6章

ハリーが誕生日を迎えるか、その翌日の結婚式に出席したら、直ちに自由な旅に出かけると私は疑っていませんでしたが、意外とウィーズリーおばさんが曲者でした。
不思議なことに、自分自身は断然モリーに近い立場にありながら、感情移入しているのはハリーの方でした。

グリモールドプレイスの話題で、またさらりとスネイプ先生の名が出てドキッとします。
当然ですが、もうすっかり敵として扱われ、先生が現れることを想定し、秘密を洩らさないよう策が施されているというのも悲しいです。でも、その策も万全ではなさそう。
スネイプ先生は今後、グリモールドプレイスに現れるのでしょうか?

なかなか揃って話す機会のなかったハリーたち3人がようやくロンの部屋に集い、面白くなってきました。ロンの、マッドアイは生きている説も興味を引きました。やっぱり遺体が発見されない以上、私もそう考えたくもなります。
ホークラックスを探す旅にハリーは二人を巻き込みたくなさそうですが、準備は着々と進んでいました。ハーマイオニーがなぜこの夏休みに自分の家族と過ごさないのか、それを両親が不審に思わないのか不思議でしたが、やっとわかりました。既に両親は自分たちの娘の存在を忘れさせられていたとは!ハーマイオニーもそこまでの覚悟をしていたとは!
ロンのグール作戦はどうも成功するとは思えません。というより、2巻でその存在が仄めかされた屋根裏のお化けがこんなところで利用されることに驚きました。

でももっと驚いたのは、ハーマイオニーがホークラックスに関する本を手に入れていたことでした。しかも簡単な呼び寄せ呪文で。図書館に一切資料がなかったのは、資料が存在しないからでなく、その場になかったからとは思い至りませんでした。ダンブルドアは、生徒や教師の目に触れないよう隠していたのか、自分がそれを研究するため持っていたのか、本当のところはどうなのか読み取れませんでした。

ウィーズリーおばさんの干渉は、ちょっと疎ましくすら思っていましたが、疲れた様子や、ハリーの目を見た後の悲しそうな笑みに、胸を打たれました。かつて、ロンの兄弟たちも、上から順に、こんな顔をさせてきたのだろうか、と思いました。

2007.9.12

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