嘘のような本当の話。
ラジカセにしては破格の75,800円(高ぇ!)という料金設定もうなづける。
にしても、一石二鳥で夢のような商品なのに、ひとつも嬉しくないのはなぜだろう。

(2005.1.2)

 

Technics 「EXE」


なつかCM その5

1981年 Technics「EXE」
出演:薬師丸ひろ子


(ナレーター)選ばれし音、テクニクスエグゼ・・・

(ナレーター)リニアトラッキングDDプレイヤーをはじめ、テクニクスが選び抜かれたオーディオの名品を集めた

薬師丸:「今まで気づかなかった音が・・・・聴こえてきました」

(ナレーター)テクニクスエグゼ

♪テクニーーークスーーー


リクエストにお応えして。
本当はこれ、薬師丸が涙を流すヤツが有名らしいんだけど(覚えてないッス)、残念ながら、手元にあるのは別バージョン。
角川時代、薬師丸は結構CMに出てたらしいのだが、自身の主演作CMのほうが圧倒的に印象残ってますね。
「か・い・か・ん」「ドジな探偵さんね」などなど。
スポットCMをガンガン垂れ流してたからなぁ、角川映画。
独立後はむしろ、女優業よりCMのほうが充実していた感じも。
NTTとか「ちゃん・りん・しゃん」とか、よくモノマネされてたっけ。
そういや、離婚後はCMに出ていない?

(2004.12.29)

 

東洋水産 「でかまる」


なつかCM その4

1989年(?) 東洋水産「でかまる」
出演:柳沢慎吾


店長:(開店前の朝礼?)「それでは今日も元気よく」

店長&ウェイトレス:「いらっしゃいませ 何になさいますか?」

慎吾:(壁を突き破って)「でーかーまーるー!」

(ナレーター)「おっきいぞ おいしいぞ マルちゃんでかまる 新発売 袋もでかまる」


昭和期のカップラーメンは総じてサイズが小ぶりで、「副食」もしくは「おやつ」的な要素が強かったが、平成に入ると、主食としてのニーズが高まり、キングサイズのカップ麺であるエースコック『スーパーカップ』が大ヒットした。
このヒットを受けて、対抗商品として発売されたのが『でかまる』である。
増量カップ麺ブームは一過性に終わらず、主流として市場へ浸透していく事になる。
『スーパーカップ』も『でかまる』も、未だに製造販売されているし。

『スーパーカップ』のCMは、ストリート系の連中が「スーパーカップ!」とか叫んでいて、非常にイマドキ感溢れる(当時は)内容だったが、個人的には『でかまる』のほうが好きだったな。
なんか馬鹿馬鹿しくて(笑)

(2004.12.26)

 

大塚食品 「ARCHIMENDES」


なつかCM その3

1985年 大塚食品「ARCHIMENDES(アルキメンデス)」
出演:アン・ルイス

アン:「アルキメンデスは 歩きながら食べる麺・・・という意味です」

(ナレーター)「いつでもどこでもすぐ食べられる アルキメンデス」

カップラーメンは「お湯を入れて3分待てば出来あがり」という手軽さが受けて国民食となったが、1982年になるとさらに時間は短縮され、明星「クイックワン」なる1分間ヌードルが登場。
これによって、市場は俄かに超即席カップ麺がブームとなった。
この「アルキメンデス」はその究極で、なんとお湯を入れずに食べられると斬新なアイデアで話題になった商品である。
でもなぁ・・・なんか不味そうで、俺は食べずじまいだったけど。
一体どんな味だったんだろう?
速攻で消え去った事を考えると、まぁ想像に難くないけど。
結局、超即席麺ブームはこの「アルキメンデス」が引導を渡した形で、以降、この手のカップ麺は見かけなくなった気がする。
時代に咲いた仇花商品ですね。

アン・ルイスは「ドンパッチ」(口の中ではじけるキャンディー)や「スウィートンロウ」(ダイエット甘味料)なんかのCMにも出ていた記憶があるけど、実験的な商品に起用される傾向が強かったのだろうか。
確かに、70年代末から80年代にかけてのアンは「翔んでる女」の代名詞だったかも。

(2004.12.25)

 

ハウス食品 「王風麺」


なつかCM その2

1981年 ハウス食品「王風麺」
出演:欧陽菲菲

(歌:菲菲)♪北ノ街デワ ラーメンワ〜 合ワセ 味噌デッス〜〜

(ナレーター)「おいしいでっさぁ〜」

菲菲:「合ワセテ 味噌ネ!」

(ナレーター)「ハウス王風麺」

(歌:菲菲)♪合ワセ 味噌デッス〜〜

「王風麺」(ワンフーメン)は味もちゃんと覚えてます。
珍しい白濁系の白湯(パイタン)スープでヒットした商品。
要するにとんこつ系なのだが、「とんこつ = 九州」ではなく「とんこつ = 中華料理」として売り出しているあたりに、ご当地ラーメンの概念が浸透していなかった世相を反映しているかも。
当時としては珍しい味だったので、我が家でもよく食してました。
ちなみに、これは味噌を合わせたバージョンだから、いわゆる「味噌とんこつ」か。

欧陽菲菲は70年代初頭に「雨の御堂筋」などのヒットで人気歌手となり、その後は低迷し、80年代に「ラブ・イズ・オーヴァー」で復活するわけだが、このCMはその端境期にあたる。
この低迷期、彼女の仕事は「王風麺」くらいしか覚えてないけど、一体何をやってたのだろうか?
地元の台湾での活動が主だったのかなぁ?

(2004.12.21)

 

日清食品 「棒棒鶏」


なつかCM その1

懐かしいCM画像が溜まってきたので、ここで紹介。
今回は1981年にオンエアされた、日清食品「棒棒鶏」のCM。

出演:加賀まりこ・渡辺篤史

渡辺:「これがバンバンジーか」

加賀:「そう、ボウボウトリと書いてバンバンジーって言うの」

加賀:(篤史を睨んで)「もっと勉強しなさい、坊や」

渡辺:「バンバン?」

加賀:「ジー!」(素っ頓狂な声で叫ぶ)

(ナレーター)「たれで仕上げる醤油味ラーメン、新発売」

♪日清飯店 ぶわぁぁんばんじぃー

商品の味は記憶に無いけど、このCMはよく覚えてます。
今じゃ中華料理の定番と化してる「棒棒鶏」だけど、当時はこうやって説明しなければ判らないほどマイナーなメニューだったんですな。
俺もこのCMで棒棒鶏を知ったし、これのおかげで全国に棒棒鶏が知れ渡ったとなると、結構意義あるCMだったのかも。
しかし、ラーメンの上に棒棒鶏を載せるってのはひどいな。
誰も知らないと思って、無理やりラーメンに抱き合わせた感アリアリ。
ちなみに、俺はきゅうりが大嫌いなので、棒棒鶏を食べる際は肉だけいただきます(それじゃ棒棒鶏じゃねーってか)。

(2004.12.19)

 

Queen / I Want To Break Free


 悪趣味に徹底してインパクトを与えた異色作


ロジャー・テイラー(左)は女装似合いすぎ

 ブリット・ロックの王者、デビッド・ボウイのPVを取り上げた以上、もう一方の雄である、クイーンも取り上げないわけには行かない。
ということで、今回ご紹介するのは 「I Want To Break Free」(1984年)。
このPV、アメリカでヒットしなかった割には凄く有名なPVで(全米45位・全英2位)、PVにおけるクイーンの代表作となれば、今作にとどめを刺すだろう。
どうして有名なのかと言うと、一度見たら、絶対忘れられない強烈なインパクトを有しているからである。


老女の女装って違和感ないなぁ。
青島幸男やドリフで教育されたから?

いきなり冒頭から、メンバー全員による女装コスプレだし。
女学生風のロジャー・テイラー、老女のジョン・ディーコンはともかく、ネグリジェ姿のブライアン・メイと、レザーの超ミニスカで肢体を晒してうろつき回るフレディ・マーキュリーは結構キツイ。
特にフレディはカメラ目線でウィンクとかカマすし(それも心底嬉しそうに)、エグさ倍増。
とある家庭を舞台に、各自、祖母・母・娘に扮しているようであるが、特にストーリーはなく、これはイギリスの有名なテレビ番組のパロディらしい。
ゆえに、イギリス人はこれ見て大爆笑だったらしいが、そんな事情を知らないアメリカ人は拒否反応を起こし、多くのクイーンファンが脱落したという噂も。
英米でヒットの明暗がはっきり分かれたのも、そうした理由によるのか?


やっぱり脱ぎたがるフレディ

この時点でかなりのもんだが、その後、フレディは唐突に上半身ヌードを披露。
レザーパンツ履いて、胸毛で覆われたソフトマッチョなボディを惜しげもなく晒す姿は、まさにハードゲイさながら。
まぁこれに関してはいつもの事だけど。
にしても、 ここで脱ぎ出す必要は全く無いと思うが。

続いて、フレディ様はホルスタイン柄のレオタードに衣替え。
ここでも濃厚なメーキャップを施しているものの、女装と言う訳ではなく(往年の映画スタア風?)、「牛&メイク」のコンセプトは不明だが(ミル姉さんか)、いずれにしても女装と同様にキモイ。
しかも、同じくホルスタインな男女がフレディ様にかしずいたり、こいつらの群れに飛び込んだり、エロティックなダンスを踊るわ、股間を強調したポーズを取るわと、フィジカルな肉欲を暗示するかのような怪しいシーンが延々と続く。
それにしても訳判らんな。


牛柄のフレディ、男体女体の群れにジャンプ!

このPV、ストーリー性やメッセージはなく、全編目的不明かつ意味不明で(ウケ狙いとも言い切れないし)、PVの場を借りて、フレディのあらゆる欲求・フェティシズムを満たしているようにしか思えない。
フレディ一人が異様に生き生きしてるし。
一部でその勇気ある(?)女装を、タイトルと併せて「反差別」「自由解放」みたいなメッセージとして受け止めている向きもあるようだが、それは後付けっぽいような気がする。
しかし、このエグ味の連続、逆に言えば悪趣味に徹してインパクトを与えているとも言えるわけで、事実、それ故に、当時かなり話題となったのだから、PVとしては成功作と言えるだろう(アメリカではともかく)。
「スリラーに追いつき追い越せ」と躍起になって撃沈したリチ男やボウイを尻目に、自分のやりたい事を奔放にやり遂げ、プロモーションと自己満足を同時に果たしたフレディ。
趣味と実益を兼ねていて(知らんけど)、ある意味痛快。

(2004.04.10)

 

David Bowie / Blue Jean


 「スリラー」を意識しすぎて(?)コケた哀しい長編大作

写真
華麗なロックスターを演じるボウイ、CGじゃないのに全身キンキラキン

 今回ご紹介するのは、デビッド・ボウイ「Blue Jean」のプロモーション・ビデオ(以下、PV)。
 前に取り上げたライオネル・リッチー「Hello」と同じく、1984年に制作されたPVで、しかもドラマ仕立てという、両者には共通項があるものの、その作風は全く異なる。
 歌とセリフを一体化させた「Hello」に対し、こちらは「ボウイ扮するさえない男が美女を必死に口説く」というあらすじの劇中にて、歌手役のボウイがステージで「Blue Jean」を歌い、美女とさえないボウイがそれを眺めるという、映画的な手法を採っているのだ。
 実際、約20分もの長編だし、PVというより短編映画といったほうがいいかもしれない。

 今、手元にあるのが歌シーンのみのショートバージョンなので、劇部分の内容は記憶に頼るしかないが、演技も演出も特に見るべきものはなかったように思う。
 しかし、歌のシーンはさすがにカッコ良く撮っていて、ボウイ自身も、ルドルフ・バレンチノ風の華麗なアラビック衣装を身にまとい、さらには全身銀粉を塗ったくるという気合の入れよう。
 衣装もボディもラメ仕様のため、照明の加減でボウイが青く光ったりグリーンに光ったりと、カット毎で微妙に色合いが変化するのも、このシーンを印象的なものにしている。

写真
美女の目の前でワインのコルクが抜けずに焦る(ベタな描写)、ドジっ子ボウイ

 それにしても、どうしてこれを歌オンリーのPVとして制作しなかったのだろうか?
 これほど奇抜なビジュアルで勝負するなら、わざわざ映画仕立てにせんでもインパクトは充分であろうに。
 「Blue Jean」はアルバム『Tonight』からのファースト・シングルなのだが、前作『Let's Dance』がメガヒットを記録した後だけに絶対コケるわけにはいかず、大作PVで話題を集める目論見だった事は推測できるが、それはやはり、マイケル・ジャクソン「スリラー」を強く意識しての所業だとは思う。
 発売から一年経って粗方売りつくされた感のあったアルバム『スリラー』が、PV「スリラー」の話題で購買層を拡げて再び売上を伸ばした実績があるだけに、その経済効果を当て込んでPVに力を注ぐのも、当時は無理もなかったように思う。
 それとは別に、ボウイの場合は、前年から『戦場のメリークリスマス』『ハンガー』など、映画進出にも意欲的で、その役者根性をPVで示したい欲求もあったろうけど(それも一人二役ならなおさら)。

 しかし、こうした思惑とは裏腹に、「Blue Jean」は全米8位・全英6位という中ヒットに留まり、アルバム『Tonight』も大して売れなかった。
 確かに凝った長編PVではあるけど、受け手としては「またかよ」みたいな二番煎じで、マイコーほどの衝撃がなかったという事か?
 それ以前に、アルバムの内容が『Let's Dance』の縮小再生産みたいでイマイチ、ってのが一番の原因ではあるけど。
 この「Blue Jean」以降、PV界の長編大作志向は影を潜めたような気がする。
 結局、PVの宣伝効果は補助的なものに過ぎない事が今作で明らかになったのかも。
 そういう意味では、このPV、「Hello」と違ってまともな作品であるにもかかわらず、「Hello」と並ぶ仇花的PVと言えそう。

(2004.02.01)

 

Lionel Richie / Hello


 ミスキャストと純愛を逸脱したストーカーぶりが笑えるPV

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女子学生に恋心を抱くリチ男だが・・・

今回ご紹介するのは、ライオネル・リッチー「Hello」のプロモーションビデオ(以下、PV)。
 なぜ今これを?とお思いでしょうが、最近このPVが手に入ったというだけで、深い意味はないです。
 84年にアルバム『Can't Slow Down』からシングルカットされた今作は、全米・全英共に1を記録。
 女性に対する届かぬ想いを切々と歌い上げるバラードで、メロディラインも美しい珠玉の名作だと思うが、あまりにもブラックテイスト皆無な作風に対し、「どこがブラックミュージックやねん」的な批判も結構あったように記憶する。
 しかし、マイケル・ジャクソンやプリンスと並んで、白人中心のロック・ポップス市場にブラックミュージックを浸透させた立役者ではあるし、その功績は素直に称えてしかるべきかも。

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どこにでも付きまとうリチ男
 それはさておきPVであるが、当時はマイケル・ジャクソン「スリラー」のPVが好評を博した最中で、このPVも「スリラー」を意識してか、非常にストーリー性を重視した作りになっており、ちょっとした大作と呼べる代物である。
 大まかなあらすじは「ライオネル・リッチー(以下、リチ男)扮する学校教員が、全盲の女子学生に恋をして、最後はその想いが成就する」というもの。
 まぁ感動的なあらすじだし、一応、歌詞に即した内容でもあるのだが、完成品は演出などに難があって、制作側の意図する「感動」からはおよそ遠ざかった珍作になってしまった。

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ある時はカフェテラスに
 まず、リチ男が恋心を抱くのはいいんだけど(学生相手という事を考えると、ちとヤバイ設定ではあるが)、相手が盲目であるのをいい事に(としか思えん)、この男、どこにでも付きまとうんである。

 教室・カフェテラス・ダンススタジオ・ロッカー室と、「彼女の居る所にリチ男在り」と言わんばかりな執拗さは、まさにストーカーさながら。
 「いつでも君を見守ってるよ」という事なんだろうけど、ちょっと怖いだろう、これじゃ。
 いくら84年当時、まだストーカーが社会問題化していなかったとはいえ。

 この時点で既にアウトなのだが、リチ男のストーキングは止まることを知らず、ついには彼女の自宅へ電話をしてしまう。
 しかも、いきなり♪Hello〜 とか歌いだすし(笑)。
 確かにそういう歌だから、しょうがない部分もあるけど、それにしても電話で歌いだすとは唐突だろう。
 笑わせてどうする。

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またある時はロッカー室に(!)
 最後はこうしたリチ男の努力が実って(?)、女子学生も彼の求愛に応えてメデタシメデタシ・・・なんだけど、このラストも問題大あり。
 彼女は密かにリチ男の彫像を製作しており、「彫像を作ることが彼に対する愛の証」みたいな設定なのだが、この彫像がかなりキモイ。
 北京原人というか、ネアンデルタール人というか、とにかく猿人チックな出来栄えで、これ見た瞬間、大笑いしてしまった。
 「こんなモン作ってもらっても」的なありがた迷惑だが、なまじっか似てるだけに始末が悪い。
 制作サイドとしては、「全盲の女の子が一生懸命作ったんだから」という事で「感動的フィナーレ」ってな目論見なんだろうけど・・・なんだかなぁ、オチにしか思えん。
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突然♪Hello〜 と歌いだすリチ男

 このPV、演出に問題があるのは間違いないが、それ以前に、リチ男がこの主人公を演じる事自体に無理があるかも。
 やっぱり、こういう手合いは二枚目がやらないと、どうにもサマにならない。
 馬面でゴツい顔したリチ男じゃ役不足で、ハナっからミスキャスト。
 もし、ジョージ・マイケルあたりが演じていれば、多少状況は違ったかもしれない。

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北京原人のようなリチ男の彫像

 また、いきなり♪Hello〜 と歌いだすシーンに象徴されるように、PVにおいて、音楽とドラマを融合させることの限界をも示した感がある。
 ミュージカルを除いて、「歌 = セリフ」な手法が成立しにくい事を立証したというか。
 事実、この「Hello」以降、ドラマ仕立てのPVはあまり見かけなくなったような気がするし。
 そういう意味ではこの作品、PVの発展には不可欠な必要悪だったのかも(笑わせてはもらったし、「悪」呼ばわりするのもなんだが)。


(2004.01.12)

 

懐かしのフレンチポップス大全集


 拝見してないんですが、画像を頂いたので

昨年の12月27日、NHK衛星第二テレビにて『懐かしのフレンチポップス大全集』という番組がオンエアされた。
60〜70年代にかけて人気を集めた、当時のスター映像が満載!という触れ込みで、日本では見る事の出来ない"お宝映像"も含まれる可能性が高く、僕も拝見したかったのだが、あいにく我が家にはBS機器が無くて、結局は鑑賞できず(泣)。
しかし、番組を録画していたよっかーさんより、番組の画像を多数頂きまして、せっかくですので、ここで御紹介したいと思います。 確かにレアな映像がてんこ盛り状態。
ここではフランス・ギャルとシルヴィ・バルタンが中心ですが、それでもかなりなレアっぷりですので、見逃した方にも楽しんで頂けるのではないかと。 よっかーさん、貴重な画像を送って下さり、ありがとうございました。

(2002.02.05)

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この「夢シャン」映像は初めて見るなぁ
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ちょっとだけ梅宮クラウディア似
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噂の「アニボン」映像ついに登場!
左:フランス・ギャル 右:セルジュ・ゲンズブール
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同じく「アニーとボンボン」
なんかTK&華原っぽい感じが・・・
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フランス・ギャル「娘たちにかまわないで」
これは日本でもブートが出回ってますね
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同じく「娘たちにかまわないで」
当時のギャル嬢を、カラーで堪能できるのが嬉しい
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フランス・ギャル「シャルマーニュ大王」
これにも映像があったとは!
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同じく「シャルマーニュ大王」
おニャン子「夢カタログ」っぽいフォーメーション
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フランス・ギャル近影、若々しいですな
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シルヴィ・バルタン「ホワッド・アイ・セイ」
これは貴重な映像だ! 当時18歳
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シルヴィ・バルタン「レナウン娘」
日本での代表作だったりして(笑)
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同じく「レナウン娘」
この頃のシルヴィはホントに綺麗
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シルヴィ・バルタン「アイドルを探せ」
同名映画は有名だけど、これは初めて見るなぁ
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同じく「アイドルを探せ」
「聚楽よ♪」って気がしなくも無い(^^;
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これもレアな映像ですね
シルヴィ・バルタン「しあわせの2分35秒」
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同じく「しあわせの2分35秒」
蓄音機ごしに妖艶な笑みを浮かべる"お嬢"
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シルヴィ・バルタン、来日時の映像 たぶん70年代
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シルヴィ・バルタン近影 岩下志麻っぽいか?
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左:ジェーン・バーキン 中:セルジュ・ゲンズブール
右:シルヴィ・バルタン
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"両手に花"でご満悦な御大
ちょっとキャバクラっぽいけど

 

青空娘


 陰的要素で構築された陽性ドラマ

めでたく(?)2回目を迎えた「TV&CINEMA」だが、今回ご紹介したいのは、連ドラではなくて『青空娘』という映画。
今作は昭和32年の大映作品で、監督は増村保造、主演は若尾文子。
大まかなストーリーは、都内の豪邸に住む家族とは別に、ひとり田舎の祖母に育てられた小野有子(若尾)が、祖母の今はの際に、「東京の母親は継母で、兄弟は異母兄弟、しかも実母は行方不明」という出生の秘密を知らされる。
有子の高校卒業を契機に、東京で家族と同居する事が決まり、不安なまま、有子は上京するが、優しくしてくれるのは父親(信欣三)だけで、継母(沢村貞子)や異母兄弟からは女中同然に扱われる。
しかも、異母姉のボーイフレンド・博(川崎敬三)から求愛された事が逆鱗に触れて、家からも追い出される始末。
しかし、僅かな実母情報を手掛かりに、高校時代の教師(菅原謙二)や博の協力を得て、無事、有子は実母(三宅邦子)との対面を果たし、ついでに博とも結ばれて「めでたしめでたし」・・・そんな内容。
ほとんど「シンデレラ」に近い悲惨なあらすじだが、実際、博が有子に「将来僕がキレイな靴を履かせてあげる」と確約する場面があるので、モチーフにはしてるはずだ。

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御年24才の若尾文子さま

増村は『華岡青洲の妻』『清作の妻』・TV『赤いシリーズ』等、この手の暗澹たるドロドロ愛憎劇には定評があり、この『青空娘』も同様のテイストだろうと思いきや、作風は正反対の爽やかぶりで、タイトルに偽り無し!ってな按配。
筋書き通り、有子は家人から相当邪険にされてはいるし、その描写も克明に描いてはいるが、それでも見ていて、さほど気の毒な感じがしないのだ。
となると、ストーリーと作風が大きく矛盾するが、これは映画の主題が"家族の葛藤"よりも、苦難を明るく乗り越えていく"有子の力強さ"に重点を置いているからである。
おかげで、観ていて同情どころか、逆に元気づけられるような感じだ。

ちなみに映画の題名は、高校教師が有子に送ったエール、「いつでも青空を見て元気を出せ!」から来ているのだが、実際、有子が辛い目に遭うと、象徴的に空を仰ぐシーンが挿入される。
こうした主題の置換に加えて、有子と博の恋愛模様等、青春映画の要素も適度に取り入れ、陰鬱なストーリーが爽快ドラマに転化されているが、考えてみると、主役の若尾文子って、健康的な容姿ではあるが、声質も口上も重たいうえに、表情が官能的と、その個性はかなり陰的である。
どう転んだって『青空娘』向けの素材とは思えないし、当時既に24才で、高校卒業したばかりのハイティーンにも見えないが、劇中の若尾は「青空娘」として溌剌たる個性を発揮しているように見えるから不思議だ。
これは主題の置換はもちろんだが、配役や演出によっても、若尾のミスキャスト的違和感を相殺している部分が大きいと思う。

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左より異父弟・川崎敬三・ミヤコ蝶々

まず配役であるが、"陰&静"の若尾に対し、川崎敬三・菅原謙二・沢村貞子・清川玉枝といった"陽&動"な脇役を多く配する事で、ドラマ全体に躍動感を与える狙いが功を奏している。
加えて、太陽族な兄・イケイケな姉・ヤンチャな弟と、異母兄弟のキャラクター設定を現代的にしている点も、ビビッドイメージに大きく寄与しているが、何といってもミヤコ蝶々の力が大きい。
蝶々演じる女中の八重は、虐待されてる有子を、陰に日向に励ますのだが、東京が舞台なのに一人で関西弁を喋るし、しかも、セリフが逐一コミカルという、最上級の"陽&動"っぷりで、劇中、大きなスパイスとなっているのだ(漫才の相方・南都雄二も共演)。
こうした配役の妙に加えて、スピーディーな演出も、作品に多大な躍動感を与えている。 まず、セリフ回しが速い。
今見るとごく普通のテンポだが、当時にしてはかなり速いと思う。
これによって、"陽&動"な脇役陣の個性や役割が一層ハッキリするし、若尾の鈍重な口上も、多少は小気味良く感じられる。 それから、場面展開も速い。 
1シーン毎の長さは普通であるが、ストーリー展開が非常に速いんである。
具体的には、冒頭の「若尾登場→高校卒業等の状況説明→高校教師登場→祖母危篤→出生の秘密暴露→上京」、ここまでの流れが僅か4分。 速っ!
同時期の小津安二郎を標準速度と考えたら、『青空娘』は10倍速って感じだ。
てか、現在のTVドラマだって、ここまで速い展開は少ないだろう。

この作品、沈鬱なあらすじで主演女優が陰的という、『青空娘』と呼ぶには多大なハンディを背負わされているにもかかわらず、それとは対照的な主題の置換・配役・演出を施す事で、見事、題名にふさわしい作風に仕立てている。
ラジオドラマの映画化なので、原作自体が優れているのもあるけど。
あと、カラー映画にしたのも大きいかも。
当時はまだまだ白黒映画が主流だったが、『青空娘』なだけに、これでモノクロだったら、果たしてこれほどの爽快感が出せたかどうか。
またこのカラー画面が、40年以上昔とは思えないほどキレイな発色をしているので、ハイテンポな作風と合わせて、今見てもあまり古びた感じがしない。
もっとも、菅原謙二が海に向かって「あ〜ば〜よ〜」と叫んだり、ホームパーティーの余興として"卓球大会"が開かれたりと、旧態然たる演出・設定は随所に垣間見えるが。
60年代、「若尾&増村」のコンビで映画が量産されたが、この作品は記念すべき"コンビ第1号"である。
他の作品は、『妻は告白する』『卍』『夫が見た』等、若尾の陰性な魅力を生かした作品が多くて、この『青空娘』は異色に属するものの、"女の芯の強さ"をベースにしている点では共通しているかもしれない。
事実、素顔の若尾って、甘いムードとは正反対に、物凄く勝気で男まさりらしいし。

(2001.10.10)

 

はずめ!イエローボール


 増田未亜の魅力炸裂! 子供向けドラマの名編

実は先日デジカメを購入しまして。 まぁデジカメと云っても"Che-ez!"なんだけど。
しかし、トイカメラとは云え「腐ってもデジカメ」、どうにかHpで有効活用したくて思い付いたのが、この『一品料理/TV&CINEMA』なる企画。
早い話、CS画面をデジカメ撮影して、地上波では観ることの出来ないレア物を紹介しようという主旨で、どうにも『アイドル708090』のパクリっぽくて恐縮ですが。 しかも、何回続くか判んないし。
とまぁ、かように場当たり的な企画だけど、記念すべき第1弾は、『はずめ!イエローボール』。
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「ノリノリ亜子だよ」

この作品は1987年、関西テレビ系で放送された連続ドラマで、関東では確か早朝のとんでもない時間にオンエアされてたと思う。
おかげで、存在は知っているけど、さほど観る機会が無いまま終わってしまい、以後、再放送も無く、関東人にとっては(僕だけか?)"幻のドラマ"と云えよう。
内容は、中学1年生の藤倉亜子(増田未亜/写真左)が、テニス選手として将来を嘱望されつつ、病気で選手生命を絶たれた姉の意志を引継ぎ、テニス部に入って、姉の果たせなかった想いを、本人に代わって成就させようと日夜テニスに励む・・・そんな感じ。
こう書くと、なんだか死ぬほど気合入りまくりの暑苦しい、まるで『巨人の星』実写版かと思うが、そんな趣きは全く無く、テイストは至ってソフト。
というか、『あばれはっちゃく』等と同次元な子供向けドラマなので、「他愛も無い」「微笑ましい」って感じだが。

しかし、子供向けとは云え、『エースをねらえ!』のスポ根、『中学生日記』の道徳性、『ケンちゃんシリーズ』の家族(姉妹)愛と、全く異なる要素が上手くブレンドされたプロットなので、ストーリー展開の幅が広くてワンパターンに陥る事が無く、毎回視聴者を飽きさせない作りをしている。 
もし、これが"スポ根一本槍"だったら、早晩、ストーリー展開は行き詰まり、無茶苦茶な必殺技の応酬でその場をしのぐ、荒唐無稽なドラマになってた可能性大だが、その点、人間ドラマを軸とする(大した事は無いが)『はずめ!〜』なら、大人の鑑賞にも充分耐え得るのでは? もっとも、荒唐無稽であっても、それはそれで楽しいけど。

さらに、登場人物の性格設定が非常に明確な点も、このドラマの見逃せない長所である。
お調子者の亜子に、努力家で堅実な姉・おしゃべりな友人・厳しい先輩等を配し、いささか類型的ではあるが、各々の個性がハッキリしているので、人物間の相関性や対比にメリハリが生じて、ストーリーに深みが出るし、子役にとっても、拙い演技力がデフォルメ芝居でカバーできるのだから。
それにしてもデフォルメとは云え、主演の増田をはじめ、子役たちは皆一様に、物凄い棒読み口上をしている。
プロ臭さを否定して、普通っぽさを醸し出す狙いがあるんだろうが、このドラマは関西制作で、子役たちは在阪ゆえに、共通語を喋り慣れていないというのもあるのか?

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「ほら、しっかりボールを見る!」

それはともかく、中でも池田智美(写真右)って子の演技は白眉。
池田演じる仁科久美子は、幼少からテニスに打ち込む、テニス部のエース格で、チームを勝利に導く事しか眼中に無い、『エースをねらえ!』で云えば"お蝶夫人"に近い役どころだが、その"テニス馬鹿"ぶりを部員に怒鳴り散らす事で表現し、その気高さを「ツン」とすまして一切の微笑みを排除する事で賄っているのだ。 絶対に笑わない。 決して敵役でも憎まれ役でも無いのだが。
設定がやや非現実的だし、四六時中不機嫌な印象で「いくら何でもそれは・・・」とも思うが、これまた周囲から"ノリノリ亜子"と呼ばれるほどに、極端なお調子者の亜子と絡むと(劇中、仁科は亜子をシゴくシゴく)、仁科の極端が観ていて不思議と違和感が無いのだ。

という事は、このドラマは「不自然には不自然を宛がう事で自然を保とう」という方法論で制作されており、それって、大映ドラマに近い手口のハズだが、両者の肌合いは全く異なる。
それは同じ「極端×極端」でも、大映ドラマは「プラス×プラス」という極端を乗算する事で生じる、天井知らずな不自然を逆手に取った虚構劇であるのに対し、一方の『はずめ!〜』は、「プラス×マイナス」という正反対の極端を掛け合わせる事による中和作用だから。
まぁこうした仁科の強烈な個性に拮抗し、しかも、違和感を相殺し得る対極分子だから、亜子(というより、増田未亜自身)の魅力はかなりのモノ。
ルックスも声も愛らしいうえに(写真じゃそう見えない?)、素直で無邪気で天真爛漫、それでいてお調子者・勉強嫌いという、コミカルな親しみ易さも兼ね備え、児童向けドラマのヒロインとして、観ている少年たちを惹き付け、なお且つ、少女たちの共感を得るには申し分ない逸材である。
美点が多々ある佳編ドラマだが、やっぱり増田を主演に据えた事が、一番の勝因かもしれない。 ハマリ役ってヤツだ。

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増田未亜と清水善三(!)

彼女の魅力にハマったのは、当時の大人も同様で、このドラマ出演を契機に、増田は東京のアイドルファンからも脚光を浴びて、平成元年には歌手デビューまで果たした。
大阪のローカル子役から、一躍全国区へと飛躍できるかと思えたが、当時はいわゆる"アイドル冬の時代"で、アイドルに対する世間の関心が低かった事に加え、CDデビュー・写真集発売という、正統的なアイドル展開や、「アイドルマニアの高い支持」という前評判も、一般人には「増田未亜=オタク仕様」的な先入観を植え付けてしまい、逆にメジャー展開の足枷となった感がある。 歌もヘタだったし。
その後もいろいろドラマに出てたが、結局『はずめ!〜』を超える作品には出会えなかった。
普通に女優展開、もしくはCM展開とかしてれば、万人受けする容姿を武器にして、順当に大成したかと思えるだけに、かような不発結果は残念だった。
ちなみに、増田は今でも女優業を続けており、たまに写真を観ると、当時の美少女がそのまま美人になった趣きで感慨深い。 だから余計に残念なんだが。

(2001.09.28)


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