思わず「へぇ〜」なんていっちゃいそうなコラムを書いてみました。


オシドリ夫婦の意外な真相

 オシドリといえばなんといっても仲の良い夫婦の例え、「オシドリ夫婦」が有名です。その昔、オシドリのつがいの1羽を捕らえてしまうと、残ったもう1羽がいなくなった相手を思い続け、挙句の果てに死んでしまうという言い伝えがありました。この、「思い死ぬ鳥」という言葉が短くなって、オシドリという名前が付けられた、という説もあるほど。このように、オシドリの夫婦仲の良さは昔から有名だったのです。

では、実際のオシドリは本当にそこまで夫婦仲が良いのでしょうか。確かにオシドリのつがいを見てみると、いかにも仲むつまじく寄り添っているように見えます。しかし実際、寄り添っているというよりはオスが一方的にメスのそばにくっついているのが現状のようです。ラブラブなカップルがいる一方、メスに恵まれないはぐれオスもでてくるのです。そんなオスたちから、自分の奥様を取られないよう、寄り添って見張っているのです。そればかりではなく、オスはタカなどの天敵からも、メスを守ります。オスは敵を見つけると、羽をバタバタさせて、自分が傷ついたフリをして敵の目をメスから逸らします。そのスキにメスは安全な場所へと逃げることができるのです。これを擬傷行動と呼びますが、まさに命がけの技。そこまでして、オスはメスを守り抜くのです。世の女性たちからすれば、ここまでしてくれる男性に恵まれるオシドリは、とても羨ましく思えることでしょう。しかし、現実はそう、あまくはありませんでした。

 オスの懸命な保護ののち、やがてメスは卵を産みます。ところがオシドリのオスは、メスが卵を産むと、抱卵や子育てを手伝うこともなくメスのもとから去っていってしまいます。産卵前はあれほど尽くしていたのにも関わらず・・・実はオシドリに限らずカモの仲間の多くは、繁殖のたび、毎年のように恋のお相手を変えるため、一生同じ相手と暮らすわけではないのです。しかもメスのもとを離れたオスは、また別のメスに出会うとその場で求愛の行動をとることもあるようです。オスにしてみれば、自分の子孫をいかに多く残すか、これが一番大切なことなのです。人間の世界で例えると「こんな男最低!」と思われる方もいるかもしれませんが、自然界ではいつ、自分の子孫が消えてしまうかわかりません。これも生き抜いていくための手段の一つなのです。

 こうしてみると、相思相愛というオシドリ夫婦のイメージが崩れてしまいますが、これも自然界のおきてなのでしょうか。オシドリのカップルがラブラブなことだけは確かでが、それも卵が産まれるまでの間だけのようです。「オシドリ夫婦は一時的なもの」といった現実を知ると、ちょっぴり残念ですね。ちなみに猛禽類やツルの仲間は生涯同じ相手とペアを組むものが多いので、オシドリよりは良い夫婦、といえるかもしれません。あくまで人間の目から見たら、の話ですが。