Nikon D100

2002年6月に発売された、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「D100」。
発売から1年以上経って、競合機が幾つも出てきても、未だ売り上げを伸ばしている、

このクラスとしては大変完成度の高いデジタル一眼レフだ。

対象ユーザーは、ハイアマチュアからプロまで。特にハイアマチュアをターゲットに
作られたが、プロのサブ機としても使えるように、画像クォリティが高く設定されている。
そのため、一発できれいな絵では無く、どちらかというと地味でアンダーな絵だ。
その辺が好みの別れる所だと思う。
ただ、私としては、銀塩の、フジ系の派手な色合いよりも、コダクローム64(KR)の
地味だが深い、落ち着いた色合いが好きなので、D100の色合いは好感がもてる。
とは言っても、画像によっては、そのままでは冴えない場合が多いので、トーン補正などを
最小限施して、実物の明るさと色合いに近づける処理はしている。

D100を購入するため、虎の子の「クールピクス5700」と、「サイバーショットF-707」、
そして、楽器の一部を売って資金を作った。
そこまでしてD100が欲しかった理由は、軽快な撮影レスポンスとAFのスピード。
銀塩一眼レフと同じ感覚とレスポンスで撮影が出来るからだ。
運動会や子供の表情などの撮影に、絶大な威力を発揮する。

D100を購入するにあたり、キャノンのEOS 10Dにするか、悩みに悩んだ。
実売価格は両者とも同じ。 EOS 10Dは鮮やかな絵と、素早いレリーズ感。
D30時代からの歯切れ良いレリーズ感が良い。しかし、私はEFレンズを持っていない。
D100は銀塩で使っているニッコールがそのまま使える。
また、EOSよりも少しだけレリーズ感が遅い感じがするが、さほど気にする程ではない。
迷いに迷った末、結局、D100に決めた。
決め手となったのは、「カメラ」としての魅力だった。
性能云々というより、AEなど無かった時代、マニュアル露出とマニュアルフォーカスの
一眼レフで育った私には、昔ながらのカメラの雰囲気、操作感が、何よりも嬉しい。
ニコンのカメラにはそれがある。それがニコンを好きな理由でもある。
私は、右親指はフィルム巻き上げレバーを、絞りはレンズの絞り環で、というのが「一眼レフ」だ!と、
未だに感じている古いタイプの人間なので、絞り環の無いレンズはどうしても馴染めないのだ。
それが以前にも銀塩を買い換える時、ニコンにするかキャノンにするか、迷った末に
ニコンを選んだ一番の理由だったのだ。
自動化が進んだ現在、絞りを絞り環で操作することは無くなった。
しかし、やっぱり「見てくれ」だけでも絞り環はあって欲しいと思う。
また、D100は自分の銀塩と、ボタン位置や機能などが共通している部分も多い。
そんな幾つかの理由で、デジタルもニコンに決めた。
それに、本体だけ買えば、レンズは持っているので当面買う必要が無い。
EOSも性能が素晴らしいが、私との「相性」の面で、購入を見送った。

D100を購入して、本当に良くできたカメラだと思った。
操作もF−801と共通部分が多く、ほとんどマニュアルを見なくても使える。
デジタル部分も、クールピクスと操作がほとんど共通なので、こちらもOK。
連写性能の若干の低さを除けば、その他はニコン銀塩一眼レフと全く同じに使える。
D100にして、本当に良かった。これが私の感想である。

AF NIKKOR 35〜70mm F3.3〜4.5
レンズがDタイプでは無いが、銀塩と共通して使えるのは便利だ。
焦点距離は35ミリ換算で、53〜115mmとなり、ポーレートレンズと
なった。もう12年使っているレンズ。
やはり広角が一本欲しいところだ。
AFモード切替スイッチはレンズ横の、レンズロック解除ボタンの下。
この辺のレイアウトも銀塩と全く同じで、何の違和感もなく使える。
銀塩からのニコンユーザーにとっては大変ありがたいものだ。
AF NIKKOR 75〜300mm F4.5〜5.6
もう12年も前のレンズなので、今の望遠ズームよりも
かなり大きく、直進式なので余計長く感じる。
昔はズームと云えば直進式が定番だった。
今は回転式で、レンズの長さがほとんど変わらない。
時代の流れを感じる。
35ミリ換算で、113〜450mmとなり、ポートレートから
超望遠までカバーするレンズとなった。
使ってみると、とても使いやすい焦点距離で、ブレさえ気を付ければ、
かなり広い範囲で使うことが出来る。また全域でマクロが使える。
特に今まで300mmで寄りが足りない場合が多々あったので、
450mmまで寄れるのは、大変有り難い。
裏側
各ボタンが使いやすく配置されている。
操作性も抜群で、フィールドに出たとき、咄嗟の事態に
素早く対応できる。
不満点は、プレビュー時、拡大操作がボタンとダイヤルの同時操作
となる。拡大表示モードの時にはダイヤルのみで操作出来て欲しい。
また、接眼部の、アイキャップが、D100に合うものが無い。
EOSの様な大きなアイキャップが欲しいと思う。
理由としては、MF時、ファインダーを覗く目の横から光りが入り、
フォーカスが合わせ難いのだ。微妙なフォーカスリングの操作が
必要な時に、横から目に入ってくる光は大変困る。
D1シリーズにはあるのだから、D100用にも作って欲しいと思う。
上面
光軸を中心として、ボディは銀塩よりも、若干右側に寄っている。
オリンパスほど右寄りでは無いが、銀塩(F-801)と比べると
パトローネ半分ほど違う。
銀塩の場合は、パトローネをシャッター装置の左に格納しなければ
ならないため、左にフィルムケースが必要だが、デジタルの場合は
その必要がが無いため、制約がない。
しかし、デジタル回路やバッファメモリー、メディアなどに場所を
とられるので、内部はギッシリらしい。
また、ペンタプリズム上部にストロボを内蔵しているので、
頭がかなり大きく、また前に長く突き出た格好になっている。
上面右側操作部
大きなディスプレイと、レリーズボタン、その周りに電源スイッチ環。
露出補正とストロボモードのスイッチが並ぶ。
電源スイッチはファインダーを覗きながらも確実に操作できるので、
とても使いやすい。また電源の立ち上がりも瞬時で、銀塩並。
ディスプレイの横に照明スイッチがある。

露出補正ボタンは、撮影時に一番よく使うボタンの1つ。
少し操作が窮屈だが、ファインダーを覗いたままの状態で
操作出来るので、大変便利だ。
補正量はボタンを押したままメインダイヤルを親指で操作する。
モードダイヤル
プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル、
以上4つの撮影モードがある。
シーンモードは搭載されていない。その意味では一眼レフ初心者
には難しい面があるかも知れない。が、以前の一眼レフはどれも、
シーンモードなど無かったのだから、これが普通と言える。
言い換えれば、私にはこれで充分だろう。コンパクト一眼デジカメの
時も、シーンモードはほとんど使ったことが無かった。
全て上記の4つのモードで使っていたので、これだけあれば
良いといえる。
モードダイヤルの外側にある連写やセルフタイマーなどを設定する
コマ送りスイッチは、ロック解除ボタンを押しながらでないと操作
出来ない。これは使いづらい。
シャッターボタンとサブダイヤル
シャッターボタンにはレリーズ取り付けネジがあり、
昔ながらのレリーズケーブルが取り付けられる。
電子式フォーカルプレーンシャッターでは、レリーズも
電子式のコネクタが多くなっている昨今、機械式レリーズは
懐かしく、少年時代を思い出した。
しかし、ボタンのネジ山の強度に多少の不安を感じる。
電子式のコネクタもノーマル状態で付けて欲しかった。

サブダイヤルは主に、絞りの変更に使うが、
慣れるまでは多少まごつく。
内装ストロボ
ストロボは手動操作でポップアップする。
自動ではポップアップしないので、最初は戸惑ったが、
自分の意志でストロボにするかしないかを制御出来るので、
こちらのほうが使いやすいと思う。
また、ストロボの位置が高めなので、レンズの影が
出来にくい。
個人的な好みではあるが、ポップアップ時、ペンタプリズムの
入っている部分が、F3のファインダーユニットに似ており、
格好良く感じる。
ファインダー内部
実際にデジカメをファインダーに近づけて撮影したもの。
ユーザー設定で、格子線表示にしてある。
風景の撮影では、とても重宝する。
下の情報表示も見やすい。
* 撮影 SONY Cyber shot DSC-P2