ポールのお気に入り「epiphone casino'62」

ジョンがラバー・ソール頃から使い始めたこのギターは、リッケンバッカー325同様「ジョンのギター」としてビートルズ中後期における
顔となった。ビートルズ時代のジョンが使用したエレクトリック・ギターは、基本的に3本(Ric325×2、epiphone casino×1)だけ。選ばれたギターである。
エピフォンは最初ポールがビートルズに持ち込んだ。テキサンというアコースティック・ギターを購入し「イエスタデイ」を作った。
ポールはその後カジノと出会い、アルバム「ヘルプ!」ではポールが弾くカジノの音を聞くことができる。(アナザー・ガール、涙の乗車券がそれ)
ジョージも中期に愛用し、サージェント・ペパーでは彼のカジノサウンドが確認できる。
そしてジョンはジョンらしくこの楽器を操っていた。例えばゲットバックのソロにおけるブルージーな音質、ジ・エンドでの超ドライブしたソロ、
レボリューションにおけるトリッキーなイントロなど、このギターでの印象的な名演はリッケンバッカー以上に多いんじゃないかナ。リッケンバッカー325の時は
リズムに徹していた感があったが、カジノに持ち替えてから、ギター演奏が積極的になったような気がする。
ヨーコ・オノとの出会いと共に塗装が剥がされ、イマジンの頃まで愛用されたカジノは、今もジョン・レノン・ミュージアムに実在する。
ジョンの魂を感じるギターだ。
それにしても、ビートルズのメンバー3人に愛用されたこのギター、なんて幸せ者なんだろう!
(J)
写真は、ANNYジョージ所有のCASINO’62。(1985 谷口楽器オリジナル)
ギターシンセ用PIKUPが常備されている。
またブリッジ(サドル)は、彼らと同じくプラステイックのものに交換されている。
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