35章

まずタイトルに違和感を覚えました。この状況でなぜ?キングズクロス??

とりあえずハリーの思考は続いているようで一安心したものの、不思議な空間といい、着るものが現れるところといい、死後の世界なのかと疑います。

小さな赤ん坊のようなものは、ヴォルデモートなのでしょうか。
4巻で大鍋の中に投げ込まれた縮こまった人間の子供のような『赤むけのどす黒いもの』と同じ姿なのでしょうか。

ダンブルドアが登場し、ますますこの世界に疑いを持ちましたが、ダンブルドアは「ハリーは死んでいない」と言うし、一体…

ダンブルドアの説明は、正直ややこしくてよくわかりません(汗)
しかし、若い頃の過ちにずっと苦しめられてきたのだと知りました。
スネイプ先生といい、人の命にかかわる過ちは、深い傷となって一生癒えないのだと思いました。
ずっと昔の、妹が死んだいきさつを告白して泣くダンブルドアに、多分ハリーは共感したのだと思います。ハリーがダンブルドアの腕をきつく握っていましたから。
そうするうち、ダンブルドアは落ち着きを取り戻していきました。
ダンブルドアの告白は、ハリーの信頼を回復させ、同時にハリーに共鳴する多くの読者も納得させたのでしょうか。
私は、この章を読んでも、保留にしておいた気持ちに変化はありませんでした。
つまり、スネイプ先生はいいように利用された、と33章後に感じた気持ちはそのままで、ダンブルドアに対する信頼は回復しなかったということです。

ダンブルドアは本当に頭が良いです。
何もかもずっと先を見越して、先手を打ってあって。
なのに、なぜ、エルダーの杖の正当な所有者であるスネイプ先生の命が狙われることまで想定できなかったのか。リトルハングルトンでの出来事以来、いずれヴォルデモートが手に入れようとするとわかっていた杖をなぜ、スネイプ先生に受け継いだのか。
「Poor Severus...」の言葉が虚しく感じられました。
ああ、本当に可哀想なスネイプ先生。
ダンブルドアの計画で望まぬ殺人を犯し、魂は引き裂かれ、その結果得た杖を使いもせず、所有権を奪われるためだけに殺されて。
Poorじゃ済まない!! 先生が浮かばれない!
どうか、残り少ないページの中にスネイプ先生を救う何かが、示されていますように。

どうやら、この章のこの場面、ハリーの頭の中の出来事だったようです。
戻れば苦痛が待っているようです。何か、まだ喪失がありそうで、とても怖い。

2007.12.18

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