34章

スネイプ先生の記憶から戻ってきたハリーの、スネイプ先生に対する気持ちの変化を示す描写が全くなく、少し期待はずれな感じでした。
ハリーはもちろん、自分の運命に呆然としてスネイプ先生のことなどどこかにいってしまったのでしょう。そして、私自身がスネイプ先生の死に呆然となっていて、ハリーの衝撃を十分思い遣れなかったことにここでようやく気付きました。

自分の心臓の鼓動を意識しつつ歩き始めるハリーが痛ましいです。
突然生きる時間を限定されて、死に向かうとわかっていて歩みを進めるのは、どんな気持ちなのか。想像の限界を感じました。

Resurrection Stone(復活の石?)は思い描いた人が出てくるのでしょうか。
両親とシリウスとルーピンが現れ、それは他の人には見えないようです。
これは一体どういうものなのだろうか、と疑問に思いました。というのは、リリーやジェームズが、死にゆく息子を励ますように寄り添って歩くことはやっぱり不自然な感じがするからです。両親なら、それがどんなに崇高な行動だとしても、息子だけは生きのびる方向を目指すような気がするのです。
やはり、ハリーの創り出した自分を納得させるための幻覚なのだろうか、それとも死を超えた人たちにとっては、息子の死すら恐れないものなのか、などと考えていました。

緑の閃光が放たれて終わったこの章、ハリーがこれで終わったとは思えません。
まだ40ページ程残っているし、ロンとハーマイオニーがこの章で出てこなかったし。
すぐ次の章を読もうと思います。


2007.12.15

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