北欧ぶらり旅(2004年)

6月25日から7月7日まで、北欧4ヶ国をぶらついてきました。勤務先の1次定年(55歳)の定年旅行をきっかけに年に一度はどこか海外に出かけています。やはり、主な目的は鉄道に乗ること、撮ることですが、鉄道を追い掛け回すだけの旅ももの足りません。見たいところをワイフと相談し、そこと鉄道を結び付けます。夜はゆっくり、うまい酒を飲み、お好みのものも食したいものです。そんな、気ままな旅をパック旅行は許してくれませんので、殆ど、自分の足で歩きます。昨年、南イタリアにゆき、次はスペインかなと思っていましたが、マドリッドなどでは、個人旅行者を狙う首締め強盗が頻発し、挙句、テロもありました。気を付けて行動すれば、そんなに危険な目には会わないとは思いますが、「7歩あるいて前後を見ろ」などと思って行動するのは疲れます。

 ということで、未踏地のなかで北欧に行こうということになりました。旅の動機としては極めて消極的で、お恥ずかしい限りです。北欧ーデンマーク・スエーデン・ノルウエー・フィンランドの4ヶ国ですが、その位置関係すら明確に認識していません でした。パックツアーの内容を参考までに見てみると、ノルウエーのフィヨルド観光と各国の首都とその近辺の観光です。フィヨルド地区では、フロム鉄道とベルゲンーオスロ間のベルゲン鉄道に乗るツアーも多く、これは鉄道ファンとしては魅力はあります。−しかし、何か、物足りない!

 調べて見ると、各国の首都が大凡、北緯60度近辺に位置しています。ヨーロッパは我が国に比べ、極めて高緯度にあり、フランスの避寒保養地ニースが北海道の網走と同じ北緯44度にあるのは驚きですが、北欧の首都は樺太どころかカムチャッカ半島の付け根あたりです。メキシコ湾暖流のお陰で、気温がマイルドとのことですが、このような高緯度の大都市とはどんなところか?やや、興味が湧いてきました。

 更に、スエーデンを北上し、北極圏に入り、最北の旅客駅といわれるノルウエーのナルウィックに達する夜行列車にも乗りたい。そして、有名なトレッキングコース「王様の散歩道」の入口アビスコに泊まり、北極圏を一寸ハイキング、又、ミッドナイトサンも見てみたい。という旅の目玉も 出来ました。

 

今回の旅のルートを図に示します。いささか、ラフな図で、お見苦しいことをお許しください。(小生のパソコンでの作図能力をスカンジナビア半島は越えました。)

 大凡、以下の如く、歩き回りました。

 月日

 移動 

宿泊地

     行動したところ
 6/25 成田11:45ー16:15コペンハーゲン(SK984) コペンハーゲン(デンマーク)
 6/26 コペンハーゲン14:10ー15:30ベルゲン(SK968) ベルゲン(ノルウエー) AM、コペンハーゲンPM.ベルゲン
 6/27 ベルゲンーフロム鉄道ーベルゲン ベルゲン(ノルウエー)  ソグネフィヨルド地区
 6/28 ベルゲン10:28ー17:52オスロ                 (NSBベルゲン鉄道) オスロ(ノルウエー)  
  6/29 オスロ17:30ーストックホルム22:15(LinX) ストックホルム(スエーデン)  オスロ
 6/30 ストックホルム(スエーデン)  ストックホルム
 7/1 ストックホルム17:27(NightTrain94 車中  ストックホルム
 7/2

ー13:40ナルウィック15:45ー17:16アビスコ(Train93

アビスコ(スエーデン)  ナルウィック(ノルウエー)
 7/3 アビスコ  アビスコ
 7/4

アビスコ11:00ー(バス)-12:25キールナ13:35ー(SK1045)-15:05ストックホルム19:25ー(SK6883)-21:20ヘルシンキ 

ヘルシンキ(フィンランド)
 7/5 ヘルシンキ ヘルシンキ
 7/6 ヘルシンキ12:50ー(SK717)-13:30コペンハーゲン 15:45  ー 機中
 7/7 (SK983)-成田

 

 成田からスカンジナビア航空(SAS)(SK984)エアバス340はデンマークのコペンハーゲンに着きました。

 

 1泊し、翌日午後のSASで、ノルウエーのフィヨルド地区の玄関口ベルゲンに飛びました。コペンハーゲンは小雨でしたが、ベルゲンは快晴!背後の山から見るフィヨルドの海とベルゲンの街は素晴らしい!

 

 27日は最もポピュラーなソグネフィヨルド観光に国鉄ーバスー船ーフロム鉄道ー国鉄のコースで廻り、ベルゲンに戻りました。そのまま、オスロに行くことも出来ますが重い荷物を持ち、歩き廻りたくなかったので、ベルゲンに戻りました。ツアーですと、荷物のケアーをしてくれ、貸切バスで他のフィヨルド、氷河などを効率よく見て廻れるようですが、個人旅行ではそうは行きません。しかし、この夜、ベルゲンのうまいシーフードを思い切り堪能でき満足しました。

 

 翌28日はベルゲンーオスロ間のノルウエー国鉄NSB、ベルゲン線に乗りました。この鉄道はNHK、BSの「世界の山岳鉄道」でも紹介されましたが、ノルウエーの厳しい山岳地帯を越えてゆくので、最高地点では 、 森林限界を越え、雪山とみずうみの荒涼としたところを走ります。スイスのベルニナ線と良く似ています。

29日は 夕方、高速列車Linxで、スエーデンの首都ストックホルムに移動するまで、オスロをトラムで巡りました。

 

 ストックホルムは北欧のベネチアと言われる水の都。ベネチアより、規模が大きく、海と古い町並みの素晴らしい風景を船と足でめぐり、いささか、疲れました。クラシックなトラムも1路線だけあり、楽しめました。

 

 7月1日夕方、最も楽しみにしていましたNightTrain94に乗車です。スエーデンを北上し、北極圏に達し、ノルウエーのナル ウィックまで、20時間余りをかけて走ります。スカンジナビア半島はそれ程大きいという感覚を持っていませんでしたが、1540kmあります。東京から鹿児島より遠いのです。シャワールームの付いた1等個室寝台が 予約できました。広くはありませんが、ベッドは柔らかく、充分な広さがあり、ぐっすり休むことが出来ました。翌2日から2泊する予定のスエーデンの北端アビスコより、国境のサミットを越えると列車はフィヨルドの上に出ます。

 

 

フィヨルドを上から俯瞰できるのはこの鉄道だけとのことですが、終端部から、フィヨルドを見下ろしながらナルウィックまで下ってゆきます。正に、素晴らしいパノラマです。

 

 

 世界最北の旅客駅ナルウィックに駅に列車は到着しました。折から雨が上がり、広がる青空に海から雲が湧き上がっています。ナルウィックは不凍港で、スエーデンのキールナで産出した鉄鉱石の積み出し港です。この鉄道も鉄鉱石輸送の為の鉄道で、ノルウエー国鉄はナル ウィックまで来ていません。

 ナルウィックで2時間を過ごし、折り返しの列車でアビスコまで戻りました。ここでアビスコツーリストステーションという国民宿舎のようなところに2泊しました。この宿はシャワールーム付のホテルに近い部屋、ユースホステル、貸し別荘のようなキャビンを持つ大きな施設ですが、アビスコにはここしか泊まるところはありません。空室待ちでやっととりました。ここは北極圏、夜でも太陽は沈みません。

 

 

午前0時、みずうみの対岸の山に半分隠れた太陽です。ミッドナイトサンを拝み、部屋に戻り、さあ、寝ようとおもっても明るくて容易には寝付けません。妙な感じです。

 全長1000kmにもなる「王様の散歩道」などを歩くなど、考えもしませんが、アビスコには2-3時間で廻ることのできるハイキングコースがたくさんあります。

 

 

北極圏の先住民族ラップ人の聖地、ラップポルテンです。この山を眺めながら、残雪のある山に登り、アビスコ川の激流に沿ったりして、12km、5時間程歩きましたが余り疲れを感じません。

 

 このような奥地に入り込んだ報いとして、4日は速く人里の戻らねばなりません。4日は飛行機でストックホルム経由フィンランドのヘルシンキ迄の移動です。本当は、ボスニア湾に面した北スエーデン最大の 町、ルーレアまで、列車で行き、ここから、バスでフィンランドのケミという町まで移動し、フィンランド国鉄VSでヘルシンキ迄、南下したかったのですが、タイムリミットで、飛行機利用となりました。

 

 ヘルシンキは広い道路が縦横に走り、清潔な街です。トラム網がありこれを利用し、廻りました。

 旅をしていると時間が速く流れます。あっという間に帰る日が来ました。6日にヘルシンキを発ち、コペンハーゲン経由SAS、SK983便で7日に成田に帰りました。

 

 以上、ざっとお話しましたが、いま少しページをかえて、お話したいと思います。下のアイコンをクリックして、ご覧頂きたく思います。

 

 

 


 

この旅のメモ

旅の計画

 好きな列車、電車に乗りたい!行きたいところへ行きたい!押し付けの観光や土産物屋には行きたくない!夜は好きなものを食べ、お酒も気兼ねなく飲みたい!というわがままの理由で、殆ど、パックツアーには参加していません。

 でも、個人旅行は高くつくのでは?と言われますが、結果的にはツアーと余り変わりない費用で収まっています。ホテルは3星クラスとしますので、ツアーよりは少し落ちるかもしれません。でも、バス(シャワー)ルームが付いているので、充分快適です。

 3ヶ月程前から、「地球の歩き方」、「トーマスクックの列車時刻表」などを参考にスケジュールを決めます。

 費用のかなりを占めるのは航空運賃です。旅行会社が売っている安売り航空券を求めたこともありますが、最近はJAL悟空のような航空会社の正規割引(PEX料金)で航空会社より直接買います。1割ぐらい高いようですが、マイレージが多く付く!座席が選べる!何より、航空会社より正式のお客さまとして扱ってもらえるので、何かあった場合、サポートしてもらえるようです。

 今回は初めて、スカンジナビア航空(SAS)を使いました。これは、旅程が2週間に限られ、北欧内で、3回、飛行機を使わざるを得なかったためです。SAS便を使う外国人のための北欧内の便を大幅に割り引くパスがある為です。

 列車、ホテルも今回は全て、事前予約しました。北欧は夏に観光客が集中し、列車本数も少ないので、個人旅行の面白みは半減しますが、仕方がありません。鉄道パスを持ち、ホテルはついてから部屋を見て決めるなどというのはスイスなどでは出来ますが、夏の北欧では一寸危険です。事実、ストックホルム駅で、翌日の ナルビック行きの列車が満員で、困っていた日本の若いカップルを見かけました。

 北欧はIT先進国とのことで、大半をインターネットで予約しました。しかし、ブランクに必要事項を書き込む予約サイトを持っているところは少なく、あっても英語のサイトがありません。結局、E-mailでの予約が殆どでした。一寸面倒なようにも思いますが、人の言葉で対話、確認できるのは案外信頼性がある感じでした。

 北欧のホテルは高いのですが、割引カードがあり、これをもっていれば、かなり安くなるところがありました。2000円程度の買えばいいので、利用しましたが、このシステムは不思議です。

  ヨーロッパの列車の予約は旅のパーツを扱っている旅行社でも、手数料は掛かりますが、可能ですので、相談しましたが、北欧の場合、観光路線であるノルウエーのベルゲン線などは出来ましたが、その他の路線は出来ない場合が多いようです

旅の言葉

 北欧の人々は流暢な英語を話します。殆どの人が話せるのではないかと思います。街で聞こえてくる言葉も英語が多く、あるいは現地の人の間でも英語でしゃべっているのではないかとも思いました。これは旅人としては快適です。 一方、パンフレット、案内表示などは現地語が多く、この差に一寸戸惑います。でも、北欧は間違いなく英国以外で最も英語の通じるエリアと言えます。

 ヨーロッパでは、南に行くほど英語が通じなくなる傾向にあるようです。フランスまでは何とか英語で旅行できるますが、イタリアに入ると途端に駄目です。自分の足で歩く旅人は街中で、道を聞かねばならぬことがしばしばあります。昨年、南イタリアに旅行した時、NHKのイタリア語講座を2ヶ月聞き、道を聞く方法を覚えて行きましたがこれは大いに役に立ちました。今回、スペインに行きたかったのですが、安全の問題以外に言葉の問題があったのです。スペイン語をかじるのが面倒でもありました。

 北欧はこの点ではあたりでした。

お食事

 「北欧は物価が高く、食事にかかる費用も日本以上である」とガイドブックにありましたが、消費税とサービス料を合わせて25%も付きますので、高い筈です。ビールは日本並、ワインはもっと高い!でも、ケチって、セルフサービスの店などで、食事をするのも旅がミジメになります。良い方法に気が付きました。それなりのレストランに入りメインディッシュだけを注文すれば良いのです。周囲を見ても皆さんそうしています。これにイモとパンが付いてきますので、腹は満たせますし、お料理もそれなりに豪華で満足できます。イモと言いますが、北欧の方々も芋食い民族のようで、単純に蒸かしただけのジャガイモですが結構美味しいのです。夜はビール、ワインは欠かせませんが、リーズナブルなお支払いで済みました。お昼は生理現象の問題を考え、ビールをひかえましたが、その場合、何かお飲み物をと言われ、飲みたくないジュースなどを注文せねばなどと思いましたが、何気なく、水でいいよと言うと、冷やしたお水を持ってきてくれました。水道の水ですので、無料です。レストランによりお冷を言わなくても持ってくるところもあります。日本人にとって快適であり、安くもあがります。外国では水道の水は飲めないと思っている人が多いようですが、これは迷信だと思います。ヨーロッパの多くの国では水道の水が飲めます。

土地により、ここの水道水はうまいよ!と自慢しているところもあります。

北欧の国でも殆どのところで水道の水が飲め、冷たくうまいところもあります。

 細かいことですが、多くのレストランに爪楊枝がおいてあり、現地の人も結構使っていました。これは、他のヨーロッパの国では見かけないことです

街の安全性

 北欧はヨーロッパの中でも治安が良いというのが、定評ですが、最近、周辺の国から、集団スリ団が入り込み旅行者を狙っていると、ガイドブックや外務省の海外安全HPにありました。

 コペンハーゲン空港から電車で中央駅に着いて、降りようとした時、車両の狭い通路に若い男が立ちふさがっています。反対に行こうとしましたが、同じ様に男が立っています。仕方がないので、Excuse meと言って、車外にでようとしましたら、男はSorryと言って体を避けました。 これだけで、被害にあったわけではありませんが、これは集団スリの手口で条件があえばとり囲み、犯行に及ぶのだと思います。以前にフランスのニース駅で、ミラノ行きの列車に乗るとき、同じようなことを経験しました。このときも被害にあいませんでしたが車掌が来て、何か被害が無いかと尋ねられましたので、初めて、集団スリに狙われたことが分かりました。大きな荷物を持ち、移動する時は気をつけねばなりません。

 これ以外には危険なことも無く、街は総じて安全な感じです。ストックホルムのおもちゃ屋で、ビデオカメラを置き忘れ、30分後に気が付き、店に戻りましたが、ちゃんと保管してありました。基本的には人々のモラルも高いようです。

 

(2004-07-30)


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