My Bass History 1983年........2001年

もうエレキベースを弾き始めて25年くらい経つ。
腕はからっきしだが、ベースは大好きだ。

思えば、ベースとの出会いは中学生の頃。
その頃フォークギターをやっていたが、友達に誘われて家に行った時、そいつの友達もいて、セッションを見せてくれた。
友達はエレキベース(プレシジョンベースモデル)、その友達はエレキギター。
当時フォークギター一辺倒だった僕には、かなりショックだった。
「電気楽器」なんか大人が使う物で、中学生には「弾けっこ無い難しい楽器」、、だと思っていたので。
それが、そいつらが楽しく弾いているのを見て、「なんてスゲ〜んだ!」って思った。
エレキは指が早く動かなければならないので、ベースならなんとか出来るかな?
と、思ったのが、エレキベースとの出会いの第一歩。
その場で、少し教えてもらったが、全くちんぷんかんぷん。

高校生の頃、僕の人生はフォークギター一色だった。いや、クラブは天文部で熱心な部長だったが。
どこかの唄の、「フォークソング狂いのバカ息子」、そんなもんだった。
毎日4時間はギター弾いて歌ってましたね。(家族は迷惑だったろうな)

次にエレキベースとの再会は、高校を卒業して後、中学の時から通っていた教会で、コンサートを開いた。
その時に呼んだバンドが、「ザ・メッセンジャーズ」というグループ。
ギター、ベース、ドラムスのトリオで、全員が歌う。当時、このバンドにはシビレたよ。
ベースはプレシジョンを使っていた。ただ、その頃の僕は、どちらかというと派手なエレキの方に目が行っていた。
カミサン(当時高校1年生)と最初に出会ったのもこの頃。

1983年頃、正確には覚えていないが、22歳くらいで、初めてベースを買った。
ミュージックマンのスティングレイ。色はタバコサンバースト。
アーニーボール社に買収された後のモデルで、ネックのジョイントは4点留め。オリジナルは3点留めだ。
早速ベースの勉強を始めたが、周りに誰もベースを弾く人がいない。
フォークギターもそうだったが、ベースも本と睨めっこしながら孤軍奮闘。
フォークギターと違い、なかなか理解出来ない。だんだん飽きてきた。
そうこうしているうちに、バンドの新メンバーが入った。彼にベースを割高で売って、シンセサイザー(ヤマハDX7)を買う。
あ、もちろん彼に売った値段は、買った値段の半分くらいですよ。

結婚してから、またベースをやりたくなった。と、いうかベースが必要になった。
そこでカミサンに相談して、お茶の水のイシバシ楽器店に行く。
1986年の終わり頃で、アクティブサーキット搭載ベースの全盛期。
ケン・スミス、フォデラ、そしてスペクター。スタインバーガー(ヘッドが無くて有名)やアレンビックもあったな。
色々検討した結果、個人的にはスペクター(NS−2)が欲しかったが、中古だったこともあり、
結局ケン・スミスBT.STANDARDを買った。これは材質が色々あり、僕が買ったウォルナットは日本に3本しか無いものだった。
当時50万円したぞ。カミサンに感謝。

そのケン・スミス、買って三日後くらいに、アクシデントで転倒。
見事アクティブサーキットがお釈迦! サーキットをバルトリーニに交換したが、どうも音が気にくわない。
しかしまあ、仕方なく使い続けることにした。

数年後、仕事を辞め、女房子供を抱えて奈良県にある生駒聖書学院に入学。
アルバイトをしながらの学校で寮生活。(学校には独身寮、家族寮とも完備)
在学中、スラップの良い音が出るベースが欲しくなり、奈良の楽器店を徘徊。
そこで見つけたのが、ミュージックマンのスティングレイ5。 中古だが、状態はほとんど新品に近い。
持っていたカーツェルのMIDI Board(88鍵のMIDIコントローラーでこちらも新品同様)と物々交換を申し込む。
楽器店も、僕のMIDI Board の状態の良さにビックリ。 文句なくその場でスティングレイ5と交換してくれた。

そうこうしているうちに、友人の牧師がベースが必要になり、僕のケン・スミスを3万で売る。
かくして、スティングレイ5がメインベースになった。

生駒聖書学院を卒業し、数年が経った。
教会でエレキベースを担当しているが、どうも音色がしっくりこない。
いろいろと調整したり、音色を変えてみるが、音楽に合わない。これはカミサンも認めた。
ある日の礼拝後、カミサンに「どうだった?」と聞いたら一言、「音がサイテー!」と言われた。
これにはかなり傷つきましたね。ちょっと立ち直れなかった。(笑)
そこでカミサンと相談し、違うベースを探し始めた。


楽器店を巡って試奏した挙げ句、
結局たどり着いたのは、スペクターの音。
フィンガーで良し、スラップで良し、ピックで良し、これに決めた。

さっそくあちこちの楽器店に聞き込みを開始。
そして新宿のROCK INN で、
ヨーロッパ製のスペクター(NS-5 CRFMを注文。

色はナチュラルオイルフィニッシュ、 5弦でトラ目がよく出ていること、 
作りがしっかりしていること、 音が良いこと、 
同じものが数本あるなら選べること、
他の店より安いこと、 見て気にくわない個体なら買わない!!
と、注文をつけて頼んだ。10月中旬の事だ。

スペクターはなかなか在庫が無い。
あっても色が気にくわなかったりする。
特に5弦のトラ目(NS-5 CRFM)は4弦に比べて入荷量が少ない。
1ヶ月経っても入荷しない。
オカダインターナショナルさんにも直接電話して、
一番トラ目のキレイな個体を回して欲しいと頼む。

結局、入荷したのは12月半ば過ぎ。 2ヶ月待った。
税関、運送、そしてオカダさんでの最終調整が終わり、
楽器店に入荷して、すぐに引き取りに行く。
5弦が2本、4弦が1本入荷していた。
何度も弾き比べ、眺め、悩み、そして、この1本に決めた。
音も良く、トラ目も一番ハッキリしている。
その日は、2001年12月23日、金曜日だった。

あれから約5年、僕のスペクターはとても良い音で鳴ってくれている。
ひとつだけ、NS-5はスケールが長いので、ロングスケールの弦では
弦の長さが足らない。
スーパーロングの5弦(結構高いよ!)を買わなければならないのが
難点だが、ルックス、音、弾きやすさ、最高ですね。

やっとたどり着いたスペクター、、、

落ち着く所に落ち着いた、という感じだ。

最後に、、、 「音がサイテー!」
と言って、僕(傷ついたぞ)にベースを換える決心をさせ、
買うのを承諾してくれたカミサンに感謝!。