MUSIC

布施明 / 愛は不死鳥

作詞:川内康範 作曲:平尾昌章 編曲:小谷充

 熱唱が昂じた結果、笑える作品へと転じた怪作

映像系の紹介ばかりで、音楽系がなおざりになってしまった(汗)
ちと、バランスが悪いので、これからはまたチマチマと、気になる歌を紹介する事にしよっと。

今回久々に紹介するのは、布施明「愛は不死鳥」。
歌が下手すぎて笑える作品というのは、たくさんあるけど、逆に歌が上手すぎて笑える作品というのは、そうあるモンではない。
自分にとってこの歌は、その中の貴重な一作である。

曲はマイナー調のバラード。
歌い出しからサビに掛けて、次第に高音域で盛り上がるドラマティックな構成。
アレンジも曲構成に追従する形。
序盤は物悲しくも重厚なウェスタン風味(?)で、トランペットとハーモニカがメランコリックな旋律を奏でながら、徐々に派手なオーケストレーションへとシフトし、華やかに盛り上げていく。

歌詞はタイトル通りの内容。
「たとえ命に限りがあっても、たとえ引き裂かれても、この愛は不滅さ」
「そう、ボクの愛は不死鳥のように永遠なのさ」
みたいな感じ。

曲・アレンジ・歌詞と、歌い上げるタイプの大げさな歌謡曲の典型。
特に優れた作品とも、特に変な作品とも思わないけど、懐メロにはこの手の作品はありがちだし、まぁ無難な水準作と言ったところ。
カンツォーネを得意とする布施明にはピッタリなわけだが、普通に朗々と歌えばいいものを、感情移入しすぎてか、歌唱が尋常じゃないほど頑張ってる。
歌いだしはそうでもないんだけど、高音域へとシフトするあたりから、次第に壊れ始める。
特にサビは狂気すら感じる。


♪ごらん〜〜ンンヌヌググ ふしちぉぉぉぉ〜〜
♪あいわぁぁ あハァッ あハァァッ ふしちぉぉぉぉ〜〜
♪あいわぁぁっ あいわぁぁっ とわにぃぃぃ〜〜〜っ


ううむ、文字だと異常性が上手く表現できない。
布施明の歌はそんなによく知らないけど、同時期の「何故」とか聴くと、ここまで力んじゃないんだけど。
歌唱力を誇示しようとしすぎて、とんでもない作品が出来上がってしまった、という事だろうか。
ちょっと引くレベルの熱唱である。
機会があったら、一度聞いてみてほしい。

1970年作品

(2005.11.12)

 

大場久美子 / ディスコ・ドリーム

作詞:小林和子 作曲:和泉常寛 編曲:直居隆雄

 音痴を敢えて全面に打ち出す、禁じ手に近い手法で差別化に成功

前に紹介した浅田美代子は、「音痴の代名詞」呼ばわりされる割りに、それほどひどい歌唱じゃないと思うけど、その浅田と並び称せられる事の多い大場久美子は本当にひどい。
ただし、デビュー当初は「普通に下手」な程度で、大した事はない。
常軌を逸し始めるのは「エトセトラ」からだが、それは歌唱力が落ちたのではなく、ここから楽曲の難易度がアップするからである。
具体的には、平易なポップスからラテン歌謡へと転じていくのだが、個人的に、聴いていて最もキツいのが「ディスコ・ドリーム」である。

この曲はラテンじゃなく、タイトル通りのディスコ物。
ストリングスやブラスがフィーチャーされたフィリー系で、ソウル&ブラック色が濃厚。
サウンドに厚みがあるわけじゃないけど、凝った演奏で意外と玄人好みかも。

曲構成は「サビ→A→B→C」と、サビで盛り上げる王道パターンでないうえに、メロ自体もキャッチーではなく、リズムとノリでサラッと流す洋楽タイプで、こちらもブラック色強し。
ただし、音域は大場に合わせて、1オクターブ内で処理(狭っ!)。
ハイトーンで歌い上げる部分が皆無なので、黒っぽいフィーリングでありながら、ファンキーな盛り上がりに乏しいという、奇妙なメロディーに仕上がっている。

小難しいサウンドに対して、歌詞は非常にわかりやすい。
初ディスコでナンパされて、夢のような別世界にドギマギする乙女心を描き、文字通り「ディスコ・ドリーム」な内容。
それにしても、ディスコを舞台にしながら、ここまで主人公がウブな作品も珍しいのでは?
ディスコネタって、ツッパリ系が本領発揮するシチュエーションとして重宝されてる印象があるので。

この作品、「英語で歌いながら作曲したんじゃないか?」と思わせるほど歌謡曲離れした洋楽指向で(和泉常寛はこの手の曲が多いような)、それゆえに、日本語歌詞がメロディーにフィットしていないから、複雑な節回しとか多々ある。
歌が上手い人でも、リズムと音程を正確に掴んで歌いこなすのは難しいと思う。
それを歌が下手で人一倍リズム感の無い大場久美子にあてがうのだから、スタッフは鬼だろう。
しかし、あまりに破綻した歌唱が、逆に新鮮で面白いのも事実。
そう、「エトセトラ」以降の路線変更は、大場の音痴をカバーするのではなく、敢えてそれを全面に出す事で、より個性を明確にする意図があったと思う。
禁じ手に近いが、どうせ下手ならトコトンひどい作品をリリースしたほうが、差別化にはなるわけで。
後の新田恵利なんかも似たような手法でブレイクするし(キーの合わない曲で音程を意図的に破綻)、音痴の新しいアプローチを提示した功績は、まぁあるのかも?
そういや、大場も新田もボンド企画所属だっけ。
ここは他にも少女隊とか居たし、何かと奇をてらって悪目立ちしたがる事務所だったな。

1978年作品

(2005.3.16)

 

浅田美代子 / 赤い風船

作詞:安井かずみ 作曲・編曲:筒美京平

 歌の下手なアイドルを売り出す方法論を確立した功績は偉大

「アイドルは歌が下手」という批判は定説だけど、中には下手のレベルが凄すぎて、とんでもない歌唱を聴かせるアイドルが居る。
しかし、そうした楽曲でも、「とりあえずレコード出しとけ」的な投げやり姿勢でなく、下手ながらもそれを生かすべく創意工夫に富んだ作品も多い。
その元祖的存在が、浅田美代子の「赤い風船」かと思われる。

この歌は「現代の童謡を作ろう」とのコンセプトで楽曲制作がなされたらしく、詞・曲・アレンジ、いずれも素朴な雰囲気に仕上がっている。
歌詞は「赤い風船を握った少女」が主人公で、手元から風船が離れたり、夕暮れ時に一人佇んだりして、乙女チックなおセンチを視覚的に表現。
そんな寂しい状況下で、優しい「あの人」が現れる事を示唆して、ハッピーに幕を閉じる。
特に意味の無いメルヘンチックなポエムだけど、作詞が安井かずみなだけに、複雑な表現が無くて非常に判り易い(隠喩や文学的表現の少ないベタさが、この人の特性だと思う)。
どことなくフランス映画『赤い風船』に似ている気がするけど、タイトル含めて、最初からまるごと拝借してるんだろう。

曲も簡素な童謡調で、譜割も単純だしメロディー展開も自然で、覚え易くて歌い易い。
サウンドはフォーキーながらも、エレピ・フルートなどを織り交ぜて、上品でソフィスケイテッドな印象。
前奏・サビ前・エンディングで、ストリングスの演奏が下から上へと音階上昇する辺りに、風船が空高く舞う様子や、夢や希望みたいな明るさが上手く表現されている。

浅田の歌唱は言わずもがな下手くそ。
ただ、音痴の代名詞みたいに言われる割りに、今聴くと特別ひどいとは思えない。
まぁこれはアイドル歌手全体の歌唱レベルが、当時と比べて下がっているからなんだろうけど。

この作品、「音痴なアイドルが初めて1位を獲得」「ドラマのタイアップ効果を再認識」みたいな評価が一般的だけど、それよりも、歌の下手なアイドルを売り出す方法論を確立した点で偉大だと思う。
それは、下手さ逆手に取って、か細い不安定ヴォーカルによりアイドルの「守ってあげたい」性を発揮させる手法。
以降、伊藤つかさ・西村知美・中山忍など多くのフォロワーを生み出し、今ではアイドルの王道と言える手法だけど、「赤い風船」以前にこういう作品は無かったような気がするので。
「こういうのもアリね」と気づかせた功績は多大、かも。

1973年作品

(2005.3.7)

 

チューインガム / 風と落葉と旅びと

作詞・作曲:松田りか 補作詞:たかさきくにすけ 編曲:青木望

 メジャーヒットを果たした最年少シンガーソングライター

1972年のポプコン入賞曲。
今作でデビューを果たしたチューインガムは、松田りか・マミ姉妹の二人組。

曲はメジャー調で「A→B→A→B'」というシンプルな曲構成。
サビは特にないけど、AB共に覚えやすくて流麗なので、一聴で引き込まれるインパクトは十分。
歌詞は特に主題を設けていない。
北風の中を歩く旅人の様子を、詞的に描いている感じ。
ともすると、描写が物悲しくなりがちだけど、
♪つらい思い出 悲しいことは〜
♪風にとばして みんな忘れよう〜
明朗な曲に合わせて爽やかに綴っている。

アレンジはアルペジオで織り成すフォークギターに、ストリングス・フルートなどが適宜被さる。
はしだのりひことシューベルツ「風あたりに近い雰囲気で、サウンドは完全にフォークソング。
歌唱はユニゾン・輪唱などを交え、姉妹ならではのコーラスワークを披露してるが、それほど凝った作りではなく、至って正攻法。
姉が合唱部チックなメゾソプラノ、妹がハスキーなアルトと、姉妹で声質が全く異なるのが面白い。
声質面で調和が取れている、シモンズやベッツィ&クリスあたりと比べて、多少凸凹な感じもするけど、その不協和音が逆に独特な味を醸し出しているような。

曲・詞・サウンド、いずれもシンプルかつ清冽な雰囲気で、小中学校の歌集にでも出て来そうな無色透明ぶり。
単純・幼稚と言えなくもないけど、これでオリコン16位(売上10万枚)まで上昇したのは立派。
当時の音楽シーンにおいてはかなり異彩を放っていたのかも?(当時をリアル体験してないので何とも言えないが)

しかし、一番注目すべきは二人の年齢。
なんと当時13歳と11歳!(先入観なしに今作を聴けば、きっと歌い手はハイティーン以上に聴こえるはず)
しかも、姉の作詞作曲というから驚きも倍!
メジャーシーンでヒットを記録した姉妹(兄弟)デュオという観点で見て、未だに最年少だろうし、自作自演という面から見ても最年少では?
平川地一丁目をも下回る若さ。

以降、「岡田さんの手紙」「ゴリラの歌」「リルケの詩集」など多くのシングルを出したが、100位以内に入ったのはこれだけ。
「バブ・バルーン」「Lucky Lips」と年齢を重ねる毎に名義も変えてたみたいだし、苦労の跡が伺える。
ベスト盤を聴くと、フォークのみならず思ったより音楽性は幅広いし、どれもイイ曲なのだが。
ポプコンで二度もグランプリを受賞してるくらいだから、実力もあったわけで。
徐々に商業音楽じみてきたのが嫌がられたのだろうか?
確かに清冽さにおいては「風と〜」がダントツだけど。
あと、この人たちが手がけた、AM KOBE(ラジオ関西)のジングル「海の見える放送局」は有名。
♪ここは海の見える放送局〜ランララララララ〜 ってヤツ。

1972年作品

(2005.2.17)

※「当時の年齢が違う」とご指摘をいただきました。
「風と〜」の発売日は昭和47年6月21日で、この時点で松田りかさんは12才(1959年8月21日生)、松田マミさんは10歳(1961年7月5日生)でした。
厳密な話で細かいッスけど、まぁそういうことなんだそうです。

 

ゴダイゴ / ポートピア

作詞:奈良橋陽子・伊藤アキラ 
作曲:武川行秀 編曲:ミッキー吉野

 歌パートとそれ以外でサウンドが全く異なる珍作

1981年に開催された博覧会『ポートピア'81』のテーマソング。
歌詞は神戸のシンボルである「海・山・100ドルの夜景」をモチーフに、「海と山が光で溶け合う美しい街」「希望あふれる明るい未来」への妄想を綴った神戸賛歌。
イメージの羅列で具体性に乏しいアバウトな表現が、いかにも博覧会風味。
それにしても、作詞の伊藤アキラは港町を舞台にした楽曲になると起用されるなぁ。
渡辺真知子「かもめが翔んだ日」とか、河合奈保子「愛してます」とか。
業界内では「港なら伊藤」みたいな常識があったのだろうか?

大まかな曲構成は「サビ→A→サビ→B→サビ」という、ちょっと変わったタイプ。
ゆったりした譜割りのメジャー調バラードで、夢や希望がテーマの割に暑苦しさは皆無。
アレンジもストリングス主体に、ムーディーなブラスと浮遊感漂うエレピが絡んで、AORチックな雰囲気。
ゴダイゴならではの豊富な英詩も手伝い、かなり洋楽っぽい仕上がりに。
その辺、神戸のイメージを意識してるのかも。

とまぁ、歌部分は結構洒落ててイカすんだけど、この作品、それ以外のパートが楽曲とは全くかけ離れたサウンドなのだ。
イントロは「ビューティフル・ネーム」を想わせる呑気なブラスで始まり、次第にテンポが上がってフュージョン系で派手に盛り立てたあげく、
♪ポートーピアー〜
の静寂なバラード歌唱がいきなりスタート(ドテッ)。
歌が終わると、すぐさまイントロ同様の間奏が始まり、またしても唐突に終わって異なるアレンジで歌が再開(ずこっ)。
落差激しすぎ。
繋ぎになんかなってやしない。

EDはサビメロの旋律で普通に締めくくられるからいいとして、なんなんだろ?このアレンジは。
よく言えば「実験精神に富んだサウンド作り」「高度な演奏テクの誇示」なのかもしれないけど、個人的には「無理矢理」「木で竹を接ぐ」としか思えん。
決して組曲風という感じでも無いし、意図不明でかなりの珍作。
ズッコケたい時にはオススメかも(どんな時?それは)。

1980年作品

(2005.1.23)

 

倉沢淳美 / ある愛の詩

作詞:康珍化 作曲・編曲:馬飼野康二

 このメロとアレンジで企画物に仕立てる神経が理解不能

前回わらべを取り上げたついでに、今回はメンバーである倉沢淳美のソロを。
この歌も「時計をとめて」と同様、ちょっと引っかかる代物なので。

曲構成は「サビ→A→A'→B→サビ」。
フランシス・レイの同名曲を想わせるスローなピアノ&ストリングスで始まるものの、頭サビではブラスが轟き、一転してメジャー調のアップテンポに。
しかし、AA'Bではテンポを保ちつつマイナー調に転じ、キーも次第に下がって哀愁風味へ。
そして再び陽気なサビに戻るという、起伏の激しい曲展開だ。
まぁ馬飼野康二はこういう凸凹した曲作りが多いんだけど。
でも、全体の楽器構成がギター・ストリングス・ピアノを主軸に一貫してるし、各パートの繋ぎも違和感ないので(イントロ→頭サビはちと唐突だけど)、聴いていて統一感はある。
メロディーも覚えやすくてキャッチーだし、サウンド面では特に問題なし。
てか、かなりよく出来ていると思う。
歌唱は可も無く不可も無く。
音程も声量も微妙ではあるけど、まぁ許容範囲内。

問題は歌詞だ。
♪愛っていう字・・・恋という字にちょっと似ているけど 愛は心が奥にかくれてる〜
♪好きという字 女の子と書くの〜
♪会うという字 人に云うと書くの あなたに会って好きと言いたい〜
漢字を分解して乙女心を代弁するアイデアは秀逸で、AA'Bメロの歌詞は文句なしだが、
♪ある愛の詩 ロッキー ペーパームーン アメリカングラフィティ 卒業 ロミオとジュリエット お熱いのがお好き?〜
映画のタイトルを羅列するだけのサビはあまりにも痛すぎ(>_<)
そもそも、何を意図しているのかわからんて。

せっかくよく出来たメロとアレンジなのに、こんなバカみたいな歌詞を乗せるのはなぁ・・・
一体どういう神経なんだろ?
デビュー曲「プロフィール」が自己紹介ソングという企画物で大当たりしたもんだから(オリコン4位・22万枚)、「じゃあセカンドのこれも企画物で」って魂胆?
それとも、映画マニアである萩本欽一の意向?
いずれにせよ、結果は裏目に出て大コケしたけど(オリコン17位・6万枚)。
「時計をとめて」では「企画物にすれば売れたのに」と書いたけど、こっちは真逆。
サウンド通りの正統派に仕立てればよかったのに。

1984年作品

(2005.1.11)

 

わらべ / 時計をとめて

作詞:荒木とよひさ 作曲:三木たかし 編曲:松武秀樹

 季節商品として売り出さなかったのが惜しまれる

気になるクリスマスソングあったので、ここで紹介(遅すぎ)。
といっても、この歌は特にクリソン扱いされてるわけではないのだが。
でも、メロディが讃美歌「荒野の果てに」を下敷きにした感じだし、アレンジもギター・ベース・ドラムを使用せず(ドラムは終盤ちょっとだけ)、ピアノとオルガン&チェンバロっぽいシンセで淡々と進行し、これにキャロル風コーラスとスライベル&チャペルの効果音を加えた教会音楽モドキで、チープながらも、サウンド面においてはクリスマス臭がぷんぷん。
というか、歌謡曲系シングルでここまで讃美歌チックに仕立てた音作りは珍しいのでは?
親しみやすいメロディと相まって、結構清冽。

一方、歌詞は「愛する二人がずっと一緒に居られるように、時間よとまれ!」みたいなラブソングで、特にクリスマスを題材にしたものではない。
「聖なる夜」を多少意識した観はあるけど。

要するに、高い純度でクリスマスしているサウンドに対し、タイトル・歌詞に季節感が希薄という、どっちつかずで中途半端なのだ。
まぁそれでもいいんだけど、せっかくここまでコンセプチュアルにサウンドで聖夜を表現したのなら、タイトル・歌詞もそれに追従するのが普通の感覚だと思うが。
12月12日発売というタイミングにも関わらず、曖昧にした意図は一体?

「めだかの兄妹」「もしも明日が・・・。」とメガヒットを連発していたわらべだったが、このシングルは15万枚と大きく売上を落としてしまった。
クリスマスを全面に押し出した季節商品にすれば、もうちょっとセールス伸びたと思うし、この時期の定番として永く愛される歌にもなったような気がするのだが。
欽ちゃんファミリーって企画モノが十八番なだけに、ちょっと残念。

1984年作品

(2004.12.28)

 

松任谷由実 / 夕闇をひとり

作詞・作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆

 ユーミンには意外と珍しい、秋冬を感じさせるシングル曲

ウィンターソングと言えば松任谷由実であるが、シングル曲を振り返ってみると、あからさまに冬をテーマにしたものは、荒井由実時代の「12月の雨」しかないのはちょっと意外だ。
ただ個人的には、同じシングル曲である「夕闇をひとり」にも何となく冬を感じる。
真冬というより、晩秋から初冬のイメージなんだけど。

歌詞は「別れた男への思慕」がテーマで、♪あの人を愛してくれる女(ひと)なら私はたずねてゆくわ〜 と、ストーカーに近い粘着質な女性像である。
こういうのはユーミンにしては珍しいかもしれない。
でも、♪これからは夕闇をひとり歩いてるから〜 なので、所詮感傷に浸ってるだけなんだけど。

曲はメジャーとマイナーが交錯する軽めのタッチ。
Aメロの♪私はたずねてゆくわ〜 がメジャー調でキーが上がるので、続くBメロもその線で推移するかと思いきや、いきなりマイナー調でキーが下がってしまう。
意表をつく曲展開がいかにもユーミン節だが、すごく洒落たセンスだと思う。

歌詞・曲、どちらも特に季節感はないが、それでもこの作品に秋冬を強く感じるのはアレンジのせいかも。
ボンゴやサックスでブラックなフィーリングを加味したミディアムテンポのAOR調。
これがそこそこ重厚なサウンドで、全体のトーンを渋めにしているのに加え、先のBメロでは、リズムをブレイクさせて旋律の哀愁味を強調してるし、それ以外のパートでも、エレキとエレピ系のアンサンブルで切ない旋律を奏でるもんだから、必然的に作風はアダルティかつセンチメンタルになってしまう。

小品佳作的な味わいで存在感は薄いかもしれないけど、結構ムーディーな音作りだもんで、この時期、ふと聴きたくなってしまう。
これが収録されてるアルバム『昨晩お会いしましょう』自体、そういう雰囲気があるかもしれない。

1981年作品

(2004.12.24)

 

飯田圭織 / 『オサヴリオ』


 意欲作だが、カオリンの資質を無視した選曲でアンバランスな印象に

モーニング娘。のリーダーとして君臨する一方、タンポポの卒業以降は、娘。本体以外での活動場所を失っていた飯田圭織。
そんな彼女が、2003年4月23日にソロアルバム『オサヴリオ 〜愛は待ってくれない〜』をリリース。
本格的なソロ展開の始動であると同時に、ヨーロピアンポップスのカバー集という、ボケキャライメージの強い飯田自身とは大きく異なる内容ゆえに、発売前から注目されていた今作。
よっかーさんのご協力によって、僕も話題のデビュー盤を聴く事ができました。

収録曲目と私的な感想は下記の通りです。

  収 録 曲 原曲解説 感 想
1. オサヴリオ ナナ・ムスクーリの1967年作品 いきなりギリシャ語。 原曲を知らないけど、発音はいいのでしょうか?
悠然とした深みのあるバラードで、なかなかの佳曲。
適宜、民族楽器っぽいのも取り込んだアレンジも魅力的。
2. シェルブールの雨傘
1964年の同名仏映画テーマ曲 カオリンのヴォーカルは、前半の物憂げなサウンドとはマッチするけど、後半のドラマティックな展開とは噛み合わないような。
3. イパネマの娘
ボサノヴァのスタンダードナンバー ボサノヴァの名作をフランス語でチャレンジ。
ポップなアレンジで聴きやすくはあるけど、さほど個性はないかな・・
4. 無造作紳士 TVドラマ『美しい人』主題歌として有名な、ジェーン・バーキンの1978年作品 ジェーンを意識したウィスパー的歌唱で、アレンジもほぼ原曲を踏襲。
意外とカオリンには合ってると思う。
5. エヘ ヤ Eleftheria Arvanitaki(誰?)の2000年ヒット作品

ギリシャ語だけど、アレンジと曲調はエスニック。
メランコリックながらも情熱的で曲はGOOD! 元歌を聴いてみたい。

6. ダウンタウン
ペトゥラ・クラークの大ヒット曲、1964年作品 オリジナルに忠実なアレンジ。
本家ペトゥラにも仏語盤があるけど、「この曲にフランス語は合わない」と前から思うのだが。
7. アモーレ・スクザミ 1964年のヒット曲で、日本ではトニー・ダララの作品として知られる こちらはイタリア語。 巻き舌っぽい発音がそれっぽくて雰囲気はあるかも。
陽気なカンツォーネを力強く歌ってるけど、もっと激しくてもイイくらい。
8. 素敵な王子様 フランス・ギャルの1966年作品 編曲が明るいメロディをフィーチャーしすぎたせいか、仕上がりはノーテンキで、元歌に漂う繊細さは皆無。
「オリジナルと別解釈のカバー」という点では評価できても、個人的にはイマイチ。
9. 乙女の涙
シャンタル・ゴヤの1965年作品 この曲が最も歌唱に無理がないように思える。
ただ、アレンジはサラっとしすぎ。 もっとメロウでもよかったのでは?
10. バラ色の人生
エディット・ピアフで知られる、シャンソン名作 大作に相応しく、アレンジはまぁ頑張ってる。
しかし、いきなりこんな大作にチャレンジせんでも・・・

とまぁ、楽曲個別の感想はこんな感じで、こちらの予想以上に(実は全然期待してなかった)本格的でちゃんとしたアルバムでした。
ただ冷静に判断すると、アレンジがしっかりしてるとヴォーカルが力量不足だったり、逆に歌唱が曲にハマるとアレンジが陳腐だったりと、「あっちを立てればこっちが立たず」的なバランスの悪さが目立ち、トータルとしては可もなく不可もなく、といった按配。
意欲は買うけど、突貫工事的な粗さがあって、今ひとつ"練り"が足らないような感じだが、そもそも選曲自体に無理があるかも。
飯田のヴォーカルは線が細いのに(これは新しい発見でした)、選曲は高度な歌唱力を要するドラマティックな大作中心だし、背伸びしすぎした選曲が一番の問題点だと思う。
でもまぁ、そこそこ雰囲気は出ているし、世評もおおむね好評なので、まぁ成功作とはいえるのか。

オサブリオのジャケット

ファンのジャケ買いなぞ
あり得ないジャケット

しかし、何故にカオリンがこんなアルバムを出すのだろうか?
それも、唐突な原語と本人にそぐわない選曲で。
もちろん、飯田自身のイメージチェンジ狙いもあろうが、 その割には大して宣伝されなかったし、TVでも歌っていないわけで、そもそも、アルバムのジャケットが本人写真ではないのだ。
どう考えたってファンにアピールしているようには見えないし、かといって、新たなファン層を開拓するほどの熱意も感じられない。
ハロプロの新ユニット(もしくはソロ)誕生時に見られる、いつもの過剰な盛り上がりもゼロ。
となると、今回はイメチェンやハロプロの活性化が至上命題ではないように思える。

で、ハロプロが所属するレコード会社『zetima』のホームページを覗くと、このCDはzetima本体ではなく、系列の『地中海レーベル』というところから発売されている事が判明。
ここは2002年10月にオープンしたレーベルで、コンセプトが「大人のための上質な生活空間スタイル」、所属アーティストが内藤やす子・因幡晃という、よく言えばアダルティ、悪く言えば非常に地味なレーベルである。

カオリン.pic

『オサブリオ』裏ジャケ(?)

浜崎あゆみ.pic

浜崎あゆみ「YOU」

なんとなく似てるので並べてみました

おそらく、今作は地中海レーベルの広告塔だったのだろう。

「うちも派手に宣伝したいけどさぁ、目玉歌手はいないし、小レーベルなので金も無いじゃん」
「親会社のzetimaなら、有名どころを誰か貸してくれるかもよ」
「となると、うちのイメージに合うのは
加藤紀子かなぁ
「う〜ん、彼女は既にそういうCD出してるし、イマイチ新味に欠けるよねぇ」
「じゃあ飯田圭織とか? 中澤姐さんはまた違う気がするし」
「そだねー、カオリンも新キャラ開拓したがってるだろうし」
「どうせなら、ジェイソンキャラを覆す大作中心にセレクトして、ついでに全曲原語にすれば話題性UPが見込めるし、レーベルのコンセプトも伝わるかもよ」
「じゃあダメモトでつんく♂さんに掛け合ってみますか」

って事ではないかと(ホントか)。

そうでなければ、「宣伝なし」「無謀な選曲」「唐突な原語」「加藤紀子ではなくカオリン」といった、今作が孕む様々な不思議に納得がいかないんだけど(自分だけか?不思議がってるのは)。
別にカオリンがこういうCD出すのは構わないけどさぁ。

と、いろいろ言ってはいるけど、個人的にはフレンチポップスが認知されるのは大歓迎なので、今作の世評の高さをバックに、地中海レーベルには今後も頑張ってもらいたいです(本当に)。
そして、カオリンの次回作(出るのか?)ではコンセプトよりも品質重視で、彼女のか細いヴォーカルが生かせる、気負いの無いソフトな選曲でお願いしたいものです。
あと、収録時間が30分程度で、定価2,800円というのは高すぎないかなぁ。

(2003.07.02)

 

W(ダブルユー) / 『デュオU&U』


 人気アイドルが懐メロカバーでデビュー。 悪あがき?それとも時代の要請?

ハロー!プロジェクト(以下ハロプロ)内の人気ユニット「ミニモニ。」が、リーダーであるミカの語学留学に伴い、今年5月に無期限の活動停止を宣言した。
他メンバーの去就が注目されたが、高橋愛は母体のモーニング娘。にそのまま残り、加護亜依・辻希美はモーニング娘。を脱退し、新たなユニット「W(ダブルユー)」を結成する事に。
そんなW(ダブルユー)は5月にデビューシングル「恋のバカンス」を、6月にデビューアルバム『デュオU&U』をそれぞれリリース。
いずれも往年の名曲カバー盤ということで、巷の話題を集めている。
今回、
よっかーさんのご協力によって(またかよ)、このデビューアルバムを聴くことができました。

収録曲目と私的な感想は下記の通りです。

  収 録 曲 原曲解説 感 想
1. 恋のバカンス ザ・ピーナッツ、1963年作品 先行発売されたデビューシングル。
軽快なドラムロールで始まり、その疾走感で突っ走るロックサウンドは原曲と全く異なる。
ブラス隊も派手で、やっぱりシングル向けに力入っている感じがするし、「今風に解釈したカバー」という意味でも充実の一作。
2. サウスポー
ピンク・レディー、1978年作品 元歌のアレンジをそのままテクノ風に処理しただけのイージーさ。
二人のヴォーカルが変に力んでるんだけど、普通に可愛く歌ったほうがよかったのでは? 
3. 渚の「・・・・・」
うしろゆびさされ組、1986年作品 原曲はアレンジ&歌唱が大味だったが、W(ダブルユー)は幾分丁寧に仕立てている。
故に完成度は高いが、「かっこ!」のコーラスが変に大人なのが違和感あり。
4. 白い色は恋人の色 ベッツィ&クリス、1969年作品 ほぼ元歌を踏襲したアレンジ。
てか、歌唱まで踏襲しなくてもいいのでは?
この歌の魅力はエキゾチシズムではなく、清冽さにあると思うが。
外人チックな日本語発音を真似しているおかげで、聴いていて笑う。
5. 大阪ラプソディー 海原千里(上沼恵美子)・万里、1976年作品

2と同様、原曲のアレンジをテクノっぽくしただけの作品。
まぁW(ダブルユー)でこれを扱う事自体に意義があるんだろうけど。

6. 待つわ あみん、1982年作品 オリジナルを若干重めにしたサウンドだが、ずっとバックで「ギーギー」鳴ってるのがウザイ(ギター音?)。
そのせいなのか、二人のヴォーカルが粘着質なせいなのか、元歌に漂う儚さは希薄で、過剰すぎて逆に物足りない印象。
7. 淋しい熱帯魚
Wink、1989年作品
レコード大賞受賞曲
89年作品までくると、サウンド面での原曲との差はさほど感じない。
ヴォーカルは「静」のWinkに対し、「動」のW(ダブルユー)ってな具合に個性はあるけど、特筆すべきほどでもないか。
8. かけめぐる青春 ビューティー・ペア、1976年作品 選曲の意外性・元歌と異なるアレンジ・歌唱の元気よさと、オリジナリティがありつつ違和感もさほどなく、カバー盤としてはいい出来だが、リフ部分のアバウトな編曲やエンディングの素っ気無さなど、手抜きな部分もチラホラ。
個人的には、斉藤瞳(メロン記念日)&小川真琴(モーニング娘。)でやってほしかった。
9. 渚のシンドバッド ピンク・レディー、1977年作品 2と同様ピンクレディーのカバーだが、歌唱が自然なせいで(それでも力み気味だが)、こっちのほうがすんなり聴ける。
10. 恋のインディアン人形
リンリン・ランラン、1974年作品

W(ダブルユー)は普通に歌ってるけど、これこそエキゾチックな日本語発音で歌うべきだろう。

11. 好きよキャプテン
ザ・リリーズ、1975年作品 オリジナルのアレンジを、最低限の装飾で今風に処理。
歌唱もリリーズ同様のアクのなさで、アルバム中最も違和感なく聴けるが、それだけにインパクトは弱く、諸刃の刃かも。
12. センチ・メタル・ボーイ キララとウララ、1984年作品 アレンジが元歌を踏襲している割には、オリジナルに漂うB級感・イロモノ感が希薄で、妙にハマっている。
W(ダブルユー)のほうがこの曲の適性が高いって事か。
13. お誂え向きのDestiny

KEY WEST CLUB(中谷美紀在籍)、1991年作品

アレンジは元歌とほぼ同じだし、歌唱も平均点で無難な出来だが、こういう隠れた名曲を取り上げる事こそ、カバーアルバムの醍醐味。
14. Give Me Up

BaBe、1987年作品
元歌はマイケル・フォーチュナティー

賑やかしユーロビートで来るかと思いきや、R&B/ヒップポップ系ベースで意表を突かれた。
その着想で好感は持てるが、この曲はバカ陽気にはじけた方がいいような気もする。
15. 情熱の花(Passion Flower) ザ・ピーナッツのカバーで知られるが、元歌はカテリーナ・ヴァレンテの1959年作品 テクノ&ロック調にスタンダードをカバー。 ただそれだけ。 見るべき点はなし。

楽曲個別の感想はこんな感じです。
「主だったデュオ + マイナー加味」という「適当に選曲しやがった」感ありありなコンセプト不在ぶりだし、ザ・ピーナッツやピンク・レディーを2曲も扱っている点など、随所に疑問の残るラインナップではあるが、アレンジには適度な独自性と新味があって、単なるカラオケには陥っておらず、元歌を知ってる人でも知らない人でも、そこそこ楽しめるアルバムだと思う。
ただ残念なのは、どの曲もヴォーカルを元歌通りのコンビネーションで再現している事。
W(ダブルユー)ならではの解釈でコーラスワークを再編成すれば、もっと個性味が出たであろうに。
まぁTVやステージで鑑賞すれば、充分オリジナリティは出るんだろうけど。

それにしても、「この二人がこのアルバムをこのタイミングで出していいのか?」という根本的な部分に最も疑問を抱くのだが。
アイドルのカバー盤って、自分の中では「Be-2」(松本伊代のバック"キャプテン"改め。「恋のバカンス」で再デビューするも不発。)なんかに象徴されるように、人気低迷かつ万策尽き果てた上での「ヤケのヤンパチ」的なイメージなので。
斉藤由貴や森高千里の成功を受けて、89年〜90年頃にもアイドルのカバー盤が横行したけど、どれもが話題づくりを目論んだ安易な便乗に過ぎず、ことごとく玉砕していったわけで、とにかく正統派ではないイメージ。
もちろん、カバー全部がそうではないけど。
だもんで、W(ダブルユー)のような当代切っての人気アイドルが、ユニットデビューの花道をこんな仇花で飾ってしまうのはどうよ?と思うのだ。
ちと時期尚早ではないかと。
もっとも、現在の辻・加護人気と言っても絶対的なものではなく、他にめぼしいライバルが居ない故の、多分に相対的なものではあるのだが。
しかし、このCDのターゲットはどう見ても30代以上で、ミニモニ。を支えていた子どもたちの受け皿として機能させるなら、このCDはないだろうに。
それこそ、一連のミニモニ。作品のように、W(ダブルユー)をタイトル・歌詞に盛り込んだ、自分のテーマソング的なものがふさわしいのでは?
なのにそれを避けたって事は、W(ダブルユー)はお子様のアイドルから脱皮し、新たなファン層を開拓するって事なのだろうか?
お子様の需要は「Berryz工房」に委ねたって事?
もしや、このダサダサなユニット名もオヤジ仕様? (「U」を2つ並べると「W」、「W」(ダブリュウ)=「W」(ダブルユー)というダブルミーニング。とほほ)
そう考えれば合点も行くが、辻・加護がミドルエイジのアイドルに成り得るとは到底思えないけど。

とまぁ、CDの内容はともかく、リリースする意図については訳が判らんが、中森明菜の『歌姫』シリーズが好評だったり、70s・80sの洋楽コンピが大ヒットしたり、復刻CDボックスやトリビュート盤が乱発されたりと、昨今のミュージックシーンでは回顧現象が見られるのも事実。
先述の89年〜90年あたりとは背景が異なるのも確かで、こうした情勢を鑑みて、今回の懐メロカバーに踏み切ったのかもしれない。
10代・20代の若年層にも懐メロ愛好者は増えてると言うし、必ずしも対象はオヤジ限定ではないのかも。

今更つんく♂の楽曲でデビューしたって、さほど目新しさはないだろうし、それならこっちのほうがまだマシとも言える。
それに、ハロプロを擁する芸能事務所「アップフロント・エージェンシー」は、フォーク系事務所としてスタートしているせいか(かつてアリス・海援隊などが所属)、この手の名曲カバーが大好きである。
これまでにもモーニング娘。によるフォークソングのカバー集とか、ターゲット不在な懐メロCDをいろいろリリースしてるし。
また、この事務所は森高・シャ乱Qなど、ちょっと正統派から外れた歌手を手掛けるのが得意でもあるから(モー娘。自体、元は色物的存在だったわけだし)、辻・加護がこうした形で再スタートするのも、非常にアップフロントらしいとは言える。
それがいいのかどうかは別にして。
とりあえず、W(ダブルユー)の方向性としては「21世紀のMi-Ke」であろうか。
栄華を極めた二人が、そんな次元で落ち着くのも見ていて辛いが、今後の動向に注目。

しかし、つんく♂か懐メロの2択しかないってのもどうかと思うが。

(2004.06.27)


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