MUSIC
◆ 熱唱が昂じた結果、笑える作品へと転じた怪作 映像系の紹介ばかりで、音楽系がなおざりになってしまった(汗) 今回久々に紹介するのは、布施明「愛は不死鳥」。 曲はマイナー調のバラード。 歌詞はタイトル通りの内容。 曲・アレンジ・歌詞と、歌い上げるタイプの大げさな歌謡曲の典型。
1970年作品 (2005.11.12) |
◆ 音痴を敢えて全面に打ち出す、禁じ手に近い手法で差別化に成功 前に紹介した浅田美代子は、「音痴の代名詞」呼ばわりされる割りに、それほどひどい歌唱じゃないと思うけど、その浅田と並び称せられる事の多い大場久美子は本当にひどい。 この曲はラテンじゃなく、タイトル通りのディスコ物。 曲構成は「サビ→A→B→C」と、サビで盛り上げる王道パターンでないうえに、メロ自体もキャッチーではなく、リズムとノリでサラッと流す洋楽タイプで、こちらもブラック色強し。 小難しいサウンドに対して、歌詞は非常にわかりやすい。 この作品、「英語で歌いながら作曲したんじゃないか?」と思わせるほど歌謡曲離れした洋楽指向で(和泉常寛はこの手の曲が多いような)、それゆえに、日本語歌詞がメロディーにフィットしていないから、複雑な節回しとか多々ある。 1978年作品 (2005.3.16) |
◆ 歌の下手なアイドルを売り出す方法論を確立した功績は偉大 「アイドルは歌が下手」という批判は定説だけど、中には下手のレベルが凄すぎて、とんでもない歌唱を聴かせるアイドルが居る。 この歌は「現代の童謡を作ろう」とのコンセプトで楽曲制作がなされたらしく、詞・曲・アレンジ、いずれも素朴な雰囲気に仕上がっている。 曲も簡素な童謡調で、譜割も単純だしメロディー展開も自然で、覚え易くて歌い易い。 浅田の歌唱は言わずもがな下手くそ。 この作品、「音痴なアイドルが初めて1位を獲得」「ドラマのタイアップ効果を再認識」みたいな評価が一般的だけど、それよりも、歌の下手なアイドルを売り出す方法論を確立した点で偉大だと思う。 1973年作品 (2005.3.7) |
◆ メジャーヒットを果たした最年少シンガーソングライター 1972年のポプコン入賞曲。 曲はメジャー調で「A→B→A→B'」というシンプルな曲構成。 アレンジはアルペジオで織り成すフォークギターに、ストリングス・フルートなどが適宜被さる。 曲・詞・サウンド、いずれもシンプルかつ清冽な雰囲気で、小中学校の歌集にでも出て来そうな無色透明ぶり。 しかし、一番注目すべきは二人の年齢。 以降、「岡田さんの手紙」「ゴリラの歌」「リルケの詩集」など多くのシングルを出したが、100位以内に入ったのはこれだけ。 1972年作品 (2005.2.17) ※「当時の年齢が違う」とご指摘をいただきました。 |
◆ 歌パートとそれ以外でサウンドが全く異なる珍作 1981年に開催された博覧会『ポートピア'81』のテーマソング。 大まかな曲構成は「サビ→A→サビ→B→サビ」という、ちょっと変わったタイプ。 とまぁ、歌部分は結構洒落ててイカすんだけど、この作品、それ以外のパートが楽曲とは全くかけ離れたサウンドなのだ。 EDはサビメロの旋律で普通に締めくくられるからいいとして、なんなんだろ?このアレンジは。 1980年作品 (2005.1.23) |
◆ このメロとアレンジで企画物に仕立てる神経が理解不能 前回わらべを取り上げたついでに、今回はメンバーである倉沢淳美のソロを。 曲構成は「サビ→A→A'→B→サビ」。 問題は歌詞だ。 せっかくよく出来たメロとアレンジなのに、こんなバカみたいな歌詞を乗せるのはなぁ・・・ 1984年作品 (2005.1.11) |
◆ 季節商品として売り出さなかったのが惜しまれる 気になるクリスマスソングあったので、ここで紹介(遅すぎ)。 一方、歌詞は「愛する二人がずっと一緒に居られるように、時間よとまれ!」みたいなラブソングで、特にクリスマスを題材にしたものではない。 要するに、高い純度でクリスマスしているサウンドに対し、タイトル・歌詞に季節感が希薄という、どっちつかずで中途半端なのだ。 「めだかの兄妹」「もしも明日が・・・。」とメガヒットを連発していたわらべだったが、このシングルは15万枚と大きく売上を落としてしまった。 1984年作品 (2004.12.28) |
◆ ユーミンには意外と珍しい、秋冬を感じさせるシングル曲 ウィンターソングと言えば松任谷由実であるが、シングル曲を振り返ってみると、あからさまに冬をテーマにしたものは、荒井由実時代の「12月の雨」しかないのはちょっと意外だ。 歌詞は「別れた男への思慕」がテーマで、♪あの人を愛してくれる女(ひと)なら私はたずねてゆくわ〜 と、ストーカーに近い粘着質な女性像である。 曲はメジャーとマイナーが交錯する軽めのタッチ。 歌詞・曲、どちらも特に季節感はないが、それでもこの作品に秋冬を強く感じるのはアレンジのせいかも。 小品佳作的な味わいで存在感は薄いかもしれないけど、結構ムーディーな音作りだもんで、この時期、ふと聴きたくなってしまう。 1981年作品 (2004.12.24) |
◆ 意欲作だが、カオリンの資質を無視した選曲でアンバランスな印象に モーニング娘。のリーダーとして君臨する一方、タンポポの卒業以降は、娘。本体以外での活動場所を失っていた飯田圭織。
そうでなければ、「宣伝なし」「無謀な選曲」「唐突な原語」「加藤紀子ではなくカオリン」といった、今作が孕む様々な不思議に納得がいかないんだけど(自分だけか?不思議がってるのは)。 (2003.07.02) |
◆ 人気アイドルが懐メロカバーでデビュー。 悪あがき?それとも時代の要請? ハロー!プロジェクト(以下ハロプロ)内の人気ユニット「ミニモニ。」が、リーダーであるミカの語学留学に伴い、今年5月に無期限の活動停止を宣言した。
楽曲個別の感想はこんな感じです。 それにしても、「この二人がこのアルバムをこのタイミングで出していいのか?」という根本的な部分に最も疑問を抱くのだが。 とまぁ、CDの内容はともかく、リリースする意図については訳が判らんが、中森明菜の『歌姫』シリーズが好評だったり、70s・80sの洋楽コンピが大ヒットしたり、復刻CDボックスやトリビュート盤が乱発されたりと、昨今のミュージックシーンでは回顧現象が見られるのも事実。 (2004.06.27) |