■ 山口百恵の後継者は、聖子や明菜ではなく彼女だ! 山口百恵の引退後、数多くの女性アイドルがデビューし、「その中で百恵の後継者は誰?」という類の議論はこれまでにも随分あった。 その結果、「後継者は松田聖子か中森明菜」というのが衆目の一致する意見である。 もちろん、両者のキャラクター・芸風は全く異なる。 正反対と云ってもイイくらいだ。 まぁ百恵はともかく、小泉が自己抑制だというのは、たぶん納得できないかもしれない。 そういった舵取り能力あってこそ、2人はブレイク以降、無事平穏にスター街道を歩んで来れたのだろう。 とまぁ、かように見事な小泉ではあるが、最近(結婚以降)は見ていてちょっと辛い。 (1999.12.6) |
■ 初期のアナクロ路線は松本伊代との差別化
小泉今日子のデビュー曲。 曲・歌詞は典型的な70年代アイドル歌謡だ。 僕にとってはこの作品が云々よりも、なぜ大手事務所・大手レコード会社所属の新人アイドルが、こんなB級アイドル歌謡のカバーでデビューする必要があったのか。
そっちのほうが気になる。 (1999.12.6) |
■ アメリカンなセンス漂う、"チアガール歌謡"の秀作 またしてもオリジナル作品ではなく、今度は林寛子の同名曲のカバーである。 作品自体はなかなかの出来栄え。 曲は頭サビで始まるメジャー調で、穂口メロディの典型。 アレンジは70年代洋楽風なチアガール(?)サウンド。 賑やかではあるが、無駄を省いたシンプルな仕上がり。 歌詞はいかにも70年代アイドル歌謡。 ただ、前作とは違って、結構おしゃまな内容だ。 この作品で小泉も初のオリコン20位以内をマーク。 (1999.12.6) |
■ アレンジだけが妙に気忙しいアナクロ歌謡 第3弾シングルにして、やっとオリジナル作品をリリース。 さすがに気が引けたのか、単なるネタ切れか。 歌詞は結構難解。 主題は「渚のデイトを思い出しながら、どこか別れの予感が漂う少女の微妙な心理」? 曲もねぇ・・・・悪くはないが、平坦なメロディだ。 特にサビが起伏無さすぎる。 でも、このテクノっぽい隠し味って、アナクロな世界観で統一されている作品の中で、竜崎孝路一人だけが気を吐いて「今風な仕事してやる!」とアレンジャー魂を見せた、ささやかな反骨なのかも(違うか)。 (1999.12.6) |
■ 「私の16才」+「ひとり街角」÷2=「春風の誘惑」 この作品で気になるのは作家陣。 誰?篠原ひとしって。 誰?緑一二三って。 で、この作品なんだけど、まぁ表題で示したとおりの感想です。 それはそうと、この作品で小泉は初のオリコントップ10入りを果たした。 (1999.12.6) |
■ 70年代アイドル歌謡を、80年代的解釈でここに再現 結論から言ってしまうと、「ひとり街角」や「春風の誘惑」では、「私の16才」をモチーフに、70年代アイドル歌謡をやや80年代的な味付けで再現したような趣きがあったのだが、この「まっ赤な女の子」では、「素敵なラブリーボーイ」をモチーフに、完全に80年代的な解釈で70年代アイドル歌謡を再現しているのだ。 僕にはそう取れる。 具体的に言うと、曲・アレンジはまさに「素敵な〜」風のチアガールサウンドだ。 歌詞も「素敵な〜」風のおしゃま路線を踏襲。 かようにこの作品では、典型的な70年代アイドル歌謡を、時代に即した形で無理なく再現することに成功。 (1999.12.6) |
■ 80年代筒美作品の中では最重要作品のひとつ 前作「まっ赤な女の子」ではテクノポップ調に挑戦した小泉だが、この作品では再びアナクロ路線へ。 曲は典型的な70年代アイドル歌謡だ。 目新しいモノは何一つ無いが、手堅い作り。 歌詞も同様である。 むしろ、小泉の歌唱が一番のウィークポイントだと思う。 しかし、この作品の特徴はアレンジにある。 (1999.12.6) |
■ 小泉からコイズミへ、「ブッ飛び路線」がようやく解禁? この歌の目玉は、なんといってもタイトルだ。 「艶姿ナミダ娘」って・・・・シブがき隊顔負けのブッ飛びぶりだ。 で、作品についてだけど、曲は特に洋楽っぽさは感じられないが、歌い出しのメロディがマイケル・センベロ「マニアック」的かも。 康珍化の歌詞は意外にマトモ。 要所要所で"お色気"を醸し出してはいるものの、特に過激さは見受けられない。 それにしても、このいきなりの「ブッ飛び路線」。 もっと穿った見方をすれば、継承というよりも、実際は2年目でディレクターが替わって、それを機に「まっ赤な女の子」で思いきったイメチェンを図りたかったのだろうが、それは従来路線を支持してきたファンを裏切ることにもなりかねないし、その路線は同じビクターで松本伊代の専売特許だったから、キャラが被る事をも懸念して、今一つ躊躇してしまったのかも。 それが、ここに来て解禁、というのが本音では? ・・・・とまぁここまで来ると、かなり妄想が入っていて、実情なぞ知る由もないのだが。 (1999.12.6) |
■ 単なる企画モノ扱いでは、あまりにもったいない傑作 フジTV系『月曜ドラマランド・あんみつ姫』の主題歌。 まずは曲だが、井上大輔らしい、ミディアムテンポでキャッチーなメジャー系。 で、森雪之丞の歌詞だけど、なかなか良く出来た歌詞だと思う。 う〜ん、やっぱりこれは歌番組で見てみたかったなぁ。 露出が多かったら、30万枚前後のヒットになったのでは? ちなみに、この作品は「森雪之丞&井上大輔」という、シブがき隊ではおなじみのコンビ。 (1999.12.6) |
■ バラバラなメロディを無理矢理つなげる強引さが見事 これは面白い作品だなぁ。 しかし、一番面白いのはメロディだ。 まずは「サビ→A」。 まぁこれはそんなにズレたメロディではないか。 とまぁ、かようにユニークな作品ではあるが、ボーッと聴いている分には不思議と違和感は感じないのだ。 (1999.12.6) |
■ 小泉今日子の最高傑作 この歌は世界的に有名な、某イラストレーターの展示会テーマソングとしてリリースされた。 まずアレンジだが、「艶姿〜」同様にEW&Fっぽい要素はあるけど、ディスコ調ではなく、あくまでも打ちこみ主体のテクノポップだ。 曲は意外とつまらない。 まぁつまらないとは言いすぎだが、少なくとも、あんまり歌い上げるような作りではない。 で、松本隆の歌詞だが、「Laser
Beam」「Flying Sauser」など、コズミックなキーワードてんこ盛りで、意味不明で難解な内容が展開されるが、これは別に手を抜いているのではなく、サウンド主体のコンセプトに歌唱が入っても邪魔にならないよう、配慮した作りなのだと思う。 変に内容があると、聴覚で楽しむにはかえって邪魔だし。 かように、この作品は見事な傑作である。 (1999.12.6) |
■ 60年代歌謡を80年代アイドルで再現した意欲作 なんといっても、この奇妙奇天烈なタイトルが目を引くわけだが、作品自体、かなりの力作である。 それはさておき、まずは曲。 初期のアナクロ路線もビックリな、今度は60年代歌謡の趣き。 演歌調ですらある。 次に歌詞だが、歌い出しでいきなり ♪純情・愛情・過剰に異常〜 とは。 となると、気になるのはアレンジだ。 そういえば昔、筒美は60年代歌謡的なメロディを、ニューミュージックテイストで装い新たに、中原理恵・庄野真代あたりに歌わせて再現したことがあったけど、ここでもそのノウハウは活かされたのか。 (1999.12.6)
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■ 名作か?凡作か? その判断が微妙な作品 今回は従来の「ブッ飛び」「コズミック」「アナクロ」、どの路線にも当てはまらない、至って正統派のアイドル・ポップスだ。 初めてロック畑から作家陣を起用しているのも特徴。 アレンジはこれまでの彼女らしからぬ、ストリングスの美しいオーケストレイションを施しているのが最大特徴。 歌詞は、星空をバックに、恋の終わりを甘酸っぱく表現している。 で、曲なのだが・・・・「渚のはいから人魚」とは違って、メロディ展開も至ってスムーズだし、頭サビで始まるキャッチーな楽曲ではある。 ただ、一聴すると何の問題も無い、この"淀み無さ"が、逆に物足りないような気がするのだ。 作品自体の完成度の高さは、認めざるを得ないのだが、シングル曲としては今一つ物足りない、ハッキリ言ってしまうと「つまんない」メロディである。 その点がこの作品を、名作とも凡作とも言いきれず、評価を難しくさせるのだ。 (1999.12.6) |