TV & CINEMA
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■ 悪趣味に徹底してインパクトを与えた異色作
ブリット・ロックの王者、デビッド・ボウイのPVを取り上げた以上、もう一方の雄である、クイーンも取り上げないわけには行かない。
いきなり冒頭から、メンバー全員による女装コスプレだし。
この時点でかなりのもんだが、その後、フレディは唐突に上半身ヌードを披露。
このPV、ストーリー性やメッセージはなく、全編目的不明かつ意味不明で(ウケ狙いとも言い切れないし)、PVの場を借りて、フレディのあらゆる欲求・フェティシズムを満たしているようにしか思えない。 (2004.04.10) |
■ 「スリラー」を意識しすぎて(?)コケた哀しい長編大作
今回ご紹介するのは、デビッド・ボウイ「Blue Jean」のプロモーション・ビデオ(以下、PV)。 今、手元にあるのが歌シーンのみのショートバージョンなので、劇部分の内容は記憶に頼るしかないが、演技も演出も特に見るべきものはなかったように思う。
それにしても、どうしてこれを歌オンリーのPVとして制作しなかったのだろうか? しかし、こうした思惑とは裏腹に、「Blue Jean」は全米8位・全英6位という中ヒットに留まり、アルバム『Tonight』も大して売れなかった。 (2004.02.01) |
■ ミスキャストと純愛を逸脱したストーカーぶりが笑えるPV
今回ご紹介するのは、ライオネル・リッチー「Hello」のプロモーションビデオ(以下、PV)。
大まかなあらすじは「ライオネル・リッチー(以下、リチ男)扮する学校教員が、全盲の女子学生に恋をして、最後はその想いが成就する」というもの。 まぁ感動的なあらすじだし、一応、歌詞に即した内容でもあるのだが、完成品は演出などに難があって、制作側の意図する「感動」からはおよそ遠ざかった珍作になってしまった。
教室・カフェテラス・ダンススタジオ・ロッカー室と、「彼女の居る所にリチ男在り」と言わんばかりな執拗さは、まさにストーカーさながら。 この時点で既にアウトなのだが、リチ男のストーキングは止まることを知らず、ついには彼女の自宅へ電話をしてしまう。
彼女は密かにリチ男の彫像を製作しており、「彫像を作ることが彼に対する愛の証」みたいな設定なのだが、この彫像がかなりキモイ。 北京原人というか、ネアンデルタール人というか、とにかく猿人チックな出来栄えで、これ見た瞬間、大笑いしてしまった。 「こんなモン作ってもらっても」的なありがた迷惑だが、なまじっか似てるだけに始末が悪い。 制作サイドとしては、「全盲の女の子が一生懸命作ったんだから」という事で「感動的フィナーレ」ってな目論見なんだろうけど・・・なんだかなぁ、オチにしか思えん。
このPV、演出に問題があるのは間違いないが、それ以前に、リチ男がこの主人公を演じる事自体に無理があるかも。
また、いきなり♪Hello〜 と歌いだすシーンに象徴されるように、PVにおいて、音楽とドラマを融合させることの限界をも示した感がある。
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■ 拝見してないんですが、画像を頂いたので 昨年の12月27日、NHK衛星第二テレビにて『懐かしのフレンチポップス大全集』という番組がオンエアされた。 (2002.02.05)
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■ 陰的要素で構築された陽性ドラマ めでたく(?)2回目を迎えた「TV&CINEMA」だが、今回ご紹介したいのは、連ドラではなくて『青空娘』という映画。
増村は『華岡青洲の妻』『清作の妻』・TV『赤いシリーズ』等、この手の暗澹たるドロドロ愛憎劇には定評があり、この『青空娘』も同様のテイストだろうと思いきや、作風は正反対の爽やかぶりで、タイトルに偽り無し!ってな按配。 ちなみに映画の題名は、高校教師が有子に送ったエール、「いつでも青空を見て元気を出せ!」から来ているのだが、実際、有子が辛い目に遭うと、象徴的に空を仰ぐシーンが挿入される。
まず配役であるが、"陰&静"の若尾に対し、川崎敬三・菅原謙二・沢村貞子・清川玉枝といった"陽&動"な脇役を多く配する事で、ドラマ全体に躍動感を与える狙いが功を奏している。 この作品、沈鬱なあらすじで主演女優が陰的という、『青空娘』と呼ぶには多大なハンディを背負わされているにもかかわらず、それとは対照的な主題の置換・配役・演出を施す事で、見事、題名にふさわしい作風に仕立てている。 (2001.10.10) |
■ 増田未亜の魅力炸裂! 子供向けドラマの名編 実は先日デジカメを購入しまして。 まぁデジカメと云っても"Che-ez!"なんだけど。
この作品は1987年、関西テレビ系で放送された連続ドラマで、関東では確か早朝のとんでもない時間にオンエアされてたと思う。 もし、これが"スポ根一本槍"だったら、早晩、ストーリー展開は行き詰まり、無茶苦茶な必殺技の応酬でその場をしのぐ、荒唐無稽なドラマになってた可能性大だが、その点、人間ドラマを軸とする(大した事は無いが)『はずめ!〜』なら、大人の鑑賞にも充分耐え得るのでは? もっとも、荒唐無稽であっても、それはそれで楽しいけど。 さらに、登場人物の性格設定が非常に明確な点も、このドラマの見逃せない長所である。
それはともかく、中でも池田智美(写真右)って子の演技は白眉。 という事は、このドラマは「不自然には不自然を宛がう事で自然を保とう」という方法論で制作されており、それって、大映ドラマに近い手口のハズだが、両者の肌合いは全く異なる。
彼女の魅力にハマったのは、当時の大人も同様で、このドラマ出演を契機に、増田は東京のアイドルファンからも脚光を浴びて、平成元年には歌手デビューまで果たした。 (2001.09.28) |