■ "美人女優"の復権なるか?今後の動向に注目! 中山美穂といえば、80年代アイドルの代表格であると同時に、90年代以降もその人気は衰える事なく、現在に至るまで常に業界をリードし続けてきた、今や芸能界を代表するビッグネームである。 こうして確固たる地位を築いた彼女だが、90年頃からアイドル人気も下火になり、20歳という年齢面でのカベも重なり、彼女も転機を迎えた。 そして多くの主演女優が淘汰され、無事生き残った感のある現在。 思えばいつの時代にも、この手の"美人女優"は存在してきた。 かように形骸化した"美人女優"だが、何故か現在、中山美穂の手により復活の兆しが。 このような状況でありながら、雑誌(ノンノか?忘れた)の好感度調査では、ココ数年トップなのだ。 (1999.12.28) |
■ 松本隆が初めて本格的に手掛けた"性典ソング" 中山美穂のデビュー曲。 なんでも彼女の歌手デビューに関しては、松本隆が並々ならぬ意欲を見せたらしい。 で、松本隆・入魂の一作となったこの作品だが、歌詞は"ツッパリ"というより、『毎度〜』の内容に合わせた"性典モノ"だ。 タイトルからしてそのまんま。 沖田浩之か。 曲はマイナー調でアップテンポ。 この作品は、キワドイ主題をオブラートに包んで表現しているのもさることながら、主題をスピーディーで独特なサウンドに乗せたおかげで、そのキワドさが一層カムフラージュされた感もある。 (1999.12.28) |
■ "超15歳級"な生意気ぶりが興味深い作品 前作「C」では、『毎度おさわがせします』が啓蒙する"性典"のイメージを強調した作りをしたが、今回はソレに付随する"生意気なツッパリ"がテーマ。 タイトルもそのものズバリだ。 曲・アレンジ、サウンド面はハッキリ言って、ライム「思いがけない恋」のパクリ。 結構似ている。 有名な話だが。 で、歌詞だが、主題は『恋人と別れた少女が、後悔の念を吹っ切って、強く生きていく決意』である。 こういった側面を、松本がどこまで計算したのかは、知る由もないのだが、おかげで平凡な主題にもかかわらず、結構面白い作品に仕上がった。 (1999.12.28) |
■ アナクロな不良像が微笑ましい、"ツッパリ歌謡・外伝" 美穂が出演した、同名映画のテーマソング。 原作は同名のマンガ。 で、その歌詞だが、「少女A」派閥には属さない"ツッパリ歌謡"に松本が挑戦している。 曲はソフトなメジャー調。 音域は高めで、主題に合わせて、美穂の可愛らしい声を聴かせる作りだ。 この作品、"ツッパリ歌謡"本来の定義(詳しくは中森明菜「少女A」を参照)からは大きくズレていて、実質的には"ツッパリ歌謡・外伝"ともいえる内容だが、この"ちばてつや"的な世界観は好感度大で、主人公のマドンナぶりと相俟って、ヤンキー層の支持も獲得。 (1999.12.28) |
■ 中山美穂の最高傑作 美穂本人が出演した、化粧品のCMソング。 まずは曲だが、春のキャンペーンにふさわしく、ソフトなメジャー系。 アレンジも「けんかを〜」では失敗した清水だが、ココでは水準に達している。 かようにサウンド面は充実しているのだが、一番スゴイのは歌詞だ。 美穂には他にも傑作がいくつかあって、どの作品をマスターピースに認定するのか、結構悩むのだが、 (1) 化粧品コマソンとして合格点 これだけプラスの要素が揃えば、やはりこの作品を最高傑作に推さないわけにはいかない。 (1999.12.28) |
■ 歌詞とは裏腹に、地味なアレンジで存在感に欠ける作品 今回は松本隆&財津和夫という、松田聖子でお馴染みのコンビ。 それはともかく、まずは曲。 歌詞は前作「色・ホワイトブレンド」の成功を受けて、大人びた内容になっている。 歌詞・曲はいずれも問題ないのだが、アレンジが今一つ。 (1999.12.28) |
■ 意欲作だが、結果としてはツッパリ歌謡の"徒花" 作曲に小室哲也が起用された。 で、曲だが、「MY〜」同様のメジャー系。 歌詞は「BE-BOP-HIGHSCHOOL」の系譜で、"ツッパリ"がテーマ。 で、内容もサービス精神たっぷりで、"これでツッパリは見納め!""在庫一掃処分!"と言わんばかりの現品大放出ぶりだ。 今回も「BE-BOP〜」同様、自分はツッパリじゃなくて、相手がツッパリ。 それにしても、このベタベタなツッパリ描写。 (1999.12.28)
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■ 中山美穂・筒美京平、それぞれに新境地を開拓 「色・ホワイトブレンド」同様、コレも化粧品のCMソングだ。 で、その歌詞だが、主題は「イイ女の自意識過剰なナルシスぶり」。 曲・アレンジ、共にサウンド面は「C」の系譜だ。 この作品で完成された"打ちこみ系のファンキーサウンド(?)"は、筒美自身よほど気に入ったのか、美穂の「派手!!!」でも流用し、さらに、ユーロビートを軸とした形で再構築し、少年隊・田原俊彦、そして美穂の「WAKU
WAKU させて」へ繋げていく。 (1999.12.28) |
■ サウンドの完成度に対して、歌詞の凡庸さがイタい作品 前項で述べたように、「ツイてるね ノッてるね」で完成された"打ちこみ系ファンキーサウンド"を、ここではユーロビートを下敷きに再構築している。 モチーフとなった作品は、ラナ・ベレー「ピストル・イン・マイ・ポケット」。 アレンジは相当に凝っている。 歌詞は、「何もかも忘れて、一晩中踊ろうよ!」というのがテーマ。 かようにこの作品は、見事な"ユーロビート歌謡"の傑作となった。 このあたりになると、美穂の楽曲制作に関する主導権は、完全に松本から筒美にバトンタッチされた感がある。 (1999.12.28) |
■ 大きな犠牲の上に成り立つ、見事なサウンド 前作「WAKU WAKU させて」は、フジテレビ系ドラマ『なまいき盛り』の主題歌で、今回はTBS系ドラマ『ママはアイドル』の主題歌。 どちらも美穂の主演で連続モノだ。 それはともかく、まずは歌詞。 主題は「不相応に"イイかっこしぃ"な彼氏の暴走をたしなめる」といった内容。 曲は"歌唱重視"ではなく、完全に"サウンド志向"で作られている。 で、こうした"歌い手不在(?)"なサウンド作りをした結果、歌唱はイマイチ。 この作品、完全なサウンド重視型で楽曲制作されていて、非常にクウォリティの高いサウンドを聴かせてくれるが、その見事さも、歌唱の代償で成立している事を考えれば、素直には評価できないだろう。 (1999.12.28) |
■ 歌謡界では珍しい、ラテンとテクノの異種交配 これまで美穂の楽曲制作において、陰日向で主導してきた松本隆が、この作品から完全に外れる。 で、その歌詞だが、「夏の水辺(海?プール?)で、プレイボーイとの恋の駆け引きを楽しむイイ女」が主題。 作曲には、再び小室哲也が起用された。 それにしてもこの作品、「JINGI・愛してもらいます」同様、TKアレンジでは無いのに、またしてもテクノ調だ。 (1999.12.28) |
■ 筒美派閥とは一味違う、斬新な「ファンキー・ユーロビート歌謡」 今回、作詞・作曲・アレンジ、全てを角松敏生が一人で担当。 まぁここで角松の事ばかり考えてもしょうがないので、まずは曲。 歌詞は難解。 主旨が今一つよく判らない。 結果、これまでのアイドル歌謡とは一味違った、斬新な「ファンキー・ユーロビート歌謡(?)」に仕上がった。 (1999.12.28) |